一晩明けて、ホテルの駐車場から赤い車が走り出した。ただし、運転手は昨日と逆転しているのだが。
「……おはようアスナちゃん」
「……おはよう、ございます……」
眠い目を擦りながら、アスナは何度目かの欠伸をしてシートに身を預ける。
昨晩の疲れが残る身体は少し気怠くて、ぼんやり窓の景色を眺めていると強い睡魔が襲ってきた。
「やっぱり昨日はハメを外し過ぎたね。今日からが本当の撮影だけど大丈夫?」
「それは、大丈夫だと思いますよ……多分」
「多分?」
「――多分……またいっぱい、精液を貰えたらまた元気になれそうですし……」
「アスナちゃん、本当に人間?」
唇を妖しくなぞる仕草に股間の熱が増すのを抑えハンドルを握る。
アスナとホテルに入って昨夜、股間が萎える事はなかった。というより、萎える暇を与えてなどくれなかったのだ。
シャワー室に入ってからも誘惑は止む事はなく、ひたすらに欲望をぶつけ合った。そして、ベッドに戻ってからもそれは続き、窓際や鏡の前、薄いドアの前や床とあらゆる所でハメ倒した。チェックアウト後に駐車場でシたのは流石にやりすぎで色々と問題があるので動画には残していないが、見つかればヤバいのだけは間違いない。
互いに疲れが残しつつも目的地への足は止めない。本当の撮影は今日からで、前日遊び過ぎて支障を来すなど言語道断で、プロ同士それだけはあり得なかった。
「おっ、見えてきたね」
走り出して程なく、今回の目的地である温泉街の看板が見えてきた。
「わぁぁぁ、湯気がここからでも見えますよ。あっ、お店もいっぱい……!」
子供みたいにはしゃぐアスナを横目に男優も観光地の賑わいに心が踊った。撮影で何度も訪れた場所だが、毎度絶世の美女と一緒なのだ。楽しみにしない男などいないだろう。
「平日だけど人も多いね。駐車場見つかるかな」
「大丈夫ですよ。私、事前に調べてきてますから」
鞄から観光雑誌を取り出して、男優に事前にメモしていた内容を見せる。ページはどれも皺だらけで付箋とメモがびっちりと敷き詰められたそれは彼女がどれだけこの撮影を楽しみにしていたのかが分かった。
アスナのナビに従い、難なく駐車場へと滑り込んだ車は停車して、男優は無事に辿り着いた事に安堵した。
「ようやく着いたね」
「はい、早く降りましょうよ。私、もう待ちきれなくて……」
アスナが嬉々とシートベルトを外し、ドアを開けようとしたところを男優が止める。
「ねぇアスナちゃん。今から観光するけどさ、普通に街を歩くだけじゃつまらないでしょ?」
「どういうこと……?」
「これを着て歩いて貰おうかなと思ってね……」
足元から紙袋を取り出してアスナに渡す。中を覗いた瞬間にアスナは慌てたように閉じて顔を隠した。
「嘘でしょ……。せっかく楽しいと思ったのに……」
肩を震わせ堪えきれないとばかりに笑う。
「やってみればきっと楽しいよ。それと――」
彼女の耳元に顔を埋め、支持を囁いた。途端に茹でタコみたいに顔を真っ赤に染めて恥じらうアスナに男優は満足そうに笑った。一年も女優をやってもなお恥じらいが完全には消えず元の育ちの良さが伺えるのもアスナの人気の秘訣であろう。
「ちゃんと言うこと聞いてくれるよね……?」
「バカ……」
アスナは赤くなった顔を袋で隠し、照れた視線を逸らした。だがっその素顔、羞恥の涙で潤んだその瞳は僅かな期待の光も宿していた。
※
公衆トイレの前で待つこと数分。
コーヒー片手に空を眺めていると着替えを終えたアスナが出てきた。
「おっ、来た来た……」
俯いたまま顔を赤らめた様子の彼女は足早に男のもとへ駆け寄ると潤んだ瞳できっと睨みつけた。(それでもアスナは可愛いのでむしろご褒美になっているが)
「どうしたの怖い顔して。何か悪いものでも食べた?」
「どうした……じゃ、ないですよぉ……! っこ、この格好はさすがに……」
アスナは着替えた服――夏用のセーラー服の裾を掴んで落ち着かなさそうに周囲を見渡していた。勿論正規品ではない普段撮影で使用している使い古されたコスプレだが、スタジオではない公共の場ではその作りの粗さがどうにも浮いているような気がした。それどころかセクシーさを出すためにサイズも小さく、生地も薄い。胸元で白いブラジャーは透けて裾も短くへそがわずかに見えている。おまけにスカートも短くしゃがめば下着が見えてしまうほどだ。
遠くはないものの何年か前に卒業して着る機会などないと思っていたこの装い。撮影では何度も袖を通し脱がされ破かれ向かれてきたが、私服姿の観光客が多い場所ではそんなことを想像し、どうにも気まずくなってつい周囲を警戒してしまう。
「別におかしくないでしょ。撮影で何度か着た事くらいあるじゃん」
「撮影ならあるけど……こんな人の目があるとこだと……」
「今回はカメラじゃなくて人の目だけでしょ。意外と人は気にしないから、あんまりビクビクしないで、そのほうが目立つよ」
「うぅ……でもぉ……」
アスナの意見も最もだった。
平日で普通なら学校の時間に制服姿の女がいれば観光地とはいえ視線は向けられる。おまけにアスナほどの美貌と制服越しにも明らかなスタイルであればなにかの撮影かと疑われても無理はなかった。
「それより、ちゃんと
「!? ……は、はい…………」
「見せてごらん」
男の有無を言わさぬ語気に、アスナは唇を噛んだ。
目を伏せ、羞恥心たっぷりにスカートの裾を掴むと、大人しくその布地を持ち上げた。広がっていく絶対領域と露わになる太腿。そして、純白のショーツとそこを膨らませるピンクのローターが外光に晒された。
ショーツの横紐に上手く括られた大きなバッテリーとコードでつながったそれは男の掌に握られたリモコンにより遠隔操作可能であり、不規則に発せられる振動によってアスナの太腿もまた小刻みに震えていた。時折それが腰まで伝導し、ショーツの隙間から微かな光が零れた。
これが指令の一つ。制服コスに加えてローター装着による街中デート。操作権は全て男優側にあり、デート中いつ作動するかはアスナにはわからない。おまけに屋外では確認のしようがないがローターは乳首にも付けられていて、公衆トイレで全裸となり証拠の自撮りも命じていた。
それをこの場で確認する。アスナのヌードなど検索するだけでも五万と出るが、つい数分前かつスタジオではない公共の場での露出は男優の興奮を搔き立てた。
「凄く可愛いよ。これからたっぷりと楽しませてもらうよ」
「……もう、せっかく普通に観光できると思ってたのに」
「ははっ、これAVだよ。これくらい楽しまなきゃプロ失格だよ」
「うぅ……わかりました!」
アスナはくるりと背を向けると通りに向けて歩き出した。歩くたびに双丘は揺れスカートの裾から形の良い尻が覗く。それが周囲の客の目を引き、中には邪な目を向ける者までいた。アスナはそんな視線を楽しむように横目を向け、妖しくウインクした。
「おいおい……」
このままでは何かの騒ぎになりかねないと、男優はその背中を追った。
――
――――
「――見て見て、これ可愛くないですか?」
「うん、カワイイと思うよ」
アスナがそう言って見せてくれたのはペンダント。小さなピンクの石の付いたそれがよほど気に入ったのかアスナは満足そうに笑った。
心配は杞憂だった。
あれから街を一通り散策し、名所で記念撮影をして普段のスタジオでは味わえない空気を吸ううちに服装の恥ずかしさだとかはいつしか消えていた。他にも制服姿の男女を見かけたからかは知らないが最初のときよりも緊張のほぐれたアスナは楽しそうに目に映る全てを楽しんだ。
まるで修学旅行に来た本物の学生さながらに走り、笑顔を見せてくれるその姿。おしとやかでいて快活な飾らない仕草。楽しげに髪が揺れるほどに漂う甘い香りとどこか甘酸っぱい雰囲気に、男優の心もまた揺れた。
そうして二人がやってきたのは雑貨屋。食料品から小物までお土産で埋め尽くされたその店の奥、入店してすぐアスナが目を引かれたのはペンダントをはじめとしたアクセサリーコーナー。聞けば最近結婚したらしい親友へのプレゼントを探していたらしく、学生時代お揃いで買ったものに似ているらしいそのペンダントにどうやら一目ぼれしたようだった。
「じゃ、これ買ってきますね!」
「うん、行ってらっしゃい」
アスナはそれからお世話になっているスタッフや他の友人へのお土産を適当に選び、両手に抱えるとレジへと向かっていった。
男優はポケットに手を差し入れ、そこに隠したローターのリモコンに指を掛けた。列に並び、順番を待つその姿をしっかりと見据え、時を待つ。時間が経ち本物の学生も増え溶け込んできた彼女。
だが、他の客は知らない。
その制服の下、それも女の弱点にわざと卑猥な玩具を装着していることを。
制服を着た彼ら彼女らは知らない。傍にいるその女は自分たちと似た装いをしてはいるがその内は比べ物にならぬほどに淫らで爛れた雌であることを。
それを今、暴いてやろう。
アスナの順番が訪れ、店員が商品をスキャンする。――その瞬間、リモコンのスイッチを押し上げた。
「!?」
手加減など一切しない、最初から最大レベルの振動。これまでも観光の隙を伺っては、リモコンのスイッチを入れ振動を与えてきたがそれはあくまでも小手調べ。本命のタイミングを見極め、そして『振動はこの程度』だと彼女を油断させるために敢えて弱いレベルでしか攻めてこなかったのだ。乳首のローターも起動させこれも最大設定でアスナを狙う。
「うっ……!」
敏感な個所を攻めたてられ、アスナの手から財布が落ちる。中身は零れなかったが拾う時に屈めた身体、制服の隙間から覗く胸元。下を浮きながらも形よく聳える谷間を見てレジの青年が動揺したのが遠目でもわかった。経験を積んで男を誘う姿も様になってきてはいるが、業界内には彼女のこういった無自覚な誘いに対してのファンも少なくはない、というより男優自身がその一人だ。
青年の異変には気づかずに、あくまでも平静を装いつつ支払いを済ませようとするアスナに、男優は次の手を打つ。
出力最大はそのままに隠された機能である『カスタムモード』を起動。これは使用者に合わせて振動やタイミングを設定することで最も感じやすく快楽を与えていくものでありまだ試作品の段階だが、作品という形やコラボオナホールといったグッズもありデータの豊富なアスナを実験とした形で今回撮影での使用許可が降りたのだ。(宣伝という意味合いもあるが)
ただ当のアスナには何一つ知らされてはおらず、お土産袋を受けとった矢先、突如として激しさを増したローターに局部を刺激され、手に持った荷物が落ちる。同時にその場に座り込んでしまい周囲の視線が刺さる。
「うっ…ううぅ。……あっ」
たまらず吐息が零れ、微かな水音が鳴る。
何事かと心配する周りをよそにアスナはスカート越しに股を抑え、呼吸を荒げた。しゃがんだまま未だ立ち上がれぬまま蒸気していく頬とどこか色気交じりの雰囲気に周りの客たちも息を呑んだ。
やがて立ち上がり、その場を去っていくアスナ。その姿を慌てて追いかけると少し離れたベンチに腰掛ける彼女を見つけた。
「――見つけた。アスナちゃん、大丈……ぶ…………?」
男優が駆け寄るなり、アスナは勢いよく顔を上げキッと睨みつけてきた。目は涙で真っ赤になり、快感か羞恥からか身体を小刻みに震わせ唇を噛み締めていた。明らかにご機嫌は宜しくはないだろう。少しやりすぎたかと反省した矢先、アスナが飛び込んできた。
「!?」
男優が動揺した瞬間、唇に触れたのは柔らかな感触。自分の口とぶつかり潰れた弾力のあるそれは確かな温もりとしっとりとした湿り気を感じさせ、すぐに離れていった。
「どうするのよ……また我慢できなくなったじゃない…………バカっ」
頬を赤らめ目を背けるアスナ。呼吸は乱れて整う気配はなく押し付けられてくる制服とその奥にある乳肉がふにゅりと潰れた。彼女の手が男優の腕を掴み、スカートの奥に引っ張っていく。薄布の中は熱気で満ち甘い香りが充満。もう言葉にせずとも求めているものが分かった。
「責任、取ってよね……」
アスナの要求に男優は唇を重ね、答えた。
※
「うわー、見て見て! 海が見えますよ、海!」
「おー、いい部屋だなー」
温泉街での羞恥プレイを経て、宿泊する旅館へとやってきた。受付でチェックインを済ませ、これから二泊三日滞在する部屋にやってきた。二人用の部屋だがどうやらかなりのアタリを引いたようで。窓からは海を一望することができ、バルコニーには小さな露天風呂が付いていた。
「綺麗……、こんなところで撮影できるなんて最高です……」
「いつもはスタジオとかホテルだもんね。これもアスナちゃんが頑張った結果だよ」
「……はい、これからも頑張りますね」
男優の肩に頭を乗せ、うっとりと外の景色に胸をときめかせるアスナ。信じられないだろうが、異性と、こういった場所に来ることがはじめてで。歳にもなく心が躍って楽しくて仕方がなかった。
男優自身はここに他の女優と何度か訪れたことがあるため(それでもここまで綺麗に景色の見える部屋なのは初だったが)感動もそれほどだが。こんなにイキイキとしたアスナを見るのは初めてで、これほど喜んだ女優も初だったので満更でもなかった。
この温泉街は昼も夕方も魅せる景色は素晴らしいのだが、夜の景色は比較にならないほど美しく。それをみたアスナの反応が今から楽しみだった。
「アスナちゃん……」
彼女の顎を掴むと、意図を察したアスナは目を閉じてキスを受け入れてくれた。
「んっ……」
静かな一室にリップ音が鳴って、互いを抱きしめる衣擦れの音が響く。
「どうせならお風呂でしようか」
「! ……はい」
耳元でそっと囁くと、アスナは頬を染め男の胸に顔を埋めた。
二人一緒に手を繋いで脱衣所に入ると、衣服に手をかける。男優はシャツとジーンズを素早く脱いで裸になり、カメラをアスナに向ける。流石に旅館だと目立つので観光街を離れる前に私服へと着替えてしまったが、それでも彼女の魅力は変わらない。脱ぐ工程の全てが魅惑的に映え、画面を彩ってくれる。
「いい脱ぎっぷりだねアスナちゃん。本当に見違えたよ」
素早くジャケットとブラウス、スカートを脱いで下着姿になった彼女をカメラに押さえつつ、褒めた。今はパンストを脱いでいる最中だがはにかみながらも衣類を畳みつつ談笑に花を咲かせた。デビュー当初は緊張と恥ずかしさで脱いだ服など意識できていない様子だったが今では綺麗に畳む余裕すら見て取れた。
「そりゃ一年以上やってますから。もう新人とは違いますよ」
「昔はブラウス一つで赤くなっていたのにね。少し寂しい気もするなぁ」
「寂しいなんてそんな……恥ずかしいのは変わらないですし、こうやって見られると……すごく、興奮しますからっ……」
「最近は脱がない仕事も増えてきましたけど」と続けつつ、ブラのホックを外して豊富な乳房を解放した。撮影を経るごとに磨きを掛けていくアスナの裸体は見れば見るほど男を狂わせ、その魔性を強くする。最近ではアスナの裸を見たいがために男優を志望する者すらいるという噂もあるほどだから恐れ入る。
「おっぱいもお尻も相変わらず綺麗だよね。何か秘訣でもあるの?」
「うーん、秘訣ですか?」
ショーツを一枚残した格好のまま、考え込むように顎に指を添えて宙を見上げるアスナ。男に背を向け、くるりと、首だけを曲げて振り向くと。
「筋トレやフィットネス……、サウナにエステとかでカラダを綺麗に保つの勿論ですけど――」
そして、一気に距離を詰めて男優の唇を奪って。
「――やっぱり、男の人とたくさんエッチして、愛して愛されて、愛をいーっぱい注いで貰うのが一番の美容ですね……!」
にこりと微笑むと男の身体を抱きしめて「だからこれからもいっぱい愛してください」と告げ、頬にキスをした。一瞬でペースを握ったアスナはその勢いでショーツを足から抜くと手早く髪をまとめて脱衣所を後にした。
「結構広いですね。外の空気が心地いいっー」
アスナに続くように男優もバルコニーに出ると新鮮な風が当たって開放的な気持ちになった。外の景色も変わらずよく見えて、石張りの床と浴槽で風情もあった。そこに瑞々しいヌードを晒した美少女もいるのだから、気分は最高だ。
「お湯も綺麗で気持ちいい……。早く漬かりたい」
「お風呂より、アスナちゃんのハダカのほうが綺麗だよ……」
「あっ……」
豪華な温泉を前にアスナのテンションは更に高くなる。
そんなアスナを背後から抱きしめて、男は首筋にキスをした。頬に赤みがさして、腰を捩る姿が可愛かった。
「その前にかけ湯しないとね。シャワー準備するよ」
「ありがとうございます」
シャワーを互いにかけあって汗を流しあう。こうして裸を見せ合うのは何も初めてではないがやはり遠慮や緊張のようなものは毎回か案じる。だがこうして互いに温めあい近づきあえば自然と打ち解けるような気がして、いつしか自然に唇が重なって、胸と胸が押しつぶしあった。この時間は、アスナの密かな楽しみの一つだった。
「……んっ、んんっ」
アスナは無意識に舌を伸ばして男と濃密に絡むと、腕を背に回してしがみつくように撫でた。女の肌とはまるで違う感触がどこか楽しくて、撮影時は触り放題なのもあり飽きることなく撫でまわした。アスナが互いの距離が詰まる瞬間が好きなように、男優にとってはこれが密かな楽しみでもあった。
「……あっ、いやぁっ、ヘンタイッ……」
男の手がアスナの尻を掴み揉み上げる。むっちりと張り詰めたそこは腰を押し付けるだけでなく、触れるだけでも指を優しく飲み込むように潰れて締めてくれる。触るだけでも永遠に楽しめそうだった。
「ヘンタイなのはアスナちゃんでしょ? ……ほら、もうこんなに濡らして……」
「……やっ、ああっ、違う、違うのぉ……これは……」
コーラ瓶のように膨らんだ太腿の隙間から指を伸ばすと、彼女の秘奥――そこがくちぃ、と音を立て湿り気を伸ばした。ちょっと開いただけなのに糸を引いて汁を滴らせ、床に水滴が落ちる。
「さっき制服でローター入れたまま歩いたのそんなに興奮した?」
男の言葉に無言で頷く――と、同時にナカを掻き混ぜられて、たまらずに逞しい腕にしがみついた。
「……アッ! やぁっ、アンッ、アッ……! ウッ!」
散々寸止めされて焦らされたカラダにはまだ甘い余韻が溜め込まれていて、弱点を知り尽くされた指の前にアスナは軽く上り詰めてしまった。
「……あっ、……あっ、……あっ」
はぁはぁと息を荒げて、力なく男優の肩に手を置いた。このまましゃがみこんでしまうかと思われた。だが、アスナは負けじと男の腰で反り立つそれに手を掛けた。
「……ここも、気持ちよくしてあげますね」
ささやかな抵抗。
先程好き放題やられた――からではない。ただこのまま自分だけが気持ちよくなるのは不公平だ。そう思っただけのこと。
軽く握りしめ、前後に擦り扱き上げる。はじめはゆっくり丁寧に、馴染ませてから力を込めてペースを変える。スピードに緩急をつけてリズムを作ってしこしこと搾る。硬直して我慢するように歯を食いしばる男優を見て、少し手加減して「強くてごめんね」と言葉代わりのキスをする。優位に立ったり支配するつもりはない。一緒に楽しみたいだけなのだから。
「はうぅぅぅ……、熱い……」
男優の胸元に蕩けた眼差しで頬ずりして吐息を零す。
露天風呂にオスの香りが漂って、マグマみたいに熱が放たれていく。鋼みたいに固いそれは限界を超えて反り立って、漂う雄臭い匂いもたまらなくて上下の口が糸を引くのが止められなかった。
「ア、アスナちゃん……そろそろ…………」
「わかってる。しゃぶって欲しいんですよね? でも寒いから続きは湯舟でね」
脱ぐことにも裸にもなれたアスナならこの程度の気候などなんてことはない。だが万が一にも風邪をひいては元も子もないのだ。湯に身体を半分沈めると心地よいぬくもりに包まれ気持ちが解ける。
だが、ゆったりくつろぐのはもう少しだけ後だ。改めて雄の象徴と対峙する。
昨晩飽きるほど眺めているが何度見てもほれぼれするそれに下腹部が熱くなり、理性が焼き切れていく。
「はむっ、むっ、うっ、うむっ……」
躊躇なくむしゃぶりつき、一気に喉奥まで送る。
時間もまだ早く他のお客もいない。野外だろうがお構いなしにはしたなく音を鳴らし、男優の理性も狂わせていく。
「おおっ、アスナちゃん……ヤバい…………」
男優はアスナの頭を抑え必死に訴える。まるで性器さながらの吸い付きを見せてきたアスナの口に押さえが聞かなくなりつつあるのだ。
異常を察しアスナは一度口を離した。だが、その口もとは妖しく歪んでいた。
「どうしたの?」
「……い、いや、このままじゃ、ヤバ――」
「別にいいでしょ」
「えっ……!?」
扱く手つきはそのままに膨張した玉袋に指を這わせた。
「今日くらいハメを外してもいいじゃないですか。だってこれは撮影であり、旅行でもあるんですもの」
愛しそうに鬼頭を撫で、うっとりと吐息をまぶす。
「日々の疲れや現実から解放されてただ至福の時を味わう。それが旅行じゃないですか。それとも――」
上目づかいで男優を見上げ、アスナは笑った。色気交じりの誘うような眼差しで。
「――それとも、私じゃ不満なのかしら? 私は、あなたにとって納得も満足もできないオンナ、なのかしら?」
「そんなこと――」
答えるより早く唇が塞がった。今回はアスナからではない、男優からだった。湯からアスナを抱き上げて、その背に、腰に、尻に腕を回し抱き寄せ撫でまわした。舌が自然と絡み合い光の橋が繋がる。微かな茂みに指をあてればもう準備は万端だった。
アスナは男優にくるりと背を向けた。そして石でできた縁に片手をついて、残る片手で尻たぶを開いた。途端に濃密に香り出す淫靡な雌の香りと溢れてた淫液。淫唇はもうふやけて開き、その傍にある肛門にも広がっていた。
「…………きて」
アスナに誘われるまでもなく男はもう限界だ。
目の前に突き出された豊満な尻は雄を待ちきれないとばかりに震え、谷間からは甘い雌の臭いを放っている。微かに覗く割れ目は既に半開きで、濃厚な淫液が太腿を伝う。彼女は水滴に紛れてばれないつもりだろうが、白い本気混じりのそれは明らかだった。丸出しの尻穴も誘い受けるように震えていた。
男は華奢ながら健康的な肉をつけた腰を掴み握った。肌はほんのりピンクに色づき、乱れた吐息から表情も容易に浮かぶ。逃れられないようがっちりと握れば心なしか悦ぶように震えが走った。
一息に肉竿が押し込まれ、奥へと進んでいく。ヒダにより複雑に入り組んだそこはとても窮屈で、それでいて得も言われぬ快感を与えてくれた。
「あ、ああっ、あああ、あぁ!」
挿入が心地よいのはアスナも同じだった。
男優にすれば一瞬の侵入でもアスナからすればそれは酷くゆっくりなスローにも思えて、まるで永遠に焦らすように捻じ込まれてくる剛直と電流に脳が焼き切れそうになった。痺れは既に全身へと回り、力が入らない。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
抱えてくれる男優に両腕も任せアスナは快楽に浸っていく。撮影のために準備されたわけではない屋外。限りなく近い状況での経験はあるが今回は何も知らない一般客もいる。興奮しないわけがないのだ。
彼女の興奮に呼応するが如く、締め付けの増した膣を押し開くように男優のピストンも加速する。
「あんっ、あっ、あんっ、あっ、ああっ!」
男優の手がアスナの腕から肩へと回り、より密着したことで更に肉棒が奥へと進んでいく。力強く押しつぶされる尻肉の反発に負けじとさらに力強く叩きつけると快楽電流がアスナの全身を駆け巡り、意識が真っ白になる。
「あ゛っ、おっ、おおっ……うおっ」
アスナは女の子が絶対に零してはいけないであろう下品な喘ぎで悶え、頭を俯かせる。がくりと項垂れた隙を身体ごと抱えられ蕩けた素顔を埋めるように男優がキスをする。最初から舌が絡みあい、男の腕がアスナの乳房を絞るように握る荒々しい絡み。そこには遠慮や労わりなど欠片もない欲望だけの行為。自身の肢体を情欲のはけ口にのみ使われる。屈辱、なんて微塵も感じぬまま純粋にたまらなく甘美なもので、心がざわめいて膣が窮屈に締まる。
「はむっ、むぅ、……うぅ、うぁ、はぁあああー!」
唇が離れ完全に蕩けたアスナの素顔が露わになる。どこか穏やかでそれでいて快活とした顔立ち。全身はピンクに紅潮し、腰は男の全てを貪ろうと貪欲に暴れ続けていた。
「あっ、ああぁ! は、激しっ……ううっうぅ!」
男優がアスナの背中に覆いかぶさりスピードを速めた。限界が近いのはこちらも同じ。背後から乳房を乳肉を揉みしだきスパートをかける。
アスナもまた男の動きに合わせるように腰を動かし、全力で膣を締め上げ迎え撃つ。乳首から伝わる痺れが、膣ごと押しつぶされる淫芽が耐え難い快感として脳を痺れさせ加減を奪っていく。明滅する視界。意識などとっくに朧気で理性も既に飛んでいる。
「あっ! あっ! ああ!! あああぁぁぁぁぁぁーー~~~~~~!」
髪を振り乱し快楽の濁流に飲まれていく。もう自分でも何を口走っているのか何をしているのかもわからないが、これが”気持ちがいい”ということだけはわかっていた。
男優のピストンがアスナの脳髄まで震わせ、同時に激しく竿を震わせて射精した。
迸る精の濁流は瞬く間に膣道を埋め尽くし白く染め上げ、灼熱の如きそれは女の理性を完全に終わらせた。
「ああっ! イク、イクッ……、イっ、ああぁぁぁぁぁーーー~~~~~~!!」
男優の射精に続き、アスナもまた絶頂へと到達した。膣がキツく締り、潮が噴き出す。半ば強制的な終焉は彼女の意識を奪い、白目を剥かせる。ビクビクと全身が痙攣してアスナは力なく湯の中へと沈んでいく。
「おっと、危ない……」
咄嗟に男優がアスナの身体を支え座らせる。事後身体を覚まさぬように肩を並べ湯に浸かる。程なくして意識が戻り、気だるげながらアスナが男優の肩に頭を預けた。
「どうだった?」
「……気持ちよかった、です」
頬を赤らめ顔を埋めてくるアスナ。湯に充てられたか恥じらいかは定かではないが、心なしか楽しそうにはにかんだその笑顔に男優の心を晴れやかになった。
湯の流れと自然の音だけが聞こえる静かなひと時。先ほどまでの激しさはどこへやらすっかり静寂を楽しんでいた二人だった、が。
「……っ!」
男優の手がアスナの茂みを掻き分け肉びらを開く。湿り気も熱もまだまだ覚める気配はない。
そして、アスナの手が男優の竿を握る。こちらも萎えた様子は微塵もない。
「――――っ!?」
どちらかともなく行為は再開された。
アスナが素早く男優に跨り対面座位で挿入。杭打ちの要領で咥え込み、腕で逞しい身体を抱きしめる。今回は最初から手加減は無し。欲望のままに求めあい、火照った身体を更に熱く高ぶらせた。キスをして互いの肉体を貪り合う。激しく波打つ水面に急かされるように乳房は揉まれ、アスナの身体は忙しなく暴れる。
湯舟の中で突如として始まった第二回戦。それから先は日が沈むまで繰り返され、途切れることなくアスナに精が注がれ続けるのだった。
読んでいただきありがとうございます。
よろしければ感想や評価、ここすきなどありましたらお願い致します。作者の創作の励みとなります
次回は真夜中のしっとりエッチを予定しておりますがマンネリ気味なので一工夫するかもです
アスナとレズさせたいのは誰?
-
ミト(深澄)
-
リーファ(直葉)
-
シノン(詩乃)
-
ユウキ(木綿季)
-
アリス
-
リズorシリカ
-
その他
-
そもそも不要