先程までやっていた稽古を終え、今は夕食のための食料をとって洞穴に帰っている最中だ。
それにしても恋が関わってくると、ふと思い出すことが増えてきた。と言っても食材の取り方や調理の仕方などなのだが。実際に調理の仕方を思い出しても、調味料がなかったりして意味がないことの方が多いんだけど。
夕食は魚と道中で見つけたタケノコを切って茹でて食べることにした。
何故か鍋が落ちていたので洗って使うことにしたのだ。これで焼くだけでなく茹でることもできるようになった。調味料もあれば煮ることもできるのだが、やっぱり無い物ねだりはよくないのでしょうがないよね。
よし、洞穴にも着いたし早速火打石を使って焚き火をしよう。辺りも暗いし早い方がいいだろうしね。
「恋、焚き火の用意をしてもってもいいかい?」
「わかった………こんな感じでいい?」
「うん、ありがとう!魚はこんな感じでいいかな。串刺しにしてよし!これも焚き火の回りに刺して焼いといて」
「焼けたら……遠ざけとく」
こんな感じで手先よく魚の調理を終え、今度は鍋の水が沸騰するまで持っていないといけないんだよな。
まあ、これも稽古の一つだと思えばいいか。でも後で石とかで竈を作ろう。
あっ!タケノコ剥くの忘れてたよ。ちょっと持つの交代してもうかな。
「恋、タケノコ剥くから少しの間鍋持ってもらってもいいかな?魚は一回焚き火から遠ざけた後でいいから」
「ちょっと……待ってて………いいよ」
「すぐに終わらせるから!」
急いでタケノコを剥いてそれを鍋の中に入れた。そして、恋とまた交代をしてある程度したら鍋を地面に置いた。
「これぐらい柔らかくなればいいのかな?」
「食べれれば……平気……魚も焼けたよ」
「じゃあこんなもんでいいや。恋、食べようか!」
「うん………いい焼き加減………タケノコも美味しい」ハグハグ
「うんうん、魚もタケノコもいい感じだね。それと明日の朝ごはんは余ったタケノコと熊肉にしよう」モグモグ
「わかった……やっぱり誰かと…一緒に食べると………美味しい」
「一人で食べてもなんか美味しくないもんね。でも今後は絶対二人以上で食べていくことになるから大丈夫だよ!」
「うん……食事の時間………楽しみ」
夕食もこんな会話をしながら食べていった。
食べ終えた後は鍋の中の水を入れ替えて、その水を温めてそれで身体を布で拭くことになった。
「いつもはどうしているの?」
「明るい内に……川で洗う………その後…その布で拭く」
「冬はどうしているの?川だと寒いし、下手すると凍ってるでしょ?」
「冬は全て……蓄えられる物は………この洞穴とかで……蓄える……身体は洗わない」
「じゃあ今日からは、毎日お湯で身体を拭ける様になるよ」
「ありがとう………好恋がいるだけで……いつもと全然………違う」
でもいつかお風呂とかも作ってみたいんだよな。でも全然材料がないし、今はこれで我慢してもらうしかないのが悔しい。
「そんなことはないよ。逆に僕だって恋によって何度も助けられてるんだからさ」
「お互い様…………ん」ヌギッ
「ちょっ!?ごめん!後ろ向くから」
話している最中にいきなり脱ぎだしたため驚いてしまった。
それにしても、恋の肌綺麗だったな。まだ僕達は幼いから体型に違いはないけどさ、こう愛する人の身体を見るとどきどきするよね。
「……どうかした?」
「恋がいきなり脱ぐから驚いちゃっただけだよ。あとごめんね、少し裸見ちゃった」
「気にしない……それと…脱がなきゃ拭けないし………いつか…見せるからいい」
うん、でも少し恥ずかしいんだろうな。まあ、それは言わないけど。
平然と言っているけど少し頬が赤くなっていることに僕は気がついた。
「…届かない………好恋…背中……拭いて?」
「え?……わかった拭くよ。後ろ向いた?」
「うん……いいよ」
「向いてないじゃん!」グルッ
後ろ向いてって言ったのに全然後ろを向いていなかった。
なんだろうか恋ジョークだとでも言いたいのだろうか?
「ごめんね………今度は向いた」
「本当に?」チラッ
「……今度は本当」
今度はしっかり後ろを向いていた。
「もう!ほどほどにしてね。こことか痒くないかい?」
「そこ……いい……気持ちいい……あっあぅ…」
後ろ姿だけど見ていてとてもどきどきするよ。お尻も見えているし、この黒い模様?って何だろう?汚れではなさそうだけど。
「思ってたより汚れが取れてるよ。今日から交互に背中拭き合おうか?」
「ぅんっん……んん、あっ…あっ…拭くの…うまいっん…」
「大丈夫?声がちょっとあれだけど。まだやる?」
「大丈夫……替わる…後ろ向いて」
「そう?ありがとう、それじゃあお願いね!」ヌギッ
替わってくれるらしく、ありがたく替わってもらった。
「……どう…気持ちいい?……好恋も…汚れてる」
「うん、気持ちいいよ。うん、そこそこ。でもやっぱり汚れてるか」
今日僕は何度も熊の奇襲を含め地面に叩きつけられたからな~。そりゃあ汚れてるよね。
「だいぶ……汚れ…取れた………服も…洗う?」
僕達の服を見てみると服も汚れていた。
これは洗ったほうがいいよな~。でもこれは川で洗う方がすぐに終わるだろうから、何かを着て川で洗ってきてしまおう。
「これは川で洗ってくるから、代わりに着れそうな物ってある?」
「川で……洗うの?…わかった………これ着て……一緒に行く」
そう言って渡してきたのは熊の毛皮だった。ただそれは今日の奴ではなかった。
「これ?どうやって着るのこれ?」
「こう…着る」
そう言ってやったことは後ろから羽織っただけだった。
「うん、それは着たとは言わないよ。でもそれしかないならそうするしかないか。もう一つは?」
「これだけ……だから一緒……に着る」
どうやら後ろ姿だけでもどきどきしていたのに隣を一緒に歩くらしい。
それは流石に前が見えちゃうよ!う~んどうにかならないかな?………この毛皮も大きいし僕が恋をおぶれば見えないですむよね。僕のは丸見えだけど。男だし我慢すればいいや。
「わかった、でも隣を一緒に歩くと前も見えちゃうから僕が恋をおぶるよ。そうすれば恋のは見えずにすむよ?」
「別に…見られてもいい……けど好恋がそうするなら……そうする」
「ありがとう、持つ物持ってとっとと行こう」
そして、僕は汚れている服と恋を、恋は方天画戟を持って川に行った。方天画戟は獣が出てくるかもしれないからだと恋が言っていたので持っていくことにした。
今は川に行く道中だ。
「好恋……重くない?」
「恋は大丈夫だけど方天画戟が思っていたより重たいね。でもこれも鍛えるための一つだと思えばどうってことはないよ」
「そう、ところで……この小さいの…何?」ギュッ
「はぅ!?恋それは触ってはいけない」
恋からしたら僕の前が丸見えなせいで僕の息子が気になったらしい。そして、握ってきた。
「ごめん……でもそれ…恋にはついてない………獣にはついている…ことがある………なんで?それと……これ少し……大きく…固く……なった」
恋は謝りながらもその手を離さずに質問をしてきた。僕の身体は小さいながらもその手に反応してしまった。
「とりあえず離して!また洞穴に戻ったら説明するからだからお願いだから離して!」
「………わかった離す………だけど後で……説明して」
やっと離してくれた。でもこれから説明しなきゃいけないのは少し恥ずかしいな。うまく説明できるといいんだけどな。
その後、無事に川で服を洗うことはできた。
しかし、さっきのことが気になるのか、ちょくちょく僕の息子を見ては触ってこようとして避けるのにも一苦労してしまった。実際に何回かは触られてしまったし。だが、少しその事で切れてしまい怒ったら涙目で謝ってきたのですぐ許してしまった。
恋は好奇心旺盛らしい。
そして、現在の状況は全裸の男の子が全裸の涙目の女の子を背負って洞穴の前に立っている、他の人の目から見たらとても危ない絵になっているであろう。要するに洞穴に着いてしまった。