「ほほほ、小さい頃から仲が良いことは良いことじゃよ」
「?…おじいちゃんは、何を言ってるの?」
恋は村長が温かい目でこちらを見ながら言っている意味がわかっておらず、僕にその意味を聞いてきた。
「村長はね、昨日の僕達の声が聞こえてあんなことを言っているんだよ」
「……!?嘘、だよね?」
あーあ、理解し始めたのかだんだん恋の顔が赤くなってきちゃった。
「本当だよ。まあ、村長もちゃかして言ってるわけではないっぽいから、気にしないのがこの場合一番かな」
「ぅ~ぅ……おじいちゃんの顔が、恥ずかしくて見れない」
「うむ、皆起きたことだし朝ごはんにしようかの?」
急に話しが変わったけどそれもそうだね。いつまでもこうしているわけにもいかないし。
「わかりました。恋もそれでいいよね?」
「…ぅん」
恥ずかしがって声が小さくなっちゃってる恋も小動物ぽくなっていて可愛いな。
「よし!それじゃあ用意するから少し待っておれ」
う~ん、朝からラーメンってどうなのだろうか?
正直、朝からそんなに量を食べられなかった。恋はいつも通り、おかわりと僕の残りを食べたけどさ!あの身体のどこにあんなに入るのか、とても不思議だ。
「……そろそろ、帰る」
「そうだね。それでは村長、僕達のそろそろ帰ろうかと思います」
「そうか、一日だけとはいえ、楽しかったぞ。また来るがいい」
「はい!また物々交換等をする時にでも来ます」
「そうするがよい。熊のお嬢ちゃんも熊の坊っちゃんも道中、気を付けて行くのじゃぞ!」
「ありがとうございます!さようなら!」
「……おじいちゃん、バイバイ」
こうして僕達は村長の家を出て僕達の家に帰ることにした。
「よう!熊のお嬢に熊の若旦那!もう帰るのかい?」
僕達は人里を出る門で門番のおじさんと出会った。
まあ、門番なのだからほぼ会うことにはなっていたのだろうけど。
「うん……いつもよりは、長くいる」
「それもそうだな!熊のお嬢は物々交換したらすぐに帰っていたからな!熊の若旦那も色々交換できたかい?」
「はい!ひとまず、欲しいの物は交換することができました」
「ならよかった。熊のお嬢がいるから平気だとは思うが道中、獣に気を付けろよ!」
「ありがとうございます!それでは失礼します」
「……また、来る」
道中では何もなく無事に僕達は洞穴に着くことができた。
「ふう、やっと着いたね。もうお昼近くになってるし」
「…うん、お腹空いた」
「そうだね。でも、ごはんになる食材を捕りに行かなきゃいけないけど、その前に物々交換した荷物なんかを整理してからだね」
「…早くやること、やる」
~数分後~
それから数分後、僕達は荷物を整理を終えることができた。
「そういえばここに荷物なんか置いといて盗まれたりしないの?」
「…わからない」
「そっか、なら仕方ないよね。なら何かで入口を塞ぐようなことができると安心なんだけどな」
「…なら、あれ使う」
そう言った恋が指差したのは、少し離れた所にある洞穴を塞げるぐらいの大きさの岩だった。
「え?あれ使うの?」
「…うん、あれならだいたい安心」
「うーん、…恋がそう言うなら使ってみるか。使わないよりは使う方がいいだろうし」
主に恋がだが、僕達は洞穴を岩で塞いだ。
「よし!これで大丈夫かな?そしたら早速行こうか!」
「…うん、そうする」
それから僕達は兎と鹿を狩ったり等をしてその一日を過ごした。
~三年後~
あれから三年の月日が経った。
この三年間いろいろことがあった。
まず、どうやら僕が初めて恋と出逢った時は春だったらしい。そのため他の季節よりも痩せている動物が多かったようだ。
そして、この春は特に何もなかった。精々また人里に行き物々交換で僕と恋の荷物入れを手に入れたぐらいだ。
夏はかなり暑く薄着というか、ほぼ裸で僕も恋もいた。水浴びがとても気持ちよかった。それとこの季節が一番動物達の体格がよく、それなりに苦戦することが多かった。恋はいつも通りだったけどね。
秋は少し肌寒くなってきたため、恋の抱き付いて寝ることが多くなった。また、恋の経験から少しでも日持ちの良い食糧を貯めて置こうと言うことで、干し肉等をかなり作ることになった。干し肉って沢山作るとかなり疲れることをこの時知った。
冬はほぼ僕も恋も洞穴にいた。本当に冬はヤバイ。ほぼ一日、暖をとらないと凍え死ぬかと思った。ただ焚き火に使う薪が途中で無くなったのはかなり焦った。恋の時はここまで必要なかったらしく、珍しく恋も焦っていた。
それに、この季節の稽古は洞穴でできる筋トレが重視だったんだよね。毎日が筋肉痛で大変だった。
また、春が訪れた。僕が来てから一年がこれで経つのだが、一年を過ごすだけでこんなにも大変なのだから野生の動物達が逞しいのも、なんとなくこの時理解できた。
そして、僕達は薪をしっかり補充して置くことを忘れないようにした。
この一年間で僕は三百回近くは死んだ。まあ、ほぼ恋との稽古で死んだんだけどね。そのせいか、恋は稽古で僕が死んでも動じなくなったんだけどさ。もうね、容赦ないんだよ。一日の稽古でも死ぬときは五回は死ぬ。
あと驚いたのが恋も五回はこの一年で死んだ。まあ、この一年と言うよりもこの季節でだけどね。起きたら恋が凍死していた時は慌てた。恋も起きたら僕が傍にいなくて慌てたらしく、生き返ってからの僕への依存が一時凄かった。
この時初めて恋も生き返ることを知ることができた。それを知らなかったから僕も慌てたんだけどね。また、この時に死んだときの対処法を教えといた。
でも何で恋だけ凍死してしまうのかとても謎だった。
これは、後々理由を知るのだけれども。
こんな感じでこの年も過ごした。まあ、ここまでは酷くはならなかったんだけど。今の僕と恋の間で少し変わったのは次の年の春だった。新しく家族が僕達にもできたのだ。
あっ!別に子供ができたわけではないよ!
この時の春ではこんなことがあったんだよね。
~回想~
この時の僕達は初めて些細なこととはいえ、喧嘩をした。そのためあの時の僕達は数日間、別行動をしてたんだ。僕もその時はそこらの動物には殺されない程度には強くはなれてはいた。危ない時もあるけどね。
「もう、恋なんて知らん!焦げすぎはあまり体によくないから焦げすぎないようにしているのに、何でまた焦がすために焼くんだよ!」
僕はできる限り恋には健康でいてほしかったため料理には気をつかっていたのだが、その料理の事で喧嘩をしてしまっていた。
そして、恋から離れて三日目の日のことだった。
僕は子供の虎二匹と子供の熊一匹を見つけた。どおやら両方とも親は傍にいないのか三匹で寄り添っていた。僕は僕で、三日も恋と離れていたためか、この時淋しくその三匹を見ていて自分も一緒にいたいと思ってしまっていた。
「近づいても平気かな?」
子供とはいえ、野生の動物なので少し警戒しながら近づいてみた。
しかし、子供のせいか全然警戒をしないで逆に興味津々に近づいて来た。
「うん?…よく見ると君たち痩せているだね。これ食べるかな?」
子供だったため餌を獲れていなかったのか、三匹共痩せていたため荷物入れから三つ干し肉をあげた。
この状況を見ると最近、親と離れることになってしまっているらしい。
「「「ムシャムシャムシャ」」」ハグハグハグ
凄い勢いで食べ始め、すぐに食べ終えてしまった。
「まだたくさんあるからゆっくり食べなさい」
この後僕はこの子達に干し肉を六枚あげてやっと満足したらしい。
この子達の食べてる様子を見てて、恋との喧嘩よりも、どうにかこの子達を生かすことができないか考えた僕は、この子達を飼うことにした。
しかし、一人で決めることもできなかったので連れて帰ることにした。
僕が抱き上げてもこの子達、僕が餌をあげたお陰か、とても大人しかった。
そして、帰ったときに恋も僕のように犬?いや狼の子供を抱っこして来たときは驚いた。
恋も拾ってきたのか。