恋は今、とても幸せ。
だって今の恋のそばには、いつも好恋や新しくできた家族がいて、そして恋のことを愛してくれるから。
恋は、初めて好恋に逢った時は、孤児だと言ったけれども実際は、少し違う。
恋にも好恋に逢う前には、村にも住んでいたし、家族という存在もいた。
でも恋が三歳ぐらい時には、村の人達にも、そして家族からも化物と呼ばれてた。
だから、もしかしたら化物と呼ばれるまでは家族から愛されていたのかもしれないけど、恋は家族からの愛を知らない。
そして、化物と呼ばれてからは恋は、村の人達から忌み嫌われ、家族からは愛されたことがなかった。
恋がその事を実感したのは、ご飯の時間になっても恋の分は用意されてなかった時だった。そしてそれ以降、恋の分は用意されることはなかった。
だから多分、恋はもう、いないものとして、扱われていたんだと思う。
だから恋は生きるために、家から少し離れた所にある小屋の中に食べ物がないか探した。
でも結局食べ物は見つけることはできなかった。けど、そこで偶然見つけた方天画戟を使って、兎を中心に狩ってお腹を満たしていた。
あの時、方天画戟を見つけた時は、何かに使えるかも知れない程度の認識だったけど、今ではとても大切な相棒になった。
恋が、小屋だと思っていた場所は、本当は納屋だったことを恋は知ることはなかった。
そんなある日、いつも通り狩りをしていたら猪と出会ってしまい、どうにか狩ることはできたけれども、少し怪我をしてしまったことがあった。
内心恋は家族が少しでも心配してくれると思っていたけど、結局家族からは心配されるどころか、汚いものを見るような目で見られて、この時は、悲しくなった。
村の人達や、家族からそんな扱いをされていたせいか、ある時、村の作物があまり育たなかった時に、口減らしで恋が真っ先に選ばれた。
でも恋は、自給自足をしていたから恋を殺す口実が、欲しかっただけだと思う。
そして、家族から殺されかけた恋は、小屋に隠しておいた方天画戟を、持ち出して逃げた。
この話はまだ好恋に話すつもりはない。きっと好恋なら恋のことを受け入れてくれると思うけど、恋にまだ話すだけの勇気がないから、恋の中で決心がついた時、話すつもりだ。
家族から直接殺されかけたあの時は、本当に怖かった。
逃げて逃げて、そして気づいた時には、今拠点にしている洞穴の近くの森にいた。
洞穴を見つけるまでは、木の上で休んでいたけど、この洞穴を見つけてからは洞穴を拠点にして、好恋に逢うまでは、猪や熊、兎を狩って生きてきた。
たまには、狩った獣の毛皮などを前回、好恋と共に行った村に行って物々交換をしてた。
そんな日々を過ごして、はや半年が過ぎたある日の夜、恋は一つの流れ星を見つけた。
その時恋は、家族が欲しいと流れ星を見ながら願った。
そして次の日、恋は昨日見た流れ星を思い出しながら、何故かいつもなら行かない森の奥に入って行った。
そこで恋は、好恋と初めて逢った。でもその時の好恋は、気絶をしていたからこの時、好恋のことを知らなかった恋は、ただなんとなく恋のそばにいて欲しかったから好恋を洞穴に持ち帰った。
恋は、好恋を初めて見た時、胸がどきどきして胸の中が苦しくなった。でも恋にはこの感情を知らなかった。
そして、好恋が起きてから数年、色んなことがあった。
好恋と関わり始めてから恋は、様々な感情を知り、また好恋の前では感情を表に出しやすくなった。
そういうこともあってか、好恋と出逢ってから二年の目の春の時に初めて恋と好恋は喧嘩をした。
でもその喧嘩が切っ掛けで新しい家族が増えた。
~回想~
「……好恋の、馬鹿」グスグス
喧嘩をした内容は魚を焼くのをやめるか、もっと焼くかだった。
好恋は焼き加減はこれで十分と言っていたけど、あれでは中の寄生虫までは殺せてなかった。だからもっと焼くことを主張したけど、うまく伝えられなかった。
「…ぅぅ、でも淋しい……好恋、大丈夫かな?」グスグス
今日でもう好恋と離れて二日になる。そういえば、こんなに好恋と離れているのも初めてかもしれない。
好恋と逢ってから二年、一日以上離れたことのない恋は、一日目は喧嘩での怒りで気になっていなかったが、二日目になって怒りが少し収まり、だんだんと淋しさが出てきたのだ。
また喧嘩した勢いで好恋が出ていく形になっていたため荷物はあまり用意せずに行ってしまった好恋は、近い内に戻って来ることは予想されていた。
それによりいつ戻って来るかがわからなかったことが、恋をまた心配させることになった。
「…泣いてたら、お腹すいた…ごはん」ゴソゴソ
あっ、お肉がない。
「…狩りに行かないと……今日は、兎がいい」
こうして恋は、兎を狩りに森へ出掛けた。
~一時間後~
「……………」グギュルルルー
おかしい、兎一匹すらいないなんて。
それに囲まれた。狼……かな?
「…わかってる、かかってこい」
恋に自分達の存在がばれたことがわかったのか、草むらから子供も引き連れて出てきた。
「「「「「「「「「「グルルルー」」」」」」」」」」
「「キャンキャン」」
「…そう、子供もいた。なら考えがある」
草むらから出てきた狼達は子供も含め、皆見ただけで痩せ細っていることがわかるほどの姿をしていた。
その事から恋は、つい最近この狼達の群れがこの森に来たことがわかった。また、兎一匹すらいない理由も狼達の殺気で察する事ができた。
「「「「「「「「「「ガアアァァッ」」」」」」」」」」
「…とりあえず、大人しくする」ゴゴゴゴ
「「「「「「「「「「「「キャンキャンキャン」」」」」」」」」」」」腹見せ
恋は、威圧だけで狼達を服従させてみせた。
「…恋がリーダー、いい?」
「「「「「「「「「「ガウッ」」」」」」」」」」
「「キャンキャン」」
「…ならついてくる」
「「「「「「「「「「「「「ハッハッハッ」」」」」」」」」」」」ゾロゾロ
狼達を引き連れた恋は結局、兎などは狩らずに、洞穴に行く際に通る小川で腹ごしらえをすることにした。
〜数十分後〜
この辺でいいかな。
「………」ヒョイッ
ヒュー、バッシャーン
「…これで、次」ヒョイッ
ゴーン!バシャン、プカプカプカ
「…みんな食べる分は、とる」
バシャ、バシャ、バシャ、バシャッ
〜数分後〜
「…とったら、この中に入れる」
恋は、背負っていた籠をを置いて狼達に入れさせた。
「「「「「「「「クウーン」」」」」」」」
「…恋の分を含めても、ぜんぜん足らない…違う場所で何回かやる」
こうして恋達は、同じようなことをあと三回繰り返すことで狼達は三匹ずつ、子供は一匹ずつ、そして恋は、五匹得ることができた。
「…帰ってごはんにする」
そして、恋達は拠点である洞穴に戻ることにした。
〜数十分後〜
「…ここ恋達の家、覚える」
「「「「「「「「「「「「「ガウ」」」」」」」」」」」」
この後、狼達は生のまま、恋は久しぶりに自分で調理して魚を食べた。
「…お腹いっぱい、満足……でも何か忘れてる?」ウーン
………あ!好恋にも、狼達のことを伝えないとだった。
このことでまた、好恋と喧嘩するのはやだ。
今度こそしっかり好恋に言いたいことを伝える!しっかり伝わればきっと好恋もわかってくれる。
こうして恋は、昨日よりも狼達がいることで、温かく寝ることができた。
〜翌日〜
久しぶりによく眠れた。でも目が覚めた時に好恋が隣にいてくれないのはやっぱり淋しい。
でもなんだか今日は好恋が帰ってくる気がする。
「…みんな、汚い」キョロキョロ
うん、朝ごはんとりに行くのに、ついでに洗えばいい。
「…みんな、綺麗にする……川に行く」
「ワ~フ」アクビ 「「「ワフッ」」」アクビ 「「「「「「「「………………」」」」」」」」zzzz
「……………」ピキッ
「…みんな、起きる」ゴゴゴゴ
「「「「「「「「「「「「キャン!?!?」」」」」」」」」」」」
子供達は、恋がしっかり洗うから、ここからもう抱えて行く。
「…モフモフ」ダキッ
「「ワフッ!」」
こうして、川に向かって行ってる最中に好恋と逢うことができた。
やっぱり今日好恋は戻ってきた。それがとても嬉しかった。でも、好恋も虎と熊の子供を抱えてきた。
……あれ?今の状況なら好恋も狼達のこと、わかってくれるかも?
大学生活も始まり、今後も不定期更新になってしまいますが今後も宜しくお願いします。