*花は枝垂れて
「おお、待っとったよ、お嬢さん」
「………」
絞られた照明が黒と黄の二色によって彩られた部屋内を薄暗く照らす中、ダブルサイズのベッドに座る男が今し方訪れた女を迎えた。
その女――蓮は、週一で訪れる利息を払う当てがつかないまま、自身の借金の取り立ての日を迎えようとしていた。
利息を支払えなければ、その代わりとして蓮は痴態をカメラの前で晒して動画にする事となる。大本の借金やその利息の額を考えれば安い取引ではあるのだが、不特定多数の人間に自らの性交の様子を見られるというのは尋常ではない羞恥を伴う。
その為、蓮はどうしても金の都合が付かなくなった時には弥武組の紹介を通じ、裕福な人間へ自ら体を売る……詰まる所、売春によって直ぐに使える金銭を得て、週の取り立てに対応していた。
体を売る事に変わりは無いが、その様子を動画として売りに出されるよりかは遥かにマシだ。そう思い、蓮は自身と一夜を過ごしたいと連絡してきた目の前の中年のいるラブホテルへと訪れていた。
「……ふうむ。こうして改めて見ると、やはり美人ですなあ。もう既に興奮してきましたよ」
「……どこかで、お会いした事があるかしら」
目の前の中年は出し抜けに蓮の服の上から胸や脚などに視線を行き渡し、己の劣情を隠す気も無いという風に目を弧にし、口を吊り上げて下品な言葉を飛ばしてきた。
自らを売るという下の立場として不快感を隠しながら、蓮は自らを知っているというような言葉を含ませた中年に問う。
様々な方面に顔が広いと自負している蓮であったが、今目の前にいる男は蓮の記憶の限りでは初対面であった。とはいえ、バスローブ姿の中年は自らの裕福さを脂肪に変えたかの様に脂ぎった容姿で、一目見ただけで蓮が忌避する部類の人種なのは確かだ。
事前の話ではこの街の裕福層の一人であり、蓮の領域であるアンダーグラウンドとは関係が薄い、金を持っているだけの一般人と聞いていたが……どこで自分の事を知ったのだろうか、蓮は思考する。
「いいや、こうして顔を合わせるのは初めてですな。ま、そんな事はどうだっていいでしょう?貴女は私へ自らその体を売った、私は貴女の一晩を買った。ただ、それだけの関係なのですから」
「くっ……」
両手を自らの膝に置き、期待でにやにやと顔を歪ませ中年は欲に満ちた目を見下ろす様に蓮へ向けてくる。
初対面でありながら真っ先に”これから性交をする”という事実を言外に突き付けてくる中年の印象は蓮の中では既に最底辺であったが、だからと言ってそれを態度に出すことは出来ない。
実際に自分はこの男から金をもらう事でしか先にある屈辱を避ける事が出来ず、その為には機嫌を損ねる訳にはいかない。こちらのそういった事情や心境も理解した上で中年はあえて露悪的に振る舞っているのだろう。
どうして金や権力を持つ者の大半はこうも性根が悪いのだろうか。そんな本音を心の底で噛み殺す。
「……何を、お望みかしら」
「ふむ。まぁ、手始めとして脱いでもらいましょうかね」
「……っ、わ、かったわ……」
無駄話は望まないという中年の意図を感じ、率直に蓮が要求を問えばある程度は想像通りの答えが返ってきた。
なんでもない事の様に、しかし屈辱的な要求を告げられ、一瞬蓮が言葉を詰まらせる。とはいえ、どんな事を求められたとしても今の蓮には拒む権利は無い。
随分性急な事だと心では思いながらも、蓮は腰のコルセットを緩めて床へ落とし、自らの衣服に手をかけた。
「……うむうむ、やはりいい体をしていますな。それに、随分と下着の趣味も良いようで」
「っ……お褒めに預かり、光栄、ですわ」
上着を脱ぎ捨て、ベルトを緩めてスカートも外して床に落とす。服によって隠されていた肌は既に大半が露わとなり、蓮が纏う衣服は既に黒で統一した上下の下着とブーツしか無い。
中年は蓮のストリップを目で愉しみ、露わとなった肢体の局部へ強く視線を送る。隠す気の無い劣情の篭った視線が柔肌に刺さる様な錯覚から、蓮はせめて目だけを逸らし逃れようとする。
「綺麗な体なだけに、後ろも気になりますなぁ。振り向いてもらっても?」
「……いいわよ」
中年の発言の意図する所を理解しながらも、蓮はその要求に素直に従わざるを得ない。中年の目の前で蓮は体を翻し、その背中を見せる。
「ほほぉ……?これはまた、随分と大胆な……勝負下着という奴ですかな?」
「か、関係ないでしょっ……!じろじろ、見ないでくれるかしら……!」
「いやぁ、こんないい尻を見せておいてそれは無理があるでしょう……ほほお、手に吸い付くようですな」
「やっ……!」
蓮の今日履いているショーツは、いつも好んで履いている紐のTバックだった。蓮本人としては肌を締める着用感によって心身を引き締める為……という尤もらしい建前を元に、裏の世界に身を置く者として大人ぶりたいという本音から着けているものなのだが、中年にとってそんな蓮の心情などはどうでもいい。
例え蓮自身がどう思っていようが、今その下着は男の劣情を誘うものでしかない。ねっとりとした手付きで尻を触られながら、蓮は口に手を当ててその感覚に耐える。
「うむうむ、いい反応ですな。とはいえ、ただ触るだけではこちらも気持ち良くなれませんので、次はお嬢さんの方からやってもらいたいのですが」
「……どうすれば、いいのよ」
「そうですなぁ……あぁ、こういうのはどうでしょう」
中年は蓮の反応を堪能した後、無遠慮に押し沈めていた手を離してベッドに両手をつき、上体を後ろに逸らして腰を沈ませた。
「私のモノを、口で奉仕してはもらえませんかな。ただし、手は一切使わずに」
「……?」
中年からの提案を受け、蓮は体を中年に向け直しながらその意味を考える。
いきなり口淫しろ、という要求は確かに少々不躾ではあるが、それ自体はこれまでの経験から言えばそれ程不思議な事ではない。むしろ強引に口に突き込まれないだけまだマシな部類だ。
が、そこにわざわざ「手を使わずに」と補足した意味が少しわからない。手も使えというのならわかるが、何故わざわざそんな事を付け加えたのか、飲み込めない。
とはいえ、この様な男に要求された事にいちいち疑問を持っていてはいつまで経っても行為が終わらない。仕方なく蓮は膝をつき、男の体を覆うバスローブを解こうと手を伸ばす。
「ストップです。言いませんでしたか、”手を使わず”、と」
「……っ!」
帯に触れようとした所で中年から制止がかかり、そこで蓮は中年の意図を完全に理解する。
思わず顔を上げれば、愉快そうに笑いを噛み殺しこちらを見下ろす中年と目が合った。その不愉快な様子を見て、感情を隠し切れず蓮の顔が歪む。
悔しげな蓮の表情を見て、中年は満足げに口角をさらに吊り上げた。
「どうしました?どうしていいかわからない、という顔はしていませんが。なんなら、私の口から細かくやり方を説明しましょうか?」
「……言われなくても、わかってるわよ……!」
中年はわざと蓮を挑発する様に言葉を選び、続きを促す。不快感を煽る中年の様子から、蓮の口調からは立場を考え取り繕った言葉は既に取り払われ、強気な口振りが出てしまっている。
無礼とも取れるその態度を中年は諌める事はせず、ただ蓮がどういう顔で次の行動を取るか、それだけに注視していた。
「……んっ」
蓮は顔をバスローブの帯へ近づけ、一重結びで軽く締められただけの結び目を唇で挟んだ。
手を使わずに行為に至るには、こうするしか無い。自分から男の下腹部に顔を沈ませる今の体勢に恥を覚えながらも、早くこの馬鹿げた行為を終わらせるべく帯を口の力だけで引っ張り、緩めていく。
帯が解け、中年の羽織るバスローブの前が引き抜かれる帯に合わせて開く。前が開かれると、中年の下腹部から下の肌が現れ、直立した肉棒が蓮の顔の前に跳ねてつきつけられる。
中年の体から漂ってくる体臭と、それをさらに凝縮した様な濃い匂いが鼻に飛び込んで来て、蓮は顔を顰める。こんな物を口に含まないといけないのかと嫌悪はさらに強まるも、かといってやめる事は出来ない。
意を決し、蓮は肉棒の先へ舌を伸ばし、その表面へと這わせた。
「んっ、んぅっ……ふうっ、はっ、ぅっ」
「ほほう、これは……なんとも、たまりませんなぁ」
手を使えないという制限から、顔だけを突き出して肉棒を舐め上げる蓮の姿を見下ろして、生温い舌の感触を堪能しながら中年はほくそ笑む。
唾液を乗せた舌が亀頭をなぞれば、快感を感じた肉棒がぴくりと跳ねる。蓮は口や鼻全体に広がる臭味をなんとか耐え凌ぎながら舌を動かし奉仕するものの、抑える物の無い肉棒は舌先から逃れる様に自由に揺れ動いて思うようにいかない。
このままではいつまでも中年は満足しないだろう。黙って奉仕を受けたまま言葉にこそしていないものの、中年が何を望んでいるか察した蓮は、唇を大きく開いて揺れ動く肉棒を上から咥え込んだ。
「んむっ!んっ、ふっ、ぅっ……ん、ふぅっ」
「おおっ……!く、いいですよ、そのまま舐め回して……!」
口の中に閉じ込めて抑え込んだ肉棒を、蓮はそのまま唇を窄めながら舐め回していく。付着する汚れを隅々まで舌で集める様に、頭を上下させて雁首から茎の中程までを満遍なく自らの口内で扱いていく。
舌を動かして唾液を口の中で回すごとに、男の性臭が蓮の味覚と嗅覚を支配していく。何度口にしても慣れる事の無いその味に噎せ返りそうになりながらも、目の前の男と今自ら口で形を確かめている肉棒に何をされるか、その「次にする事」を否が応でも想像させられてしまう。
それを意識した途端、蓮の臍の下の辺りが僅かに疼いた。そんな自分の意志に反する感覚から逃れるべく、蓮はさらに口と舌の動きを早める。
「んぅっ、んっ、んっ!っちゅぅ、んむっ、むぅっ」
「く、ふっ……!これ、はっ……!」
顔を前後させる度に唾液の摩擦による水音が鳴る程に蓮の口淫が速度を増し、思わず中年の腰が引ける。
僅かに退いた肉棒を追うように、蓮はさらに顔を突き出して咥えた肉棒を逃さず奉仕を続けていく。上目で中年の様子を覗き込めば、先程までの余裕に満ちた笑みを落とし、ただ蓮の口から与えられる快感に耐える姿がそこにあった。
(……情けない顔しちゃって。こうして欲しいんでしょうが)
自分が相手を追い詰めている。中年が見せるその顔からそう感じて、蓮は無意識の内に優越感を覚える。
蓮が亀頭の先を強く舐め回すと、その動きに合わせて中年は顔を仰け反らせて反応を返す。相手を自分の思うがままにしているという事実が、嫌悪を薄れさせて行為へと没頭させていった。
「くっ……!もう結構ですよ、離してもらっても」
「えっ……?」
口の中で肉棒がぴくぴくと震えるのを感じ始めた所で、中年が蓮の動きを制する。
てっきり一度口の中で吐き出させるまで口での奉仕を続けさせられるとばかり思っていた蓮は、困惑した表情を浮かべながら肉棒から口を離した。
「いやはや、手始めに軽く綺麗にしてもらおうとだけ思っていたのですが……思った以上に熱心にされたおかげで、少し出る所でした。もしや、欲しかったのですかな?」
「……っ!そ、そんな訳ないでしょ!」
自分のそれまでの痴態を指摘され、蓮の顔に赤みが差す。傍から見れば自分から積極的に行為に及んだ様にも見える先程の行いに対し、遅れて羞恥心が込み上げてきた。
あくまでこういった事をするのは目の前の中年に命じられたからであり、自分の意志でそういった事をした訳ではない。その事を心に戒めて、蓮は中年を睨み上げる。
「おや、それは残念です。……さて、続きはシャワーでも浴びながらにしましょうか。もちろん一緒に、ね」
「……」
蓮の恨めしそうな目線を受けても中年は気にも留めず、ベッドから立ち上がって蓮の肩へと手をかけ、その細い体を抱き寄せた。
最初から体を洗うつもりであれば、洗った後に奉仕させてくれればいいのに。今も鼻の奥に残る性臭から、蓮はそんな事を思う。どうにも目の前の中年は自分に反感を抱かせながらも、それに反して従わせる事をお望みのようだ。
こういった趣向は蓮を買おうという人間には珍しくない。嫌がる女を屈服させる事に充足感や優越感を覚える、性根の曲がった露悪家。今回の中年もその手合いだろう。
たとえ体を売っても、心の底までは屈服してやらない。そう決意した蓮は、嫌悪を抑え込み抱き寄せてきた中年の顔を強く睨んだ。
「おやおや、これは随分と嫌われた様子。まぁそれならそれで、精一杯仲良くなれるように努力するとしますかな。一晩中、ゆっくりと時間をかけて……ね」
そのまま中年は蓮を連れ、浴室の方向へと歩き始める。ただ素直に体を洗うだけでは済みそうも無いだろうその言葉に不安を煽られながらも、蓮は中年を気丈に睨み続ける。
並んだまま二人が脱衣所に入ると、既に浴室に灯りが点いている事に蓮が気付く。中からは水の流れる音が僅かに聞こえ、磨りガラスの向こう側にはぼんやりと人影があった。
「……他に誰かいるの?聞いてないのだけれど」
「ええ、私の息子がね。折角の機会ですからな、良い経験を積ませてやろうと思いまして」
「……」
「あぁ、心配なさらずとも二人がかりで責める、などと乱暴な事はしませんよ。その必要もありませんからな」
「――んぅっ!あ、やっ!ダメ、ですっ!」
中年の意味深な言葉にどういう事かと蓮が思った時、浴室から甲高い声が響いて聞こえてきた。
明らかに”息子”と呼ばれる者とは違うだろう、女性の声。平常時に発する物ではない鼻がかったその声は、自然に浴室の中で何が行われているかを不透明ながら蓮に伝えてきた。
が、その想像をすると共に、蓮は引っかかりを感じる。聞こえてきた声に、聞き覚えがあるような気がした。
「おおっと、もう中では始めてしまっているようですね。では、私どもも早く入ってしまいましょうか」
「……え、えぇ。わかったわ」
中からの声を聞き、手早く中年はただ羽織っているだけのバスローブを脱ぎ捨て、それを隅にあるランドリーワゴンの中へと乱雑に突っ込む。
蓮は中年に背中を向け、身につける下着を手早く脱いでいく。ふと目の前の鏡を見れば、鏡面に映る中年と目が合う。鏡越しに体を見られる事への羞恥から、蓮は両腕を使い局部だけを隠した。
「ふふ、見た目によらず身持ちが堅いのですな。楽しみは後で、というのも悪くありませんが」
その蓮の様子を中年はあざ笑う様に言葉を投げてくる。これからする事を考えれば無駄という事は蓮としても理解していたが、だからといって一切の羞恥を捨てられる訳でも無い。
反応すればするだけ目の前の男の思う壺だと考えた蓮は、その言葉を無視して自分の胸を隠す腕で浴室の扉を開けた。
「シスターさん、もう入れるよっ……!」
「んぁっ……!や、入っ、て……!」
「え、ユ、ユーリヤ!?」
扉を開けて蓮の視界へ真っ先に飛び込んできたのは、裸の若者が浴室の壁にユーリヤを押し付け、その肉棒を挿入する光景だった。
見知った顔が思わぬ場所にいた事と、目と鼻ほどの距離で情交が行われている事に対する衝撃から思わず蓮の体を隠す手が離れる。
扉を開けた所で足を止める蓮へと、若者の肩越しにユーリヤが蓮へと視線を合わせる。体の内側に肉棒を挿し込まれる感覚から細まっていたユーリヤの目が、一瞬で見開いた。
「えっ、れ、蓮さんっ!?ど、どうしてここに――んぅっ!!」
「く、シスターさん、いきなり締めないでっ……!」
「す、すみま……え、やっ!み、見ない、でっ……!あ、やぁっ!」
「み、見るな、って言ったって……」
蓮が突然姿を見せた事に対する驚きにユーリヤは体を強張らせ、内側へと迎え入れている肉棒を締め上げてしまう。その形と大きさを体の内側で確かめながらも、遅れて自分が蓮にどう見られているかを把握してユーリヤが声を上げる。
ユーリヤに見るなと言われた蓮は言われた通り視線を逸らすも、入ってきた蓮を意にも介さない若者は自らの肉欲のまま腰を突き上げ、ユーリヤの膣奥へと自らの肉棒を押し付けていく。
腰の動きに応じて浴室にユーリヤの甲高い声が響き渡り、それが目を逸らす蓮の耳に入ってくる。嫌でも聞こえる上擦った声に、つい蓮が視線を戻してしまう。
「ん、くぅ、ぁっ!あっ!ああっ!」
「シ、シスターさんっ……!くっ、いつもより気持ちいいっ……!」
浴室の壁と若者の体に押し潰される様な形で、ユーリヤは若者にその細い腰を抱えられながら下半身を打ち付けられている。後ろに蓮がいる事も忘れている様に若者は自らの股間をただひたすらにユーリヤの股へと合わせ、その度に肉のぶつかる音が鳴り響く。
膣内を行き来し内側を削っていく肉棒から齎される快感にユーリヤは若者の首に手を回し、目を瞑り肩に頭を乗せながら顔を伏せてただ耐え凌ぐ。
ユーリヤが漏らす声や上気した顔から、蓮もまたユーリヤが感じているだろう感覚を想起し、臍の下辺りに疼くものを感じてしまう。無意識の内に蓮は唾を飲み込んだ。
「どうですかな、シスター。ご友人に見られての”奉仕”は」
「っ……!く、んっ!ふうっ」
「うっ……また、締まっ……!」
目の前の光景に蓮が見入っている所へ、後ろから中年が歩み寄り蓮の肩を掴む。その言葉に我に返り蓮は慌てて顔を逸らすも、その様子を見たユーリヤは自分の今の姿が見られていた事に気付いた。
ユーリヤは体を縮めて口を閉じて嬌声を押し殺そうとするも、若者に抱き着いた状態で思わず腕に力を入れた事により却ってお互いの体を密着させる事になり、肉棒をさらに奥へと導く事になってしまう。
「……ど、どうしてここに、ユーリヤが?」
「ああ、ご存知ありませんでしたか。私はシスターの教会へと心ばかりの支援をしている者の一人でしてね。その事から、シスターから奉仕活動の一巻として情けを頂いているのですよ」
未だ事態を飲み込めずにいる蓮が疑問の声を上げ、それに中年が答える。
少ない言葉から蓮は目の前の中年の素性とユーリヤの状況を頭の中で整理し、状況を理解する。中年とユーリヤの性格を考えて、大方火の車であるユーリヤの教会に多額の寄付を押し付け、それを盾に体を求めたという所だろう。
同時に、自分が何故面識の無かったこの中年に今回買われたのかも理解する。ユーリヤとの付き合いのある自分をその”奉仕活動”とやらに混ぜる事で、反応を楽しむつもりだったのだろう。
全てを理解した事で、改めて中年の悪趣味な考えに嫌悪が湧き上がる。蓮は肩を抱く中年の顔を見て睨みつけるも、中年はその反応もまた想像通りといった様に笑みを浮かべて視線を受け止めた。
「……それでは、湯に浸かるとしましょうか。夜も長くなりそうですからな」
敵対的に見つめる蓮と羞恥に顔を伏せたままのユーリヤの様子を交互に見やると、中年は蓮を湯の張った浴槽へと導いた。
いぶすたクロスタッグバトル
しばらく書かない間にめっちゃ遅筆になってしまったのでリハビリのつもりでやります。
当小説でもっと見たいヒロインは誰ですか?
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蓮ちゃん
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ユーリヤさん
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真魚ちゃん
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蜜柑さん
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夢ちゃん