※この作品はR-18です。

Ith-Videoは観測する   作:灰の熊猫

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*隠と動と

「……ふうむ、こんなものですかな」

 

 中年は湯の張った風呂に持ち込んできた入浴剤を入れ、しばらく備え付けのジェットバスを起動させて風呂全体に泡を立たせていた。

 わざわざ泡風呂を作る為に専用の入浴剤を持ち込んできたのか。蓮は頭の端でそう思うも、意識の大半はそちらへと向けられていなかった。何故かと言えば――

 

「くっ、ふっ!……っ!んっ!」

「はっ!ああっ、いい、いいよシスターさん……っ!」

「す、少し、おさえっ……ぁっ!」

 

 蓮と中年の傍では、そんな事を気に掛けずに若者がユーリヤを壁へと押し付け、腰を振り続けていた。すぐ隣で行われる性交による淫らな物音は浴室のタイルに跳ね返され、残響のサラウンドが余す所なく耳に届き蓮の意識をそこへと留めてしまう。

 実際に他人の性交を、しかもこれほど身近な所で見聞きするのは蓮にとっては初めての事だった。それもその内の一人が自身の友人というのも尚性質が悪く、ただそこにいるだけで悪い事をしている様な罪悪感と、得も知れぬ高揚感が沸々と湧き上がってくる。

 ユーリヤの心情も考えてなるべく目を向けないようにしてはいるが、その物音の一つ一つを完全に無視する事は出来ない。蓮は逸らした自分の顔がその場の蒸気以外の物で熱されるのを感じていた。

 

「おや、何をしているのです?準備も整いましたし、早く湯に浸かりませんと。そうしているのも肌寒いでしょう?」

 

 行為に没頭している若者同様、中年もまたユーリヤ達の交合に関心を持たぬまま泡風呂の準備を終え、蓮に声をかけてきた。

 その声に蓮が浴槽に目を向けると、真っ白な細かい泡が浴槽の縁一杯に満ち満ちて、この浴室に入った時には確かに見えていた浴槽の中の湯は完全に泡によって隠されていた。

 今にも縁から溢れ零れ落ちそうなほど十分に泡立ったのを確認し、中年は浴槽傍の端末を操作してジェットバスの運転を止める。

 手で泡ごと湯を掬い上げて温度を確かめて、中年は湯の中へと足を入れそのまま腰を下ろし、泡の中へと自らの身を沈めた。

 

「ほら、早く」

「…………」

 

 湯の中に浸かり、泡によって肩から下全てが隠された状態から中年が右手を上げ、蓮へ小さく手招きする。

 わかりきっていた事ではあるが、どうやらこの中年は一緒に浸かる事をお望みらしい。この男の前でなければ溜息をついていた所だっただろう、内心の呆れや反感を蓮は抑える。

 とはいえ、普通の風呂では無く泡風呂というのはまだマシだったかもしれない。透明な湯で体をじろじろと眺められるよりは、見えない方がずっと気が楽だ。

 ここで無用な時間を取り、不興を買って妙な要求をされる訳にもいかない。蓮は中年の誘いのまま、両手で局部を抑えながら浴槽の中へと体を進め、中年から逆の端の場所で背中を向けて座った。

 

「……は、ふぅ」

 

 派手に泡立つ表面を抜け、体全体が湯に浸かる。体温よりも少し高い湯の熱が足から肩下まで、全身にじんわりと染み渡って少しずつ内へ内へと溶け込んでいく。

 一瞬それまで蓮が抱いていた緊張や感情が緩み、暖められた肺から押し出される様に溜息が漏れる。浸かった際に僅かに宙に浮かんだ小さな泡が顔の近くまで舞い上がり、石鹸特有の清潔な香りが鼻先を擽(くすぐ)る。

 胸の上や腕へと絡んで来る泡の感触も心地良く、風呂に関して言えばなんら文句のつける所が無い、まさに極楽といった感覚を蓮は味わう。

 

「あっ!……~っ、ぅっ、ぁっ、ふっ!」

「はっ!はっ!あぁっ、気持ちいい……!最高だよ、シスターさん……!」

「ははは、気持ちはわかるが夢中になりすぎて足を滑らせない様にしろよ。こんな事で怪我したくはないだろう?」

 

 ……こんな異様な状況でさえなければ。耳に飛び込んでくる二人の声と浴室全体にやけに響く体同士がぶつかり合う音が、気分を落とす注釈をおまけしてくる。

 蓮は目を瞑り、なるべく横を気にしない様に努める事にした。その様に意識する事自体が気にしている、と言われればそれまでかもしれないが、気持ちを平常に保とうとしなければ横から聞こえてくる抑えた嬌声と、その情交の空気に蓮自身も呑まれてしまいそうだったからだ。

 これから自分もユーリヤと同じ様にされるのだ、まるで晒し者にされる様に自身の様子を見せつける事になるのだ。まず確実だろうこれらの事実を、出来れば意識したくは無かった。

 例え金目当てで体を売る事になったとしても、それを誰かに見られて喜ぶ様な特殊な嗜好は持ち合わせてはいない。蓮は次の自分の姿を表すユーリヤの痴態から意識を逃がすべく、体を丸めて湯によって熱される体の感覚にのみ集中し始めた。

 

「随分と静かですねえ。我々も楽しまないと損ですよ?」

「っ!?や、ちょっ……!?」

 

 そうしてじっとする蓮へ中年は近付き、脇下から両腕を回り込ませてきた。完全に油断していた蓮はその手に対応する事が出来ず、咄嗟に体を腕で抑えようとするも間に合わずに胸へと触れられてしまう。

 中年はそのまま手を下から上へと動かし、胸をゆっくりと撫で上げていく。その手が持ち上げるままに浴槽に張る泡から胸の上部が少し覗き、中年の手が蓮の胸を離れて泡の上まで持ち上がると再び胸が泡の中へと沈んだ。

 

「何を、とは妙なことを。泡風呂でやる事と言えば一つでしょう」

「じ、自分で洗うわよっ……!」

「いやいや、そう言わずに。何もこれは善意だけではなく、後で同様にしてもらう為の……まぁ、先払いのような物ですから。ですので気にすることは無く、ただ身を任せてくれればいいんですよ」

「く、うっ……!」

 

 そう言いながら手で泡を掬い、蓮の体をさらにゆっくりと撫で回してくる中年の手付きには、言葉にある善意という物は欠片も感じられなかった。

 中年はその左手を蓮の胸に、右手を太腿の周りへ這い回らせていく。蓮の肌の感触を指を各々別々に動かして確かめ、柔らかく肉の付いた場所付近のみを重点的に撫で、触り、揉んでいく。

 体を洗うというより、自らの手で女性の体の感触をただ味わうといった、厭らしい手付き。その感触から逃れようにも自身の背から回された両腕と、すぐ後ろに添えられた中年の体が蓮に覆い被さり抑え込む。

 

「いやぁ、シスターも素晴らしい体をしていますが、蓮さんも中々どうして……甲乙付け難いとはまさにこの事ですねぇ、うむうむ」

「あっ、や……ひ、く……ぅ!」

 

 中年の腕の中で、蓮は体を這い回る掌の感触にただ体を捩る。

 太腿の内側へ指を動かしながら掌全体で円を描く様に動かされ、胸は左右交互に軽く揉み込まれていく。

 脚への擽ったさから両脚を閉じて腰を引けば、同時に尻に固く熱された棒の様な感触を感じる。考えるまでもなく明らかなその熱は、こちらが腰を引いてきたのを良い事に前に突き出され、丸みの中心へと押し付けられた。

 先程も文字通り味わったその熱と硬度を感じ、蓮は眉を顰める。先程から張り詰めたままの肉棒の味と大きさが、未だに後味となって残る口内に蘇った気がした。

 

「どうされましたか、その様な声を上げて。妙な声を上げては、ほら。シスターに誤解されてしまうかもしれませんよ?」

「っ!!」

 

 中年の言葉に蓮は今の状況を思い出し、慌てて口を噤む。ユーリヤの方へと顔を向ければ、依然変わらず顔を伏せて、ただ若者から打ち付けられる欲情に耐え忍んでいた。

 こちらの様子を確かめる余裕も無く行為を受け続けている様子を見て、蓮は自身の様子を見られていないことに微かな安心を覚える。が、この狭く音もよく響く浴室内で下手な声を上げれば、今も漏れ聞こえてくるユーリヤの声同様にこちらの様子も把握されてしまうだろう。

 蓮は自らの口に軽く蓋をする様に唇の上に片手を添えて、不意に出てしまう声を抑えようとした。

 

「おやおや、余程恥ずかしいようで。まぁ、ただ体を洗っているだけなのに妙な誤解をされてしまうのは確かに恥ずかしい物ですからなぁ。とはいえ、この風呂が気持ちいい事は確かですし、そこまで隠そうとせずとも良いのでは?」

「く、ぅっ……ん!」

 

 蓮が声を抑えようとしている時にも中年の手は絶えず動き回り続けていた。右手の指は胸の頂点の付近を円を描くようになぞり、しかしそれでいて頂点に触れようとはしてこない。

 左手もまた太腿から脚の付け根にまで昇ってきており、その手を拒むべく蓮は両脚を閉じるも、その合わせた脚の間に滑り込ませる様に差し込まれて、蠢く左手の動きは何一つ止められない。

 

「いやぁ、いいお湯ですなぁ。そう思いませんか、蓮さん」

「ん……く……ふっ」

 

 中年はそのまま無抵抗の蓮の局部近くを両手で撫で回し続けるも、肝心の部分には決して触れずに焦らし続ける。

 湯の熱に浮かされて体に力が入り切らない今の状況において、不意に強く感度の高い場所へ触れられてしまえば間違いなく声を隠す事は出来ない。それを自覚している蓮は気を張り、いつ来るかもわからないその瞬間に備えて気を張り続けていた。

 だが、そんな蓮の心情を知ってか知らずか、中年はいつになっても胸の頂点や陰部に触れようとせず、弱くも強くもない力でその付近を触り続ける。

 声を小さく抑え続ける事が出来る程度の手付きで済んでいるのは蓮にとって有り難くはあったが、執拗に同じ場所を触り続けるその手付きに少しずつ体の奥が疼くのを感じつつあった。

 

「シ、シスターさん、今度は後ろからしたいです……!ちょっと、鏡に手をついて……!」

「え……あんっ!ちゃ、ちゃんとしますからっ、そんな急に――んはぁっ!?」

 

 蓮が中年の手へ注意を払っていると、若者とユーリヤの方に動きがあった。急に跳ね上がった声のトーンに思わず顔を向ければ、若者がユーリヤの体勢を裏返し鏡へと手をつかせて、後ろから自らの肉棒を突き込んでいた。

 お互いに体を合わせて壁を背負うだけの不安定な体勢から両腕で上体を支える形になった為に、先程に比べてユーリヤの姿勢は安定している。だが、それに伴って若者の抽送の勢いも増していた。

 お互いに脚を滑らせないようにという配慮と言う名の躊躇があった先程までと違い、若者はただ力の限りユーリヤの膣奥へと自らの腰を打ち付け、内側の柔肉を肉棒で掻き回し続ける。

 ぱつぱつと肉の弾ける音が一層高まり、先程までなんとか若者の肩で伏せて抑え込んでいたユーリヤの高い声は、強く突き込まれる度に反射的に喉より湧き出てしまっていた。

 

「はっ、はぁっ!奥、当たってるよ……わかる、シスターさん!?」

「あっ、やあっ!く、あぁんっ!だ、だめっ、そこはッ――あぁあっ!」

 

 声が抑えられなくなったユーリヤの様子に欲情を煽られた若者が、ユーリヤの腰を掴んで最奥に自らの肉棒の先をねじ込むようにぐりぐりと押し付けて問いかけていく。

 ユーリヤはそれに答えを返せず、一度漏れ出した声を止められないまま自らの体の最奥に押し付けられる熱に悶える事しか出来ないでいた。

 明らかに苦痛以外のもので満たされ上気したユーリヤの表情が手を付いた鏡に映り込み、それが蓮の目にも飛び込んでくる。

 ユーリヤのその顔と蜜の流れる二人の接合部を見て、蓮は殆ど無意識の内に自身の下腹部にもその肉棒が突き込まれる感覚を想像してしまった。

 

「……さて、そろそろ私の方も洗ってくれませんかな?このままでは自分の体を洗わないまま、茹だってしまいかねませんからね」

「えっ?……そ、そう、ね。わかったわ」

 

 そんな中、不意に自身の胸と脚から中年の手が離れていく。それまで声を出さぬ様に耐えていた感触が離れた事に安心と僅かな物寂しさを覚えながらも、蓮は湯に体を浸けたままその場で体を逆へと向け、中年と向き合う。

 てっきりこのまま蓮が声を上げるまで意地の悪い責めを続けるものだと思っていただけに、少々意外だった。が、自分の体を触られるよりは目の前の中年の体に触る方が気が楽なのは確かだ。

 蓮は両手で泡を掬い上げて手に馴染ませた後、湯の中の中年の胸に手をつく。どのぐらいの力加減が望みなのかはわからない為、機嫌を損ねない様に可能な限り優しく肌に手を這わせていく。

 

「……ふう、はぁ。いやぁ、こうして誰かに体を洗ってもらうというのは、実に気持ちのいいものですな。これならば毎日でもして欲しいぐらいですが……それは過ぎた贅沢というものですかね」

 

 蓮に上体を触られた中年は全身から力を抜き、特に厄介な指示をする事も無く思うがままに体に触れさせ続ける。

 蓮に触れられる度にその口から吐息を漏らし、素直な感想を蓮に伝えていく。声を抑えざるを得なかった先程の蓮とは違うその余裕が憎たらしく感じられる。が、そんな小さな事を気にしていては心が持たない。

 胸から腕へ、脇下から腹部へ。見えない場所にある男体を手探りで撫で擦る事にどこか高揚感を覚えながらも、蓮は無心で中年の体を洗い続けていく。

 

「おっと、すみませんがここも洗ってくれませんか?どうも、最近痒くて敵わんのですよ」

「っ!?ちょ、これっ……!」

 

 下腹部まで蓮の手が来た所で唐突に中年がその手首を取り、強引にさらに下まで引っ張る。

 そのまま中年の手に導かれ、蓮の掌に妙に熱く硬いものが押し付けられる。張り詰めて脈打つそれを掌全体で感じ、嫌悪感から手を引こうとするが手首を掴んだ中年の手がそれを許さない。

 中年の顔を見れば、先程強引な口淫を要求した時と同じ下卑た笑みがそこに張り付いている。このまま手で扱けという事なのだろう。

 一向に自らの手首を離そうとしない中年の手からは、満足させろという勝手な意図が言葉もなく伝わってくる。蓮は一瞬躊躇するも、すぐに立場を思い出して仕方なく肉棒を握り始めた。

 

「おっ、おぉ……いやぁ、極楽極楽。やれやれ、息子にもこういった……ふう、リラックス出来る時間を大事にして頂きたいものなのですが……」

 

 蓮は出来る限り音を立てないよう、肩を動かさずに手首だけを動かし、肉棒の表面に掌を滑らせていく。

 下手に大きな動きや音を立てれば、横のユーリヤ達に気付かれてしまう。さしたる抵抗も出来ずにただ男の言いなりになっている姿を、しかも進んで淫行を行っている所を見られるというのはこの後の蓮の印象に関わる。

 今まさに肉棒を突き込まれている姿を見られてしまっているユーリヤには悪いが、出来ることならこのまま気付かずにいて欲しい。そう願いながら、蓮は硬度を増す肉棒を手を上下させ擦り上げていた。

 

「――ふああんっ!んっ、んっんっ!!」

 

 そんな中、横で行為に及んでいるユーリヤと若者の声の調子が一段上がる。肉の弾ける音が大きくなり、無意識の内に蓮の視線がそちらに吸い寄せられてしまう。

 見れば後ろからユーリヤを責める若者の速度が上がっていた。腰を打ち付ける度にユーリヤの尻肉は衝撃により波打ち、揺り戻された所に再び突き込まれる事でお互いの肉の拍動がさらに高鳴り響き渡る。

 鏡についていたユーリヤの手は既に最初の位置よりずり落ちており、額も鏡に付ける事で若者より与えられる肉欲により崩れつつある自らの体をなんとか支えていた。

 

「く、うっ……シスターさん、もうっ……!いいですよねっ、中でっ!」

「ダ、ダメッ!み、見られっ、ちゃっ――あ、アンッ!」

「でも、俺もうっ……!うっ、うっあっ!!」

「んうぅっ!あっ!あぁ゛っ、だめ、だめぇっ――ン、んあッ、ハ、あァァッ!!」

 

 抽送は徐々に速くなり、若者がユーリヤへ限界を告げる。ユーリヤの制止も聞かないまま、若者はユーリヤの体の一番奥へ己の欲望を突き込み、同時に弾けさせた。

 性交を横で蓮と中年に眺められながら只管(ひたすら)に子宮を刺激されて火照ったユーリヤの蜜壺を、迸る精液が奥から流し込まれて膣内を焼いていく。その熱に押し上げられ、ユーリヤの体も達してしまった。

 

「あっ、あっ……すごっ、絞られるっ……!」

「ん、くぅっ……!あ、は、あ、ぅぁ……」

「シスターさん、凄い顔してる……き、気持ちよかったですか?」

「ッ!?や、み、見ない、でっ……んっ!」

「くぅ、あっ……!」

 

 蓮の前という事もあり限界まで耐えていた体が、絶頂の拍子に堰を破った様に若者の肉棒を絡み取っていく。ようやく享受する事を許された快楽が、肉棒を味わいながらさらにユーリヤの感度を高めていった。

 若者に言われてユーリヤが鏡を見れば、目の前には放心した様に目の焦点を合わさず、蕩けさせた顔で涎まで垂らす自分の顔があった。明らかに快楽を享受している自分の姿への恥ずかしさから、最奥で脈動を終えようとする肉棒をより一層強く締め上げる。

 射精を終えた直後で力の抜けた若者は、その締め付けに耐え切れずに体を痙攣させる。繋がりながらも膣口から漏れ出す程に熱を出し切った直後だと言うのに、再び自分の物が硬くなるのを感じつつあった。

 

(……す、凄っ……あんな、顔して……)

 

 横で中年の肉棒を扱き続ける蓮もまた、そんなユーリヤの様子に見入ってしまっていた。普段は清楚に、共に戦う時には凛々しく振る舞うユーリヤの見せる”女”としての乱れた顔に、つい唾を飲み込んでしまう。

 ユーリヤの為に見てはいけないと理性は絶えず告げているものの、当のユーリヤがこちらに気を回せずにいる事もあってか、蓮はついつい視線を外せないまま絶頂に至る瞬間までを見届けてしまった。

 間近で見せられたその情交の熱が移ったかの様に、意識の外で動かしていた蓮の手も握る力と速さを増していた。もはや手首だけで動かす様な小さな動きでは無く、二の腕全体を動かし肩にかかる泡を揺らす程に手は大きく、速く動かしてしまっていた。

 

「あぁ、そういえば申し訳ありません、背中を洗い忘れていましたね。ちょっと失礼」

「え?……やっ!?」

 

 その時、中年が蓮の背へ両腕を回して抱き寄せてきた。突然の言葉の意味を理解するよりも早く、中年の広い胸板に蓮の体がすっぽりと収まる。

 そのまま中年は蓮の背に広げた掌をゆっくりと撫でながら、まっすぐに腰回りへと下ろしていった。

 突然の事につい声を上げてしまった事に気付いて蓮が上唇と下唇を慌てて結ぶ。が、既に出てしまった声が掻き消える事も無く、精を吐き出されて放心していたユーリヤが蓮の姿を見る。

 お互いの視線が合うと、二人の顔へ見る見る内に赤みが差していった。ユーリヤは精を浴びて悦ぶ姿を見られていた事に対し、蓮はその手の行為こそ隠されているものの、中年に抱えられ密着している姿を見られている事に対して。

 気心の知れた相手へ、自らの嬌態を見られた事をはっきりと確認されてしまった。恥ずかしさとばつの悪さが込み上げ、二人は同時に顔を逆へと逸らした。

 

「……シスターさんっ!俺、まだっ!」

「ぁんッ!?や、あっ、またっ、大きくっ……!?」

「くっ……さ、さっきよりも、うねって……!」

「あッ、あッ、あぁぁッ!ま、待って、今、敏感なの、にっ――はあんッ!!」

 

 それと同時に、未だユーリヤの中で硬さを保ち続ける若者の肉棒が再び奥へと打ち込まれた。

 一度中に出された事で緩み切った体へ、再び肉棒が突き刺さる事で齎される快楽にユーリヤは甘い声を上げてしまう。

 大きな声を上げてしまった事、精を受けて果ててしまった事、それら全てを蓮に間近で見られた事。それまでの忍耐が全て無為になった事を理解したユーリヤに、もはや再び声を抑える余裕は無かった。

 若者の肉棒に内側を抉られる度に、体を支えていた両腕から力が抜けていく。接合部からは出されたばかりの白濁が、肉棒が引かれる度に掻き出され、打ち込まれる度に飛沫となって床と体に散らされる。

 やがてユーリヤの手は鏡から完全にずり落ちてしまい、その下にある洗い場のカウンターへと手をついた。

 くの字に体を曲げて今にも崩れ落ちそうなユーリヤの体を、若者が腰だけ掴んで支える。そのまま下半身だけを持ち上げた様な状態で、さらに若者は奥へと肉棒を突き込んでいく。

 

「あ、あんな、強く……」

「いやぁ、激しいですなぁ。まぁ、我々はゆっくりしましょう……か!」

「ぁっ!?や、待ッ……~~~ッ!!」

 

 先程よりも勢いを増して再開された二人の性交を見る蓮を、中年は腰に回した手で体を持ち上げ、そのまま蓮が止めるよりも先に自身の肉棒を秘裂へと差し込んだ。

 突然に自分の体に肉棒が突き刺さり、思わず声が上がりそうになってしまうのを既の所で抑え込む。泡で見えていないにも関わらず、いきなり侵入してきたその熱の棒が歓喜に震えているのを感じ取ってしまう。

 

「ほら、蓮さんも私の背中を洗って下さいよ。いくら横が気になるからって、こちらを疎かにしてもらっては困りますよ」

「く、あっ……わ、わかった、からっ……揺らさ、ないで……っ」

 

 続けて中年は自分の下半身へ伸ばされている蓮の手を持ち上げ、背中へ回す様に指示する。

 焦らされて十分に熱を灯していた体に肉棒を打ち込まれて体を縮めている蓮を急かす様に、中年は腰を僅かに上下させて膣口の付近を小刻みに擦っていく。声を耐え切れなくなる前に、蓮は中年の背中へ手を回した。

 それを確認し、中年は再び蓮の腰に手を戻して力を込め、肉棒を奥へと押し込んでいく。お互いの胸同士が擦り合わせられると、肉棒は蓮の最奥まで導かれた。

 

「く、うう……いいですなあ、この風呂は。本当に、気持ちが良い……そう思いませんか?……ほらっ」

「ぁっ、くっ……ンッ、そう、ね……っ」

 

 中年と蓮が湯の中でぴったりと体同士を合わせた状態で、ごく僅かに肉棒だけを痙攣させて蓮の内側へ振動を伝えていく。

 もどかしさすら覚えるその動きに、蓮は必死で自らの喘ぎを潰して生返事を返す。どこまでも蓮を焦らすつもりなのか、秘部へ差し込まれた状態であっても中年の動きは最小限のものでしかなかった。

 声だけは聞かれたくない。お互いに抱き合った状態で悩ましげな吐息を漏らしながらも、ただそれだけが蓮の心中にあり続け、快楽に流されようとしている自身の体を押し留め続けていた。

 

「ああんっ!あ、あんッ!!や、あっ!だめ、そこ、弱っ……!」

「し、締まるっ……!ここがいいんです、シスター!?」

「ぅうんッ!!や、はあっ!!あ、ぁあ、ふああッ!!」

 

 蓮にとっては幸いな事に、そんな状況も目に入らぬ程にユーリヤと若者の情交は激しさを増していた。

 体勢が変わったことで突き込まれる角度が変わり、ユーリヤの反応が変わる。それを見て若者は重点的にその位置を探り、狙いを定めてただ一点を強く突き込む事に集中していた。

 もはやユーリヤには蓮に見られているという事も頭に無く、ただ肉棒に弱い場所を蹂躙される事による悦びと、それに流されまいとする意識だけで一杯となっていた。

 

「さて、と。惜しいですが、逆上(のぼ)せてはいけませんからなぁ。そろそろ、終わりにしましょうか」

 

 そんな時、蓮を抱きながら肉棒で奥を弱くノックするだけの動きを繰り返していた中年が、蓮の腰へ回していた両手を離す。自由になったその手は、お互いに合わされている胸板の隙間に滑り込まれ、蓮の胸へ導かれた。

 それと同時に、腰を引く。何をするのかと蓮が身構えた瞬間、中年は硬くなっている蓮の胸の頂点をつねりながら肉棒で一気に子宮まで貫いた。

 

「ふああぁぁんッ!!……っ!!」

 

 今まで一向に触れられずに意識だけを高められていた乳首への刺激と、僅かな動きだけを受けていた膣への二つの衝撃に蓮は思わず大声を上げてしまう。

 抑えられていたその声は責め続けられるユーリヤの声よりも大きく浴室に響き渡り、その色声に思わず若者の動きも止まった。同時に、ユーリヤも何があったかと蓮の方へ顔を向ける。

 再び、蓮とユーリヤの視線が合う。泡で体が隠されていたとしても、体勢や今響いた声が言葉よりも雄弁に蓮の状況を語っていた。ユーリヤが目を見開き、蓮が顔を強張らせる。

 ――見られた。聞か、れた。

 

「ほら、ほらっ!どうしました、もっと声を上げてもいいのですよっ!気持ちいいのでしょう!」

「や、あんっ!止めッ、あんっ!ぁあっ!!」

 

 呆然とする蓮をさらに責め立てる様に、中年は腰を打ち付けながら胸を荒々しく揉んでいく。先程までの行為を隠すようなものではない、徹底的に蓮に声を上げさせる為の動き。

 ユーリヤの行為を目にしたことと、中年の手によってじわじわと高められていた体へ、強く肉棒を突き立て胸の尖端を指で弾く。しっかりと準備された蓮の体は、蓮自身の意志に反してもはやそれを拒む事が出来ずにいた。

 声が止まらない。胸や膣から感じる官能が体全体に伝播する。それでもなんとか声を抑えようとしている所へ、中年は顔を近付けて強引に唇を奪ってきた。

 

「ンンッ!?ん、はっ――んむっ、ンッ、んんぅ!!」

 

 驚いて反射的に口を開けると、そこへ舌が滑り込んでくる。胸を弄る手と打ち付ける腰の動きを変えないまま、中年は蓮の舌を自らの舌で絡め取り、吸い上げる。

 口内と舌を隅々まで舐め回され、息苦しさと共に体にぞくぞくとしたものが走る。それと共に両方の乳首を親指と人差し指で捏ねられ、その度に鋭い悦楽が走る。

 その感覚に体が強張り、行き来する肉棒を膣で強く握り込む。秘部同士がより密接に絡んだ状態で内側を擦り上げられ、子宮をノックされると思考が真っ白になる。

 それまでに無い勢いで自らの体のあちこちを犯される事に対し、蓮はただ身悶えしか出来ないでいた。

 

「あッ、あんッ!だめぇっ、だめっ!わたし、げんか――あァッ!」

「シスターさんッ、シスターさんッ!」

「んむゥッ、ぁあんっ!あ、ハッ!ンッ、ふぁあッ!」

「出しますよ、しっかり受け止めて……ッ!」

 

 今度は中年と蓮の情欲がユーリヤ達に移ったように、若者は抽送を再開する。限界まで引き、最奥に叩きつけるだけの力任せな動き。

 欲を押し付けるだけのその若者の動きを受けて、ユーリヤの体はさらに昂る。それまでに無く熱く絡み付いてくる柔肉に、若者は再び限界を迎えようとしていた。

 それと殆ど同じくして、中年が腰の動きを早める。蓮の子宮口にしっかりと狙いを定め、その中心を確実に亀頭の先で捉えていく。

 それと同時に口を犯し、右胸を強く捏ねる。さらに中年は左手を肉棒の繋がる場所へと下ろし、秘部の付近を撫でて蓮の意識を向けさせた。

 

「で、出るッ!く、あッ、あああっ!!」

「や、だめ、だめっ!イッ――く、あああぁぁぁッ!!」

 

 締め付けを増すユーリヤの膣に耐え切れず、また若者がその奥に精を打ち込む。先程に劣らない勢いで送り込まれる濁流がユーリヤの奥を満たし、それによりユーリヤもまた絶頂した。

 連続しての射精を受け、ユーリヤは頭の天辺まで快感が走り、視界がちかちかと点滅する。脈動の度に体の内側へ送り込まれる液体の熱を、まるでずっと乞うていた様に腹の下が疼いて受け取っていく。

 暫く自らを犯すその精の熱に恍惚とした後、ユーリヤは脱力して床に膝をついた。

 

「いいですよ、イっても!ほらっ!」

「くはッ――ひ、ぁぁああッ!!」

 

 それに続き、中年の手が蓮の突き出た陰核を押し潰す。あまりにも強い刺激に、一気に蓮の性感が壁を越えてしまう。中年の肉棒を子宮でしっかりと捉えたまま、蓮は達した。

 急激に収縮する蓮の膣内に、中年もまた押し留めていた自身のモノを解放し、はち切れんばかりに溜め込んでいた精を一気に吐き出した。

 子宮の中にまで送り込むつもりとでも言わんばかりに、最奥で肉棒が震える。その状況にあっても中年は胸と陰核に添えた指を離さず、それがまた蓮に小さな絶頂を与えてくる。

 

「ふあっ!あっ、あッ!……く、ンッ……あ、はぁっ……」

「……ふぅ……実に気持ちのいい”風呂”、でしたな?」

「……ッ」

 

 中年の体を抱いたまましばらく震えていた蓮がようやく意識を立て直した所に、中年が何食わぬ顔で告げてくる。

 隠すつもりも無かったくせにこの期に及んでしらばっくれるその中年の態度が、蓮には”結局は耐えられなかった”という事実を遠回しに突き付けているように思えた。

 結局中年の体に縋り付く様に大声を上げて感じてしまった事は事実であり、奥に打ち込まれた精の感覚に体の力を入れられずにいる今では対した反論も思いつかない。蓮は強く屈辱を感じながらも、中年の胸の中で何も反応しない様にするのが限界だった。

 

「……少し汗もかいてしまった事だし、洗ったばかりですがシャワーを浴びた方がいいでしょうな。ほら、シスター達も。風邪を引く前に、体を洗い流してもう上がったほうがいい」

「わ、わかったよ……大丈夫、シスターさん?」

「……は、ぁっ……ンッ、ふっ……」

 

 中年は縋り付く蓮から体を離し、湯から上がる。そのままシャワーで自分の体全体を軽く洗い流すと、未だ脱力する若者とユーリヤにもシャワーを浴びるように勧めた。

 腰を下ろしたユーリヤの秘部からは、二回分の精液が絶えずに床へと漏れ出ていた。あまりの量に秘裂を閉じることも出来ず、どろどろと自らの奥から精が零れ落ちていくその感覚を惚けて感じ続けていた。

 

「……しばらくは無理そうですな。まぁ、ゆっくり休んでからでも遅くはないでしょう。私は先に上がってベッドで待っておりますよ」

「……シスターさん、俺も先に上がってますね」

 

 そう言い残し、中年は浴室から出ていく。若者もそれに次いで自分と座り続けるユーリヤの体をシャワーで洗い流すと、そそくさとその場を後にした。

 後に残された蓮とユーリヤが、何とは無しにお互いに視線を送る。お互いに目に力が抜けた状態で向き合い、黙って見つめ合った。

 

「――ん、ぅっ。……すみません、まだ、出てきて……」

「……中、洗ってから出ましょっか」

「……はい」

 

 何も言えずにいると、再びユーリヤの秘部から白濁液が塊の様に漏れ出てくる。

 どう声をかければいいかわからずにいた蓮は、当たり前の事で場の空気を繋ぐ事を選んだ。

 




友人と売春現場に居合わせるとか最高に気まずいけど気になっちゃう状況だと思います。

長いこと書いてるつもりですが、今回が一番いぶすたに忠実に書いてる気がします(白目

当小説でもっと見たいヒロインは誰ですか?

  • 蓮ちゃん
  • ユーリヤさん
  • 真魚ちゃん
  • 蜜柑さん
  • 夢ちゃん
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