金が必要だった。それもある程度まとまった、出来るなら一週間以内に確実に得られるモノ。そんな都合の良い即金を求め、求め続けた。
自身の周囲の情報はくまなくかき集め、必要とあらば手持ちの銃火器も売った。さすがにそれそのものが怪物を殺せるだけの脅威である
断腸で生み出した金は、砂山が風に拐われるが如くに利子として消えた。仕事も探した。事件の気配はある、だが”次”に間に合う様な保証はどこにも無い。
様々な可能性を考えた結果、最も金の臭いのする先が此処だった。駄目元で名刺の先に繋げてみれば、丁度翌日に出港する富豪の集うギャンブルクルーズの予定があった。
ほぼ会員制と言えるその客船の中に入って賭けに興じる事は出来ない。だが、そこは常に臨時の従業員――特に、容姿の整った女を在るだけ必要とする場所だった。
「んー、いい匂いするねぇ。ここからかなぁ?」
「ぁんっ!や、強っ……!」
「強い?そうかなぁ、どうだろうか。……上手く言えたら、わかるよね?」
「ッ!……も、もっとッ、もっと吸って、ぇ……!」
「うーん。まぁ、その真っ赤な顔に免じて一枚かな。んじゃリクエスト通り」
「ぅ、んぅっ!はあ、ぁっ!」
既に両の山を晒している蓮の谷間に、男は遠慮なく顔を沈めて吸い付いてくる。
まっさらな肌に跡が残るよう、強く乳を吸い上げる。マーキング染みた赤い印を蓮の両胸に刻んだ後、男は既に勃ち上がった乳首を口に含み、甘噛みしながら音を立てて息を吸っていく。
思わず意思に反して、男の頭を両手で抱えてしまう。自分から相手の顔を沈めさせる体勢になり、慌てて男の頭をどかそうとする。が、ただの一吸いでそれを止められる。
”待て、もう少しさせろ”。そんな意図を感じ、目を強く瞑って胸から身体と脳天へ巡る刺激に対し、屈辱に震えながら頭を抱き寄せ続けた。
「――ぷは。はは、サービス出来るじゃない。もう一枚追加したげるよ、良く出来た子にはちゃんとオヤツをあげないとね」
「ぐっ、こっ……ううぅ……」
「うんうん、そういう顔。真っ赤になって嫌がって、それでも受け入れるしかない。そういう顔がまたそそるんだよ、わかってるわかってる」
顔を離した男は、言った通りに自分の懐から銀貨を二枚ケースへ差し込む。
その間に蓮は胸を自分の両手で隠し、先程付けられた痕を男の目から見えないようにして睨みつける。だが、それ以上何も出来ないとわかられている。表情の制御も効かないままだ。
男はそれもまた趣ってもんだよね、などと呟きながら余裕を崩さない。懐の財布にはまだまだ残弾がある。このどうしようもない女を好きにする為の、欲望の銃弾だ。
「……ねぇ、一緒にどう?最初譲ってくれるんなら、どこ触ってもいいよ」
「わかってるじゃないか若造。こういう時は、手が多い方がいい」
「特にこういう、跳ねっ返りの性根を圧し折る時は。……続きはこうかな?」
「よくわかっているじゃないか。かか、良い。一枚追加してやろう」
左横のソファーで座っていた、肥え太って鼻に脂が浮いている中年が銀貨をケースへ入れながら、自身に吸い付いていた男の逆側にどっかりと腰を下ろしてくる。
自分の特に忌み嫌うタイプの男だ。いかにも金と脂肪と自我を溜め込みました、といった体型の中年を見て蓮は思う。しかし、それであっても受け入れるしかない。
この中年は、横の男の次に蓮の席へ来てすぐの頃、金貨を三枚入れている。前金だけで十五万相当を支払っており、その事に自分も了承している。つまりは”お客様”だ。
横の男もそうだが、相当に金の巡りが良い類の人間だ。こういった連中を喜ばせれば、一晩で百以上の大金も夢ではあるまい。
一生の恥よりは、一時の恥だ。そう言い聞かせ、抵抗しようとする意志を頭と一緒に下げる。
「じゃ、さいかーい」
「んッ、ぁ、~~ッ!あ、くぁっ……!」
「若造の唾液を舐めるのも嫌なのでな。消毒しろ、出せ」
「ぅむんッ!?ッ、ん、ンン、んぉっ」
左側の男が再び左胸に吸い付く。今度は最初から乳首に集中して、強めに唇と歯で挟んでくる。
その間、右側の中年が自分の空いた口に掌を突き込み、強引に唾を出させようと口内で手を動かしてくる。仕方なく舌を這わせて、自身の唾液を吸わせていく。
十分に男の手を濡らした所で、口からそれが抜かれ、そのまま蓮の両手を乱暴に上から押し潰してくる。左の若者が先程つけたものを蓮の唾液で上塗りし、指先はしっかりと胸へ沈めて動かしながらも乳首を掌でこね回す。
「まぁこんなものか。そら、ちゃんと胸を張れ」
「あ、あッ!だ、めっ!こえッ……!」
「ぢゅうっ――どうせ皆声上げてるんだから、気にするだけ無駄だって。ホラ」
「あ、ンッ!ぁ、ふ……んはッ!!」
中年の左手で背中を浮かされ、沿った胸に乱暴に口が寄せられる。
既に充血している尖端の感覚は声を出すように促し、口を噤んで止めようとすれば、左の男に噛まれながら舌先で舐め上げられる。
右胸は掌で持ち上げられながら、本当に食べられるのでは無いかという程に全体を大きく口に含められ、噛み付かれている様に口内でなぞられている。
左胸は逆に乳首の先にのみ集中して刺激を受け、歯で潰される・舌先で小突かれる・ストローの様に吸われる・口を離して指先を押し込まれる。手数によって慣れが生まれる前に、徹底的に虐められていく。
「ふふ、いい顔になってきたじゃない。ほら、胸食べるのもいいですけど。あの澄ました顔がすっごいだらしない崩れ方してますよ、見ものですよ」
「む。……クハッ!なんだ、”胸だけでイきました”って顔になってるじゃないか」
「あ――や、ちっ、違ッ!」
「ふーん違うんだ。じゃあ、イくまでやろっか」
「胸だけで感じる売女なら、案外簡単かもしれんな」
「やめ、ぇっ……!んッ、ダ、ゃあぁっ」
経験にない胸の責められ方に、元々官能に抗い辛い蓮の身体のあちこちに火がつき始め、その瞬間の顔を見られて羞恥はさらに高められてしまう。
慌てて否定すれば、それをいい事に再び胸だけの責めが再開される。自分の弱い部分を二人がかりで刺激され続ければ、弱々しい嬌声が抑え切れずに聞かれていく。
男達を止めたい。しかし、止めれば目の前のケースに入れられたチップは持ち帰られてしまうかもしれない。そうなれば、本格的に借金に対抗する手段が消えてしまう。
経験の薄い
どこか冷静さを残した思考も、胸から絶えず届く刺激の数々によって身体に熱が浮かび、侵食されつつあった。ダメだ。そう考えていても、頭が胸に集中してしまう。
「ん、ン、ぅっ!ッハ――あ!?だめ、ダメダメッ!!」
「本当に、か?カラダ通り、とんだスキモノだったか」
「ははっ、マジ?イっていいよ、ホラ。ちゅーっと」
「ンッ!?ふ、ぁ、んん、むうう!」
意識が一瞬向いた瞬間、自慰で胸を弄る時のイメージがフラッシュバックし、連動して下腹部にまで熱が及んでしまう。
胸をずっと触られ、吸われ続ける事で昇った熱は引かず、声が荒げる。それをいい事に、男は左手で乳首を摘みながら叫ぶ蓮の顔を右手で引き寄せ、唇を奪う。
勢いのまま一気に口内へ舌を入れられ、蓮の舌が強引に絡め取られていく。逃げる事も許さぬという風に中年は背を押す力を強め、その拍子に唇同士が深く付けられた。
それに応え、男は乳首はあくまで優しく擦りながらも、誰にも見えない口内では音が内側から耳へ響くほどに激しく舌を絡ませてくる。空気ごと蓮の口の全てが奪われる。
触覚の情報がオーバーフローし、思考から溢れたものが全てそのまま快感として感じられる。次第に蓮の思考が間に合わなくなった。その結果。
「ハ――ぅ、ぁッ!ゃっ、は……ぁ……!」
「うわ、ホントにイった。胸よっわ」
脳が寄せられる情報を全て拒否し、そのフィードバックが出る。身体の方が刺激を甘受し、一瞬の痙攣と白い暗転の錯覚が蓮を支配する。
イかされた。唇を奪われ動転していたとはいえ、ほぼ胸の刺激だけで。一瞬とはいえ守るべきラインを越えた。体が、屈してしまった。
「余程開発されてたか……いや、振りからしてただのオナ狂いか」
「……~~ッ!!」
逆より聞こえてくる言葉も、完全な正解でも無いが的外れでも無い。実際に蓮は自慰でよく胸を触れる所からスイッチを入れており、それもあって乳首は特に弱い部分の一つになってしまっている。
故に言葉が出なかった。反論も出来ない。男達の前で、全てを認めざるを得ない。
「ッは、はぁっ、はぁーっ。……くぅ、んっ……」
「はっはっは、いいね、いい顔。写メ撮れないのが残念だよ、代わりにチップあげるね」
「どうせいくらでも見せる顔だ、構わんだろう。……まぁ初回記念だ、取っておけ」
嘲笑と共に銀貨が自分のケースへ収められていく。達した残響が色濃く出ているだろう顔に少しずつ力を入れるも、体の方は力が抜け切っている。
”いくらでも見れる”、そう言った。これから、どれだけ辱めるつもりだ。こんな事を繰り返すつもりか。その上で、犯し尽くすつもりなのか。
乾いた喉に粘り気のある唾を通す。飲み込んでからそれが男の物である事に気付いたが、既にそれは喉奥にまで落ち切り、受け入れたそれが戻る事は無い。
――戻れないのだ。
◆ ◆ ◆
ここに来る前、言い出しにくそうにしていた蓮より聞き出した予定は、予想外の物だった。
”客船に乗り、街を離れる”。その一言で、ユーリヤは全てを理解した。
蓮もまた、借金で首が回らなくなる寸前の立場だ。弱い所を見せたがらない蓮の背負う額を直接耳にした事は無い。だが、それは下手をすれば唐館支部――ひいてはユーリヤが抱えている負債よりも大きい可能性がある。
蓮の性分は付き合いの中で良く知っている。気丈な彼女は、常に背筋を伸ばして余裕を見せようとする。それは、関係が近くなればなるほど顕著な特徴だった。
故に、そんな顔でどこかへ行こうとする友人を放っておけなかった。既に汚れ切った自分よりも、打たれ弱くも辛さを見せようとしない彼女と、同じ痛みを背負おうと思った。
裏に身を置くという根本的な間違いの上に立ちながら、それでも正しくあろうとする。心根に似合わぬ
放っておけないから。友人だから。だから――
――……
「サボらないでくんないかなぁ。もうちょいで一発イケそうだったんだけど」
不機嫌そうな声が耳から入り、ユーリヤの意識を現在・この瞬間へと引き戻す。
今自分は頭を抑え込まれた状態で、口の中に吐精しようと膨らんでいる男根を、無心にしゃぶり続けていた。あまりに心を閉じすぎて、上の空になっていたらしい。
単調になっていた口の力と舌の動きを咎められ、今すべき事を思い出す。鼻奥を詰まらせる様な男の臭いに思わず瞼は下りるが、求められている事はやり遂げる。
「う゛っ――んんっ、んふっ、ッハ、じゅ、ぅっ」
「おっほ……!そうそう、もっと口窄めて……!」
「気持ち良さそうだねえ。ワシも後で頼むよ?」
閉じられた口の代わりに鼻で深く深呼吸し、臭いに耐えながら足りない酸素を取り替える。
その後、唾液を増やすように自身に命じながら唇と頬を出来る限り狭め、肉棒の逃げ場を無くす。その状態で、思い切り口で擦る様に頭だけを前後し始める。
それだけじゃない。顔を引く前には唾液を得た舌を口内の熱へと這わせ、微細に左右へ動かしながらその汚れを水拭きし、恥垢を落としていく。
興奮を高めるべく、恥垢を精の前兆の味と共に飲み込みながら顔を前に出す。噎せ返らない様に
顔を出す。吸う。顔を引く。舐める。出す。引く。だす。
「あ、っか……ヤ、ヤッバ、マジ、
繰り返す。陰茎の左右から上下へ、亀頭へ、裏筋へ。舌を這い回らせる。
繰り返す。少し強く頭を引き、その唇の先を尿道口を集中させて丁寧に吸う。
繰り返す。角度を変えて内頬の柔らかな部位に当て、その膨らみを見せつける。
繰り返す。変える。繰り返す。変える。繰り返しを、繰り返す。
”奉仕”として喜ばれる事。頭に残さないようにしていても、決まった性行為とセットで覚え込まされたやり口を、ユーリヤは少しずつ速度を上げながら次々に見せていく。
気付けば、視界が開いていた。無意識に上目遣いで男を見つめていた。それも”繰り返し”の一つだった。射精を誘う様に、餌を乞う様に、切なげな瞳が男を貫く。
もはや自分でもどうしようもない程に、洗練された流れだった。
そう。どうしようも、ない。
「ぉあッ!クソ、飲めッ、ボケ!」
「ッハ、ンゥッ!!」
唐突に男が強く頭を掴んだ瞬間、反射的に喉の内側だけが引いて衝撃に備える。
男はユーリヤの頭を引き寄せると同時に、喉奥へ向けて暴力的なまでの力で腰を突き出してきた。
それもまた流れの一つだった。予測通りの衝撃が、喉奥に突き立てられて圧迫してくる。同時に、喉に直接熱いものが流し込まれ始めた。感じる脈動だけでわかる。
喉の粘着いた感触が精の味を想起させる。何度と無く口より吐き、飲み込まされ、飲み干してきた味。
――味わう必要が無いだけマシですね。受ける苦痛全てを無視して感想が浮かぶ。
「んっ、ふっ、ぅぅんっ」
「う、ぐ……こ、コイツ吸ッ……!」
流し込み終えるまで、”流れ”は終わらない。口はさらに窄まり、熱した吐息で包み込む。
程良く温めた所で、唾液を啜る音を立てながら茎の根本を刺激し、精を促す。最奥まで突き込まれたおかげで男の陰毛が細い鼻にかかるが、それを気にする心はとうに麻痺していた。
ようやく口の中で脈動が終わったのを何度か吸い立てて確認する。男は放心しているように見えるが、これも流れの通りだ。忠実にこなす。しなければならない。
男の腰が離れるのを、口を開けて見送る。大きく口で呼吸し、そのまま”待て”。それも――
「まだ足りないと言わんばかりだね。そんなにしゃぶるのが好きなのかい?」
「はい、っ――……あッ!?ち、ちが、ちがいます!そんな、淫らな事はッ!」
「淫らなのは君の口だろう?あれだけおいしそうに吸い上げて、まだ欲しそうな顔で見つめてるじゃないか」
「な――あ、ああっ」
”流れ”のままに、次をいきなり突き込まれたとしても構わないよう、ユーリヤは無意識のまま口を開けて一つの態勢を保ったままで居た。
どうぞと言わんばかりに適切に丸く開けられた唇。鼻ではなく口から意図的に漏れ落ちていく、熱気を伴う吐息。潤んだ瞳と上がった眉。肩を締め、胸を寄せて谷間を見せつける両腕。
誰がどう見ても、ユーリヤは次の男根を乞うていた。
「こ、これは、その、ついッ……!!」
「つい?つい、でこんな、男を誘う姿勢になるのかねキミ。内気そうな顔立ちとは違って、とんだケモノだね」
「う、うぅぅ……っ」
「いや、合ってるか。兎だよ、キミ。オスが欲しくて堪らない、発情期の、だ」
「い、いやっ、そんな事、言わないでください……!」
両手で顔を多い、色に染まった表情を隠して逃れようとする。
しかし、ダメだった。既に両手は男達のモノを散々手淫した後で、性臭がこびり付いてしまっている。まだ精を受けていない顔の皮膚にまで、雄が染み込む。
……まだ?まだ、とはなんだ?
かっと熱が登る。真っ白だった自分の肌も、首から上は耳の先まで真っ赤になっているのを感じる。こんなもの。こんな、指と掌だけじゃ、隠し切れない。
目を抑えた指を少し開いて、中年に視線を送る。”ほら、やっぱり”。そんな表情だ。
「隠したって無駄だよ――そんな、笑ってるんだから」
瞳にだけは絶望の色を浮かべながら、口の端だけは淫らに歪んだまま。
意志との身体の乖離。捻じくれた
◆ ◆ ◆
ぶっちゃけ、どうでもいい。真魚にとってはそれだけの事でしかない。
世話になっている女性二人が、金を目当てに遠出しに行く。どれだけ迂遠に伝えようとしていても、隠し事がそれ程上手いと言えない表情からカマをかければ、それは露見した。
じゃあいくね、ヒマだから。二言目には同行を告げた。
居候先のシスターがいなくなった後の説明だとか留守の番だとか、少しの面白みの無いだろう待命よりも、知らない場所へ行きたいという自分の好奇のが強い。
必死で止められた。真剣にこっちを案じてくる顔で、そこに何が待っているのかわかった。
構わない。
「あ、っはぁぁっ……すっごい、においっ。んぅぅっ、いぃっ……!」
「くおおっ……!た、たまらんわ、これはっ……!」
ソファーに横たわり、頭を天井にのみ向けている中年の股座に顔を埋める。真魚の口の前には、吐き気すら及ぼす程の臭いと、それを発する短くも太い肉棒が反り立っていた。
ソーセージだね。そんな考えを離れた所で浮かべながら、一切の迷いを見せる事もなく全部を口に入れる。排泄物とすら思える程の味を、舌で隅々まで味わう。それがトリガーとなり、自分の身体が内側から塗り替えられる。
おいしい。固くて太いこの食感も、この臭さも、飲み込む恥垢も、内側に残っていた黄色い雫も。全てが自分が飲食すべきものであり、身体を溶かす為の燃料になる。
あの時はこんな物じゃなかった。代わる代わる犯され、寝ても犯され、前も後ろも上も腹も右も左も――自分の全てが犯され尽くした、あの経験。
足りない。こんな程度じゃ足りない。あの時の、あの感覚。
「もうべったべたじゃないか……!手コキして、ぺろぺろ舐め回して、ちょっと触られただけで……!」
「ふ、ぁあんっ!そ、そうッ……おじさん達に、おてて犯されて、気持ちよかったの……!」
「く、くそ、この……!」
「ふああっ!すって、いっぱい、なめてぇっ!」
真魚もソファーに寝そべった状態ではあったが、膝は付いて尻だけは持ち上げた状態だった。
その方が、後ろからシやすいからだ。自分の尻穴すらも晒す形で、別の中年が布地をずらした真魚の股座に鼻を突っ込んでいる。
漏らした様に自分のタイツは既に染まっていたが、その全てが愛液だった。それを顔に塗り込む様に、中年は舌先を秘部の内側に入れては、たまに陰核を吸ってくる。
たまらない。自分は今、犯されている。その実感が身体を震えさせる。
怖さはまるでない。死も感じない、狂わされる心配も無いような相手にどれだけ弱い所を晒した所で、どうせ肝心な所までは突っ込んでこない。その確信があるからこそ、遠慮なく隙を
「……く、うっ」
「んっ、ふっ、ンッ!んんっ、あんっ!っぷはぁ……ちゅっ」
「ぐ――」
”お兄さん”を待たせるのも良くない。規定の順番的には後だが、一緒にやると言った以上は手を尽くす。
股座から来る刺激に素直に従い、特に良い場所を舐められた時にだけ声を上げる。それ以外の時は全て、唇をソファーに寝そべる肉棒への奉仕に当てて
その上で、身体を器用に横へと向けて青年の陰茎を両手の内に収める。合わせて片側の膝が浮き上がり、股の間が大きく開いて見せつける形になるのは副作用だったが――むしろ、好ましい。
今はお口の気分かな。気まぐれで意識の割り振りを決める。一に口・二に両手・三におねだり。
割いた意識で動かす左手は、僅かに指の根本と陰茎の間に空間を作りながらも強く握り弾力を確かめる、右手は――亀頭責めでいいだろう。たまに裏筋を擦れば、それなりには気持ちいいハズだ。
「んぅぷっ、あッ!ひっ、あぅっ……んんっ、んッ!んむうぅぅっ」
「も、もう、少しっ……!出そうっ、ああっ、でッ、で、るうッ……!」
「うわ、どんどん出てくる……!ベロだけでイけッ、イっちゃえッ……!」
「……言うだけは、あッ……!」
両手で覆っても余りある陰茎の大きさに期待を高めながら、柔らかさの残る掌に小刻みに握力を込め、対照的に硬さを増し続ける手の内のあちこちを指先で指圧する。
そうしていると、秘部を舐め回して来る男の動きが、自分の豆を集中して苛烈に責め立てるようになった。どこを触られるのも良いが、ようやくそこが一番弱い事に気付いてもらえた。声色を高め陰肉をひくつかせ、下のよだれを再現無く垂らす。
自分がご奉仕して尚、臭みと味が残り続けている肉棒も良い。わたしの為に、用意してくれたんだ。はしたないメスにごちそうする為に、ここだけ洗ってきていないんだ。それだけでうっとりとしてしまう。
喘ぎ声はもう抑えきれないので喉奥まで入れてあげる事は出来ないが、尖端にのみ集中すればそれも補える。際限なく予兆を零している切れた様な下の口に、鳥が啄む様にキスを繰り返す。
唇、舌、舌、唇。リズミカルに吸い付けば、視界の端の腰が震えて肉棒が痙攣を始める。精巣が必要なものをかき集めている。
「あ、ぁあっ!ぐああ……!も、もう、ちょっと……ッ」
「イキそう?イキそうならイキたいって、ホラ、おねだりしてごらんよ!」
「……く、ぬぅ……」
おっと、手がおろそかだった。小指の腹を裏筋に添える。動かさずとも、今の自分の身体の歓喜を伝えるだけでそれは愛撫になる。それでなくとも、人は視界に情報の大半を頼る生き物だ。
みられている。みて、くれてる。もっと、みて。腰がかくかくと動き、下腹部が知らずに前に出る。
犯されている。犯される前に、犯されている。自分からねだって、全てが手に入る。
それなら、欲求を隠す必要なんて、ない。わたし、は――
「すきっ、おじさん達っ――のおちんちんっ。べろっ、好き、すきすきぃ!イキたいのッ、すけべなかおみられて、ぜんぶッ!ンッ、ふあッ……イカせてっ、いっぱいッ、イキたい、よぉっ!」
誰かに言われたからじゃない。自分自身の意志で、自分自身の肉欲を露わにする。
それだけで、解放される気がした。どうでもいい、本当にどうでもいい事だらけの
だから、イキたかった。行きたかった。
――
答えを得るより先に、陰核に吸い付く熱と柔らかな舌が思考を吹き飛ばしてくれた。
「ッハ――ぁああッ!!あ、ああッ……んんんッ!ちゅ、ぢゅううっ」
「あああ!出る!出る出るッ!吸って、飲み干してっ!」
「そんなに言うんだったらッ、ヨダレだらだら流して、チンポしゃぶりながら、イけッ!」
「く……いかんッ、私もッ」
達した。まずは一回。この場の誰よりも早く、一瞬だけ堰が切れる。
だがそれは終わりじゃない。終わらせてなどやるものか。舌を亀頭のカリに添え、口で下の口を吸う。
痙攣する内側の陰唇と、今も吸われている陰核と見えない線で結び付ける。そんな意識一つで、下半身の感覚はその二つを除いて溶け落ちて、ただただ堰から超えた時の感覚が終わらない。
両掌の震える陰茎を、無意識に近い加減で強く包む。気持ちいいだろうツボに指を添えながら、昂って戻れない自分自身の心を繋ぎ止める為の楔の様に、しかし痛みは与える事なく縋り付く。
――……一緒に、イこ?
「ん、んぁッ、あぁあぁあッ!!やぁあ、まだおまめっ、すわれてッ……!」
「
「うおおッ、大洪水……!」
「出すぞッ」
喉奥に奔流が叩き付けられる。子種が結びつきを求めて、口と喉に次々に吐き出されては熱を失い、死に絶えた無為なべたつきになる。こうなっては、ただ飲んで食べられるのを待つだけだ。
精の味と熱を受けて、自分の意識も陰核を強くほじくり回された事で、悦びのまま真っ白になる。
一層、深くイった。爆発した心が飛び出さぬ様に目を瞑り、身体が内側から揺らされ震え上がる。それでも尚、自分の豆は責められ続けている。たまらない。
一番最後に、僅かに空いた右掌の内側に吐精された。口内に負けず劣らずの濃度を、感触で確かめる。いい。誰も彼も、一発目から元気だ。これは、期待できるかもしれない。
真魚は完全な絶頂の中で思考出来るほど身体をコントロール出来ている訳では無い。むしろ、心は行為で満たされ、自分と相手のオーガズムとそこに至るまでの感覚にしか意は置かれていない。
しかし、身体が思考していた。絶頂から終わった後、すぐに動けるように。すぐに考えられるように。散々にやってきた事だ。されてきた事だ。
心はすぐに自分を裏切る。だから、身体で考える必要があった。
「あ、あぁあッ……いぃっ、イイよぉっ……」
「……ッ」
その喉の音が誰から鳴ったかはわからない。そもそも、離れた相手の喉の音なんて、こんな淫らな雑踏の空間で聞こえてくる訳が無い。
それでも確信めいたものを感じていた。自分の顔を、瞳を、秘部を、手を、身体を見て。わたしの想いは、言葉よりもずっと体の方が語ってくれている筈だから。
悦んでいる。求めている。そうだ。金なんてどうでもいい。
どうだっていいから、犯して欲しい。体の奥に燻っている、尽きぬ火種がずっと欲している。
絶頂の余韻でくたりと体はソファーに沈み、全身の力は抜けていく。休憩じゃない。わたしが欲しいのは、そっちじゃない。わかるでしょ?目線を、虚空へと送る。
ほら、やっぱり。また息を呑んだ。聞こえなくたってわかってる。
「ハァッ、ハァッ。すっげえ出た……すっげ……」
「ここまで喜んでもらえると、やり甲斐もあるなぁ……エッロい子だよ、ホント」
「……なるほど、良くわかった。これは銀三では足りん」
次々に男達が正気を取り戻し、チップをケースへ収めていく。
――違う。金が欲しいんじゃない。そんなどうでもいい事で、ケチをつけないで欲しい。
休みじゃない。見返りじゃない。ましてや、優しさなんかじゃ絶対にない。わからないのか。
「……悪いけど、まだまだイケるからさ……まずはお掃除、しよっか」
「こっちは結局出して無いんだ。この子の最初の一発、絶対もらうからね」
「いいぞ。こっちも少し興味が出来た」
男達がどうでもいい事を話して、ようやく待っていたものが鼻先に突き付けられる。
自分の唾液で光り、精が滴る太いモノ。限界まで張り詰めて切なそうにしている、奥を貫きたがってる長いモノ。掌から跳ね返った種で汚れ切った、カリのおっきいモノ。
それだ。わたしは、それが欲しい。体が勝手に、並べられた三つのモノの掃除の順序を決める。
最初にシたがってる人を、最後に舐めてあげよう。そうすれば、きっと怒る筈だ。刺激が欲しくて堪らなくなってるのに、目の前でお預けされて。思わず喉を突いてくれても、それはそれで気持ちがいいだろう。
そうやってヒトをケモノに戻して。あんなモノで奥を突かれればどうなるか。収まりきらない長さで、おなかの裏を潰されれば――もう待ち切れない。でも、待たせる。
その方が、
「――あはっ……。ん、あいさつ、しなきゃね……」
一手遅れで参加してきた男のモノを最初に決め、亀頭になるべく愛らしく見えるよう、生娘の様に弾くキスをする。
年の差を気にする辺り、庇護欲を煽るような手が効くのではないか。そんな分析だ。頭じゃなく身体から湧いたもの、だが。
小賢しいその場凌ぎほど読まれやすい。肉体の付き合いでは、天然に近い物が求められる。
カリ裏の恥垢を舐め取る。このヒトには文字通り小手先でしかご奉仕していない分、しっかりしてあげよう。
なんならもう一発というぐらいに、掃除というにはあまりに苛烈な真魚の奉仕がされる。
「ん……ぅ、ふぅっ……わたしのココ、いっぱい犯してね……?」
待ち切れないのはこちらもなのだ。口で奉仕しながら、右手は先程の感覚を求めて膣口を探り始める。
十分な愛撫の結果、そこは柔らかく蕩けきっていた。少し内を掻いただけで、イイ。
これから存分に叩き付けられるだろう男達の熱情を想い、内側は水音と共に期待に震えた。
豪華客船とシチュ、女、男、メス、
もつれた心理描写を縫って、欲の手による運命のシャトル(隠語)が飛び交う
いよいよキャスティング完了
当小説でもっと見たいヒロインは誰ですか?
-
蓮ちゃん
-
ユーリヤさん
-
真魚ちゃん
-
蜜柑さん
-
夢ちゃん