◆ ◆ ◆
「や、やめてッ!お願い、今だけっ、いまはダメなのッ!」
「君さ、そう言われて黙ってる男いると思うの?」
「ぁかッ……ぁ、ああっ……!!」
わざとらしい音が立つぐらいに、腰に腰が叩き付けられる。整っていたタイツはボロボロに破かれ、もはや自分がその男に隠せているのは膝から下と、腰上の狭い部分だけだった。
汚れ一つ無く透き通るテーブルに顎を付くかと思う程、男は背中を押さえ込みながら、蓮が最も隠すべき、守るべき場所へと侵入してきた。
体を覆う布地も今はあちこちが無理矢理に退けられ、下半身部分に至っては今や白い尻尾の飾りと共に臀部を強調しているだけに過ぎなかった。
腰同士合わせられた肌の熱も、男に隠せない。
「何をしてる。ワシのも次にぶち込むんだ、さっさと舐めろ」
「う、くぅうっ……えほっ」
「”舐めろ”。出来の悪いペットだな」
「む、ぉ、ぁっ――ン゛ゥッ」
下半身に杭を打ち込まれて硬直している蓮の額を、中年が持ち上げて来る。そのまま座った状態で、ソファーごと近付けた腰とその一物を寄せてくる。
こいつも、既に下半身を覆うものは何も無かった。唇の前に掲げられたそれから異臭が鼻先に入り込み、思わず顔を逸らして鼻を止める。が、それは中年の気に障る事だった。
逸した先から強引に頭を掴んで引かれ、向きを修正される。そして唇の上に臭いの塊となっているモノを押し付けてきた。
そのまま中年は一文字に結んで侵入を拒んでいる蓮の瑞々しい唇の反応を受け、じゃあついでに堪能しておくかとばかりに一物を塗り付けていく。
口も鼻も閉じ続ける事は出来ない。鼻で呼吸をすれば、飛び込む悪臭にむせ返ってしまう。衝動的に口が呼吸を求め、その瞬間を突いて臭いの大元が内側を侵してくる。
「手伝ってあげよっかー?ほら、ほらっ」
「ン゛ッ!?ォ、かはっ!ア……ひゃ、ひゃえ――」
「口を離すな、歯を立てるな。それだけ出来れば……そうだな、金一枚だ。やれるだろう」
「ッ!!……んむぅうっ……!ンッ!んんっ、ォッ!」
涙を浮かばせて強引に口淫をさせられている間にも、後ろの男は動き出す。
足を割り開かせ、一度強く腰を揺らして奥を突いてきた。蓮の出来る唯一の抵抗は、ただ男の肉棒を抱き締めて離さない様にするだけでしかなかった。それが相手の思うツボである事は百も承知なのに、既に体は理性から離れて反応している。
その衝撃が咥えているモノにまで伝わり、喉奥のどこかに当たった。耐えられない痛みから下がろうと、口の力を緩めて逃げようとする。が、顔を動かす直前に声が降ってくる。
金。銀ではない、金の鋳貨が一枚。比べるまでもない価値だ。今は何よりも欲している筈の物。
「う、ううっ、んくぅっ――」
「嬉し泣きだよ。よっぽど欲しいんだねえ、おカネ」
「卑しいな。顔も体も極上だが、女としては底辺だ」
この場に来ると決めた時点で、覚悟は決めていた。そのつもりだった。
それでも、涙が雫になってこぼれ落ちて行くのを引き止められない。硝子に擦れた胸や、突かれた喉ではなく、心がどうしようもなく痛かった。
今の自分は、誰だ。望んで身体を売り渡し、想像していた通りに辱められ、それでもなおみっともなく、子供みたいに嗚咽を漏らして。それをショーにしている自分は、誰なんだ。
既に隠すべきものは征服され尽くした。胸も、口も、秘部も、尻も、心も。涙が止まらない。
こんな筈じゃなかった。なんとか出来ると、この時になるまで思っていた。それでも最後には、借金もきっと一つの笑い話として済ませられると思っていた。
五万だ。
「――ンッ、ふうっ……うっ、うぅっ、ゥゥッ」
「やれば出来るではないか。最初からそうすれば、もう一枚考えていたんだがな」
「ほら、こっちも締めなよ。ほらほら」
「んぅんッ!!」
慣れないまでも、口の中で汚臭を放ち続ける一物に舌を回す。歯を唇で覆い、それ越しに口を締める。
一突きで止まっていた男が、再び動く。しかしそれは奥に届かぬ、少し手前の部分を自分自身の
金の力、たったそれだけに屈した。体格による暴力ではなく、権力や財力――どちらかと言えば、自分の範疇にある力だった。それだけに、その敗北は重い。
この痛みを忘れる事も笑える事も無いだろう。体の傷は癒えても、心の傷は記憶と共に残り続ける。些細な事が記憶を介して影を差し、体は怯え竦む。
嫌になる程見てきた、敗北に背を向けた者の姿。
「ぁ、ァッ、むうッ、フッ、フッ」
「鼻息が荒いな。犬に舐め回させているのではないのだぞ、気張れ」
「はっは、鬼畜だねえ!サイッコーに悪いオトナって感じ。こうはなりたくないよ、ねぇっ」
「ふむぅっ!ンッ、フッ」
「白々しい。此処に良いオトナが居るとでも?」
「あっはっは、こりゃいっぽ、んッ」
「ぅ、んッ!」
後ろからの小刻みな衝撃に、視界が歪む。空気が欲しい。臭い。嗅覚が麻痺しようとしている。
それでも必死に、舌を動かし口を締める。これしか出来ない。それなら、それだけを必死にやらなければならない。吐き気が止まらない、それでも舌を回す。味覚までも、表現のしようを持たないおぞましい
小刻みな動きに、たまに強めの突きが混じり始めた。理性が屈しても堪えようと疼いているこちらの内側を、いとも容易く貫き通してくる。感じる大きさは杭だったが、その時だけは槍に変わっていた。
理性は屈した。視界には汚らしく膨らんだ下腹しか映らない。音はハッキリとした罵倒と嘲弄のみを捉える。嗅覚は既に無いものと成り果てた。舌は自分から動かし絡めている。
何よりも、後ろの――どこよりも水気を増してきた自らの陰部が、決定的に教えてくる。
全部奪われた。ここに自分など、もうどこにも居なかった。
「く、ンンンッ!ンッ、ふぅ、ぁっ、んぉっ」
「……む、ォッ。やるじゃないか、そろそろだぞ」
「おーおー、そんなきったないモンに顔振っちゃって。下品になっちゃったなー」
「ッ!!……ん、ぅぅう……!」
「あ、吹っ切れちゃった系?まぁ、こんなトコに来た割には、ケッコー持った方かなぁ」
「チ、ィッ。しかし、コレはなッ」
せめて口に入れられたまま、自分では動く気を見せようとしない一物をなんとかしようとする。せめてこれが無ければ、息苦しさも離れる。それだけだ。だから、必死に口を動かし始めた。
早く精を出させる為に、口の位置を動かし内側のあちこちに擦り付ける。喉奥を突かれるのはもう嫌だ。それならせめてと、舌や唇、頬裏などを駆使して柔らかく包み、溶かす様にひたすらしゃぶり回す。
後ろから挿れられているモノも無視出来ない。言葉の細かいニュアンスはもう考えたくも無いが、どうせどれも自分を
それなら。下腹部に、初めて自分の頭による判断を伝え始めた。
締める。腰を動かす。大きくは無理だが、腰を僅かに左右に動かすだけなら制御出来る。自分から尻を小さく左右に、上下に、円を描くように振った。
腰の白い飾り物の位置がそれを如実に男達へ知らせた。自分から男に媚び、男に協力し、男に
「ンッ、ンッ。ンッンッ!!」
「お、おおっ……!いい、ぞッ!ワシにもそのケツ、見せつけろ!」
「ぁー、天国天国。チンコ溶けそ、気持ち良ぃー」
前の中年は声を荒立てる。後ろの青年は気を抜いている。
しかし、それも自分が男を手玉に出来ている訳では無い。明らかに手を抜かれている。性交に不慣れである事を見透かされ、自分達の安全の為に動きを少し抑えているだけだ。一突きすれば、また一瞬前のシーンへ逆戻りする幻覚を察する。
何よりも、自分がすりきり一杯だった。最初からそうだった。胸だけの官能は、本来蓮にとってはスイッチでしかない。
それはつまり、胸でイカされたあの時に。あの時から、ずっと。
「ンッ――んんっ!?んぉ、ッフ!!ふっ、ぅぅっ、うっ!」
「お、”イキそうです、イカせてください”だって。下のお口の使い方が上手くなってきたねー」
「知らん、と言いたい所だが……いいぞ、好きにイけ。だが噛むな」
下腹部の熱が、疼きが、本格的に鳴動し始める。男の小刻みで緩慢な挿入に合わせて、収縮と官能が湧き上がり止まらない。
イきそうだった。直前だった。そこに来て喉の苦痛と手加減された挿入によって、一時的に蓋がされていただけに過ぎない。一度熱が付いてしまえば、一度弱い所を見せれば。蓮の身体は簡単に、甘えたがりになる。
それがわかっていたから偽りの笑みを被り、内側では気丈に振る舞ってきた。ここで甘えを見せれば、心まで食い尽くされるだけだと。自分に厳命して、その上で身体を売った。
「ぅうっ、ン、ァッ――んんぅぅっ」
「そうそう、その調子、ッ。あぁイイ、めっちゃいー」
「……少し黙れ……ゥッ」
「あ、失敬」
腹の裏から股先までに感じる熱に、自分の雌だけが抱き着いている。甘美だった。自慰では辿り着けない程に熱く、長く、太く、そして雄だった。雌が雄に頭を垂れて、その全身に震えてしがみついていた。
口の中も雄だった。味も熱も太さも雄弁に語っていた。やろうと思えばいつでも喉奥を突くことで、この雌を支配出来る。
身体は既に十分にそれを理解していて、今になってようやく冷静な所がそれをわかった。
自分の全部が、相手の
「……ッ、
「あー、羨まし。終わったらオレも
「ン――んぅんっ!?ぉっ、フ、んむぐぅ、ッ」
口の中に目一杯精が広がり、唇の内側で一物が暴れる。暴れを強く吸って固定する。
鼻の呼吸を忘れるほどに雄が広がる。味覚と嗅覚が完全にこの場の上下と性差を理解させてくる。わかっている。わかっているから、おねがいだから。何も、考えさせないで。
喉奥に流れていく。飲むしかない。吐き出せば、これまでの忍耐が無意味になる。後から遅れて口に出されるモノに苦戦しながら、なんとか順繰りに飲みつつ一物を舐めしごく。
おわった。たった一言の感想が浮かぶ。
――間違いだった。
「ほら、離れて。――そらよッ!」
「ッか、ぁっ……!あッ!ダメ、だめぇえ!や、やぁ!そこ、ぉおっ!!」
顔の前の下腹が離れてやっと口に自由が与えられた所で、油断を一本の槍が押し潰した。
精神が弱り切った瞬間は、そのまま身体の弱さだった。再び頭が真っ白になり、肉体の主導権が肉体そのものになる。
考える事を放棄した身体に、力任せに腰が前後して肉棒があちこちを擦る。思考に抑えられていた雌の機能が働き始める。種を求めて、雄を悦ばせる。それだけの存在に成り下がっている。
開いた足は膝が震え、閉じることすらままならない。腕はどこかへ飛んでいきそうな体をテーブルに繋ぎ止めている。四肢が死んでいる。ヒトとして、死んでいる。
ここには自分も、ヒトもいない。
「ハハッ、堪んねッ。そーら、
「あ、う、ア、あ――んぅぁあっは!!?」
キツく締め上げる蓮の内側を好きに蹂躙した肉棒が、最後を迎える。
奥に一突きし、その場で吐き出す。呼気のみで体を動かすように、痙攣と同時に腰が前に出て、先の蓮の臀部を震わす。最も深い所で繋がっている蓮には、それすらも拷問だった。
突きを引き金に、蓮もイった。胸だけの、指だけのどこか虚しさが見える偽物では無い、身体の反応が全ての思考を埋め尽くす本物。
誰よりも男のモノを理解してしまう。出されたモノを理解してしまう。許したモノを理解してしまう。
「っはぁ~。イイねーさいっこう。手間かけただけあっていいデキ。やっぱカラダ
「早くどけ。……見ての通りだ、どうやらナカ一発が限度だな」
「げっ」
「……へ……?」
男のモノが全て抜け落ちる。どろどろとした自分でない何かが股先からこぼれる。
罵倒でも嘲弄でも無い意志を感じて、ふと顔を横へ転がし寝かせた。
ソファーに、いた。特等席に。待機列に。自分の痴態全てをスパイスにして、右手で自慰を、左手で酒を楽しむ男
中年に口を塞がれていた時か。その間に蓮のテーブルには、新たな客が
「さて、と。……まずは勃たせろ。若造との違いを、髄まで教えてやろう」
ずい、と半勃ちの一物が再び前に出される。瞳は、それを映さない。
蓮の両の瞳に映っていたのは、ただどこまでも続く長い夜の色でしかなかった。
襲われる、襲われ続ける。終わりの時間が無いこの場所で、腹の底に秘めた色。
自分自身の、意識の色。
「い、いやッ!やだッ、たすけてっ!おねがい、すこし、すこしだけッ」
「ここまで待たされて”少し”は無い。猶予は過ぎた、しゃぶれ」
「あくッ――ん、むぅう……ッ」
抗議を力づくで封じられる。覚え込まされた雄の味を、とことんまで舌が覚える。
身体を守るためだ。心を守るためだ。様々な言い訳をしながら、銃や異能を使うまでもなく、顎に力を入れるだけで終わらせる事の出来る筈のその感触を、柔らかく迎え入れる。
此処に居るのは赤の他人だ。コネクションの外だ。本来会う事も無いような人間しかいない事は調べ済みだ。それなら、無様に頭と腰を振っても後にまでは響かない。一夜だけの、悪夢だ。
……なぜ?なんのために、そんなことをこれまでに、調べていた?
決まっている。
心はずっと前から、屈していたんだ。
「ンッ、ンッ!……ふ……あっ……」
「そんな物欲しそうにせんでも、すぐにまた食える。尻を上げろ」
「あ――あはぁっ!!」
口から抜かれたモノが、後ろに回り込んで来た。その鈍い中年の体すら、疲弊した今では目で追うことも出来ない。
無抵抗のままに、開いたままの股の間に一物が突き刺さった。先程の男のものより一回り膨らんだモノが、意識よりも良く良く蕩け落ちている雌の部分に打ち込まれる。思考が、再び星を見る。白い暗転だった。
イってはいない。だが、その寸前だった。完全に陥落した体に、もはや耐える事を命じる者は誰もいない。男達が望むのは、自分達の持つ内の雄を悦ばせる反応と刺激だけだった。
「ああ、ンッ!ふ、ああっ!だ、めえ……っ!イ、くっ……!」
「まだ挿れたばかりでコレか?先が思いやられるな」
「ほーら、このオッサン入れてあと四回だよー?あ、ゴメンゴメン。他にもギャラリー来てるねえ。この調子なら連続十回記録とか狙えるかも、入れ食いじゃん。おおすごいすごい」
「挿れてるのも食ってるのも、全部こっちだがな」
「あ、ァッ!ん、んんん……!やあッ……やだ、や、だぁ……!」
脇下に中年の両腕が通され、繋がったまま立ち上がろうとする。思考の抜けた体はもはや男達のモノだ。蓮の体は串刺しになったまま人形の様に軽々と、中年と共に体を起こして背を反った。
胸が揺れる。ずっと硝子に押し当てられて冷たく、しかし中心は硬く熱されたままの頂点がいっそう寒い。だが、肝心なのはそこではない。横の三人の男達に加え、歩いてきた男までもがテーブルの前で足を止め、目を見開いていた。
「あッ、あッ!いや、あっ……!」
「うむ……」
「……ほう」
見られている。肌蹴た胸。凝った乳首。諦めと淫欲に蕩けた顔。腰しか隠せていない服。繋がった部分と、繋げているモノ。
顔を隠そうと腕を動かそうとしても、脇下から肩を抑えた後ろの中年の両腕が胸を張らせたまま戻させてくれない。腕を動かそうとしても動かない代わりに、柔らかな双丘と腰と繋げた臀部が揺れる。
涙が、出た。涸れる事など無い。心が泣いて、口では鳴いて、格好は全て無くしていた。
顔だけを振る。胸が揺れる。横に垂らした二つ髪が揺れる。背中や胸元にこびりついた汗と愛液と精液を吸い、綺麗に保っていた黒髪が身体のあちこちに細く張り付いていき、白を吸う。
まるで鎖だ。こんなにも細いのに、自分では取り払う事は出来ない。
自分自身から生えて、自分自身を囚える為の、細い鎖。
「そら、そら!見せつけてる気分はどうだ!」
「こ、おッ……!あ、っはん!やだ、や、ああっ……!みない、でえッ……!」
「違うだろうが!欲しいのなら、言え!媚びて鳴け!」
スパートがかかる。尻を太腿で弾かれ、その度に思考から解放された身体が悦んでいる。
無言が痛かった。傍のソファーで見ている男、声だけを肴に酒を楽しむ男、こちらが刺されるのに合わせて近くで陰茎を擦る男、呆然とテーブル前で足を止めてこちらを見る男、男、男、男――
どこにも、いない。どこにもいない。あるのは、男だ。雄だ。だけ、だ。
肩から下だけが揺らされ跳ね回る。頭も下げれず、遠い天を斜めに見る。空も光も無い。近くだけを見せる薄暗闇には、どこまでも自分と中年の声が飛んでいる。
「――……ぁッ!あッあッ!見てッ……!イくとこ、ろぉっ……!イッちゃう、みてる、のにッ!!みられて、うしろから、さされてッ!イ、ク、いくっ、イクゥ……ッ」
跳ね続ける腰は一物を咥え離さず、雌としての機能を自分より上手くやっていた。突かれる度に収縮した。引かれて抜けそうになれば、無意識にそれを追って抜けないようにした。いずれ出る種を受け止める為に、一番上手く雄に媚びていた。
生で男を感じる。生の胸が楕円を描く。生の頂点が視線を受ける。生の女が、求めるものを受け入れる為に、突かれては絶えず愛液をポンプする。
何よりも、生の声が上がっていた。何も無かった。
それが、最後の一線だと気付いた頃には手遅れだった。
「アッ――っは、あああぁ!!あっ、あぁっ、ン!イクッ、イ、ってるぅ……!」
「締まッ……がッ」
深く、深かった。ちかちかと目蓋が光り続けて、何も無くなった。
後から感覚が来た。考えられないぐらいの快楽に、心が止まった。
それでも体の繋がった部分から吐き出される精の熱が意識を戻し、断ち切れない心の繋がりが意識を戻す。
「あ、ぁあんッ……ん……ふぅ、あッ……ン」
戻った意識が、身体の感覚を頭の裏にまで送り込んでくる。それだけで声が漏れる。
忘れたままで居たかった。行き過ぎた快楽は麻薬であり、毒の効かない
「……ック……フッ、ウッ」
「んゥッ、ぁっ、ぁっ」
出し切ってなお、男は抜かなかった。最後にもう少しだけ、そう腰を振ってくる。
――――。止まった心はその言葉を忘れている。――、――。何度も何度も腰が振られる度に、抜け落ちた心の穴から黒い空白が聞こえる。
六度目を終えて抜かれた。中年の体が蓮を抱きながら、後ろのソファーへとゆっくりと落ちて沈む。バウンドした拍子に、二人の汗が混ざった。
あ、ぁ。――――。何だ。言葉が、わからない。そう、だ。
「――……きもち、いい……」
きもちいい、きもちいい。思い出せたその残響を噛み締めるように、一言だけが漏れ出した。
見られるのが、弱さを見せるのが。胸を見せるのが、体を魅せるのが。足を開くのが、心を染め上げるのが。
失言だった。だけど、それも良かった。気持ちが良かったのだ。
何を言っても構わない。どうせ此処には、誰も居ないのだから。
◆ ◆ ◆
どうぞ……存分に夢を追い続けて下さい……!
我々は……その姿を心から、応援するモノです……!
三人を並列進行する形式でしたが、いっぱい書きたいので三分の一を三倍スケールしました。
当小説でもっと見たいヒロインは誰ですか?
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蓮ちゃん
-
ユーリヤさん
-
真魚ちゃん
-
蜜柑さん
-
夢ちゃん