「……」
「……」
静かな部屋の中で、遠くに押し退けた電気ヒーターの熱される音と、閉められたカーテンの外からしきりに聞こえ続ける雨の打ち付ける音だけが部屋を満たしている。
布団をベッドの端にまで寄せ、濡れたセーラー服とスカートを脱ぎ捨て、下着だけを身に着けた状態の夢が、腕を胸元に置いて仰向けに転がっている。
大井は夢に覆い被さりマットレスに両手を伸ばし、体を浮かせた体勢のまま、夢を真っ直ぐに見つめ続けていた。正確に言えば、緊張の余り体が固まってしまっていた。
感極まっていたとはいえ、先程まであれだけ体を抱き締め、唇まで交わしていたと言うのに、事ここに来て大井は次にどうしていいのか、どうするべきかを見失っていた。
「……その、体、綺麗だな」
「……っ」
どうしていいのかもわからず、ただ純粋な感想だけが口から出る。年頃の異性の裸など、大井にとっては全く縁の無い姿だった。
年頃の男子として、ネットでそういった物を見たり、年齢制限のある漫画なども目にした事はある。だが、実際に目にするとなると話は全く別だ。
手を少しでも動かせば、実際にそれに手が届く。先程まで実際に抱き締めていた体の感触は、鮮明に記憶に残っている。手の届かない映像や絵ではない、紛れもない現実。
白い肌、曲線的な輪郭、細い腕、下着に寄せ上げられた胸部。何もかもが自身の見た物達よりも鮮明に、目の前にある。それに圧倒され、大井は先程までの事も忘れて動けずにいた。
「……そんな事、ない」
「……?結城?」
「綺麗な事なんて、無いの」
「いや、そんな事無いって」
「違う、の……」
夢の顔が、再び曇る。ベッドで顔を合わせてからは夢も緊張に体を強張らせ、そこに不安こそあっても翳りは無かった。しかし、自分の言葉を聞いた夢は哀しそうな表情を浮かばせ直していた。
何か気に障るような言葉だったのだろうか。下心は流石に多少は混じってこそいたが、言葉は大井の本心からのものだった。言葉自体も、使い古されているフレーズとはいえ間違いなく褒め言葉だ。
だけどそれが間違いなのだと、目の前の少女は辛そうに否定する。肩を縮めて顔は俯く。眉は上げられ、その雰囲気は最近何度も見た、今さっきまでの物に戻っていた。
また、目の前の子が哀しんでいる。それが大井には辛かった。こういう時にどうしていいのか、どうするべきかなんて事はわからない。だけど、今は自分しかこの少女の哀しみに触れられない。いや、自分だけがこの少女の哀しみに寄り添う事が出来る。
「っ……大井くん?」
「俺、こういう時どう言えばいいのか、そんなのわからないんだけどさ」
大井は自身を支える腕をベッドへ横たえ体を下ろし、夢の見えない程小さく震えている体に自身を乗せる。重くないように、だけど確かに傍にいる事を伝えるように、震えを自分の体で抑え込む。
自分の顔を左側に下ろし、夢の顔と近い位置に置く。右手を見えない頬へと添える。正しい事が言える自信は無い。未だに緊張はあるし、そういった経験も無い。だけど確かに自分の心が伝わるように、真っ直ぐに、嘘だと言われない様に。自分の想いのままを、口にする。
「綺麗だよ。ホントに、そう思ったんだ」
「――ッ」
ありふれた言葉を繰り返す。嘘なんて言ってない、ただそれを知ってほしい。心の底のその事を相手の心へと届ける様に、優しく諭す。重なった所から感じる震えが、止まる。
どうすべきか、なんてありもしない正解を探すことはやめた。今ここにいるのは、自分と夢だけだ。どんなに近い状況が他にあったとしても、目の前の子が抱える痛みや哀しみをそれに比べる事は出来ない。
だから自分が思う様に、自分がそうすべきと思った様に、ただ胸の内に収まる少女へ言いたい事を、してあげたい事をする。体の重みをかけたまま何もせず、夢の返事を待つ。
静かな時が流れる。十秒だろうか、一分だろうか。ただ体へ伝わる相手の鼓動の音だけが、時を刻み続ける。返事をしてくれるまでは、ずっと待ち続けよう。大井は目を閉じ、囁きも聞き逃さないつもりで耳を澄ませた。
「――大井、くん」
「なんだ?」
「……顔、向けて」
「……わかった」
目を開き、言われた通りに夢の顔のある方向へ顔を向ける。殆ど距離も置かずにそこにある夢の顔が視界を埋める。その白い顔に赤が差している。返事の中に隠された我儘を、確かに聞き取った気がした。
二人は殆ど同じくして口だけを突き出し、お互いの唇を重ねる。今先程まで何度となく交わしていた筈なのに、まるで感触が違った様に感じる。そうさせるのは自分の気持ちが変わったからか、それとも状況が違うからか。それもまた、どうでもいい事だった。
確かに気持ちが伝わるように、お互いに少しずつ唇の角度を変え、小さく口先を触れさせ続ける。しばらくそうしていると、唇に濡れた感触が当たる。覚えのある感触だった。
「……ん」
「んぅ、んんっ」
その感触へ向けて、今度は自分から舌先を合わせていく。謝る必要が無い事を、今この時は全てを赦す事を、それだけで伝える。自分を求める夢の舌を受け入れ、自分も同様にする。
小さな水音が合わせた口から鳴り続ける。決して大きな音と言えない、雨の音にかき消されてしまいそうなそれは、しかし自分達にだけは確かに聞こえている。
夢の両手が自分の頬に当てられる。離したくない、離れたくない、離れないで。そんな叫びが聞こえるようだった。自分も同じく、左手で夢の頬に触れる、添え続けていた右手で、輪郭をなぞる。
水音が強くなる。夢が吸う力が強くなったのか、自分がより強く口を合わせているのか。そんな事を気にする頭は、夢と重ねた熱の中にすでに溶け落ちていた。
それに伴い体から湧き上がる熱情を抑え込み、ただ夢の想いを受け止める。受け入れる。それを続ける。
「……はっ、あ。大井、くん」
「なんだ?」
「……その」
自分の頬に添えられた夢の手によって、大井の顔が離される。名残惜しそうに口先の糸が切れ、その先を見る。先程までの表情が消え、顔の赤みが一層増した夢の顔を見下ろす。
今は目の前の少女の言う事なら、なんでも応えられる気がした。何かを言いたげにしている夢の、言葉の続きを黙って待つ。夢の視線が、少し逸れる。
「――触らなくて、いい、の?」
「……ッ」
恥じらいながらも自分を誘う夢の姿に、抑えていた欲情が鼓動と共に体を駆け巡り、理性が愛おしさを感じさせる。
自分へと向けられた思いやるような言葉は、夢の期待を物語っていた。再び夢の体へ視線を落とし、息を呑む。そんな事をしていいのだろうか、そうどこかで思うも答えは出ている。
『そうして欲しい』。内気な目の前の少女が確かに口にした許可。視線を夢の顔に戻す。顔は横に向けられていたが、目線は合った。切なそうな瞳が、自身の考えを正しいものと教えている。
「んッ……!」
夢の体の中で最も近い所まで寄せ上げられた部分へ、右手で触れる。水色の下着越しに、その柔らかさと大きさを広げた掌で感じる。雨で冷えている体の奥にある体温と、高鳴る鼓動が伝わってくる。
僅かに指先に力を込めて、広げた掌を沈ませる。真ん中の三本の指が大きな水色の下着の外側ではみ出て、そのままの感触を味わう。どこまでも沈んでいきそうな、なのに確かにそこにあるとわかる初めての感触に煽られ、自分の熱も顔にまで上っている事を自覚する。
優しく握り、手を広げる。力を込め、力を抜く。ただ単純なそれだけの事を繰り返せば、その力の強さに反して夢の体が大きく反応を返す。目を瞑ってこそいるが、そこに拒む意志は見当たらない。
逸らされた顔が少しずつ正面へ戻る。顔が正面を向き切らない所で、夢が薄く目を開く。流された視線に、自分の目が吸い込まれていきそうな錯覚すら覚えた。
「大井、くん……」
自分の左手に、夢の左手が重ねられる。殆ど力の込められていないその手が、何をして欲しいのか、何をしてもいいのかを教えてくれた。大井は重ねられた左手を抜き取る様に動かし、その手も夢の胸部に添えた。
ぴくり、と夢の体が跳ねる。目の前の子の事を深く知っている訳ではない。しかし、短いながらも確かに過ごした時間から知った夢の人格から言えば、相当な勇気を持って今こうしているのが伝わってくる。
恥ずかしいという感情も抑えて自分を求めてくる夢の勇気に答えるべく、左手も動かす。右手と左手が別々に動き、その感触を確かめていく。
夢はその度に、悩ましげな声を小さく漏らす。「ん」、「あ」、「は」。声とも言えない小さな、熱に浮かされた音が大井の心の内にまで入り込んでくる。内側の自制が、無くなっていく。
「あっ!」
強引に指先を下着と体の僅かな間に割り込ませ、内側へ潜り込ませようとする。張り詰めた固い布地の下のワイヤーに阻まれてほんの少ししか指は入らなかったが、下着越しに触るよりも内側の柔らかさは確かに感じられていた。
もっと奥を、もっと全体を、もっと。熱に浮かされ、大井の気遣いは段々と消えて行き、思い通りに出来ない焦りが表に出てくる。そうしていると、大井の手首に夢の手が当てられた。
「――っ、ご、ごめんっ、つい」
「……ちょっとだけ、待って」
夢によって手を胸から離され、理性が戻される。流石に急すぎた。許可も取らずに勝手な事をしようとした自分を戒める。さすがに今度ばかりは、嫌と言われても仕方ない。
そう大井が考えていると、夢が背中を向ける様に横に転がり、背中へと両手を伸ばす。ぷつ、ぷつ、ぷつ。小さな音と共に、伸ばされた両手が背中の中央にある下着に触れ、上から下着を留めるホックが外されていく。
大井は息を止めてその光景を見続ける。背中が露わになり、それと同時に夢が姿勢を戻す。僅かにズレた下着を胸に当てた両手で抑えながら、顔を向け直してくる。
「……いい、よ」
「ッ!!」
「や――」
その一言で、大井は弾かれた様に動いた。ただ乗せられているだけの下着と、小さな恥じらいを見せる夢の両手の下へ手を伸ばし、その両手で両胸を揉み上げる。
一際高い嬌声が夢の口から漏れる。乗せられた下着はもはや意味を成さないほどに上へと退けられ、両手も大井の手を一切阻まない。両手全体から溢れる柔らかさと、中央にある硬さを感じ、手は勝手に動き続ける。
下から掌の付け根によって胸を持ち上げる。指の届かない側面へと手を動かし大きさを確かめる。上部へ指を添えながら親指で一番固い部分を押し込む。ただ本能のままに、大井の手が動く。
外された下着が、胸の上から滑り落ちた。
「ん、あッ、あぁっ、やぁ」
「大きい、気持ちいいよ、結城」
「んぅっ――うん、うんっ」
大きさを確かめる事を終え、右手は最も反応が大きくなる頂点を指で挟むようにしながら、左手は無遠慮に乗せた手で指先を動かしながら円を描き続ける。
その感触が齎す興奮が、自分の事でも無いのに快楽を生み出す。夢が声を上げる度に、体が身動ぐ度に、充足感が溢れて得も知れない気持ち良さに繋がる。
自制が薄れた事により手への力は強くなり続けるが、それでも心の底の目の前の少女への愛おしさが働き、夢へと痛みを与えない程の強さで手は動き続ける。大井が気持ちよくなっている事に対し、嬉しそうに頷きをして来る目の前の女の子にも、自分の気持ち良さを与えてやりたかった。
もっと、別の所へ触れたい。別の感覚を与えたい。どちらの為かもわからぬ心のままに、手が胸を離れて体をなぞり下へと動く。
「ひぁっ!?」
胸から腹へ、腹から腰へ、腰からその中央へ。優しくなぞった手が終点に辿り着くと同時に、夢の体が跳ねて目が見開かれる。
ブラジャーと同じく水色で揃えられた下着の表面の、肌触りの良い感触の中心に吸い付くような物を感じる。指先に意識を少しでも向けると、その部分だけが僅かに水気を拾う。
左手を止めて、その地点を見る。下着の中心だけが濡れそぼって色が変わっていた。その部分へ指を揃えて押し込めば、くちゅりと確かな水音が立つ。
信じられないような物を見た顔で大井が夢の顔へ視線を向ける。夢は両手で自分の顔を覆い隠し、感情を隠そうとしていた。しかし、耳や指の隙間からは隠しきれない程の赤みが覗いていた。
「顔、見せて」
「や、いや、やめて、大井くん」
「頼む」
「う、うう、うぅーっ」
右手を下から引き戻し、夢の顔を隠す腕に添える。無理に引き剥がそうとはせず、ただ自分の願いだけを聞いてもらう。どうしても嫌ならば、強制はしたくなかった。
顔を隠して声を上げながら、夢は恥じらいで頭を左右に揺らす。その様子から、さすがに無理そうだと大井は悟る。どのぐらい恥ずかしいのかという度合は男の身としてはわからないが、甘えることにすら勇気が必要な夢へそれ程多くのことを求めようとは思わない。
だけど、この先の事まで止めて欲しいという意志はそこに無い。それなら、止めない。
「んぅっ!あ、ぁっ!?……は、あっ」
大井は再び濡れた下着へと手を戻し、指先全てでその中央を押す。強い反応を見せる夢の両手は僅かに緩むが、まだ顔は隠れたままだ。そのまま、中指で濡れている部分を押す様になぞり上げる。
濡れた下着越しに、下から上へと丁寧になぞり上げる。力加減がわからずに最初は強めに押してしまった為、それからは中指を脱力させた後、探るように徐々に力を込めていく。
なぞる力を込めていくと、下着の奥にある水音が徐々に大きくなってくる。夢の声に痛みが混じらない様に気を付けながら、動かす中指に人差し指を合流させる。
強く反応を返す場所を探る為に、濡れている部分を撫で続ける。奥から湧き続けるそれを指が広げていき、次第に下着の色が変わった部分が大きくなっていく。
力を込めれば抑えめな喘ぎと共に水音が立つ。ただそれだけの繰り返しが、徐々に思考を溶かして手の力を強める。その時、水の匂いが鼻に届いた。
「ッ、ごめん」
「あぁっ!?や、ああっ!」
その誘う匂いに引き寄せられた様に、手が勝手に奥へと動く。手で下着を横に動かしながら謝罪をするも、止める気は無かった。
小さな泉となったその部分を指が塞ぎ、その中へと入っていく。どこまでも沈むのではないかという錯覚すら覚え、離れない熱が水気と共に指に絡み付いてくる。嬌声が上がると共に、指が締め付けられた。
「うわ、なんだこれ、すごッ……」
「あ、あぁ、んっ、ううっ」
指全体を確かな熱と力で包みこみながらも、初めて感じる肉の内側の感触に困惑する。沈めた状態でほんの数ミリでも動かせば、その動きを何十倍にもしたみたいに夢の体が瞬間的に動く。
くちゅくちゅと指の動きに合わせて湿った音が鳴り続ける。それよりも大きく口から漏れ続ける吐息と声は、それと一切混じる事は無く隠すことも出来ない。
無防備に、ただ自分の手に委ねて夢は喘ぎ続ける。手でかき分ける毎に顔を隠している手が動き、少しずつ赤面した頬や口元が覗きつつあった。肝心な所は自身に見せているのに、それでも顔だけは隠そうとするその素振りが情欲を煽る。
強制はしたくなかった。だけど、制止がきかなくなった。右手は探るように動かし続け、左手で顔を覆っている手にもう一度触れ、その手首を掴む。言葉にするよりも先に、掴んだ手首を少し引いてしまう。
「……結城」
「や、やだっ、今、絶対へんなっ、顔してるっ」
「変だなんて思わないから」
「やぁ、やっ――あっ!」
いやいやと子供のように駄々を捏ねる夢の腕の力は、殆ど抜けかけていた。それは実のところ触られていることに対して余裕を無くしてしまっているだけなのだが、もはや目元ぐらいしか隠せていないその腕を、大井はどかしてもいい物だと思ってしまう。
それ程強い力で引かずとも、掴んだ腕が動いてしまう。夢の右手が開かれ、それに驚いた左手も目の半分の所まで動いてしまう。夢の表情が、大井の瞳の中に収まる。
真っ赤な顔だった。両目尻は垂れ下がり、口は緩んで小さく開かれている。自分のしている事をただ素直に受け入れた上で、まだ足りないという様な顔。
それまで隠そうとしていた表情が見られた事で、はっと夢が目を見開く。なんとか右手を戻そうとするも、そちらは大井の手によってベッドに抑えられていた。強く握られているわけでもないのに、動かせなかった。動かしたくなかった。
右手がダメなら、という事で夢は左手だけでなんとか顔を――せめて目だけでも隠そうと動かす。が、そうしようとしたまさにその時に大井の顔が夢の顔へと近付いて来る。それを遮る事は、しなかった。
「んっ――」
「っ」
再び口が合わせられる。開いた夢の口へ舌を当て、口を開かせる。再び舌と舌を重ね合わせ、それと同時に大井は入れたままの右指を動かす。
指の中腹ほどまで入れても問題が無い事を確認し、さらに奥まで沈ませていく。絡みつき留めようとする感触と、吸い付き奥まで誘われる感触が強くなる。吸われるがままに、中指を全て収めた。
まだ奥まで辿り着いていないのに、指がそれ以上前へと動かせない。もっとしたい。その為に何が出来るか、考えながら奥まで沈めた中指を一度抜く。
「んぅ……ん、んんぅっ!?」
中指に人差し指を重ねて、二本ごと奥へ入れ直していく。絡ませた舌は驚きのあまりに引っ込むが、さらに顔を寄せる事で舌を追う。上瞼が眼鏡の縁に当たり、そこで顔が止められる。
中指は奥に入れながら、人差し指の先を曲げて中を擦る。その状態のまま、僅かに前後させる。大井にとってはネットで見た動きを真似た物で、傷つける事を恐れて動きに激しさや速さこそ無いものの、十分すぎる程に鮮烈な快感が夢に送られる。
奥まで掻き分けられながら、内の
「んっ、んッ、ンッ、ンゥッ!」
大井の手が中を往復する度に、合わせた口端から高い音が漏れる。舌は絡められ、止め処なく唾液が湧いてくる。その全てを、お互いに交換していく。
幸福感に満ちた快楽の波は大きくなり続け、そしていつしか限界が訪れた。
「ン、ん゛っ!ぁ、あぁあっ!!」
「う!?」
大井の二つの指が強烈に締め付けられる。指全体が肉と愛液の熱に包まれ、唐突な収縮に指の動きが完全に抑え込まれる。
同時に大きな嬌声と共に、夢の口が大井からズレる。声が止まると同時に乱れた息を大きく吐き出しては吸い込む。その顔は、これまでで一番快楽に蕩け落ちていた。思わず目を奪われる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
「……結城」
呼吸と共に徐々に落ち着きを取り戻し、目を伏せている夢へ名前を呼ぶ。それは気遣いからなるものなのか、欲情によるものなのか、特に意味を持たないのか。判断や思考よりも先に口から出ていた。
体を少し浮かして、右手を引いてその先を見る。部屋の照明により、右手全体が透明な光を返していた。熱により浮いたその匂いが、本能を刺激する。
理性が無くなりそうだった。今すぐに、本能のままに動きたかった。手を残された下着にかける。
「……いいか?」
「……ちょっとだけ、待って」
息を整えた夢へ最後の確認を取ろうとする。その前に、夢は大井を止める。
目尻は落ちきったまま、大井の目を夢が見つめる。夢の指が、自らの眼鏡の
眼鏡を外して折り畳み、自身の顔から離れた場所へと置くと、離れた大井の首裏にその両腕を回し、力を込めてきた。
「――キス、して」
縋るようなその求めと引き寄せる力に従い、大井は再び体と唇を重ねた。
実は二話で終わらせるつもりでした。ダメでした。見積もりがゆるゆるでした。
次回で多分終わりです。
当小説でもっと見たいヒロインは誰ですか?
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蓮ちゃん
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ユーリヤさん
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真魚ちゃん
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蜜柑さん
-
夢ちゃん