「あっ、はっ、うう、くうっ……ン……!」
「口を閉じるな。ちゃんと声でも楽しませろ」
目の前の男から意識を逃すべく、蓮は顔を背けて目を伏せる。
それが却って全身の感覚を鋭敏にし、執拗に胸を触り続ける掌の体温も、乳首を擦っては押し潰される感覚も、全てを頭で拾ってしまう。
そして手付きに対する蓮の反応を、男は逐一口に出せと強いてくる。自らの声を自覚させる事で屈辱をより際立たせるやり口に苦い思いは抱くも、反抗は出来ない。
この位、大した事ではない。こんな程度の事、捕まった仲間達の無事を思えば安い代償だ。そう思わなければ、徐々に反応を大きくしている自分自身を許せなかった。
「あ、うっ、はぁっ、あ、やっ……!」
「ここか。そんなに触って欲しいか」
「あッ、あ!く、うぁ……!」
「返事」
「……ッ、はいっ……さわって、ください……」
余すこと無く胸を触られ、その中で最も大きく反応を返した部分――乳首の先を弾かれる。
声の自制をやめた事で、蓮の身体から忍耐は大きく削がれていた。胸の側面を撫でられて甘い声を出し、力任せに揉みしだかれて息を途切れさせ、そして殊更乳首への刺激に反応してしまう。
それを見定めた男が集中的に乳首を潰し、擦り、両胸を合わせる様に引っ張る。今はまだむず痒さと嫌悪が勝っている、しかし確かに漏らす声と共に胸の頂点は硬く尖っていった。
弱い部分を、差し出す。背を丸めず、胸をわざと持ち上げて触りやすいようにする。男の機嫌を僅か一時の間だけ取る、たったそれだけの為に蓮は身体を
「はうっ、う……!それ、やぁっ――」
「”や”?」
「――って……つづ、けてっ、ください……!」
「よし」
反抗の意思を失い、ただ表面だけ傅く蓮の見え透いた反応にも、男は満足していた。
どうせ、この女は何も出来ないのだ。こうして自らの意志で弱い言葉ばかりを使っていけば、自然と心も下を向く。
無能力、無抵抗、無気力。身体から言葉に、言葉から心へと伝染していく、弱さという毒。散々苦しめてくれたこの女の専売特許を、形を変えて髄まで叩き込む。
心を弱さで蝕めば、いずれ何もかも折れて全てが虚ろな本心となる。見せかけの反応は、そのメインディッシュに至る前のオードブルだ。
蓮が何を思っていようが無関係とばかりに、男は蓮の胸の尖端を弄り回した。
「あッ、はんっ、く、ううっ、んうっ!」
「随分と声も甘くなってきた。私の優しさに感謝して、よがれよ」
「あううっ……!」
もはや誤魔化しがきかない程に、蓮の声は鼻がかったものに変化してきた。
自ら教えてねだった弱い場所から、鋭い感覚が肩までを震えさせる。蓮自身も、もはやそれが心の拒絶的な意思ではなく、身体の求める本能的な反応である事を理解している。
それを否定する形を、口は紡げない。あるのはただ、感覚をそのまま声に出す事だけだ。
「こっちは飽きた。次は、下にするか」
「あ、ッ……!」
再びナイフを握った男は、見せつける様にその白い刃をゆっくりと体の中央から下ろしていき、蓮のスカートの真ん中へと添える。
蓮が何か言葉にする事も待たず、男はめくり上げたスカートをベルトの下から裾まで、真っ直ぐにナイフで裂いていった。
「う、ううっ……!」
「随分と面積の狭い。命乞いの時に、男を誘うつもりだったのか」
「…………そ、うです……っ」
切れ込みからスカートを左右に分け、蓮のショーツを眺めた男が厭らしく批評してくる。
匂いまで嗅がれてしまいそうな至近距離まで男の顔が寄せられ、右手でスカートの裾ごと布地の表裏を繋げる細い紐に指をかけて持ち上げてくる。覚悟はしていたが、それだけでは耐え難い程の羞恥があった。
挙句の果てに、最初からこうされる事が望みだったかのような自白をさせられる。
それでも、拒絶出来なかった。
「まさに売女だ。いいぞ、いい女だ。都合がいい」
「くううっ」
男の指にかけられた頼りない紐が、内側から引かれる。少しずつ熱を帯びた、劣情的な声がスカートの中から蓮へとかけられる。
頭を下げれば男が自らの股座を観察する姿を、目を閉じれば内腿へと零れる汚い吐息の熱を知覚してしまう。たまらず蓮は、脚を閉じた。
「……まぁ、これも一興か」
「ちょっ、何を――」
それを見た男が、今度はショーツの持ち上げた紐の下にナイフを通し、ぴたりと合わせる。
冷たい鉄の感触に一瞬血の気が引く。求めていない反応への罰と称して、体を傷付けるつもりか。
しかし蓮の頭には、汚辱の心に満ちた男の欲望など知識に無かった。
「添えただけで切れるとは。最初から脱いでいれば良かったんじゃないか?」
「……!?あ、あぁっ……!?」
ナイフはくるりと男の手前へと捻られ、その途中にあった物が刃に擦れた。
蓮が感じたのは、今の上半身よりも更に冷たい肌寒さ。それに次いで、右脚へとゆっくり落ちていく滑らかな布と、薄い線の感触。布地と、紐。
スカートの裏で、下着の紐を切られた。一瞬事態を飲み込めずに呆け、それから自分の状態を理解した。
「い、いやあっ!」
「はは、売女でも可愛らしい声が出せるのだな。その無様さ、実にいいぞ」
男の目の前には、自分の恥部が隠すことも出来ずに晒されている。湧き上がる羞恥が、少女の様な声を上げさせる。
身体を道具のように扱われるより、人間として尊厳を踏みつけて愉しむ目の前の男のやり口の方が辛かった。どんな覚悟も、じわりじわりと時間をかけて、端から削り落とされていく。
一瞬、一度、一回。ただの一回、弱みを握る為だけに、男は蓮を辱めていく。それが、積み上がっていく。
「綺麗に処理されているなあ。やはり見せるつもりだったのか」
「う、うううっ……!くう、んっ」
「犬の様な声だな。さぞいい気分だろう、男に尻尾を振るのは」
見ている物を、知った蓮の秘する部分を、掌で撫でながら声に出して伝えてくる。
続けて股の中央に走る一筋を、指先が上下になぞっていく。腰が僅かに引けるも、男の手は逃れる事を許さずぴたりと秘部を捉え続けている。
苦痛が無い、それがむしろ苦痛だった。痴漢のようなプライドもない行為を、抵抗もせずに受け入れている。心がいくら叫んでも、体が動かせない。口は、如実に感覚を形にしてしまう。
「そら、腰を引くな。手に押し付けろ、自分からな」
「く――んっ、あっ、はぁっ……!や、あんっ!うぅんっ!」
触られる度に腰だけが引けていく、それすらも許されない。男の命令の通り、蓮は腰を真っ直ぐになるよう突き出す。
スカートの下で裸の秘部と筋が男の手を押す。それに合わせ、筋の下部に当てられた太い中指が前後に動き始め、蓮に声を上げさせる。腰を止めれば、指先がぴたりと筋の内部を狙う様に突き立てられた。
無言の脅しだった。命令を守れぬなら力尽くで貫く、従え。一言すらも介さず、男の要求は蓮の身体に押し付けられている。命令に従えば、再び中指は秘部の下部へ添え直された。
蓮の腰が前に戻される度に、擦る中指の動きが速くなる。”女”の声を、強引に引き出される。自分の中の”女”が、何よりも憎く感じられた。
「よし。次は、そのまま脚を開け」
「ぐ、ううっ」
「従えないか?」
「……やり、ます」
真っ直ぐに戻された蓮の腰を見て、今度は上腿へ男の両手がかけられる。しかし男の言葉に反し、その手に力は一つも篭っていない。
男自身の力ではなく、蓮自身の意思で開かせる。それを特等席で男が眺める。あまりにも蓮を馬鹿にした、女を辱めていく命令。しかしそれら一つとして、蓮は拒否出来ない。
「はは、は。情けないな、犬というのは。恥も知らず、ただ身体を晒すだけとは」
「うう、ううぅっ……!」
「今度は鳴き声か?ますます犬だな、雌犬だよ貴様は」
一度は締めた股を、少しずつ開く。男の掌は依然として力が無く、言い訳のしようが無い。
男が晒した股座を、自分が見せつける。脚に押し退けられ、スカートが左右に流れる。中央が裁断された短いスカートは、身体の重要な部分だけを隠さずに外気を誘い込んでいる。
服自体、ただ真っ直ぐ裂かれているだけで殆どが無事のまま身に纏っているというのが一層辛かった。袖は通っているのに肩から胸までは開かれ、上腿にはスカートが乗っているのに秘部だけは直接男の前にある。
掃除屋としての服が、自分という
身体を隠してくれる自分の服が、隠すべき部分だけを強調して見せつけている。それが蓮の羞恥と屈辱を際立たせていた。
「そうだな、前だけというのもバランスが悪い。犬は犬らしく、尻尾も見せんとなぁ」
「う、あっ」
良いことを思い付いたとばかりに、ナイフを持ち直した男が蓮の開いた股に両腕を通し、後ろ側のスカートの裏地を掴む。
そのまま上半身とスカートを裂いたのと同様に、ナイフの刃が裏地を貫き、ゆっくりと下ろされていく。わざとらしく男は腕を蓮の秘部に押し付け、ごつごつとした男の硬さを女の柔さに教え込んでいく。
そうして今度はスカートの後ろ側が裂かれ、今度は蓮の尻に温い風が流れ込んできた。
「くく、くっ!いい様だぞ、今のお前は。これまで私達の邪魔をするだけのうざったい毒虫が、今や男に尻を振る雌犬に成り下がった。いや、成り上がったのか?どう思う、犬」
「ひゃうっ!ぁ、ううんっ」
両手を股から離した男はナイフを地面に転がし、その右腕を蓮の腰へと回してその先の臀部を掴んでくる。めくり上げるまでもなく掌を受け入れるよう縦に開かれたスカートを割って、男は右手を蠢かせる。
突き出た丸く重みのある柔肉を、無遠慮に男が揉んでいく。男の掌全体、それぞれ動く指先に至るまでを蓮は感じ取ってしまう。そうしている内に、今度は男の左腕も腰を迂回してきた。
「あッ、ふぅ、うっ……!あっ、あぁ、うぅっ、んぅ……!」
「こんな場所まで触られて悦ぶとは、犬にも劣るか?そら」
「あッ、やあっ!そ、そんな、ところ、までえっ……ダメッ……!」
スカートという幕を横に押し分けて、二つの掌が二つの尻臀を掴んで左右へこじ開ける。その深い肉谷の奥にある穴の皺へと、男の指先がかかった。
ともすると秘部より肉が薄く過敏な場所を押し潰される。穴の周りを撫でられ、内側への入口に爪がかかる。反射的に尻に力を入れて穴は締まるが、その肉の窄まりが指圧され、爪で掻かれる。
拒絶感と性感が入り混じり、経験の薄い感覚が蓮を惑わせる。違う、気持ち良くなどない。ただ誰かに触られた事の無い場所を弄くられ、体が困惑して声を上げさせているだけだ。
――誰にも、触られた事の無い場所。それを、触られている。理解と同時に、また一つ蓮の心が蝕まれた。
「そら、脚をもっと開け。もっとだ、もっと」
「う、く」
散々蓮の菊部を刺激した後、男は両腕を引いて尻から手を離す。
男は蓮の胸元へと顔を寄せ、喉下をねっとりと吐息で投げ上げながら命令を蓮へ伝える。今にも歯が立てられそうな、これから獲物を捕食する様な位置で、男の頭が留まっている。
命令だ。いかに下卑て歪んでいようと、逆らえない命令が次から次へと蓮の体を動かし、心を削っていく。命令から行動までの動きが早まっている事にも、蓮は気付いていなかった。
「よし、褒美だ。いい声で鳴けよ」
「あふぅっ!?だめっ、やあッ!そこっ、そこも、そこだめっ――んぅうッ!!」
命令に忠実に従った蓮に、男が被さる。顔は左胸に、左手は秘部に、右手は尻に押し付けられた。そのまま同時に、乳首を音を立てて吸い上げ、秘核を親指で押さえ、尻を掴んで持ち上げる。
男は唾液を含んだ口内で蓮の胸を食べる様に吸い付きながら、舌で乳輪と乳首の下を舐めて始めた。さらに秘部の表で特に敏感に膨らんだ肉芽が、親指で跳ね転がされる。
そのまま掴み上げた尻肉を掌一杯で押し、その中指は中央の隙間へと滑り込まされ、窄まり直前の周囲をなぞっていく。恥部全てを同時に責める男からの刺激に、蓮は体面も失って声を上げた。
「はぁっ。……”だめ”か?本当に嫌か?」
「……くう、うっ……!」
「そら、口に出せ。言葉にしなければ、何も伝わらんぞ?」
胸から顔を離し、両手の動きを止めて男が蓮に問いかける。
もはや男は笑いを堪えきれないといった様子で、蓮を嘲っていた。わざわざ手間をかけて愛撫するのも、蓮自身が屈服する過程と様子を嗤って愉しむ為だ。
それこそが男にとっての、蓮に対する復讐だった。ただ殺すのでは何の意味もない、それよりも多くの苦痛を、多くの愉悦を得る。
――目の前の女の身体から心にかけて、全てを玩具にしてやる。
「……嫌じゃ、ないです……!おねがい、しますっ……もっと、して、下さいっ……!」
「ハハハ、ハッハッハ!いいぞぉ、私は優しいからな!もっと、楽しませてやろう」
唇を噛み締めて苦々しく呟かれた蓮の懇願を、男が笑い飛ばす。
本心からの言葉ではない、それでもはっきりと媚びた言葉で乞うてくるという事が男にとっては一層可笑しく、嗜虐心を満たすものだった。
表面だけの懇願を実現するべく、再び男は胸に吸い付き、秘部と臀部に両手を回した。
「あんっ!う、はッ――くうんっ!や、ああっ、あああっ!」
「ぢゅうっ、む゛っ。……堪らんな、いいカラダだ。案外、こうされたかったのではないか?」
「ちがッ――あうっ!?あ、あぁ、うんっ!なか、あぁっ!」
一方の胸だけを執拗に吸われて、蓮自身が自覚出来るほどにその片方の頂点だけが鋭敏に尖り、男の唇と舌に転がされる。吸い出された乳首が前歯で甘噛みされ、小さな電流が刺した様な感覚があった。
さらに左手の中指が秘唇を割り開き、水気を帯び始めていた入口に指先が潜る。締まる膣口が第一関節だけの指先の感触をやけに太く大きく感じ取り、肉の扉の内側からノックする様に指が掻き回される。
右手は両の尻の中央に当てられ、開かれた掌はがっしりと柔肉にめり込み、そして中指が菊門を突き、閉じた窄まりを開こうと指の腹が押してくる。
蓮の身体は、反応してしまっていた。今でも嫌悪感はある、心は煮えくり返る様だ。
そんな心からの意志と身体の繋がりが、薄くなっている。痛みを伴わない、性を身体の奥から引き出す荒々しい愛撫。強制には至らない程度の強い刺激が、体温を上げてくる。
「あッ、あッ!ううっ、はあん!ん、んッ――はうぅ」
吸い付かれ、掻き回され、捩じ込まれている。どこの部分ももはや既に、隠す事も守る事も出来ていない。意に反した言葉ばかりを、男を誘惑する嬌声だけ漏らす為の感覚ばかりが身体を走る。
どうにも出来ない、どうしても動けない。腕を縛る敵の細糸よりも、心に絡む蓮自身の鎖がそれを許していない。
全部、仲間達の為だ。私がやらなければ、誰かがこうされる。だから、だから。
「くあ、ンッ!んはッ、あッ!もうっ、ダ――あッ、あッ、あああ!」
「イクか?自分から敵に尻尾を振って、いじるようねだって、気持ち良くされて」
「あッ、ふぅっ!んんぅ、イッ――や……いやっ、いやあっ……!」
顔だけを上げ、陰部を弄る両手の動きはいっそう激しく続けながら男は蓮に問いを投げてくる。
蓮の身体全体が小刻みに震え始め、膣口が男の指先を入れたまま脱力と緊縮を繰り返す。蓮自身もハッキリと自分自身の限界を悟った瞬間、浮かされる様な熱を抑える汗を肌に滲ませ始める。
仲間達の為に、耐える。どんな痛みにも、辱めにも耐えようとしていた。だが、そんな自分を嘲笑うかの様に男からの愛撫は蓮自身の欲求を顕出させ始め、そして今それが形を成そうとしている。
悔しかった。男自身に負ける事より、自分の肉体が反応してしまっている事が、それも男の思いのままに玩ばれてその通りの感覚に翻弄されている事が、何よりも悔しかった。
どんな意志も懇願も、逃げられない以上は全くの無意味だった。ぞくぞくとした感覚が、胸・肉唇・穿孔から全て肩へ、顔へ、頭頂まで。全てを容赦なく、淡赤色に染め上げていく。
「イクならイクと、ちゃんと言葉にしろよ。でなければ――」
「ぐ、くう、ああッ――イッ、イキますっ、イクッ、イクゥッ……!」
反応に声を合わせ、その気になれば我慢も出来るだろう頂点の道へ、自らの声で後押しをしていく。
たとえその言葉が本心でなくとも、身体は構わないとばかりに高まっていく。その声を許可証として、加速度的に感覚は尖り、全身を走っていく肉欲の雷が弾けて巡っていく。
心から離れた身体が、心を蝕んでいく。まるでそれを心から望んだかのように、思考は白く染まっていく。言葉が、自分自身を無に変えていく。
それを見透かした様に、男の左手の指が秘部の奥へと一気に挿し込まれた。
「あッ!イクッ、イッ――はああぁあっ!!」
その感覚の変化を引き金として、蓮の身体全てが悦予の熱に染まり上がった。
憎悪も屈辱も忘れ、頭頂から手足の先までが陶酔の痙攣に震える。視界がぶれ、像を成さない。侵入した男の中指の根本から指先までを、膣が悦んで包み込んでいる。
たった数秒、もしかしたら一瞬だけの絶頂に、蓮の感覚はゆっくりと戻り出す。止められた呼吸が空気を求めて喘ぎ出し、脱力した膣は内で強く留めていた中指を愛液と共に開放する。
くたりと頭を下げ、肉体だけだった感覚を脳が遅れて理解する。なんてことのない、男の愛撫に耐える事も出来ず、惨めにも声を上げながら絶頂した。自分の声で、自分の言葉で、それを誘った。
「ハハッ、いい気分だろう?いやはや、優しい私で本当に良かったな。わざわざお前だけを気持ち良くさせて、望み通りイカせてやって。……ほら、後始末だ。自分の物は、自分で綺麗にしろ」
「はぁっ、はぁっ、あっ――ん、むっ」
男は両手を一旦離し、先程まで吸っていた左胸を右手で掴み、秘部から抜いた左手中指を蓮の顔の前に差し出す。
陶酔の余韻に浸り、赤らめながらも無気力な表情で顔を上げた蓮は、眉を寄せながらもその中指を口に含む。それと同時に、男の右手も胸を押し始める。
左胸についた男の唾液は右掌で押し広げられ、行為の残滓をマーキングする様に肌に刷り込んでいく。口に含ませた中指の愛液は、蓮自身の意志で吸って舌で舐めさせられる。
「んぅっ、むぅっ、ンッ、ンッンッ」
左胸の生温い水気によって、先程まで男に自由にされていた記憶が蘇り、胸全体に塗り込まれる唾液が蓮自身の引き切っていない感覚を呼び戻す。
口内の中指は緩く曲げて蓮の舌に押し付けられ、撫でる様に刺激してくる。口内を誰かに差し出した上で自分の愛液を舐め取るという行為が、自分の惨めな立場を教えてくる。
力が抜けている今でも、本気でやれば口の中で引いた歯を立てて、憎たらしい中指を噛み千切る事も出来る。だが、出来るだけだ。そんな選択肢を、自分の中で棄却する。
ざらついた味蕾と舌奥を指で撫ぜられる甘く弱い刺激を、心の繋がりが切れた身体が目尻を下げて受け入れた。
「こんなものか。……いや、まだついているか?ほら、よく見ろ」
「う、うう……うっ」
舌で転がし、舌を転がす中指が唇を擦って外に出る。
男はその中指と親指を擦り合わせ、ゆっくりと見せつける様に指先を離す。唾液か愛液か、そのどちらかもわからない粘液が糸となって蓮の視界に見せられる。
糸が切れる度に、男は再確認する様に指と指を合わせては離す。執拗に現在蓮にした行為、させた行為を教え込んでいく。この粘り気は、どちらもお前自身のものだ。その事を、教え込む。
視線を逸らす事も、男の機嫌を損ねるかもしれない。それを怯えた蓮は、今にも閉じたい瞼を半ばほど開いて男の指を、自分の愛液と唾液を、行為の記憶を見る。
気持ち良かった。気持ち良くされていた。秘めた本音や怒りも、耐え切らせなかった。
「さあて。そこまでよがれば、準備は万端だろう」
「……っ、う、あ」
目の前で男が立ち上がり、外套から上着、ズボンを脱ぐ。隠し切れない下着の膨らみを、蓮に見せつける。
シャツを持ち上げ切り、下着を脚から脱ぎ捨て、蓮の前に落とす。全裸になった男は蓮の目の前で、硬く脈打つ蓮の顔ほどあるのではないかという男根を解き放った。
男そのものの臭いが、蓮の鼻を突く。地面からほぼ垂直になった茎と、赤黒く染まった傘が視界の中央を埋め尽くす。女を征服する、男の象徴が目の前で掲げられている。
嫌悪も、屈辱も、覚悟も。その全てを、一瞬だけ恐怖が塗り潰した。
「どうしてやろうか。喜ばしい事に、時間はたっぷりある。お前が仲間を売り飛ばす、その時まで」
「……うぐっ……!」
「まぁ安心しろ。私はとても優しいのでな」
隠す必要も無いとばかりに、男は仁王立ちしながら考え込む。
この男が何をしてくるのか、蓮にはわからなかった。ただ単に犯されるなら良い、だが男は蓮の屈服を待っている。その為なら、わざわざする必要も無い愛撫まで重ねてくる。
見下ろしてくる男の瞳には、優しさなど欠片も無い。嗜虐心と、仄暗い愉悦だけがあった。
「楽しもうか。お互い、合意の上で、な」
「…………わ、かり……ましたッ……」
耐えるしかない。自分が耐え続ければ、いつかは皆助かる。
遥か遠く、本当にあるかもわからない希望に縋って、蓮は男の言葉を受け入れた。
がんばれ掃除屋ちゃん ~恥辱の繋囚編~
いつでも男を拒絶できる状況なので蓮ちゃんは実質自由。やさしくするね。
当小説でもっと見たいヒロインは誰ですか?
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蓮ちゃん
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ユーリヤさん
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真魚ちゃん
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蜜柑さん
-
夢ちゃん