*審らかな秘事
「や、やぁ、シスターさん。来てくれて嬉しいよ」
「……あの、困ります、こういう事は……出来れば教会でだけで、その……して、欲しいのですが」
それぞれが大きく土地を取って個人の城を打ち立てた高級住宅地、その内の一軒。明かりが狭められ、カーテンが全ての窓を閉ざした暗い部屋に、ユーリヤは呼び出されていた。
相手は自身の教会へ多額の”寄付”をしている富裕層の男――の、息子。何度か父親と共に身体の関係を結んでしまったが、日曜の”奉仕”以外では顔を合わせた事は無かった。
文字通り、身体だけの関係。そんな若者に、奉仕を行う日でも無い夜に呼び出されたユーリヤは部屋の入口を潜った所で立ち、ベッドの上で座る青年へと言い辛そうに目線だけを背け、自らの希望を伝えた。
「え、教会でならいつシても良かったんですか」
「ち、違っ!あの日以外はやめて欲しいと……!」
「あの日なら、シてもいいんですか」
「…………っ」
身体だけの関係に、身体以外の用事などまず有り得ない。自身への目にいつも通りの劣情が混じっているのが見てわかる若者は、ユーリヤの答えを曲解する。
慌てて訂正するも、それは結局関係の継続を改めて口にするだけのものであり、今更とはいえユーリヤ自身が若者との関係を受け入れている事を形として伝えてしまう。その恥ずかしさと自分の卑しさで、顔に赤みが差した。
「ま、まぁ、それもいいんだけど。ほら、シスターの為に新しく買ったものがあって。それを、見てほしくって」
「……新しく、買ったもの?」
てっきりすぐに倒され組み敷かれるものだと覚悟していたユーリヤにとって、若者の言葉は意外かつ、意図も掴めないものだった。
自分の為に何かをしてくれる事そのものは嬉しい事だ。しかし、この手の”贈り物”はいつだってユーリヤを辱める為の下着類や、或いは玩具類だった。今回もそうではないか、青年の座るベッド周辺に目をやる。
しかし青年のベッドはダブルサイズであろう大きさと高級そうに光沢を放つ布団以外、特に目につくものは見当たらない。幅広でコの字に曲がったサイドテーブルもあったが、その上には小さなリモコンとスマートフォン以外目立つものは乗っていない。
そのリモコンを、青年が取った。
「これ……さ。思ったより高くってさ。今までテレビだけあれば良いかなー、って思ってたんだけど。最近のプロジェクターって、テレビより綺麗に映る……んだよ、ね」
「……ええと……”ぷろじぇくた”、ですか?」
「あれっ、シスター知らない?映画とか映すやつ」
ぴっ、そんな電子音が鳴ると同時に部屋中央の壁、巨大なスピーカー二つが大きく間を空けて並ぶ場所に、
ノートパソコンは最近の機械全般に弱いユーリヤでも、蓮・政次郎・真魚がしばしば使う為にわかる。だが、鉄色に鈍く光りレンズを持つ直方体に関しては完全に初見の物だった。
「映画映すみたいに、これで映像をあのスクリーンに当てるんだよ。最近じゃ、映画以外でも番組見るのに使ったりする人がいるんだってさ」
「はあ……すみません、そういったものは詳しくなくて」
テレビに関してはさすがにわかる――教会にあったものはとっくに借金のカタとして持っていかれた――のだが、生活に直接関わらない機械類に関してユーリヤはとことん弱い。
蓮の仕事を本格的に手伝うようになってからは、仕事に繋がる機械やそれに準じるものを定期的に蓮と真魚に教わっている。だが、この様な生活用品は聞いたことも無い。
「まぁ、それでさ。折角買ったんだから、シスターと一緒に、なにか観ようかなって。そう考えて、呼んだんだよね」
「それは……その、ありがとうございます?」
「いいよいいよ。シスターには、ホントにお世話になっちゃってるから」
ぽんぽんと青年は自身の傍の布団を掌で叩き、立ち尽くすユーリヤに座るよう無言で示す。
まぁ、映画を見るだけなら。そう考え、ユーリヤも入口から青年の傍へと寄り、上質の羽毛を包んでいるだろう柔らかな掛け布団と、その下にある反発力の強いベッドに腰をかける。
青年の左手側に座ると同時に、待っていたとばかりに青年はユーリヤのくびれた細腰を左腕で抱え込んだ。
「んっ、や……っ」
「別に何もしないって。仲良くしようよ、いつもみたいに」
「……っ、ん……」
青年の手によって恋人の様に抱き寄せられても、ユーリヤにあるのはごく僅かな嫌悪と、異性に身体を触られた事によるむず痒さだけだ。奉仕の日に全身・身中に至るまで弄られた記憶がそれだけで蘇り、ぴくりと身体は小さく震える。
だが、青年の手は抱えたその場所から動かない。その事に安心を覚えながらも、直截に求められない事に対する僅かな寂しさが心の底にちり、と積もる。
まるで、犯されるのを楽しみにしていたみたいだ。そんな自分に、ほとほと嫌気が差す。
「最近のスマホ、いいんだよ。ちょっと重いけどリモートデスクトップもアプリで出来るし、思ったよりラグくなくって。スマホの電波だけでリモート出来ればもっといいんだけど、なぁ。でもこれはこれでいいんだよ、やっぱり変な機能を無理につけるより信頼性を――」
「…………は、あ。すごい、ですね。ハイ」
なるほど、全然わかりません。まるで専門用語の卸売の如く早口で捲し立てあげてくる青年へ、ユーリヤはただ”すごそう”という曖昧な同意を返す事しか出来ない。
何もわからない時は同意して聞き流せ。下手に口を出さない方が機嫌を損ねないだろうという処世術に従い、ユーリヤはなるべく自分の疑問を押し込めて小さい頷きを繰り返す人形となった。
「――あ、長くなっちゃった。じゃあ一緒に観よっか、シスター」
「……ハイ……ハイ……あっ、はい。そうですね」
同意しか出さない
まぁでも、青年の機嫌が損ねられて変な真似をされるよりは良い。それに、ただ映画を一緒に観たいという純な好意を持った青年の心遣いと子供っぽさは、少し微笑ましく感じられる。
たまには、こういう日もいいですね。安堵の中、ユーリヤは目の前に投射される映画を待ち始める。
「ん、あったあった、コレコレ」
「……あっ、えと。それで、どんな映画を観るんですか?」
青年がスマートフォンだけで手も触れずに離れたパソコンを動かす姿に、知らない魔術を見た時のような不思議さを抱いた直後、一つの疑問が遅れてやってくる。
大きな白幕、特別な機械、映画。そこまで用意して、自分と一緒に見たい映画とはどんなものなんだろうか。
映画など、まだ普通に暮らしていた昔――現在が悲しくなってくるので、出来れば長く思い出したくない――に見たものを最後に、”教会”の忙しさもあって鑑賞などしていない。
最近の流行のものや、テレビ作品の劇場版などだった場合は上手く話を合わせられない。出来れば単体で完結したものであって欲しい、そう考えながら質問を投げかけた。
「ああ、うん。映画じゃあないんだけどね」
「えっ?」
白幕全体に黒いノイズの様なものが移り始める。昨今の映画の始まりとしては珍しい黒い流砂に伴う激しい雑音にまばたきをしながら、青年の言葉に惑う。
映画だけを映すものではなかったのか。そういえば”テレビより綺麗に”だとか、”映画を映す
それじゃあ、これから何を観るんでしょうか――
『――ゃあシ――ター。早速、――てくれ――かね』
『……は……はい……っ』
そう思った瞬間、流砂と雑音が少しずつ薄れ、伸びた光が少しずつ像を結びだす。
白幕傍のスピーカーから、未だノイズ混じりの音声が吐き出され始める。部屋全体に、壁越しにも音が伝わりそうな程の声がユーリヤの耳を震わせていく。
しかし、そこから聞こえる声は映像作品に伴う音楽を何一つ纏っていない。それに加えて、
――えっ?
『それでは……みな、さんっ……私を……みて、くださいっ……』
映像から黒砂が消え、暗い部屋で鮮明に光って映し出される。
そこに映っていたのは、神に祈る教会。その中央の絨毯には、男に囲まれる赤い修道服を着たブロンドヘアーの女性がぺたんと座り込んでいる。その顔にも、服にも。あまりにも、見覚えがある。
――
『――ンッ、ふうっ……う……!』
数人の中年男に見下されて囲まれた白幕の中のユーリヤが、修道服の裾を持ち上げる。
そのままユーリヤは腰を少し持ち上げ、下半身を――自身の真っ赤なレースをあしらったショーツで覆われた股座までを男達に魅せて、左手の指を下着の上に押し当てた。
『ほら、ちゃんと私達にもわかる様に。いつも、どうやってシているのか。声に上げて教えて下さいよ、シスター?』
『は、はいっ……わたしは、いつも……んぅ、下着の上から、ココを――』
『ココ?どの部分ですか?もっと、細かく言ってくれないとわかりませんよ?』
『ンッ、くぅ、うっ――はぅ、ん……』
人差し指と中指を開けて僅かに下着の上を擦り始めたユーリヤを、囲んだ男達が詰問する。
男達の手を借りることも無く、自らの痴態――自慰をひとりでに始め、それに恥じらう表情を浮かべながらも、異性に甘える声を上げながら慰めの指は止まらない。
映像越しに、声も出さずに眺め続ける男達が息を呑む音が聴こえた気がした。
『……秘部の、辺り……陰唇の周りを、こすって、ン、います……っ』
『オナニーは必ずそこから始めますか?』
『あ、ぅ……ぁっ、はい、ぃ……んぅ、う』
『どのぐらいの頻度で?』
『くぅ、うっ……一週間に、さ、んっ……』
『三回?三日?』
『……さん、にち……いちどに、ぃっ……さん、よんかいっ……』
優しく、しかし責める様に囲む中年の男達がユーリヤの私的な領域を質問で犯してくる。
しかしそれをユーリヤは咎める事なく、進んで質問に答えながらも指を上下させ続ける。開けた指と指の間隔が次第に狭まり、今は中央の僅かな筋道へ下着を押し込み始めていた。
白幕の中のユーリヤの顔は既に真っ赤だ。だが表情は単に羞恥を噛み締めているのではなく、空気を求めて唇を開き始めている――秘部を弄り、それを視られる事に対する快楽の色が浮かび始めていた。
これ、は。この映像は、なんで。どうして、こんなものが――
「――ひゃんっ!?」
「へえ……ほんと、なんだ。シスター」
映像に完全に意識を持っていかれていた為に気付くことが出来なかったが、現在で映像を眺めているユーリヤの服の裾もいつの間にか、静かにゆっくりと太腿の所まで持ち上げられてしまっていた。
横の青年を見る。腰に回していた左手と、ベッドに降ろしていた右手が、どちらもユーリヤの太腿の上・持ち上げられた裾の裏側に添えられていた。
それに気付いた途端に、青年は右手で裾を太腿の場所に固定しながら、腰をぐるりと回った左手をユーリヤの脚の根本にある場所、ショーツに二本の指を当てていた。
「こう?いつも、こうしてるの?」
「あッ、は、ぅっ……!や、だめっ……こんなっ……!」
映像を後追いする様に、男の硬い皮膚で覆われた指先が秘部周辺の僅かな膨らみをなぞり始める。
目の前に映された自身の秘め事――過去、”奉仕”の日に行わされた自慰行為の発表。それをはっきりと思い出し、ユーリヤは当時覚えた恥ずかしさと得も知れない背徳感を想起していた。
その行為が、時間を超えて
「いい肌触りのパンツだね……ヤられるの、もしかして期待してた?」
「……ちがい、ますっ……ン!や、あぅ……!」
「でも、ココ。触りやすい様に、穴開いてるよ?」
「あんッ!」
今ユーリヤが身につけているものは、一般的な下着よりも遥かに布面積が狭く、秘部の上や腰回り、そして臀部を覆う場所全体が肌を魅せる穴とレース模様を持った、陰唇以外を全く隠せないショーツだった。
陰核のすぐ上、より内側の柔肉に近い場所を弱く弾かれ、スピーカーから聴こえる声に張り合うかの様な上ずった声が口から弾け飛ぶ。
より一層、当時の状況――男の前で秘部を弄り、あられも無い声を上げている自分に近付いてしまう。そんな今の自分から目を逸らす代わりに、ユーリヤは両掌を合わせて自らの唇を優しく覆った。
「で、少しずつ、溝をなぞるんですね……?」
「んっ、ンッ、んぅうっ……!」
両手は既に自分の口を塞ぐのに使っている。両目は目の前の白幕に映る、自慰に耽ってほのかに悦び始めている過去の自分から逃れようと瞑っている。身体は、動かない。
こんな下着を付けていたのは、男達の趣味だからだ。下着の替えを買い直すにも苦労するユーリヤに渡された、行為に備えたランジェリーだからだ。そして――青年の言う通り、
身体を捧げる、それは男達に自由を握られる事。少しでも要求があれば、応えなければならない。たとえどんなに恥ずかしくても、ここから逃げ出したくても、応えなければ。
そう、仕方のない事だから。だから映像でも、現在でも。ユーリヤは男達に従い、積極的に身を捧げるしか無いのだ。
『あッ、う……ン……次に、右手で、むね、を……あ、はっ』
『形が変わるぐらい揉む、と。何を考えて、そうしてます?』
『ンッ、ンッ――みなさんに、触られた時、を……おもい、だして、ぇっ……!あッ、あんっ!んっ、う!』
映像が進み、ユーリヤの体勢は劣情の熱で斜めに傾き始めている。
秘部を弄る左手はさらに擦り上げる速度と力を上げており、下着のその部分だけが濃く変色を始めている。より柔らかく筋に沈む様になった濃い位置の上、布越しの陰核を肉欲を求めた指が押している。
それに加えて、修道服の上半身は不自然な凹凸の線を浮かべていた。完全に過去を思い出したユーリヤにはすぐにそれがなんなのか、わかってしまう。
自ら外して胸下に下ろしたブラジャーが、服越しに浮き上がっているのだ。そして服のみに阻まれた胸を右掌が押し潰し、人差し指がその中心をかりかりと爪で掻いている。
頂点が、服に一点の影を作り始めているのが見えた。見えて、しまっている。
「このぐらい?もっと強く、です?」
「んぅ、ぅんッ!ふ、ぅうぅ……ッ!」
映像のみを凝視している青年は、手触りだけでユーリヤの身体に次々と触れてきていた。
左手は長い修道服の裾を力任せに臀部までずり上げてから、秘部を護ろうと締めつけているユーリヤの両脚の隙間に完全に差し込まれ、固定された状態で秘裂に押し込んでいる。
右手は強引に、服越しで右胸を覆う下着部分だけを下ろし、服の下は既に生身を晒している胸を荒く揉みしだきながら、既に立ち上がっている乳首を突いてくる。
ユーリヤがいかに目を塞ごうと、部屋全体を高く震わせる嬌声は耳に飛び込み、その度に当時の状況を思い出してしまい、過去と今の快楽が強く結びついてしまっていた。
『あッ、だめ、も、だめッ、です!わた、し、こんなッ、はや、くうぅっ!』
『おやおや、もうイクんですか?いつもこんなに早いんですか』
『ちが、いま――ぅんッ!きもち、いい、んです……!いつもする、よりぃっ……!あんっ!こんな、こんなッ、はッ!いぃ、ナカ、ちくび、触るのッ、イイッ……!』
映像の中のユーリヤは、声を大きく張り上げながら自慰をより一層激しくしている。
加速度的に高まる興奮に、両手は荒く激しく動かされていく。
胸を触る右手は服越しに強調されている乳首を強く捻るように摘み上げ、秘部をまさぐる左手は既に下着の内側へ差し込まれ、絶えず布地を濡らし続ける内側へ三本も指を入れて前後している。
「うわ、シスターのオナニーすご……このぐらい?もっと強い方がイイ?」
「ああッ!や、あッ!それ、それ、やッ、だめえ……っ!!」
同様に、しかしユーリヤよりも加減を持たない青年の両手が映像に映る自慰を再現し続ける。
胸の頂点は痛い程に摘まれ、しかしその痛みすらも電流の様な快楽の一つになり始めていた。
秘部は当時と同じ、下手をすればそれ以上に滴り始めている内側を、ユーリヤよりも太く硬い指が同様に三本差し込まれ、膣の狭まった肉襞を掻き分け、愛液を引き出していく。
もはや、声も隠せない。ユーリヤの両掌は口を塞ぐという理性からの命令を無視して、高めた喘ぎ声を拡声する為のスピーカーとして口辺りに立てられている。
壁に二つ、口が一つ。三つのスピーカー全てが、ユーリヤの嬌声という官能的かつ原始的な音楽を奏で、部屋全体を震わせ、意識を逸らすだけの事も完全に封じている。
『あッ、あ、あ、あ!いくっ、ひうっ、ンッ!』
『どこですか?どこを触って、いじって、イっちゃいますか?』
『ここ、ナカとっ、そとっ!陰核、をッ――』
『”クリトリス”、でしょう?』
『は、はい、ィッ!くりとりす、触、りながら――あぁっ!ナカ、裏側もおっ!どっちも、です!どっちもさわって、どッちでもッ、おっ!んぅうっ!いくっ、イっちゃう……!』
「ンンッ、ん゛、うぅんッ!あ、ハ、ああぁ――あんッ!!」
「ここ?この辺りですか?」
「はぁっ、あ、いっ!ひ、イッ――だめぇ!これ、イ、ふぅう、んんんッ……!」
ユーリヤの過去も今も、下腹部から確実にこみ上げてくる大波を近くに感じ始めた。
腹の裏側からじんわり熱が広がり、両掌がユーリヤを刺激する度に、湧き出ては下着を染める愛液に比例して身体は小刻みに震え、頭頂と心の底を目指す官能の火種が燃え移っていく。
気持ち良かった。気持ち良くされている。気持ち、良い。映像が進み、
口ではそれを拒んでいる。しかしその拒絶の声すらも欲の火で熱く、吐息や甘声に混ざっていく。唇の端から、熱い口液がつうと一筋伝って輪郭にまで届く。
瞼も完全に見開いてしまっていた。目の前の白幕に映るモノを、目にした。
『ア、あ゛ぁ!いくっ、イキ、ます、うっ!みられて、気持ち良く、なって、ぇ!クリとッ、ナカ、でえ!あ、ン、ぁあんっ!あァァッ――』
「だめ、や、だめ、えぇ……!いや、なのにッ!だめえっ、イク、イっちゃッ、イッ、く――」
口から出る言葉と、自ら慰めているか誰かに弄られているか。それ以外は全く同じ二人のユーリヤが動きと感覚を並行させていく。
頭と髪を左右に細かく振って、側にいる男に向けて雌の色香を撒き散らしていく。性欲の稲妻が天を仰がせ、首まで伸びる襟から白い肌の喉を外に覗かせる。
触られていない左胸の頂点も固く
過去を映す光以外は仄暗い暗闇の部屋で、ユーリヤは目の奥にちかちかと輝点を見た。
『ア、イ、いくっ――』
「ハ、あ、イクッ――」
『「イっちゃ、うッ!あ、ぅ、ぁあぁあんッ!!」』
そして、時間は重なった。中年達の目の前、青年の腕の中で、ユーリヤの身体が絶頂に届く。
ユーリヤは昔と今を、視覚・聴覚・触覚の三つで完全に重ね合わせ、まるで二人分の自分の感覚を同時に身に受けた様な、前戯とは思えぬ深い興奮の
勝手に視界が黒と白の色を、交互に映す。快感に染まった白、瞼の裏の黒。それが視覚を奪い続け、青年の左手を挿し込まれた股を強く締める。
自分を気持ち良くしてくれた左手を太腿で抱いて離さないような淫行も、今のユーリヤには自覚する事は出来ず絶頂に震え続ける事しか出来なかった。
『ハッ、あっ、あ――ここ、きもち……いいっ……ですっ……』
「はぁーっ、はぁーっ。あ、ぁっ。はっ、ア、ぁぁっ……」
「……シスター……?」
「は、あっ、はぁ、うっ……ふぅ、んっ……」
両脚を強く閉め続けながらも、ユーリヤの上体は力を失って青年の胸にしなだれかかる。
映像のユーリヤは秘部を晒し、指を秘部に挿れた状態のままで背から倒れ込み、中年達の前でくたりと全身を絨毯に預け、自身の状態を伝える命令をうわ言の様に繰り返す。
現在のユーリヤは熱い吐息を青年の顔の下で繰り返し、真っ赤に染まり脱力しきった表情で何も無い場所を見つめている。両方の姿が、青年の獣欲を煽り立てた。
ごくり。暗い部屋の中で、小さく物音がした。
「……いい、よね。シスター。凄く気持ちよさそうだし、もう大丈夫だよね」
「は、ぁっ……んんっ、ぁ……ッハ……」
『シスター、いつまでも寝ていてもらっては困りますよ。ほら、次はどうするんですか?』
『ンッ、はぁっ、はっ、ハ――は、いっ……』
力無く身体を預けていたユーリヤが、青年の手によってゆっくりとベッドの中央に横たえられる。意識が未だぼんやりとしたままのユーリヤにとって、耳から聴こえる音だけが全てだった。
その耳が、青年と中年の声を拾う。自分が話している声が聴こえる。自分が話し、応えていると錯覚してしまう。
次は、どうする?次は、なにを言うべき、だったっけ――
『「おねがい、します……いっぱい、わたしで……きもちよくなって、ください……」』
二人のユーリヤが、力が入りきっていない両手を腿の根本に添える。
そのまま本能に従い、男を誘う様にユーリヤは両脚をゆっくりと開いて見せた。
青年……あの自慰のやり方を教えてやろう……
よく見ろ……これが、お前の求めた真実だ!
ユーリヤさんが今までかわいそうな目にしか遭ってないのでソフトな事をします。
当小説でもっと見たいヒロインは誰ですか?
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蓮ちゃん
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ユーリヤさん
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真魚ちゃん
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蜜柑さん
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夢ちゃん