※この作品はR-18です。

Ith-Videoは観測する   作:灰の熊猫

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*流れる憂悶

「……えっ……ええ……?」

 

 気付くと、大井は夢に案内されてやってきた建物の一つ――ラブホテルのバスルームで、水を弾くスツールに座り込み、シャワーからぬるい如雨露を全身の肌にかけられながら、ただ呆然としていた。

 いや、ここまでの記憶はある。ホテル前の路地の前でなんとか状況を理解しようと突っ立っていた大井を、夢は上着の裾を指先で摘んでホテルへと引き、招き入れた。

 そのまま無人のフロントで夢がメニューパネルを押すのを眺め、控えめに裾を引っ張っていく力に抗わず、二人で部屋へと進んだ。

 これは、どう見てもあのホテルだ。いや、何かの間違いかもしれない。ただただ推測と困惑が頭で行き交っていた大井に対し、部屋に入ってからようやく夢が口を開いた。

 

『大井くん……先に、入る?』

 

 視線を逸らし口元を自らの鞄で隠しながらそう告げる夢に、大井は頷くしか出来なかった。

 正直、何がなんだかわからなかった。夢がこんな場所へ案内した事も、ここまで大井を連れてきた理由も、夢の心情も。だから、考える時間を求めてバスルームへと半ば逃げ込んだ。

 なんだこれは、都合のいい夢か。自分の目を覚まさせる為に、シャワーの温度をマイナス方向に捻ってみる。

 

「――づあーっ!冷てぇ!」

 

 当然だが、上から降ってくる水は冷たかった。目は完全に覚め、全身は冷える。

 しかし、自分のいる場所は自分がいつも寝ているベッドの上でも、学校の自分の机でも無い。馴染みのない、広めの浴室のまま変わっていない。ひとまず水の温度を戻し、再び項垂(うなだ)れてシャワーを浴びる状態へと戻る。

 困惑は、深まるだけだった。何故自分は、こんな所にいるのか。何故夢は、こんな所へと自分を誘ったのか。

 ――誘って、いるのだろうか。

 

(あ゛ーあ゛ー!違う違う!無えよ、ありえねえって!)

 

 油断をすれば男(じぶん)に都合のいい考えばかりが浮かび上がってくる。こういった場所で求める事、求められる事など一つしか考えられない。

 だが、この場所へと案内したのは夢だ。あの、夢だ。

 控えめでいつも物静かに過ごし、自分以外の誰かを常に思いやっている、夢が。そういった事を――性的な事を、自ら望むとはどうしても思えない。

 だとすれば、目的は何だろうか。まさか、誰かの目につかない所でなければ話せない相談事でもあるのだろうか。

 そうだ、それが一番考えられる。この場所を選んだ事に関しても、単に俗事に疎い夢が”休憩”という部分だけを見て、確実に二人っきりになれる場所として選んだだけかもしれない。

 ――確実に。この場は、夢と自分の、二人きり。

 

「……な゛ーッ!!」

 

 再び思考に雑念が入り、思わず大井は頭髪を両手で掻き毟る。

 違う、絶対に違う。余計な事を考えるな。脇に備えてあるシャンプーのノズルを数度押し込み、洗髪剤を受けた右掌をそのまま頭へと持っていく。

 無心になりたい、その一心で大井は頭を洗い始めた。

 もうこの際、毛髪の先から根本まで完全に綺麗にしてしまおう。頭を洗っていく内に自分の妄念も洗い落とされる事を願い、頭髪を泡立てていった。

 

「――だ、大丈夫、大井くん?」

「へっ!?あ、だ、大丈夫大丈夫!ちょっとその、目に泡が入っただけだから!」

 

 瞼を閉じて頭を洗っていると、後ろのドア越しに夢から声がかかる。今までの自分の行いを考え直してみると、一人で奇声を上げ続けてしまっている。

 何かがあったのかと心配されるのも当然の奇行を恥じながら、夢へと返答する。心配の声がかけられた事で、ようやく自分がいかに落ち着きを欠いていたかを自覚する。

 落ち着け、落ち着け。自分に言い聞かせて、跳ねた鼓動を抑えつけていく。大井の意識に従って、少しずつ鼓動は小さく緩やかなものに戻っていった。

 

「じゃあ、その……入る、ね?」

「…………えっ」

 

 がちゃり、と後ろから音がする。ひたり、と水に濡れた床を何かが踏む。

 思わず、頭を洗っていた手が止まった。後ろから聞こえた物音の正体を見ようと、頭から流れる泡混じりの湯をゆっくりと瞼が押し上げていく。

 そのまま薄目で目の前の鏡を見る。そこには、タオルで前だけを隠した夢の肢体が映っていた。

 

「ちょ、え゛、なっ……なぁっ!?」

「大井くん。背中、洗うね」

 

 首の下で掴んだだけのタオルは、夢の豊かな胸に押し上げられた場所から垂れ下がっている。夢のタオルは胸の上から股下まで、体の真ん中に幕をかける様に気持ち隠すだけで、それ以外の殆どの肌は見えてしまっている。

 見てはならない。混乱の中でも理性が夢への配慮を命じて、すぐに大井は目を閉じる。そんな大井のすぐ後ろに、夢が座り込んだ。

 

(……何が、起きて、るんだ……?)

 

 大井の無為に渦巻く思考によって体が金縛りに合っている最中、横に備えてあるボディーソープを、後ろの夢が手に取る。

 目を伏せていても、すぐ近くならば物音と気配だけで何が起きているかはわかるものなんだな。そんな呑気な感想が逆に浮かぶ程、今の大井は動転していた。

 何が起きているのかわからない。夢が何を考えているのかわからない。ホテルに入る前と同じく、自身の理解を超えた状況に大井は座りながら惑い続ける。

 今まではずっと大井に行先を委ねていた夢が、普段の印象とは真反対な大胆な行動をし続けている。その答えを求めて、思考は空回りを繰り返した。

 

「……んしょっ」

「うおっ――」

 

 唐突に、泡と湯に濡れた布地が大井の背の中央に押し当てられる。そこから当てられた布地が、背を上下に擦り始めた。

 夢がタオルにボディーソープを広げ、それを両手で持って背中を洗い始めた。背から感じる感触でそれを悟り、他人に身体を洗われるむず痒さと、優しい手付きで肌を擦られる事への心地良さが同時に湧き上がる。

 肩と肩の間から、少しずつ泡の付いたタオルが隅へと向かって滑っていき、大井の手が届かない背全体を擦っていく。目を閉じているせいでいくらか鋭敏になった肌は、タオル越しにも夢の掌の小ささや指の細さを感じ取ってしまう。

 思考が現状へと未だに追いつかない大井は、夢にされるがまま洗われていた。

 

(……あれ?このタオルって……どこにあったやつだ?)

 

 そんな大井に、ふと一つの疑問が思い浮かぶ。このバスルームには、背中を洗う用のタオルなどどこにもかけられていなかった。

 そんな中、自分はタオルで体を擦られている。ならば、このタオルは――

 

「んっ、んっ――」

「……っ!」

 

 大井はタオルを持ち込んでこなかった。それならば、このバスルームにあるタオルは一つの、一人のものしかない。

 夢の身体を隠していたタオル。それが今、自分の背中に使われている。つまり今後ろに居る夢は、隠すものも無く自分の背を洗ってくれている。

 それに気付いた瞬間、大井の心の奥から本能的な情欲が込み上げた。

 今、後ろには裸の異性がいる。無防備な姿で、すぐそこにいる。

 見たい。そんな衝動にも近い本能の訴えかけを、大井は理性によって必死で堪え聞き流す。

 夢は自分を信頼して、こんな事をしてくれているのだ。心中で何を考えていたとしても、それだけは間違いない。その信頼を、こちらの浅ましい欲で裏切る事は出来ない。

 そう考えた大井は背に力を込めて伸ばし、自分の心を体ごと律した。

 

「――んっ。綺麗に、なったよ」

「あ、ああ……あり、がとな」

 

 大井が自分で自分の心身を固めている間に、夢のタオルが大井の背から離れる。

 耐えた。耐え切った。背から力を抜き、体を丸める。数分にも満たない時間が、それ以上に長く感じられた。

 何はともあれ、あとは夢に目を瞑ってもらうなりしている内に自分の身体の前を洗い、それから全身の泡を洗い流して外に出てしまえば――

 

「……じっと、しててね」

「え」

 

 そんな算段を大井が立てていると、夢の声と共に背中に柔らかく温い何かが押し当てられ、そこから大井の脇の下を通って、身体の前に腕が伸びてくる。

 背に満遍なく伸ばされた泡が押し当てられたものとの摩擦を無くし、柔らかな何かが形状を変えながら肌の表面を滑る。タオルよりも尚柔らかく温かいそれの正体を理解するより前に、自分の身体の前で夢の両腕が交差する。

 後ろに押し当てられたものから、自分の心とは違う拍動を感じる。そこでようやく、大井は今何をされているのかを遅れて把握した。

 ――夢に、後ろから抱きしめられている。

 

「ゆっ、結城!?」

「前も、洗うから……」

 

 タオルに付けていた泡を十分に移された両掌が、大井の胸板を直接触れていく。右肩の上には夢の頭が乗せられ、大井の背と夢の肢体の前面が泡を交えて重なり合っている。

 泡を纏った細い指先が大井の鎖骨から胸の下まで、大きさの異なる円を描いていく。その度に背に当てられた夢の身体――膨らむ様に突き出た柔肉が背の泡を拾い、形を変えながら擦れる。

 その度に夢の吐息が耳元を擽り、背は柔らかさの内に小さな粒の様な感触を感じ取った。

 

「ん、んっ、ん――」

「……ッ」

 

 鼻にかかった小さな声、背に伸し掛かる柔らかな身体、上体を這い回る二つの掌。

 その全てが”異性”を大井へと教え込んでいき、それらの感覚に集中する余り思考と体は止まる。

 夢か現かを確かめる事すらも放棄した頭は、ただ背で潰れる肉と自身の胸辺りを這っていく掌がもたらす自身への甘美な感覚を本能へと伝達し、血を全身へと巡らせる事しかしていない。

 一度は落ち着いた自分の拍動が、”男”を目覚めさせるべく下半身へと血を送っていくのが、今の大井にはどこか他人事の様に感じられた。

 

「……下も、綺麗にするね」

「ちょ、結城……!」

 

 もはや隠しきれない程に自分自身が熱を帯びた所で、大井の上体へ十分に泡を行き渡らせた夢の両手が、下方へと降りていく。

 胴を掌が横へ撫で、臍の孔を指先が優しく掘り出す。むず痒い程に優しく腹回りを行き渡る夢の両手と指にぞくぞくとした感覚が腹部から上っていく。

 そして腹部を触り終えた夢の手は、留まる事は無くさらに大井の身体の下へと向かった。

 

「……固く、なってる……ね」

「ゆ、結城ッ、それは流石にマズ――うっ」

 

 大井の胴の左右をそれぞれ洗っていた両掌は、大井の股の間へ下げられると、屹立した男根を覆い隠すように交差して触れた。

 既に夢から与えられた興奮をそのまま注がれた肉棒は、固く膨らみきっている。怒張したモノの茎部を夢の左手が優しく握り、右掌が赤熱した亀頭に添えられる。

 そのまま夢は、それまで通りとばかりに大井の局部を両手で洗い始めた。

 

「大井くん、気持ち良い……?」

「あ、くあっ、ああっ……!」

 

 絡んでいる夢の左手の指の腹が、何よりも汚く繊細な部分を上下に行き来し始め、泡立てていく。ゆっくりと優しくそれぞれの指が茎の筋を擦る毎に、電流のような快楽が股から全身へと走っていく。

 亀頭へと添えられた右掌は泡を内に持っており、亀頭の尖端を撫でてくる。与えられた快感に堪え切れず肉棒が跳ねる度に、亀頭が夢の掌を擦り上げ、さらなる悦楽が起こってしまう。

 夢自身の性格を表す様な優しく丁寧な愛撫に、大井は意味のある言葉も成せぬまま悶える事しか出来ずにいた。

 

「んっ、んんっ、ふっ……すごい、大きくなってる……」

 

 少しずつ夢の手付きが早くなるにつれて、背に押し当てられる感触もより強く感じられてくる。無意識か意識的か、手による奉仕を始めてから夢はより身体を密着させていた。

 背で潰れる夢の胸はその大きさと柔らかさを十全に大井の身体へ教え込み、その中央に点在する凝(しこ)りは先程よりも固く存在感を感じさせる。両手が上下に動くのと連動して、潰れた柔肉は背を上下に動いて形を変えていくのがわかった。

 肉棒を手で愛撫する事にか、それとも自分の身体を押し付けている事に興奮しているのか、少しずつ耳元で感じる夢の吐息も熱を帯び始めており、それがまた大井の理性を外から削っていく。

 もはや夢がどうしてこんな事をしたのかという理由は頭から消し飛び、純粋な興奮と本能的な獣欲、そしてそれをなんとか抑え込もうとする自我だけが大井の思考の全てになっていた。

 

「……大井くん。気持ち良く、ない?」

「な、あッ……そんな、わけっ――」

「も、もっと、頑張るねっ」

「くあっ……!?」

 

 全身で感じる甘美な感覚の連続に屈してしまいそうな時に、背の夢から問いかけが飛んでくる。気持ち良いに決まっている、そんな一言すらも返せずにいると、夢の両手が動きを変えた。

 既に泡に塗れた茎部を夢は左掌で握り込み、その状態のまま上下に掌が行き来し始める。指だけでなく掌全体で茎全体を扱かれ始め、大井の腰は感覚から逃れようと僅かに後ろへと引かれる。

 それまで尖端を撫でていた右掌は上から覆い被さる様に押し当てられ、亀頭全体を包んだまま掌だけが左に右にと交互に旋回を始めた。

 

「あッ、く、うう、あっ……!」

「す、すごい、ビクビクしてるっ……」

 

 夢に抱いていたイメージからは程遠い淫らで巧みな手技を受け、大井の全身が小さく跳ね続ける。

 一体どこでこんな事を覚えたのか、そんな疑問すら受ける快楽の前では些末事として、水に浮かび上がった泡沫の如く消えて流されて行く。

 ただただ心地良く、気持ちが良い。腰が逃げそうになる程に暴力的な快楽の奔流を前にして、今大井が感じているのは射精欲だけだった。

 今にも亀頭を包んで擦っている右掌に、己の欲を吐き出したい。しかし理性はそれを必死で留めようとしている。

 それが夢を汚したくはないという気遣いなのか、手の感触だけで達したくはないという男としてのプライドなのか、それすらも大井にはわからなくなっていた。

 

「……大井くん、ちょっと、ごめんね」

「うっ……え……?」

 

 下半身が今にも制御を失いそうな中、夢の両手と身体が大井から離れていった。

 耐え難い感触から解放された事に脱力感と名残惜しさを半々感じていると、後ろにいた夢が立ち上がる気配があった。

 どうするつもりなのか、そう考えるのと同時に、夢は大井の目の前へと回り込んできた。

 

「ゆ、結城ッ!?」

「……っ」

 

 タオルは後ろへ置いたままにしたのか、一糸纏わぬ姿の夢が大井の前に立つ。否が応でも、夢の全身が大井の両目に映り込んだ。

 大井の背と同様に疎らに泡を纏った肢体、腕で控えめに隠された大きな両胸とそこから見え隠れする乳首、隠されずにいる股のクレバス。夢自らが目の前に晒した身体に、大井は見入って目を離せずにいた。

 そんな大井の視線を受けて恥ずかしく思ったのか、夢は顔だけを背けて大井の目の前に座る。しかし顔を逸らしながらも肢体はそのまま見せているという行動のギャップに、思わず大井は息を呑んだ。

 

「……じっと、してて」

 

 少しの躊躇を挟んでから、夢が大井に向き直り、両胸を覆っていた腕を退かす。もはや大井は視線を反らすという配慮すらも忘れて、夢の身体を眺めてしまっていた。

 わざわざ回り込んできて、次はどうするつもりなのか。大井が夢の身体と動きを眺めていると、夢は上体を大井の身体へと近付け、そのまま自らの両胸を大井の肉棒へと押し付けた。

 

「な、あッ――」

「んっ、ふうっ……」

 

 押し付けた自身の両胸を夢は両手で掴み、その谷間を開く。そうして空いた胸と胸の隙間に肉棒を迎え入れると、夢は両胸の側面を自分の手で抑え込んで、内にあるモノを強く挟み込んだ。

 足の付け根から肉棒の尖端までを、圧倒的な大きさを持つ夢の柔らかな胸の感触が包み込み、それだけで快楽が込み上げてくる。胸に埋もれた肉棒がその感覚に跳ねれば、柔肉を内側から割り開く様に擦れ上がる。

 びくびくと動かす度に肉棒全体で感じる柔らかさと温かさに、大井は完全に圧倒されてしまっていた。

 

「う、動かす、ね?」

「くううっ……!?ゆ、結城、ダメだ、それッ……!」

 

 そのまま、夢が身体を動かし始める。両手で抑え込んだ両胸で肉棒全体を挟み込みながら、上体を上下に揺らしていく。

 夢と大井の身体に付着した泡が潤滑油となり、柔い谷間を肉棒が滑る。上へと押し上げられた柔肉が下へと降りれば、大井の足の付け根が夢の胸を受け止め、下半身全体が胸に呑まれた様な錯覚を覚える。

上下に動いて形を自在に変える夢の両胸を上から見下ろすだけで、大井は情欲が湧き上がってくるのを感じ、包み込む肉の渓谷の内で肉棒は与えられる快楽で暴れ続ける。

 

「ふぅっ、ん、ふっ、んッ」

「ああっ、あ、っぐ……!」

 

 次第に夢の身体の動きが早まる。夢の二つの柔肉が肉棒を挟んで上下に擦れ合い、両腕の力で胸は外側から肉棒の沈む内側へと強く圧迫される。

 どこまでも沈み込む様な柔らかさを持ちながらも、抜け出す事の出来ない肉の圧力が、押し寄せる快楽の津波となって大井を呑み込んでいく。

 既に夢の手によって高められていた欲求は、もはや理性の制御から離れようとしていた。

 

「だ、ダメだっ、離れて、くれっ……!」

「いいよ、大井くん、このまま……このまま、気持ち良くなって……?」

「……ッ!」

 

 このままでは夢を自分の精で汚してしまう。それだけは避けようと大井は腰に力を込めて耐え凌ごうとするも、夢の身体の動きは止まらず、大井もそこから逃れる事は出来ない。

 まるで大井の太腿へと打ち付ける様に夢の胸は上下し、その度に柔らかさが大井の腰に伝わる。泡によって摩擦は失われ、身体の境界が感覚の上では曖昧となっている。

 どこまでも柔らかな夢の胸と、何よりも固く尖った肉棒。異なる感触と熱が谷間の底で混じり合って、一体となった様な錯覚が大井に襲い来る。

 自制は、意味を為さなくなっていた。

 

「だ、ダメだ――くぅうっ!!」

「ひゃっ……!!」

 

 大井の理性が欲求に折れた瞬間、亀頭の先から精が迸る。

 肉棒を覆う両胸の内で肉棒は暴れ出し、谷間を精が白く塗り変えていく。脈動の度に肉棒が跳ねるも、外へと出る事を拒む様に夢は自分の胸をしっかりと腕で固める。

 それでも勢い余った精が隙間から僅かに飛び出し、夢の顔に当たる。自分の吐いた精が夢の胸と顔を汚す様子に僅かな高揚感と、それを遥かに超える罪悪感が大井の心中を満たしていく。

 射精を終えるまでの間、結局夢は一切離れる事無く大井の肉棒を挟み続けたままだった。

 

「はぁっ、はぁ、はっ……結、城……」

「……」

 

 大井が射精後の脱力感に浸っていると、夢は大井の身体から離れ、自分の両胸で放たれた白濁を手で掬い上げ、それを無言で眺めている。

 明らかに身体を汚すだけの精液を見ても、夢の表情は変わらない。どこかぼうっとした様子で白く汚された自分の胸元と、そこから精を拾った掌を眺めるだけで、その顔には嫌悪も忌避も無かった。

 

「――よかった」

 

 シャワーで掻き消えそうな程に小さな夢の呟きが、聞こえたような気がした。

 




エロい事の為にこ……行動することは罪ではない……
せ……精子を感覚のまま自由に……開放してやれ……
き……気持ちはわかるが もうガマンすることはない……

当小説でもっと見たいヒロインは誰ですか?

  • 蓮ちゃん
  • ユーリヤさん
  • 真魚ちゃん
  • 蜜柑さん
  • 夢ちゃん
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