「へー、結構美味い料理出すじゃんココ」
「……これは、中々。確かに、美味しいですなぁ」
浴場での乱交から時は過ぎ、陽の代わりに昇った月の下に掛かる黒の紗幕の下、山中の森では鳥と虫が共に野性の声楽を合奏している。
それらの声が届かぬ旅館の中で、蓮と男達は七人全員でも遥かに持て余す様な広い畳の大部屋で向かい合いながら、海鮮で彩られた夕食を共にしていた。
中年達や蓮達は旅館に来た時の普段着では無く、一様に備え付けの浴衣――清潔な白い綿生地の上に空色の太い縞模様が縦に並べられ、その間に大小の菱形が交互に重ねられた模様――を着ている。
温泉に浸かっていた頃の熱と火照りの殆どは既に抜けていたが、効能により色艶を取り戻した蓮達の肌は薄く光る様に血色を良くしていた。
「ん、おいし。出来ればもうちょっとお肉ほしいけど」
「真魚ちゃん、まだまだ育ち盛りだからねえ。一杯食べれば蓮さんやシスターさんみたいになれるかもよー?」
「ユメだね。オトコの人のだけど」
「違いないのう」
蓮とユーリヤの間で座り食事をとる真魚に、青年と白髪の中年は話しかける。
真魚は表情こそ殆ど変えていなかったが、手に持つ箸は止めるのも惜しいと言わんばかりに膳の上に並べられた皿に次々と飛び交い、一口毎に別の料理を口の中に運んでいた。
付き合いの長い蓮やユーリヤから見れば、今の真魚は相当に機嫌を良くしているのがわかった。男達から見れば全く違いがわからない程度の違いだったが、いつもは力を抜いて下がり気味の目と眉は緩くだが上に釣り上げられている。
普段は無気力を貫いている真魚が真っ当な喜びを得ているのを、蓮とユーリヤは微笑んで眺めていた。
「それにしても、本当に美味い。旅館の大きさ的に、あまり期待はしていなかったのですが」
「はは、せやろ。せやろと思っとったわ」
「……?」
真魚程の箸の勢いは無かったが、男達もまた料理に対し舌鼓を打っていた。
牡蠣や海老・アサリをメインとした煮込み鍋、にんにく醤油がかかった鰹のたたき、ニラの茶碗蒸し、筍とぶなしめじの炊き込みご飯。いかにも栄養のありそうな食材を取り揃えた料理の並びは、味だけを求めた高級料理を主食としている中年達にはいっそ新鮮なものだった。
だが、その中で唯一壮年だけが新鮮で珍しいといった感情を見せず、何故か誇らしげな顔で首を上下に振っている。その意味ありげな様子を、白髪の中年は不思議に思った。
「実はな、貸し切るにあたって今晩の食材、こっちが出したんや」
「え? これ、そちらが買ってきたんすか? わざわざ?」
「おう。値段で選んだから、どれも質は確かやで」
壮年はそう明かしながら、料理を作った張本人かの様な得意げな表情で胸を張る。
男達にとって、それは意外も意外な告白だった。金を持て余しているこの場の人間は、基本的に通常の食材から見て何乗と掛かった値段を持つ料理を好み、栄養バランスなどは二の次としている。
壮年としてもそれは同じの筈であり、安い食材が使われるのを嫌って旅館に持ち込んだのはまだわかるが、しかし明らかに栄養面が考えられたラインナップは不自然だった。
「健康的な食材を選ばれたのですね……もしかして、私達に配慮して頂けたのでしょうか」
「わたしどうせならもっとすごいヤツたべたかった。フォアグラとかトリュフとか」
「かっか、真魚ちゃんはホンマ正直やのー。まぁ俺はそれでも良かったんやけど」
ユーリヤと真魚は壮年に向けて質問と意見を向ける。二人としても考える事は他の中年達と同じで、壮年が自分の嗜好でこれらの食材を選んだとは思えないでいた。
そんな思いを壮年は半分肯定してみせる。”それでも良かった”と言うなら、珍味などの高級品を一度考えたという事だ。だが、実際に壮年が選んだのは高品質ではあるが一般的と言える食材。
その理由が何かわからず、全員が困惑して箸を止めていた。ただ一人、目を瞑り無言で料理をゆっくりと咀嚼している蓮を除いては。
「この食材選んだん、蓮ちゃんなんや。ほれ蓮ちゃん、いつもの説明頼むわ」
「……」
「え、蓮さんが?」
「へー」
全員の視線が壮年から蓮へと移る。蓮は沈黙によって壮年の言葉を肯定しており、口の中の食材を呑み込んでから瞼をゆっくりと開いた。
壮年が説明を任せた事で、全員が蓮の言葉を待つ。そこで蓮は箸を一度止め、集まる視線に自分の瞳を合わせる。息を軽く一つ吐いて、蓮は口を開いた。
「……集めた食材は、大体が似た効能を持っているわ。体力増強、疲労回復、血行促進――」
指差す様に、蓮は揃えた箸先を料理一つ一つに向けていく。蓮の行動や考えには必ず何かしらの知識から来る意図がある、それを知った男達は蓮の言葉を黙って待ち続けている。
ユーリヤは多くの分野に渡る蓮の博識さに感心の目を向けていたが、真魚は”また自慢げに知識を披露してるなぁ”と耳を半分だけ傾け、ひたすらに料理を口の中に運び続けていた。
そんな真魚には気付かぬまま、蓮は一息ほどの時間を空けてから最後の言葉を紡いだ。
「――
「――……」
その単語に、真魚以外の全員が固まる。数秒ほど置いてから言葉の意味を理解したユーリヤは、目の前の料理を見下ろしてかあっと顔に朱を差した。
同じく遅れて蓮の意図を頭で知った男達は、脂ぎった笑みを浮かべる。わざわざそういった食材だけを選んで持ってくる事の意図など、たった一つしか無い。
蓮は説明を終えて、箸を動かし始める。自分から用意したそれらの食材を、進んで食べていく。何の変哲も無い蓮の食事の風景が、男達にはそれまで全く異なる光景に見えた。
「……いやはや、本当に美味い食事を用意してくれたものじゃのう。これは、残さず食べねば失礼というものよ」
「ホ、ホント……せっかく用意してくれたんなら、しっかり食べないと、ね……!」
「うんうん、蓮さんには感謝せねば。本当に、有難うございます」
男達はそれまでより数割増しに箸の勢いを早め、目の前の料理に手を付けていく。含まれる意図には、この夜に対する期待が多分に含まれている。
それならば、その考えに乗るだけだ。今晩をより愉しく快い物にする為の”お膳立て”に、男達は早くも期待で胸を鳴らし始めていた。
「ユーリヤ、食べないの?」
「えっ、いえっ、私はっ――」
「さっきも言ったでしょ、”体力増強”って。食べないと、後が辛いわよ」
「――……っ」
食事の効能を聞いたユーリヤは箸を動かす事を躊躇していた。精のつく物とわかっていながら食べるという事は、今この場においては暗に男達をねだっていると言っても過言では無い。
しかし蓮の言葉を聞いて、ユーリヤは再度箸を料理へと向け直した。事実、これらの料理を食べても食べなくても、それどころか蓮が食材を用意していなくとも、今夜に行われる行為は一切変わりが無い。
熱に浮かされていたとはいえ、既に浴場の時点ではしたなく男を、それも限りなく本心から乞うてしまってもいた。それを考えれば、こんな事で躊躇をするのも今更だ。
諦めと恥の間で、ユーリヤは滅多に口にする事が許されない絶品の料理達をゆっくりと噛み締めていった。
「蓮ちゃーん、そのラインナップに肉とかなかったの、にくにく」
「どんだけ肉が恋しいのよ。まぁ牛の赤身とかは亜鉛摂れるし、っていうか肉全般大体良いんだけど」
「がっかりだよ蓮ちゃん。控えめに言って失望だよ」
「それで控えめって怨恨レベルに達してるでしょ」
一方で真魚はそれらの情報を一切気にする素振りも無く、それどころか時も惜しいとばかりに喋りながら食事を続けている。最後に蓮からの補足を受けた真魚は、茶碗を箸で叩く事で不満を顕にした。
健康を考えて食材を選んだにも関わらず、理不尽にも近い恨み言を聞かされた蓮は顔を顰め、そんな蓮達のじゃれる様子を眺めて男達は笑っている。
ユーリヤから見ても、その姿は全く自然なものだった。自然すぎる、と言っても過言ではない。
あれだけの痴態を浴場で互いに晒しているにも関わらず。それらが一切無かったかの様に、二人はいつも通りに振る舞っている。そこに、ユーリヤは小さく引っかかりを感じた。
「……あぁ、そうだ。折角だし、酌を頼めるかのう」
「ああ、いいねいいね。オレ、ちょっとそういうの夢だったかも」
「おじさん達は前時代的だなー」
「真魚ちゃん、顔の割にキツいんやなぁ……」
そうして食事を楽しんでいると、思い出した様に男達は
真魚はそんな慣例に不服を言いながらも膳台を両手に持ち、食べ終わっていない食事ごと男達の方へと近寄っていく。そんな真魚を見た蓮とユーリヤはお互いを一瞥し、何も喋らぬまま真魚と同様に自分の膳を動かした。
「そう言いつつも、皆乗り気なのは嬉しい限りですなぁ」
「こっちも食べないといけないんだから、片手間になるわよ」
「ええわええわい、こっちはゆっくり食べさせてもらうさかいな」
男達と自分達の膳をくっつける形で、蓮達は近くで向き合う。互いに手が届く程の距離になった所で、改めて男達は蓮達の今の姿を見た。
締められた深い紺色の腰帯によって強調された、蓮の細い腰から伸びる
丸みを帯びた身体の線に沿って流れ、浴衣を薄金で飾るユーリヤの長髪。
緩い締め付けによって、合わせ目からちらちらと見える真魚の胸元周りの肌。
その薄手の浴衣の下にある肢体は、瞬きすれば裸体を幻視する程記憶に新しい。手の届く場所にまでやってきたその身体に、男達は早くも心を躍らせ始めた。
「ど、どうぞ……この様な感じで、良いのでしょうか?」
「ありがとねシスターさん。あー、ちょっと嬉しいね、これ」
「おじさま方も、お注ぎいたしますわ」
「だばー」
おっかなびっくりといった手付きで、ユーリヤは受け取った徳利で青年のお
蓮は中年二人に上目遣いをしながら、迷いの無い手付きで酌をしていく。一方で真魚はマナーも遠慮も全く無く、壮年のお猪口に零さないギリギリの勢いで酒を流し込んだ。
雑極まりない酌を済ませた真魚は、すぐに自分の食事に戻る。他二人と比べればあまりにも思いやりに欠けた真魚の作法に、壮年は苦笑いを浮かべる事しか出来なかった。
「全く、真魚ちゃんにも困ったもんやなぁ」
「まぁ、らしいといえばらしいですが。この歳でそんな作法が完璧だったら、それこそ変というものです」
「あ、もっとサービスした方がよかった? ”パパ、おさけのむ?”とか」
「……案外、悪く無さそうじゃのう」
男達は注がれた辛酒を舐め、酌を終えた蓮達は自分達の料理に手を付ける。度数の高い酒は自然と男達の食事の速度を緩め、その間に蓮達の食事は進んでいく。
そうして男達の盃の底が見える頃には、蓮達の膳の上は殆ど空になっていた。蓮は音も無く箸置きに箸を戻し、ユーリヤは食事の後味に顔を綻ばせながら目を瞑り手を合わせ、真魚はユーリヤの皿の上に乗った小さな食べ残しを横から奪い取っていた。
酒は未だ多く徳利の内に残されており、男達も二杯目が欲しくなる。また酌を頼もうか、そう考えた所で肥えた中年は一つの閃きを得た。
「――シスター、少々こちらに来てもらえますかな」
「え? はい、いいですけど」
肥えた中年がユーリヤを呼び、それに従ってユーリヤが中年のすぐ目の前にまで近付く。
ユーリヤが崩した正座で腰を下ろしたのを見て、中年は一旦箸と徳利を置く。そしてすぐ前のユーリヤに向き合い、その浴衣の膨らんだ合わせ目に両手をかけた。
「きゃあっ!? や、何をっ……!」
「おー、白。ええなぁ、清楚って感じで」
「あ、でしょ? あれ、オレが選んであげたんだよ」
浴衣を引き剥がす様な勢いで、肥えた中年はユーリヤの上半身を自らの手で顕とする。その下には、縁に薄いレース生地を取り付けられ、花柄の白のブラジャーに覆われたユーリヤの豊乳があった。
慌ててユーリヤは自分の腕を交差させて胸に掌を当てるも、手の隙間や指先、細腕の上下からは隠し切れない程に膨らんだ柔肉と下着が見えている。
その下着は青年の趣味によってユーリヤに贈られた物の一つで、他の男達からのユーリヤへの称賛に対し青年は自分の事かの様に自慢げに口角を上げた。
「ほらシスター、腕の場所が違いますよ。ほら、下にずらして胸を寄せて」
「う、うっ……こう、ですか……?」
中年からの指示を受けたユーリヤは自身の腕をゆっくりと下げ、両肘の内側で胸の側面を寄せて抑え込む。それにより双丘の隙間は詰められ、ただでさえ大きなユーリヤの胸の中央に深い影が作られた。
縦一文字に伸びる女性的な谷間の影に、周囲の男達の視線が突き刺さる。視線に耐えられず目を伏せるユーリヤを無視して中年は自分の徳利を持ち上げた。
「腕を緩めてはいけませんよ、零れますからね」
「ひゃ、つめたっ……!」
中年は寄せられたユーリヤの胸の谷間の根本に、徳利の中の酒を注ぎ込んでいく。胸の上に注がれた酒は寄せられた柔乳の上を盃代わりに湛えられるも、谷間の僅かな隙間から少しずつユーリヤの身体の線を伝って降りていく。
が、その酒が完全に谷間から流れ落ちるよりも早く、中年はユーリヤの胸に顔を埋めて酒に口をつけた。
「ひっ、んっ……!? や、こんな、あっ……!」
「あー、なるほど。宴会といえばそれやな」
中年は柔らかな胸の感触を邪魔しない絹のブラに掌を沈めながら、大きく音を立ててユーリヤの谷間に溜めた酒を啜っていく。
ユーリヤそのものを杯と見立てながらも、同時に両胸を揉みしだく事で酒と女を同時に味わう。酒の辛さを舌で感じながらも、胸に埋めた鼻はユーリヤの甘い香りを喉の奥までしっかりと吸い込んでいく。
視界には目一杯に血色の良い女の胸が、耳にはくすぐったそうに鳴くユーリヤの声が聞こえてくる。五感の殆どで感じる愉悦は、中年の興奮を助長していった。
「……ふむ。蓮さんも、してくれんかね?」
「おじさま達も好きねえ……いいわよ、別に」
胸を弄られながら吸い付かれるユーリヤを横目に、白髪の中年も蓮へ暗に同じ事を要求し始める。それを受け、困った様に苦笑いしてから蓮は自分の浴衣の合わせ目に自ら両手をかけた。
ユーリヤの胸に顔を埋めている中年以外の全員の視線を受けながら、蓮の浴衣がゆっくりと横へ開いていく。センチ単位で少しずつ剥き出しになっていく蓮の肌を、男達は食い入る様に眺め続ける。
そんな視線に対して妖しげに微笑んで、蓮は浴衣の上半身部分を全て開いてみせる。その裏からは、カップ部分が肌を透かすレース生地で出来た、細い紐で繋がれている黒色のブラジャーに包まれている蓮の胸が現れた。
糸を薄く編み込んだだけのブラは、薄桃色の胸の頂点を初めからうっすらと見せており、身体を隠す機能を男達を誘う役割へと変えている。身体に繋ぎ留める紐は心許無く蓮の両胸の間と首裏の二点で結ばれているだけで、軽く引っ張れば容易に外れるだろう事は明らかだった。
「……っ、いい趣味してるね、蓮さん……」
「ふふ、やらしい目しちゃってるわよ」
「やらしいのは蓮さんの方じゃろて。こんな、男を誘うだけの下着まで着けおって」
浴衣を広げたまま、蓮は男達の前で袖から両腕を抜き取り、上半身から腰までにかけてを完全に晒した。仄かに熱で色付いた血色の良い肌を隠す事なく、むしろ胸を張る蓮へと中年は右手の人差し指を伸ばす。
立てた人差し指が蓮の胸の中央にあるブラの結び目の下に潜り込む。そのまま人差し指を軽く曲げるだけで蓮の下着の前部は容易く浮き上がった。
その指で紐を摘んで引っ張ってしまえば、その時点で蓮の胸は丸裸も同然だ。にも関わらず、蓮は笑顔を崩さず男達に胸を突き出している。
抵抗はしない。いつでも好きな様にしていい。そんな無言の誘惑が、蓮の顔に浮かんでいた。
「まぁ、ユーリヤみたいにしてもいいけれど……どうせなら、そうね」
今にも中年が蓮のブラの紐を解こうという所で、蓮が軽く中年の肩を押して制止する。そうした後、蓮は脚を覆っている浴衣の裾を大きく横に分け、腰の帯から下にある肌を露わにする。
足先まで細く伸びる下腿、胸と同様に柔らかな肉で膨らんだ太腿。そしてその上の股座にある、ブラと同じレース生地で中央に大きくスリットの入った、紐のショーツ。
男達が待ち望む局部が目の前に現れた事に加え、これまでずっと蓮が何食わぬ顔で恥部を殆ど外気に晒すも同様の痴態を演じていた事を知り、男達は心臓を跳ねさせる。
そうして帯で留まった腰を除いて浴衣の殆どを
「――ココに注いで、呑んでみないかしら?」
そう言って蓮は、ショーツの左側の紐を引いて側面にある結び目を解く。外された紐の片側は蓮の太腿の上に添えられ、逆側は畳の上にするりと垂れ落ちた。
片側の支えを失ったショーツの布地は僅かに傾き、未だ股下を下着で覆いながらも半ば放棄した蓮は、太腿を締めて両脚の隙間をゼロにする。
自然と集まる男達の視線に込められた欲を肯定する様に、蓮はもはや布一枚を乗せただけに過ぎない自らの陰部の周りを指先で撫でた。
「……そうだのぉ……確かに元々、そういうモンだの」
「いいねいいねぇ……! ……”ワカメ”は無いけど」
「あら、そっちのがお好みだったかしら」
誘惑のままに、男達は蓮のショーツの中央から透けて見える陰裂に釘付けとなる。今にも掴みかからんとばかりに白髪の中年と青年は目を見開き、浴衣の腰下を膨らませていた。
中年は提案のままに、自分の手元にある酒瓶を手に取る。そして瓶を持った手とは逆の手で、解かれた方の紐を手に取り、蓮の股の上からショーツを取り払った。
奪ったショーツは乱雑に遠くの床へと放り捨てられ、中年が蓮の臍下に酒瓶を添えて傾ける。透き通る無色の酒は下腹部からゆっくりと流れ落ち、蓮の股上に泉を造っていった。
「それでは、ゆっくり呑ませてもらうよ」
「あ、ずりぃ!」
「っ――まぁ、慌てなくていいでしょ」
中年が肉の盃に注がれた泉へ顔を寄せ、鼻から下を蓮の太腿に埋める。その姿勢のまま、狭い面積に貯められた少ない酒が太腿の裏へ流れ落ちるよりも早く啜り始めた。
秘部を液体越しに吸われる、慣れない感覚に蓮は微かに身動ぎをしつつも、蓮は中年の酒瓶を持っている手へ撫でる様に触れ、無言で瓶を譲るように求める。
それに応え、中年は酒を舐める様に呑みつつ瓶を掴む手を緩める。酒瓶を受け取った蓮は、自分の顔の高さまで瓶を持ち上げながら、青年へ笑いかけた。
「貴方はこっちで、ね」
「……れ、蓮さん……んっ!」
そう言って蓮は瓶に直接唇を付け、酒を口の中へ流し込む。そこから蓮は喉を動かすこと無く、頬を小さく膨らませながら自分の下唇を人差し指でなぞった。
中年に先んじられ欲を抑えられていた青年は、蓮の誘惑に飛び付く様に唇を奪う。そのまま絶対に離さないとばかりに、青年は蓮の頬を両手で抑えながら、口内に含まれたままの酒を貪り始めた。
「……なんか、わたし達だけ余っちゃったね。どーしよ、おじさん」
「ハハ、まぁ別にええやろ。ほれ、真魚ちゃんもどうや」
「ん、ありがと」
絡み始めたユーリヤや蓮達を眺めながら、真魚と壮年は食事を続ける。
男達に求められればすぐに応えるつもりではある。だが、求められないのであれば食事を優先したい。それに、酒の絡む事であれば自分には不向きだ。
そう真魚は心中で割り切りながら、横の壮年から差し出された杯を手に取り、何も考えずに呷った。
「――っ、からっ」
「ダハハ、かかったかかった。どや、オトナの辛さは」
「うえー……ひりひりする」
が、飲み干したと同時に真魚は杯から口を離し、顔を歪める。真魚は自身に差し出されたのは自分の膳にある緑茶だと思っていたが、その実は壮年の持っていた酒だった。
普段と同じ感覚で日本酒を一気に呑んでしまった真魚は、口を開いて酒に焼かれた舌を伸ばして冷やそうとする。
してやったりとばかりに真魚を笑う壮年は、今度は自分が呑ませた酒を事も無げに飲んでいく。恨めしげに睨んでくる真魚のじとっとした視線に対し、壮年は自慢げに自分の飲みっぷりを見せつけた。
「下の口と違って、まだまだ上はコドモやのー。こんぐらい呑めにゃ、オトナの相手は勤まらんでー?」
「うー……おとなげない……」
「オトナだからこそ、大人げを捨てられるんやで」
口の中に残る酒気を追い出すべく息を吐こうとすれば、それと同じ程の空気を吸う事となり、その分口内に残っている酒の残滓が喉まで流れ込んでくる。
完全にしてやられた。そう思って壮年へ抗議するも、少量ながらも濃いアルコールはゆっくりと頭へと巡り始め、真魚の弁舌は鈍ってしまっていた。
「あー……これ、おもったより……くるー……」
「……ありゃ、マジかいな。思った以上に弱いのう」
真魚は右手を額に添え、ゆっくりと頭を前後に揺らし始める。時と共に、頬に差した赤みはゆっくりと耳へ、顔全体へと行き渡っていった。
強めの酒だったとはいえ、たった一杯で酔いが回り始めている。計算外の真魚の酒への弱さを見て、流石に壮年は罪悪感を覚え始めた。
酒は慣れない者、弱い者にとっては単に毒でしかない。これはまずい、そう思って壮年は慌てて真魚の膳の上にある茶へ視線を合わせ、手を伸ばした。
「――んー……」
「ん、なんや真魚ちゃん」
が、その手が杯に届くよりも早く、真魚が壮年の腕を掴む。何かと思って壮年が顔を向ければ、瞼を眠たげに下げながら真魚がこちらを見ていた。
腕を掴んでこそはいるものの、その手に力は殆ど込められていない。視線は壮年と合わせてこそいるが、その瞳からは先程は見せていた抗議の色も抜け落ちており、明確な意思を感じさせない。
壮年がそれを怪訝に思っていると、真魚は膝を立てて体を前へ傾けた。
「……ん」
「え、ホンマどないしたん」
「んぅ」
ぽすっと、真魚の小さな身体が壮年の胸板へ飛び込む。戸惑う壮年に何かを言うことも無く真魚は全体重を預け、その上で猫が飼い主にすり寄る様に身体を押し付け始めた。
丸い頭が首を、控えめな膨らみが胸板を、張った下腹が股上を。密着した真魚は壮年に対して全身で甘えだし、摩擦が互いの浴衣を乱していく。
唐突な真魚の変化と行動の意図がわからない壮年は、呆気にとられてその様子を傍観する事しか出来ずにいた。
「……あついー……」
そんな壮年を尻目に、真魚は僅かに身体を起こして自分の浴衣の帯を解く。一瞬で無意味な紐と化した帯を腰から投げ捨てると、続けて真魚は自分の浴衣の合わせ目を全て開いた。
真魚の上半身から下半身まで、腕と背中を除く全てが露わとなる。そうして現れた身体は、隅から隅まで全てが肌色だった。
肌色だけ、肌だけ。そこには本来局部に着用すべき下着は、どこにも無い。目を見開く壮年の目を意にも介さず、真魚はさらに壮年の浴衣にも手をかけた。
「うおっ」
「ん……はぁ」
勢い良く壮年の浴衣の中央が真魚により引き剥がされ、胸板から腹部までが同様に露出させられる。
裸同然となった壮年の上体に対し、真魚は自分の肌を重ね直し、顎を男の首の根本に乗せた。
「あは。……んっ、ふ、んー……ちゅ、んっ」
「お、おおっ……? なんや、えらい甘えん坊になったの……おっ」
壮年の身体にすっぽり覆われる程に小さな身体を、真魚は素肌で擦り付ける。もはや距離を空ける事は無い・空ける気は無いとばかりに、真魚は壮年の背中へ腕を回して強く抱き締めた。
繊維一本も挟まずに密着する真魚は、そのまま壮年の首筋に唇を寄せる。そこから単に唇を落とすだけではない、明確に親近以上の感情を乗せた強さで真魚は吸い付き、壮年の首筋に紅い跡を残した。
「ちぅ、んっ、ちゅっ……はぁ、ちゅるっ、んんっ」
「お、ほっ……なんか、こういうんは新鮮やなぁ」
止まること無く真魚は、壮年の首へさらに口付けていく。啄む様に、這う様に、吸い付く様に。強弱を変えて唇を落とし、自分で付けた跡を舌と吐息で舐め上げ、壮年の感覚を際立たせていく。
仕草は幼子の様に、奉仕は情婦の様に。真魚は全身で甘えて縋りながら、自らの素肌と唇の柔らかさを最大限に押し付けていた。見える物と受ける感覚の乖離が、非現実的な快楽となって壮年の欲を燻ぶらせ始める。
まだ
「――んっ、や、ああっ……! 乳首っ、だめっ……!」
「いえいえ、シスター。こちらも酒で濡れていますからな。しっかり呑まねば勿体無いですよ……じゅうっ」
「んうっ! あ、う……!」
蓮達がそれぞれの行為に及び始めた時には、ユーリヤと絡む中年の行為も変化していた。
胸を覆う純白のブラは胸を弄られる内に下へと降ろされ、白い豊乳の殆どは剥き出しに。浴衣は帯を力任せにずらされ、乱れた浴衣は胸周りに加えて太腿より下も露わとなっている。
そんな姿を整える事すら許されないまま、ユーリヤは中年に胸の頂点を吸われていた。もはや最初に谷間に注がれていた酒は全て飲み干されており、酒を飲むという当初の目的は既に失われている。
「んむ、じゅ、ちゅうっ……あぁ、良いですね。実に美味しいですよ」
「や、ああっ……! んっ、や、あぁっ……!」
服を剥がれ、丹念に胸を揉まれ、”男”を感じさせられ。その上で乳首を吸っては舐め転がされ、ユーリヤの身体は急速に熱を帯びていく。
少しの間男に触られ続けるだけで性感を覚え始める自分自身を疎ましく感じながら、それでもユーリヤは口先から溢れる男の本能へ向けて艶かしい声が止められずにいた。
「おやおや、ここまで零してしまって。仕方ない、拭き取ってあげますよ」
「え、えっ? ……ん、っ」
そんな中、中年はユーリヤの胸下へ流れた酒に、それにより濡れている胴に手を触れる。
しかし、その手付きは拭くというよりは塗り込むと言うのが正しく、酒で濡れたユーリヤの身体は中年の掌によって胸下から腹部を
「おや、ココも少し濡れている様で。いけませんねえ、ちゃんと拭いておかねば」
「や、そこ、違っ――んんっ!?」
身体を拭くという口実でユーリヤの身体を好きに撫で回しつつ、中年は少しずつ掌を下へと降ろしていく。
臍周りから下腹部へ、そこからさらに鼠径部へ。明らかに必要の無い部位へと伸ばされた中年の掌が、そのままユーリヤのショーツの裏へと差し込まれて陰部に直接触れる。それと同時に、くちゅり、と粘ついた水音が小さく鳴った。
そこから中年は、陰唇の奥にいきなり中指を差し込んでいく。指が身体の裏側を軽く弄れば、それを受け入れるべくユーリヤの秘部が蜜を流し始めた。
「うあ、んっ、う――あっ、や、あっ! ぁ、ん、んぅ……っ!」
それまで全く触られていなかった肉壷は、いとも容易く中年の指を柔らかく迎え入れた上に、異物に対する痛みを覚えるどころか真逆の快さをユーリヤへと伝えてしまう。
中年の指遣いは愛撫と言うには乱暴だったが、それでも指が動く度に秘部から性の火花が小さく弾けて、ユーリヤは身体を丸めて喘ぐ。
完全に自制が利かなくなっている。秘肉を抉り愛液を汲み出そうとする指が、つい先程に味わった肉杭の熱と固さを思い出させ、意識は記憶と身体に刻まれた快楽へと引っ張られていく。
抑えなければいけない、自分を忘れてはいけない。そう思っていても、中年の指が蠢く度に確実にユーリヤの身体の熱は積み重なっていった。
「――ふ、うっ……んんっ、んっ! ん、んっ……!」
「あー、蓮ちゃんの味は甘いのぉー……」
「蓮さんッ、蓮さッ――ん、ぢゅ、じゅるっ……!」
その一方で、蓮へ群がる二人もユーリヤを味わっている中年と同様に、酒よりも女体を貪り始めていた。
蓮の股に注がれた酒は既に白髪の中年によって飲み干され、中年はその代わりとばかりに蓮の秘裂に舌を這わせる。肉のクレバスが舐め上げられる毎に、僅かな酒気の後味と共に染み出した愛液が中年の舌を濡らしていく。
その上の方では青年が絶え間なく蓮の口に吸い付き、唇の表面から口内に至るまで自分の舌で味わっている。荒れ続ける呼吸を整えもせずに、青年は殆ど距離を空けずに蓮へ自らの顔を被せていた。
「んっ、ふ、んんっ……! あ、はぁっ……そこっ……!」
「やっぱマメがイイんか。なら、たーっぷり弄ってあげようかの」
「あっ、っは、んっ……あんっ!」
蓮が青年の執拗なディープキスから逃れて呼吸を挟んだ時に、中年の舌先が蓮の陰核を弾く。蓮の一層強い嬌声に気を良くした中年は、狙いを秘裂から切り替えた。
閉じていた蓮の太腿を中年は手でこじ開け、それまでよりもさらに顔を密着させる。そこから皮で覆われていない秘核の下側を、直接舌先で突いては舐め上げて刺激していく。
舌の一点で、面で、波の様な緩急をつけてのピンポイントな愛撫。雌性を直接揺さぶる舌使いへ、蓮は声を甘く張り上げて応える事しか出来ずにいた。
「ハァッ、ハァッ……! 蓮さん、こっち、こっち向いて……!」
「んむぅっ……! んっ、んぁ、むう、んんぅ……っ!」
短すぎる休憩を終え、再び青年が蓮の唇を奪い直す。
蓮の後頭部を手で抑えながら、青年は押し潰す様な力で唇を押し付ける。蓮自身が開く事も難しい程に抑え込まれた唇の隙間を、青年は強引に自身の唇と舌を割り込ませて押し上げた。
そうした上で、舌を限界まで伸ばして根本までを蓮の口腔にねじ込み、無作為に暴れさせる。中年とは真反対の、乱暴で独りよがりな前戯。
それは中年によって散った意識を自分に向ける為か、自分の欲求を満たしたいだけか。そんな理由すら考えようともせず、青年は蓮の口を思うがままに蹂躙していった。
「ほれ、真魚ちゃん。もっと押し付けや」
「んっ、んぅっ……あっ、コレ、かた、いっ……あはぁっ」
また、蓮達より少し離れた隣の真魚と壮年は、半ば脱ぎ捨てた浴衣から覗く胸と胸をぴったりと合わせながら、互いに秘部と男根を擦り合わせていた。
壮年が腰を僅かに揺らしているだけなのに対し、真魚は自分が上にいる事を利用し身体を上下に、腰を前後に、股を左右に動かしていく。
男を悦ばせる為の積極的な奉仕をしながらも、真魚の表情は熱く蕩けていた。上気しきった顔色は明らかに酔いの影響の内に収まりきらず、ふやけきった目尻と口は己の欲求だけを表現している。
「あっ、あぁっ……きもち、いいよぉっ……もっと、もっとこすってぇ……?」
「言われんでもしたるわい。全く、困ったコやなぁホンマ」
加えて真魚は壮年にのみ聞こえる様に、見た目にそぐわぬ艷やかな声を耳元で囁きかける。混じり気無しの色情に満ちた媚を受け取り、壮年の血はさらに男根へと注がれていく。
全身の触覚に訴えかけてくる柔らかさ、育ち切る前の身体に宿る高い体温、耳奥だけを震わせる様な囁きと吐息。それらが合わさり、股を擦り合わせるだけの単純な行為でありながら壮年は強い快楽と充足感を得ていた。
「あはっ、あ、ぁっ……! おじさんの、すきっ……! カタくてアツいの、すきぃ……!」
「う、く、ぉ……!」
時と共に真魚の身体の動きは加速していく。壮年の胸板を滑る乳首は既に凝り固まり、男根を擦り続けていた秘部からはだらだらと愛液が流れ、前戯を助ける潤滑油となっている。
悩ましい声を発し続ける口は壮年の耳朶に寄せられ、声の合間に甘噛んでは唾液を垂らしていく。真魚の動きの全てが壮年を興奮へ導き、意識と思考を人から雄へと変えていく。
気付けば壮年は自らが腰を動かす事を止め、真魚が与えてくる快楽にのみ集中していた。
「あっ、だめっ、イきますっ、イっちゃ、ぁっ――!」
「あぁ、いけませんね。申し訳ありませんシスター、少しやりすぎてしまいました」
「――……あ、え……?」
その場にいる全員が後戻りを忘れてもはや昇るだけ、そんな境目の時にユーリヤを責め続けていた中年が一人手の動きを止め、ユーリヤから身を離す。
堪えられる限界を察して意識の全てを快楽へ受け渡そうとしたユーリヤは、突如訪れた感覚の空白に呆然とし、指を抜かれた膣を脱力させる。何故、どうして、今。身体の熱を止められた理由がわからず、困惑が頭を巡った。
「ほら、皆さんも。このままじゃ飯も終えないまま、”お楽しみ”になってしまいますよ」
「……あぁ、確かにの。歳にもなくがっつきすぎたわ、いかんのう」
「ちゅう、じゅっ、ちゅるっ……はぁっ、はぁっ……」
「おっと、確かになぁ。アカンわ、マジでヤるトコやった」
ユーリヤを辱めていた中年が両手を二度打って鳴らす。それを契機に冷静さを取り戻した三人の男達は、大なり小なりの名残惜しさを顔に浮かばせながらも、それまでの行為を中断した。
中年の言う通り、現在男達はあくまで夕食の途中にあった。これまで蓮達に対してやってきた行為は、欲求と言うよりは気まぐれで、前戯と言うよりは遊びでしかないモノであり、優先してやる事では無い。
夜はまだ始まったばかりだ。ここで
――ただ。
「……や」
「……おっと、真魚ちゃん? 一旦終いにして、離――」
「や」
身を離して席に戻ろうとする壮年に、真魚が両手両足でしがみつく。立ち上がる事を止められた壮年に対し、真魚はそのまま再び身を捩らせ始めた。
絶対に離さない。全身で意思を示しながら真魚は壮年に唇を押し付けて、舌で口を
「んっ、むっ、んんぅ、ちゅっ、あっ……! んぅ、ふっ、ぅんっ、ちゅるっ、じゅ、んんんっ」
「お、んっ……! む、ぉ、っ……!」
身体を前後に揺すり、明らかに真魚が意図的に全身を――口と胸と秘部を特に強く――押し付けては、自身の感じる官能のままに波打たせていく。
そうして重ねられた性器と唇の間で、愛液と唾液によって鳴らされる水音が、壮年の内側から思考を揺らす。真魚から逃れようとしても、首と腰に巻き付けられた腕と脚は固く締められており、腰を降ろした状態である壮年では立ち上がって離れる事は出来ない。
それ以上に、離れるには真魚から押し付けられてくる感触はあまりに甘美だった。中年の声によって一度は冷えた思考が、真魚の全身により本能ごと熱されていく。
――なんで、我慢する必要がある? 一度脳に過ぎった考えは、一瞬で壮年の頭に深く根を下ろした。
「はは、真魚ちゃんはもう始めたいようで」
「オレも大概がっついちゃってるけど、真魚ちゃんには負けるなぁ」
「ま、真魚ちゃんっ……」
その様子を、ユーリヤと中年の親子が遠巻きに眺める。真魚からの求めを受ける壮年は、離れる事を完全に止めたのか、自分からも舌を伸ばして唇同士の狭い隙間で絡め始めていた。
真魚達から聞こえてくる粘膜同士が触れては離れる水音と、不揃いに重なる吐息が場の空気を乱していく。ただ見ているだけでも劣情を煽る二人の痴態は、前戯の中断を惜しませるには十分な光景だった。
「ダメよ真魚ちゃん。ちょっとストップ」
「んはっ。……むー……」
そんな止まる様子を見せない真魚の肩に、いつの間にか後ろにやってきていた蓮が手を乗せる。酒によって赤らんだ顔を、欲によってぼんやりとさせながら真魚が蓮へと振り返った。
瞼を垂れさせて潤んだ瞳は、肉欲で濁り切っている。僅かに顰められた眉はそのまま真魚の感情を表しており、それは自身を制止しようとする蓮に対しての不満・或いは抑えられない肉欲への焦れだった。
それを見ていたユーリヤは小さく息をつく。男達のみならず真魚までもが半ば暴走をしかけているこの状況において、まともな判断力を保ち続けている蓮の存在は、ユーリヤにとって唯一の救いである。
”少し冷静になりなさい”、”そんな事自分からしちゃいけないわ”。いつも通りの平静さを保って、そう言ってくれる――
「
「言われた通り持ってきたぞー、蓮さん」
――そんな想像は、いつも通りの平静な声によって裏切られた。
娘毒のグルメ
うーん 腹もペコちゃんだし夜食でも食って一息つくか
作者は信じられないぐらい死んでますが生きてます。
当小説でもっと見たいヒロインは誰ですか?
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蓮ちゃん
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ユーリヤさん
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真魚ちゃん
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蜜柑さん
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夢ちゃん