―――どうして、こうなってしまったのだろうか。
いや、これはちゃんと果たさなかったツケなのだろう。
目の前には自分を押し倒す女の姿が見える。服装は何時も見る、白と緑のバリアジャケット姿だが、普段は動きやすい様に後ろで纏められている緑髪も今ばかりは降ろされていて、ある種の新鮮さを感じさせる。だがそれよりも彼女に関して目を引くのはその表情だ。こらえきれぬ何かを堪える様な表情、そして……情欲に満ち溢れた目だ。そんな目で自分を見ている、見下ろしている。此方を逃がさない様に彼女はマウントポジションを取って逃がさない様にしている。ここまで追い込まれてしまえば確かに逃げる事は不可能だろう。だからこそこうやって何もできない状況を受け入れるしかない。
彼女が無言で此方を見つめてくる。彼女が何を求めているのかは解っている。解っているからこそ、自分から今まで手を伸ばす事はしなかった。何せほら、自分のどこがここまで求められるほどにいいのかなんて良く解らないのだ。ただ現実として目の前の女が自分を強く求めているのは解っている―――それもいきなりベッドに押し倒されるぐらいには。
「聞かないんですか?」
何故こうしたのか聞かないのか。そう彼女は問うてくる。だが、その必要はない。相手の気持ちなんて一緒に生活してくれば解って来る者だし。それ以前に一度、本気で殺す気で拳をぶつけ合わせたのだ。その時に彼女の強い思いを感じ取った。だからそれに全力で応えたつもりだったが……自分の詰めが甘かったのが一番の理由だろう。殺しきれなかったからこんな状況を生んでしまった。だから彼女が―――イングがこのように、狂愛を示してくるのは自分が彼女を壊したからだと判断する。だから答える言葉は決まっている。
「女に恥をかかせるような男に見えるか?」
そう答えると瞳に情欲を浮かべていた女の、イングの表情に喜びの感情が浮かび上がる。ずいぶんと待たせてしまったが、こうやって押し倒されでもしない限り俺は受け入れる事もないだろう。我ながら卑怯な男だと思う。だから手を伸ばして自分の上に陣取っていたイングの体を抱き寄せる。優しく、壊れ物を扱う様に抱いて寄せる。しっかりと体を抱き寄せてその体の熱を感じる。
「ありがとうございます」
「愛されている分は愛し返さないとな。薄情な男になりたくないだけだよ」
そう、そんな薄情な存在にはなりたくない。愛されているという自覚はある。逃れらえない鎖の様に伸びて体を縛ろうとしている。だがそれも悪くはないと思う。べつに溺れているわけではないし、形はどうであれ自分は愛されているのだ。であればそれにこたえるのが男の甲斐性というものであるのに違いない。だから、別段おかしなことをしているわけではない。逆に見下すべきなのだ。求められているから応えている。それが真理なのだから。
「それでも、私という存在を受け入れてくれてありがとう。私という存在を特別でもなんでもないただの女性として受け入れてありがとう。こんなはしたない女を受け入れてくれる、それだけで感謝するには十分すぎるんです」
抱き寄せる彼女の顔が直ぐ前にまで来ている。そのまま唇をゆっくりと寄せて、重ね合せる。触れるだけの、普通のキス。だが此方を覆う様に体を押し付けてくるイングの体から、確かな熱と、そして緊張からか、強い鼓動を感じる。密着する体越しにどくんどくんと、彼女がこの瞬間に生きているという事を感じる。ゆっくりと唇を離す彼女の表情には強い羞恥で頬が紅潮していた。その姿を何時もとは違う姿として純粋に可愛らしいと思う。それでも、唇を離した彼女は恥ずかしがりながらも、
「その、初めてでしたけど……おかしく、なかったですか?」
「大丈夫、お前はおかしくなんかない。お前は普通だよ。俺がそれを保証する」
そのまま逆転する様に抱きしめたイングと共に反転する様に転がり、今度は此方がイングに覆いかぶさる。それに驚いた彼女が思わず両手を胸へと持って行く。その動作が妙に小動物チックで、思わず笑い声がこぼれそうになる。だがここで笑えば彼女を不安にさせてしまう。それを理解しているので、右手を彼女の頬に当て、そしてもう片手で彼女の髪をかきあげる。
「卑怯です」
「少し卑怯な方が人生、色々と得するんだ」
今度は此方から顔を寄せ、彼女と唇を合わせる。彼女が少しだけ驚いたような表情を見せるが、目を閉じてキスを受け入れる。最初は優しく、そして少しずつだけど強く、そして今度は押し当て、口を割って舌を入れる。それに彼女は驚きの表情を浮かべるが、直ぐに受け入れて舌を絡ませる。彼女の舌の裏を舐めるように、口の中の味を確かめる様に唾液を交換し、その味を楽しむ。昔はこれ一つにどれだけ戸惑っていたのかと思うと少し面白いものだ。
ゆっくりとイングから口を離すと、惚けた様子の彼女がそこにはいた。何かを言おうとしては止め、そして再び何かを言おうとして、止める。そうやって口を彼女はパクパクさせてから―――此方の服の襟首を掴み、一気に顔を寄せ、そして彼女から絡みつくような濃厚なキスをしてくる。彼女の手も此方の背中に回されており、貪欲に此方を求めてくる。強く、深く、貪る様なキスで彼女は此方の存在が真実であるように確かめてくる。
「いい」
呼吸の合間に蕩けた様な表情を浮かべ、イングはそう呟き、再び唇を求める。余りにもあっさりと呼吸や作法を覚える彼女が彼女らしく思え、情事の最中であるというのにちゃんと目の前の女を抱いているという安心感が生まれてきた。だからこちらから更に求める様に啄み、絡めあい、そして高めてゆく。此方を抱きしめる彼女から舌を絡ませるたびに羞恥心が抜けて行き、本能が支配してゆくのを感じる。
だから彼女の頬から手を離し、その手で彼女の胸に服の上から触れる。一瞬だけ彼女の動きがビクリ、と止まるが、それに気にすることなくキスを続け、そして右手で胸の愛撫を始める。
「んっ、あっん」
少しずつ声に交じり始める喘ぎ声を楽しみながら、キスを交わしてゆくが、少しずつ愛撫の激しさを増して行くごとにイングが呼吸を求めて口を大きく開き始める。口から糸を引かせながらも彼女の口から離れ、右手で彼女の胸を愛撫するのを止めず、左手でバリアジャケットの胸元を破る。普通の服程度の耐久力しかなかったバリアジャケットは簡単に破れ、その下のブラジャーごと破れて胸を露出させる。彼女の胸を直接愛撫しつつ、顔を今度は彼女の左胸へと持って行き、勃起している乳首に甘噛みする。
「ひぃっ」
こうやって自分よりも強い女を自分の手で喘がせることに楽しみを見出している自分が確実にいる。そう考えると割と自分でも歪んでいるんだろうな、と思いつつも動きは止められない。左手でイングの体を抑えつつ、右手で胸を揉み、そして左乳首を甘噛みする。その反応から彼女が感じているのは解っている。だから少しだけ力を込めて噛めば、
「―――んぁぁ!」
イングが一気に絶頂へと駆け上るのを感じた。腕の中で絶頂を迎える彼女を抱きしめながら今度は左手をしたへ、スカートの内側、下着の下へと滑り込ませる。既に愛液でぐしょぐしょになっている秘所の、陰核に触れる。触れた瞬間にイングの体は跳ね上がり、拒絶するどころか求める様に体を押し付けてくる。口を再び彼女の顔へと持って行く、舌を絡めるキスをしながら彼女の陰核に触れ、彼女を絶頂へと連れて行こうとすると、彼女から口を離してくる。何か失敗したかと思い、彼女の顔を見る。
「駄目、これじゃ足りない。もっと、もっと欲しいんです」
「この淫乱め」
そう答えるとイングは魔性の笑みを浮かべて誘惑してくる。
「はしたない女は嫌いですか?」
「嫌ってるように見えるか?」
ズボンから逸物を取り出すと、既にスカートをめくって、下着を脱いで、受け入れる体勢を整えていた彼女の姿がそこにあった。自分から求めるような姿勢に更に情欲を煽られ、彼女の膣に遠慮することなく自分の逸物を突き入れる。そこにイングは痛みを覚える様子はなく、逆に恍惚の表情を浮かべていた。先ほど淫乱と評したが、間違ってはいないようだ。破瓜する痛みよりも快楽を強く感じている。
「あはぁ、きた、きた、やっと、やっと……!」
腰を引いて、そして叩きつける。たったそれだけで絶頂を迎える様にイングの体が跳ねる。だがそれで到底自分も彼女も満足するわけがなく。再び腰を叩きつける。腰を動くたびに大量の愛液が秘所から濡れだしてぬちゅぬちゅと淫らな音を鳴り響かせる。同時にイングの口からも嬌声が漏れ、全力でこの瞬間を感じ取っているのが解る。
「もっと、もっと私の体に貴方を刻んでください!」
それが求めるものであるならば是非もない。
腰を突き入れながらも開いた右手で彼女の胸を乱暴に掴んで揉む。組み伏せる彼女の体が更に暴れるが、嫌がる暴れ方ではなく、快楽に体を捩らせている動き方だ。とことん此方を求めてきているこの女の事をどうしようもないと思いつつ、自分も求める事を止められないと気づき、突き入れる動作をさらに激しく。
「あ、はぁ!」
激しくする毎に嬉しそうな表情を彼女が浮かべるので遠慮はいらない。一旦彼女の膣から逸物を抜いて、そして彼女の体をひっくり返し、そして後ろから、後背位の形で再び彼女と交わる。
「ふ、ふか、深い、貴方が、私の、はぁ、深くに……」
言葉をしゃべる余裕が無くなってきているのか言葉がとぎれとぎれになっている。だがそれを気にすることなく逸物を彼女の中へと叩き込む。大分感じているのか嬌声と共に跳ねる彼女の体の中、子宮が大分降りてきてるのか、この姿勢だと逸物の先端が子宮口に触れる。強く叩き入れる度に軽く彼女の最奥をノックしている感覚があり、そしてノックするたびに膣が絞り上げようと一気に締め付けてくる。貪欲にまで此方を求めてくる姿勢に此方も答える為、一気に逸物を最奥に叩き込み、
「しっかり受け取れ!」
「あ、ああああ、あぁぁぁ!!」
イングの腰を掴んで彼女の最奥へと欲望を解き放つ。まるで全てを絞り上げようとする力に締め付けられ、そのまませり上がってきたものを解き放ち終えると彼女の膣から逸物を抜く。小さく膣から溢れ出し、そして垂れる精液を彼女は姿勢そのまま、息を荒くしながら見て呟く、
「勿体ない……」
本当に惜しそうに彼女はそう呟き、そして此方へと振り返ると、此方を押し倒してくる。逆らう理由もないのでそのまま彼女に押し倒されると、精液を解き放ったばかりの膣の中へと彼女が乗りかかる様に逸物を沈める。再び逸物が彼女の中へと繋がる様におさまる。逃がさない様に今度こそマウントを取った彼女がゆっくりとだが腰を動かし始める。ゆっくりとゆっくりと、彼女の膣に逸物の形を覚えさせるように動き、懇願する様な淫らな表情で見下ろしてくる。
「ですので垂れてしまった分、もっと私の中へと注いでください。私の匂いが貴方の匂いで上書きされるまで。私の中に貴方の形が残る様に。私の至る所が貴方に穢されるように、私が貴方の物であるという証をつけてください」
「気絶するまで付き合ってやるよ」
そう言うと嬉しそうな表情を浮かべて彼女の腰が上下に動き始める。だがそれでは此方が到底満足できない。そもそも激しい方が好みの女だと解っている。だから両手を腰に当て、そのまま彼女を跳ねさせるように腰を突き入れ、そして腰の上で踊らせる。前よりも深く、そして強く突き刺さる位置に入ってイングが大きく背を仰け反らせる。今の一回でイったのかもしれない。だがそれでも彼女は満足しないだろう。いや、この幸福が現実だと理解できないのだろう。だから彼女が絶頂の最中である事を無視して乱暴に腰を突き入れて動くのを止めない。此方は出したばかりでまだ堪えられる。だが女の体はそうではない。このまま続ければ強引にだが降りる事無く絶頂を感じ続けられるだろう。
そしてそうでもしなきゃコイツは己の幸福を実感できない。
だから、この女に徹底的に幸いを教える為に、一切手加減もせずに彼女の体に快楽を刻んで行く。快楽に溺れるのであればそれで、もういい。
少なくとも自分は彼女たちの味を忘れられそうにはない。完全に溺れている。だから、
二発目を注ぎ込むために再びイングの腰を抱き寄せて、一番奥へと解き放つ。気絶するまで何度でも何度でも、孕ませるように抱き続ける。
時系列は秘密。本編を参考に考えよう。本編で生存が確定したので更新。
覇王様は淫乱属性を持った純愛っ子だと思うの。