「わぁかわいい!」
わたしは、友達のペットの豚さんを撫でながら感動の声をあげた。
飼い主であるトモは、受験勉強中の弟のことを気遣って「静かにするって約束でしょ」とあきれた顔をした。
トモはわたしの中学のからの同級生で、高校のクラスメイトでもある。クールなツッコミキャラをしているが、たまに天然なところもあり一緒にいてとてもたのしい。
今日はペットの豚さんを見せてもらうためにトモの家に寄せてもらって、玄関でこうして戯れているわけだ。
だってかわいいんだもの。
撫でるとブーブーと声を出していて、それはどこか喜んでいるように思う。
あまりに可愛いので、顔をもっとじっくり見てやろうと顔を近づける。
ピンク色の肌と、うっすら生えている産毛がこれまた可愛くて、つぶらな真っ黒な瞳には自分の姿が映っている。
ブー!ブー!
もっと可愛がって! とでも言うように催促するので、わたしは犬を撫でるように首の下に手を入れて喉をモニュモニュと撫でる。
これには豚さんもたまらん! と、悶絶している。
「ほほぅ、そこが弱いと見た。もっと撫でてあげる」
そう言ってわたしは、床に寝そべるようにして豚さんの顔全体をワシワシとゆする。
とてもかわいい……
と思ったのと同時に、その豚さんの顔が気になった。
こちらを向いている二つの
「豚さんの鼻って本当に
「当たり前でしょ。豚なんだから」
クールなトモは当たり前のことを言うわたしに、そりゃそうだと言う。
わたしもそれもそうか、と納得する。
豚の鼻みたいな鼻を豚鼻って言うんだもんなぁ。
わたしは豚さんの鼻を見ているうちに、その穴の奥の空間が気になって仕方なくなった。
中ってどうなっているんだろう?
そう思って穴の奥を見ていると……
「はい、ブーちゃんは今日はお休み。ミサチもすぐに帰る」
「えー!もう少しいていいでしょう?」
「し、静かにしてよ! 来週には受験なんだから! また今度ね!」
そう言われ、わたしは追われるように玄関から追い出される。
弟の受験が終わったらまた見せてあげると言われたけど、もっと豚さんと戯れたかった。
わたしは残念に思いながらも帰ることにした。
豚さんってかわいいなぁ……ピンクなのも可愛いけど、あの鼻がかわいいなぁ。
豚さんってなんであんな鼻してるんだろう。
わたしはあの鼻の穴のことを考えていると、なんだかソワソワして変な気持ちになった。
次はもっとじっくり見てやろう!
そんな変な決意をしながら、私は歩いた。