※この作品はR-18です。

海軍史上最悪の男   作:チャリ丸

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予想以上に好評のようでしたので、1日で仕上げました。

投稿してこれだけ評価を貰って気づいたのですが、匿名投稿ならもしかしてランキングに載らない感じ…?

今回ですが、描写が増えた分戦闘が入りました。ちくせう。


戦争参加の理由

「あひっ! んッ、これ、このチンポがいいのぉっ!」

「なあボニーちゃん。お前、海賊に戻る気あんの?」

「そんなの無いぃっ! ずっとここで、ジャックハート様の性奴隷として生きたいのぉ!」

「よく言った」

 

 シャボンディ諸島における天竜人傷害事件。

 主犯である麦わらの一味が王下七武海の一人、「バーソロミュー・くま」の手により完全崩壊し一件落着したその事件。

 しかし、ジョー・ジャックハート中将にとっては麦わらの一味がどうなったかよりも、現在進行形で犯している女であるジュエリー・ボニーを自分の手元に置けたということの方が重要だった。

 

「ケハハハハッ! ケツに書かれた正の字がもう4つ目に突入すんぜ?」

「あはんっ、も、もっとっ! もっとザーメンが欲しいのっ! ジャックハート様の濃厚ザーメン、注いでぇっ!」

 

 両手には海楼石の手錠を掛けられ、その両腕を吊るし上げられた状態での立ちバック。

 膣内射精した回数をボニーの尻に書いており、すでにその正の字は三つ完成しており、それはボニーの膣内にすでに15回射精が行われたということだった。

 

「……ぐっ、16発目だ……ありがたく受け取れぇっ!」

「ああぁんっ! ま、また来たぁ……!」

「はは……。そのうちケツに書ききれねぇほどにザーメンぶち込んでやるぜ」

「もっと、もっとだぁ……! その精液で、ウチを孕ませてくれぇ……」

「生意気な女は嫌いじゃねぇ。上等だ……ッ!」

『じ、ジャックハート中将! お楽しみのところ申し訳ありませんが、少しよろしいでしょうか!』

「……チッ。んだよ……こっからだってのに」

「あんっ」

 

 これから30連戦ほどしようかと考えていた矢先、部下のノックにより邪魔される。

 しかし、これでも一応海軍本部中将。

 ボニーの膣から肉棒を引き抜き、服装を直して扉を開ける。

 

「なんだ」

「ご報告いたします。火拳のエース公開処刑により想定される『白ひげ海賊団』との戦争に、海軍本部の中将は強制参加と―」

「却下。男ばっかのとこに行って殺して、んで金も貰えねぇ。行くメリットが見つからねぇ」

「“女帝”ボア・ハンコックも参加するとのことですが」

「……へぇ。一回……いや、一生手元に置いときてぇと思ってたハンコックが来る、か」

「女帝は極度の男嫌いと聞きます。この戦争でもし王下七武海を抜けでもしたら……」

「海賊やってた余罪で捕まえられる、か」

 

 いつも通り不機嫌そうに扉を開けたジャックハート。

 話の最初を聞いているうちも、その機嫌は直らなかった。

 しかし、とある人物の名前が出てからその表情に嬉色が入る。

 

「世界一美しい絶世の美女。是非とも、俺の子を孕んで欲しいものだ」

 

 “女帝”ボア・ハンコック。王下七武海の紅一点であり、世界一の美女と謳われるほどの女性。

 ジャックハートが狙わない理由がなかった。

 

「よし分かった。参加してやろうじゃねぇか。頂上戦争!」

「……その旨、センゴク元帥に報告してまいります」

「あぁ、ご苦労」

 

 部下がセンゴクの元へ向かったのを確認して、扉を閉める。

 

「そっかそっかぁ。ハンコックが来んのかぁ……!」

 

 猛獣のような獰猛な笑み。

 それを浮かべながら再びボニーの元へと戻って来たジャックハートは、勢いよくズボンを下ろした。

 

「そうだよなぁ。どうしちまってたんだ、俺ぁ。もしかしたら、他にも若い飛び切りにいい女がいるかも知れねぇ……」

「っ、んひぃっ!?」

 

 いきなりジャックハートの怒張で膣を貫かれたボニーから、情けない悲鳴があがる。

 

「ボニーちゃん! さっきは追加で30連戦ほどしようと思ったが、気が変わったっ!」

「えっ……!」

 

 すでにジャックハートの性奴隷になったボニーにとって、その宣告は衝撃的なものだった。

 この部屋にいる他の女に取られるかも知れない。そう思ったボニーは―

 

「その3倍の90連戦だ……! ハンコックを孕ませるって想像しただけで興奮する……。寝かさねぇぜ、ボニーちゃんッ!」

「あひぃんっ!」

 

 ―ただただ押し付けられるその快感に、身を任せるしかなかった。

 

 

 ◇

 

 

「ジャックハート様に相手にしてもらえないなんて、ヒナ傷心」

「そう言うなよヒナちゃん。今は、この子が大切だからな」

「えぇ。この歳の女海兵で赤ちゃんを身籠ることができるなんて、ヒナ感激」

 

 ボニーの尻に合計21個の正の字と一本線を引き、一旦シャワーを浴びることにしたジャックハート。

 彼の身体を洗っているのは、一人のお腹が大きく膨れた女性。

 そのお腹以外は完璧なスタイルを誇るその女性は、体を使ってジャックハートを洗っていた。

 

「無事産まれたら、すぐに二人目を作ろうな」

「ジャックハート様……!」

 

 彼と年齢差は少しあり、ヒナが年上。

 しかし、外見はジャックハートの好みに合っていたため任務中の性処理に彼女の身体の三つの穴使わせてもらっていたのだ。

 そしてその結果が、ヒナの今のお腹の状態である。

 

「今日でちょうど9か月目よ。……ヒナ、不安」

「大丈夫だって。俺とヒナちゃんの子だぜ?」

 

 ヒナのお腹の中には現在、ジャックハートとの子どもがいる。

 ヒナの妊娠が発覚した時こそ海軍本部が驚きに包まれたが、相手がジャックハートだと分かると一瞬でほとぼりが冷めた。

 

「……そうね。スモーカーならともかく、ジャックハート様ですもの」

「そうそう。……スモーカーか。あのカス、たしぎちゃんに手ェ出してたら殺してやる」

 

 足の裏や指の間、果ては肛門まで、ジャックハートの全身を自分の体で洗っていくヒナ。

 彼のその言い分にくすり、と笑ったヒナだったが、さすがに同僚を強姦するのはアウトだ。

 

「たしぎちゃんは、ちゃんと口説き落としてからよ? ヒナ、叱責」

「わぁってるよ。……あっ。てかヒナちゃん。海賊で俺好みの女知らない?」

 

 現在、ジャックハートの部屋にいる性奴隷たちは6人。

 それだけの数がいながらも、ジャックハートは新しい女を求めているのだ。

 

「そうねぇ……。……麦わら」

「あん?」

「麦わらの一味に二人、ジャックハート様好みの娘がいたはずよ。ヒナ、確信」

「なるほどねぇ……。麦わら、か。くまに壊滅させられたが、女だけ生きてたらいいんだが」

「ふふっ、相変わらずね。……んぅ、ちゅむ……ちゅっ……」

 

 愛おしそうに彼の身体を洗い、綺麗になったところにキスを落としていくヒナ。

 もちろん、身篭らせた相手にそんなことをされて我慢できるジャックハートではない。

 

「ヒナちゃん。しゃぶって」

「はい……。んぐっ、ぐぷぷぷ……」

 

 勃起した肉棒をヒナに咥えさせる。

 25cmを軽く超える巨根を喉奥まで使って全て咥え込み、そのままジャックハートに向かって上目遣いで強請る。

 

「はっ。そのまま動け」

「ずちゅ……ぐぽっ、んぐ、がっぽ、じゅぽ……」

 

 ジャックハートにより鍛えられたヒナの口淫。

 彼女の身体による洗体を受けていたジャックハート。彼の肉棒をヒナが咥えた時点ですでに彼の性的快感は高まっていた。

 

「じゅぷ、んぶっ、ぐぷ、んっ……じゅるるるるる……!」

「くっ、あぁ……! ヒナちゃん……っ!」

「んぶぅ!?」

 

 彼女の舌使いに達しそうになった瞬間、ジャックハートはヒナの後頭部を掴み、彼女の顔を思い切り自分の腰に押し付けた。

 そして―

 

「っ、らぁ……っ!」

「んぅっ……! ……んっ、ふぅ……」

 

 ―ありったけの精液を、ヒナの口内に射精した。

 あまりの量に一瞬息が詰まってしまったヒナが、その男の匂いにうっとりとした表情を浮かべて鼻から息をゆっくりと吐いた。

 

「ふぅ……。さ、ヒナちゃん。飲んで飲んで」

「こく……こく……んく。……飲んだわ。ヒナ、完飲」

「よくできました」

 

 口内に出した精液全てを飲み干したヒナの頭を撫でるジャックハート。

 

「ありがと、ヒナちゃん。お陰で完全復活だ」

「喜んでもらえて何よりよ」

 

 立ち上がったヒナの肩を抱き、シャワールームから出る。

 

「……ジャックハート中将。彼女は、一応現在安静にしていなければならないはずだが?」

 

 パスローブに着替えた二人を待っていたのは、ここ海軍本部の長、センゴク元帥だった。

 

「ヒナちゃんが、俺に奉仕したいって言ってきたんですよ? センゴクさん」

「何……? ヒナ大佐、それは本当かね」

「はい」

 

 ヒナの即答を聞き、何とも言えない表情で頭を抱え出したセンゴク。

 

「まあ、良い。お前たち二人の問題だ」

 

 導き出した答えは、スルーだった。

 

「ジャックハート中将。白ひげとの頂上戦争について、話しておくことがある」

「俺に?」

「あぁ。ガープでも誰でもない、お前にだ。ついてきてくれるか」

「あーい。ごめんね、ヒナちゃん。また明日」

「えぇ、また明日」

 

 俺には言わないのか、と内心ショックを受けているセンゴクの後ろを、ジャックハートはついていくのだった。

 

 

 ◇ ◇

 

 

「ちぃーす。……ってみなさん。どうしたんです、こんなとこで」

「そらぁこっちのセリフじゃぁ。センゴク。わしらをこんな狭い部屋に集めて、一体何をするつもりじゃ」

「もう深夜なんですし、寝させてくださいよぉ」

「今回ばかりは、クザン君に同意するよォ〜」

 

 センゴクが向かった先にあったのは、ごく小さい会議室だった。

 ジャックハートがそこの扉を開けて中に入ると、そこにいたのは三大将の全員だった。

 

「……ジャックハート中将。今回の頂上戦争、お前には前線で暴れてもらう」

「本気ですか、センゴクさん」

「本気だ。……本気で白ひげとやり合うからこそ、お前を防衛に使うには惜しい」

「待ていセンゴク。……それとわしらが、どう関係する」

 

 センゴクの言葉に疑問をぶつけたのは、赤犬ことサカズキ。

 ジャックハートの配置だけならば、わざわざ三大将を集める必要もない。

 

「止めておいて欲しいからだ」

「止める? ジャックハート中将を?」

「あぁ。……今から六日間。ジャックハート中将に禁欲を命ずる」

「……なるほどねぇ」

「こりゃぁ、わしらが必要なわけじゃ」

 

 センゴクの口から出たのは、意外なものだった。

 

「……あ? 禁欲、だと……?」

「そうだ。酒、女、殺人。それ以外にも多くのものを、戦争が始まるまでの間、禁止する」

「冗談よせよ。なんで俺がそんなもん飲まねぇといけねぇ」

「お前は自分の好きなものを禁止されると、そのストレスから凄まじい力を発揮する。それを、今回の戦争で使う。無論、活躍次第では報酬はお前の望み通りに出す」

「舐めんなよ。……禁欲ぐらい、一人で出来る」

 

 ジョー・ジャックハートは元来、自由人だ。

 どちらかと言うと海兵よりも海賊に近い性格をしている。

 今まで我慢することなく、自分の欲しいものは正義の名の元に奪ってきた。

 

「だがよォ。あんたらの力で、この六日間は俺の周りに誰も近づけねぇようにしてくれ」

「信じていいんじゃな、ジャックハート中将」

「もちろんっすよサカズキさん。……俺の大事な大事な六日間を使って殺すんだ」

 

 ―簡単に死ねると思うなよ、白ひげ。

 

「っ!」

「……おっかないねぇ……」

「こりゃあ、すごい」

「たまげた奴じゃ……!」

 

 彼が発した言葉は、海軍本部元帥であるセンゴクと三大将ですら威圧される程に、殺意の籠ったものだった。

 

「修練室。そこを使います。飯は戸の外に」

「……あぁ、分かった」

 

 ジュエリー・ボニーという新しい女を手に入れ、過去に捕まえてきたミス・ダブルフィンガーやミス・バレンタインの調教、そして海軍外に作っているジャックハートの性奴隷達に手を出さない。

 その制約を、自らの手で課したのだ。

 

「……じゃあ、俺はこれで失礼します」

 

 ジャックハート一人が部屋から出ていく。

 恐らく、言葉通り修練室に向かったのだろう。

 

「サカズキ、クザン、ボルサリーノ。……もしも、ジャックハートが戦争そのものを壊しかけた時は、共に止めてくれ」

「承知」

「ま、やらないと死んじまいますしね」

「やってみるよォ……」

 

 これで海軍の戦力は最強になった。

 

 そう確信した、センゴクだった。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

「殺す」

「いきなりおっかないこと言ってんじゃないよ。ジャックハート」

「あぁ、おつるさんか。悪いが話しかけないでくれ。気が散る」

「こりゃあ、本物だね……」

 

 時は一気に流れ、火拳のエース公開処刑当日。

 センゴクに言われていた通りマリンフォードの広場に来ていたジャックハートは、周りの海兵からも恐れられるほどに殺意を発していた。

 

「だってそうだろ? ……今から来るアホどもは、全員ほとんど賞金首。そいつらぶっ殺せば、人魚のハーレム作れるぐらいの稼ぎにはなる」

「動機が不純なのもどうかとは思うが、あんまり周りをビビらせんじゃないよ」

「ケハハ、そりゃ無理だ」

 

 この日のために、自分は六日間、全てを我慢してきた。

 欲求を忘れるために自らの身体を苛め抜き、瞑想し、そして飯を食って寝る。

 ジュエリー・ボニーや他の性奴隷達との交わりを自分で禁じ、白ひげへの殺意を少しずつ鋭利なものにしてきたのだ。

 

「来たぞおおおおっ!」

「海賊船の大艦隊だぁっ!」

 

 その声に、思わず心臓が高鳴る。

 周りの海兵達に緊張感が高まり、いつ戦闘が始まるのかと冷や汗を流す者もいる中、ジャックハートは一人笑っていた。

 

「……おつるさん、行ってくるわ」

「はいよ。やり過ぎないようにね」

「善処しよう」

 

 剃で一気に前線まで上がる。

 何故か開いた『正義の門』から見えるのは、「白ひげ海賊団」の傘下の海賊達。

 肝心の白ひげは、まだ現れなかった。

 

「……この音、コーティングか?」

 

 しかし、異常に研ぎ澄まされたジャックハートの耳が白ひげの位置を捉えた。

 

「わ、湾内に侵入されました! モビー・ディック号、次いで三隻の白ひげ海賊団の船です!」

「分かってんだよんなこたァ……!」

 

 海兵の誰かが狼狽えるように叫ぶ。

 その声すらも、ジャックハートはストレスに感じていた。

 

「俺の愛する息子は、無事なんだろうな……!」

「白ひげぇ……!」

 

 マリンフォードの湾内に現れた、コーティング加工済みの白ひげ海賊団の船たち。

 一番大きいモビー・ディック号の上に立った白ひげが、両拳を横に振るう。

 

「……」

 

 白ひげが放ったのは、文字通り海をも震わせる『海震』

 そして狙いは、そこから派生する津波だった。

 

「氷河時代ッ!」

「ナイスっすよぉ、クザンさん……」

 

 マリンフォードを挟み込む形で襲いかかってきた津波が、青雉ことクザンの手で凍らされる。

 白ひげ率いる海賊艦隊が、マリンフォードに上陸するまで後数分もない。

 ジャックハートはそう確信していたのだ。

 

「両棘矛! ……あらら」

 

 津波を凍らせるために飛び上がった青雉がついでに白ひげに直接攻撃をしかけるも、『グラグラの実』の力によってその身体ごと砕かれる。

 自然系であるクザンが簡単に死ぬことはないが、彼が湾内に落ちたことにより、海が凍った。

 

「さァ……。戦闘、開始だ」

「うおおおおおおおっ!!!」

 

 ジャックハートの小さな呟きを軽く消してしまうほどの怒号。

 

「俺たちの力を見せてやれっ!」

 

 白ひげ海賊団達が、凍った湾内に降りてくる。

 他の海兵たちとともに、ジャックハートも降り、最前線に上がる。

 

「死ねぇえええ!」

「てめぇだよ」

 

 襲ってきた海賊に対し、『鉄塊』で固めた右手を超速で首に伸ばす。

 すると男の首に衝撃が入ることはなく、頭と胴体がぶちり、という鈍い音を立てて分離した。

 

「まずは1500万ベリー」

「お、お前ええ!」

「殺してやる!」

「くたばれえっ!」

「だからそれは―」

 

 白ひげ海賊団傘下の海賊達の手配書は全て頭に叩き込んできたため、顔と賞金額は覚えている。

 剃で一瞬にして上空に飛び上がり、『嵐脚』で襲ってきた男達を脳天から切り裂く。

 

「―てめぇらだっての」

 

 冴え渡る闘志。それは、敵味方関係なくジャックハートを一目見た瞬間に分かることだった。

 

「張りあいがねぇなぁ……。……せっかくここまで我慢したってのによォ」

 

 既に周りは戦いが激化しつつある。

 ミホークの斬撃を白ひげ海賊団のジョズが受け止め、黄猿の攻撃をこれまた白ひげ海賊団のマルコが受け止め、赤犬の牽制も白ひげ本人には効かなかった。

 ならば、自分が殺すだけだと、叫ぶ。

 

「降りてこいや!! クソジジイがァッ!!!!」

 

 周りの何十万人の戦闘音すらをも遮ってしまうほどの気迫。

 ジャックハートが若くして中将に就くことになった、本当の実力が見せつけられることとなる。

 

「親父の元に行かせる……ガっ!?」

「覇気使えねぇゴミが邪魔すんな」

 

 3度襲いかかってきた海賊の目を指で文字通り潰す。

 覇気が使えない者ならば、目を潰せば戦闘能力は大幅に減る。

 

「い、痛ぇよぉおぉっ!」

「なら楽にしてやろう」

 

 右脚に武装色の覇気を纏い、見聞色の覇気で目の前にいる男のどこを狙えばいいかを決め、そして―

 

「『覇王脚』ッ!!」

 

 ―覇王色の覇気を同時に使用することで、周囲の敵に同じダメージを負ったと錯覚させる。

 覇王色と武装色を纏った蹴りが男の顎を砕き、その衝撃で首をへし折る。

 そしてそのダメージを周りの敵も自分が受けたと錯覚し、絶命した。

 

 ジャックハート命名、覇王の一撃。

 

 3つの覇気を完璧に使いこなせるようになったからできる究極の技。

 厄災の如く一瞬で海賊を葬り去っていくことから付けられた名前が、『天災』

 

「カァッ!!」

 

 当たり前のように覇王色の覇気を辺りに撒き散らし、見聞色の覇気で見た景色から効率の良い移動を見つけ、武装色の覇気で一撃で殺す。

 

「生ぬるいぞぉ! 白ひげぇっ!!」

 

 ジャックハート以外の海軍本部中将達でさえ、近くにいれば意識が吹き飛んでしまいそうな覇王色。

 それが、常時海賊達に向けて放たれる。

 

「ハッ! 耐えきれねぇゴミが来んじゃねぇよ、ここに!」

 

 気絶していく海賊共の喉笛を、鍛え上げられた握力を誇る指に武装色の覇気を纏わせ、引きちぎっていく。

 

「ジャックハートを殺せぇえっ!」

「奴を止めろぉ!」

 

 もちろん白ひげ海賊団達も、ジャックハートのその暴力を無視しているわけではない。

 銃に斬撃、悪魔の実。

 無数の攻撃がジャックハートに襲いかかるも―

 

「道具にしか頼れねぇ奴に、負けると思ってんのか?」

 

 ―ジャックハートに、傷はつかない。

 

「な、んで……!?」

「そいつは、覇気と六式を完璧に極めてんだよい。生半可な攻撃じゃ皮膚に傷すらつけられねぇよい」

「マルコ……!」

 

 ジャックハートの目の前に現れたのは、白ひげ海賊団一番隊隊長の『不死鳥マルコ』

 彼にとって最高の獲物が現れた。

 

「ケハハハッ! 分かってて出てきたのかよ、『腰抜けマルコ』」

「……ッ! てめぇは、俺ら海賊にとっちゃ生きてちゃならなぇ存在だよい」

「ケハハ! そりゃお前らの方だ。市民の平和を乱してんだからなぁ」

 

 マルコの蹴りとジャックハートの拳がぶつかり合う。

 

「うっ、ぐ……!」

「ほれ見ろ。肉体を鍛えてねぇから、防御されただけで痛ぇんだ」

「バケモンが……」

「何が化け物だ。見聞で察知した箇所を武装で固める、ただそれだけじゃねぇか」

「……っ、クソッ!」

 

 簡単に言っているが、ジャックハートがやっている事は普通は不可能に近い。

 戦闘中に常に見聞色で周りを感知し、やって来る攻撃に合わせて武装色を纏う。

 その両方が世界トップクラスを誇るジャックハートに、隙は無かった。

 

「マルコさん!」

「アンタはここで足止めを受けちゃダメだ!」

「……すまねぇよい!」

 

 故に、ジャックハートを止めるならば戦法は限られてくる。

 能力は効きにくく、超速近距離戦闘を得意とする彼に対抗するにはとある戦法しかまともに通じないのだ。

 

「また逃げたか、腰抜け」

「俺らが相手だジャックハートォォオッ!!」

 

 多対一による時間稼ぎ。

 およそ200人の白ひげ傘下の海賊達が、ジャックハートを囲うように陣取る。

 

「逃がさねぇぞ! 他に行きたきゃ、俺らを殺してから行けぇええぇ!」

「最初から……そのつもりだッ!」

 

 360°から襲いかかる海賊。

 その彼らが自分の元に辿り着く前に、ジャックハートは右脚を上げた。

 

「何を……!」

「嵐脚・『六破(りっぱ)』」

 

 どんっ、とそのまま強く地面を踏みつけると、そこからまるで這うように六方向に斬撃が飛んだ。

 

「ぐああああっ!」

「怯むなァァアッ!」

「雑魚は引っ込んでろやああぁッ!」

 

 その斬撃を受けた者に反応してほんの少しだけ足が止まった瞬間に、その隙を見逃すことなく覇王色を放つ。

 

「ケハハハハッ!! 1:1なら、六式を使うまでもねぇ!」

「ぐああっ!」

「ぎゃあああっ!」

「こ、こいつ……止まらねぇ!」

 

 肋骨を殴り折り、一人を数十メートル程蹴り上げる。

 敵を仕留めたら直ぐに次の敵へ。

 能力を発動する暇も、照準を合わせる暇も与えずに一瞬で駆けていく。

 

「つ、強ぇ!」

「違ぇよ! てめぇらが弱すぎるだけだ!」

 

 すでにジャックハートの身体は上半身を中心に返り血で染まっており、200人のうちのほとんどが悲鳴すら上げずに瞬殺された。

 攻撃が通らず、逆にジャックハートの攻撃でいとも簡単に倒れていく仲間を見て、囲んでいた残りの海賊が後ずさる。

 

「ケハハッ。喧嘩吹っかけといて逃がすと思うか? ……てめぇら全員、皆殺しだ」

 

 ジャックハートを中心に、紅い花が咲いた。

 

 

 時を同じくして。

 

 

「なんだアレは……! 一人だけ、別次元じゃねぇか!」

「ジャックハートの強さは、お前も知ってるだろう。エース」

 

 処刑台の上で火拳のエースは驚きを隠しきれなかった。

 彼の叫びに隣に立っていたセンゴクが至って冷静に返す。

 

「知っているッ! でも、あの強さは異常すぎるだろうが!」

「それはジャックハートが異常、では終わらんからじゃ」

「っ、ガープ……貴様」

「じじい……」

 

 センゴクとエースだけがいた処刑台に、ガープが登る。

 海軍本部中将という同じ地位にいるだけあり、彼はジャックハートのことをよく知っているのだ。

 

「あいつは鍛えた。女を惚れさせるため、という名目が最初だった。……じゃが、そこからさらに六式と覇気を鍛えた。ただかっこいい、強い奴になりたいからという理由での」

「そ、それだけでアレだと!?」

「……鍛え、鍛え上げ、極め、極め抜いた。いや、極めすぎたんじゃ」

「極めすぎただと……? どういうことだよ、じじい!」

 

 どこか寂しげな表情で湾内にいるであろうジャックハートの方向を眺めるガープ。

 

「簡単じゃ。その結果奴は、無条件反射の次元で覇気が使えるようになった」

「……なに?」

「戦闘では常に見聞色で周囲を完璧に把握し、攻撃が触れる直前に武装色を纏う。それをあいつは、ほとんど意識せずに行っておる」

「そんなの……!」

 

 攻撃が通るはずがない、とエースは心の中で叫ぶしかなかった。

 叫んでしまえば、戦っている自分の仲間たちの士気を下げてしまうからだ。

 

「世界最強クラスに鍛えられたあいつの覇気は、並みの攻撃じゃ貫通できん。……事実、億越えルーキーの一人を、デコピン一発で落とした」

「どこまでも、規格外か……」

 

 現在は違う意味で堕ちているが、それこそ今は関係のないこと。

 

「諦めろ、エース。白ひげは、ここで終わる」

 

 当然のことのように、ガープはエースにそう言い放った。

 

「親父が負けるわけねぇ!」

「ジャックハートのあの強さを見てもか」

「ぐっ……!」

「それに、ジャックハートはこの戦争、白ひげに一番殺意を抱いている」

 

 なぜだ、という疑問を込めた睨みを、センゴクに向けるエース。

 圧倒的な強さを見せつけられながらも彼は自分の仲間を信じていた。

 

「ジャックハートには今回の戦争に向け、禁欲させた。全ては白ひげのせい。奴のせいで、自分は女が抱けないのだと、自分で思い込むことによって今日まで耐え抜いた」

「なっ……てめぇら……!」

 

 何もかもを白ひげのせいにした上で、殺す。

 死ぬのは自分だけでいいはずだ、ということも叫ばずに、エースは戦況へと目を戻した。

 

「悪く思うな。やつは海賊。そして俺たちは海軍だ」

 

 互いが戦うのは、当然だった。




続々とぶち犯すリストに名前が増えていっています。


コメントや評価など、お待ちしています。

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