ここから2、3話挟んでから過去編に入るか、飛ばして新世界編です。
劇場版のキャラって、良くも悪くも日常パート少なすぎて何にも参考にならねぇ……。
一人、氷とカクテルが入ったグラスを煽るジャックハートの元に、一人の男が笑みを浮かべて近づいてきた。
「これはこれはジャックハート大将。私のところをご贔屓にしてくださっているとは、光栄です」
「やっぱここが当たりやすくて気分がいいし、何より専用の待遇までしてくれるんだ。通わねぇ理由なんてねぇだろ、テゾーロさん」
「それほどのお褒めの言葉まで頂けるとは、ありがたい。……正直、ジャックハート大将がここに通ってくださるお陰で、煽てれば散財してくれる天竜人がホイホイと集まるので」
「だろうな。滅多に下に降りねぇあの人たちに情報吹き込みまくってるからな。これからも金づるにしてやれ」
「それはもう、遠慮なく」
ぼんやりとした灯だけが男2人を照らす部屋。
新世界を自由に航海するこの船の名は、グラン・テゾーロ。
天竜人を忌み嫌っていたテゾーロだったが、目の前に座るジャックハートがその天竜人を手なずけていることを知り、彼の方からジャックハートへと交渉を持ちかけたのだ。
「てかいいのかよ。俺に金粉かけなくて」
「かけたところで、あの速度の”剃”と”覇王色”があっては太刀打ちできないので。ジャックハート大将と戦うか、良い関係を築くか。ただその後者を選んだだけです」
「そりゃそうか。……にしても、あんたも変わったな。天竜人を金づるにするとはいえ、関係を蜜に持つとは」
「……それも、ジャックハート大将のお陰ですよ。生涯天竜人を目の敵にして生きるより、どうせなら手のひらの上で遊ばせた方が面白い。そう考えるだけで、随分と楽です」
そう言って、柔和な雰囲気を醸し出しながらテゾーロが赤ワインが入ったグラスを呷る。
それに続くようにして、ジャックハートもグラスを傾けると、カランと高い透き通った音が重厚な壁に覆われた部屋に響く。
「それにしてもジャックハート大将。相変わらず、夜の方は絶好調なようで」
「あん? ……あぁ、女たちとのセックスのことか。自分で言うのもアレだが確かに絶好調だな。最近は特に、俺の体を完全に自分のモノに出来ている感覚がしててな。体力の回復速度も速ぇし、何もかもが成長してる」
「まさに成長期、ですか。頼もしいことだ。天竜人をカモにするパートナーとして信用しているあなたがさらに強くなるのは、私としても嬉しい限りです」
「ケハハ。俺も、グラン・テゾーロではかなりいい思いをさせてもらっている。あんたとはこれからもいい関係を続けていきてぇし、助け合いたいとも思っている」
二人の関係は、やや歪なビジネスパートナーのようなものだ。
数年前、ジャックハートが自身の少将昇進祝いでグラン・テゾーロを訪れた際、海軍の将来を担う候補筆頭としてこの船の主であるテゾーロと知り合った。
当時は自身の生い立ちのこともあり天竜人を目の敵にしていたテゾーロだったが、ジャックハートとの会話で彼らにいちいち振り回されているような状況に気づき、変えた。否、変わった。
「金はこの世で最も分かりやすい力だ。ガキでも分かる力を、奴らから毟りとる」
「それができるのも、天竜人の間でジャックハート大将がグラン・テゾーロを気に入っているという情報が流れているからです。あなたは信頼という餌で天竜人をここに誘い、私はその見返りを払う。至って単純、シンプルだ」
「ケハハハ。そうさ、難しいことは何もねぇ。互いに気分良く生きるだけ、だな」
空になったグラスに自分でカクテルを注ぎ、飲み干していく。
性豪であり戦闘狂であるジャックハートだが、実はかなりの酒豪でもある。
そんな彼の酔い癖は至って単純。普段の彼から分かるその性欲の強さに歯止めが利かなくなる、超絶倫状態になるのだ。
「……なぁテゾーロさん。あんたにゃ悪いが、俺ァいつまでも男二人で酒飲む趣味はねぇんすけど」
「まぁまぁ、もう少しだけ待ってください。今日はジャックハート大将の昇進祝いに、いつものコンパニオンともう一人、つい最近ここに入ったジャックハート大将好みの女性を用意しているんです。きっと、喜んでいただけるかと」
「ほう。じゃあここに連れてきている15人にその二人を加えて、一日中堪能しようとするか」
「はははっ、どうかお手柔らかに……っと、来たようですね」
テゾーロがジャックハートに唯一と言ってもいい注意をしたところで、扉から軽いノック音が三回聞こえた。
それに合わせテゾーロが立ち上がり、部屋を後にするべく扉の方へと向かう。
「ではジャックハート大将。どうか、最高の時間をグラン・テゾーロでお過ごしください。イッツァ、エンターテインメンツッ!」
そう高らかに告げ、テゾーロは扉を開けて外に出た。
付近に待機していたであろう女性と一言二言交わし、テゾーロの足音が遠ざかっていく。
そして、ジャックハートだけが残ったVIP専用部屋に、二人のスタイル抜群の美女が二人入室した。
「いつもありがとうございます、ジャックハート様。今日も一段とクールで、セクシーなあなた様と過ごせることを、とても光栄に思います」
「よおバカラちゃん。さ、いつも通り横に来な。もう一人の子は、俺の左に」
「はい」
「かしこまりました」
ここでのジャックハートの扱いは、あくまでも客。
海軍大将という大きすぎる肩書きもあるが、先ほどからテゾーロとコンパニオンたちがへりくだった態度を取っているのは極上のサービスを提供するためである。
この男にとっての極上のサービス。それは、言わずもがな美女との交流である。
「また私と過ごしてくださるなんて、そんなに気に入ってくださったの?」
「あぁ。バカラちゃんとは随分と相性がいいみたいでな。……君は?」
「グラン・テゾーロでの歌姫をさせてもらっています、カリーナと言います」
「へぇ……。”東の海”で女狐って呼ばれてた盗賊が、こんなところで歌姫とはな」
「っ!? あ、なた……。それを、どこで……」
壁に沿うようにしてコの字に設置されたソファ。入り口から見て再奥に座るジャックハートの左にバカラが、右にカリーナという女性が座る。
ジャックハートと二人の体の距離は無く、ジャックハートの体の側面に二人の露出した素肌が触れている。
そのうちの一人、カリーナの表情がジャックハートの言葉で青ざめたものへと変わる。
「安心しろよ、リークなんてしねぇ。3年前に民家の裏で二回戦ほど愛し合ったのを覚えてねぇか?」
「っ! あの時の海兵が、ジョー・ジャックハートだったなんて……!」
「ケハハハ。あん時よりも気持ちよくイカせてやるよ。随分と成長していい女になったな。こりゃ、愛しがいがありそうだ」
二人の出会いは3年前の東の海にある小さな島だった。
盗賊として少しばかり名をあげていたが、まだ賞金首までにはなっていなかったカリーナを捉えたジャックハートが、見逃す代わりに肉体関係を求めたのだ。
抵抗する術がなかったカリーナはそれを受諾。正常位と後背位でジャックハートが二回膣内射精する間に、カリーナが10回を超えて絶頂したのが慣れ初めだ。
「あら、二人とももう知り合いなの?」
「そうだな。じゃあ早速始めるか、バカラちゃん」
彼のグラン・テゾーロでの扱いは、VIPの中でもさらに破格の待遇で迎え入れられる言わば超VIPのようなもの。
VIP専用コンシェルジュのバカラとステージ上での歌姫のカリーナという二人の重要な人間を、コンパニオンとして丸一日テゾーロの方から貸し出すほどであり、それによってジャックハートを引き止めることができるのなら構わない、とテゾーロも考えている。
「かしこまりました。この後はどうなさいますか?」
「ちょっと時間潰したら俺が泊まってる部屋に行こう。最近ここに来れなかった分、たっぷり愛してやるよ」
「ふふっ、随分とエキサイティングな夜になりそうね。楽しみにしています」
上半身をジャックハートに凭れさせるバカラ。
左腕でジャックハートを抱きしめて自分の身体を押し付け、右手でジャックハートの股間を優しくまさぐる。
「もう準備万端?」
「あぁ、そりゃあな。これからこの2人の極上の美女を抱くんだ。ホモ野郎でもねぇ限り、普通の男は興奮するに決まってんだろ」
「ジャックハート様が普通の男性とは思えないですが、私たちを魅力に感じてくださり、1人の女として嬉しく思います」
「ケハハ。……じゃあ悪ぃがバカラちゃん。一発頼んでいいか?」
「はい。口か胸、どちらで?」
「口で頼む」
ジャックハートのその言葉を聞いたバカラがテーブルの下から彼の開かれた両脚の間に入る。
「じゃあ下はバカラちゃんに任せるとして、上はカリーナちゃんに楽しませてもらおうか」
早速バカラがジャックハートのズボンを脱がし、やや勃起状態になっている陰茎を手袋をつけたまま手淫し始める。
擦るたびに少しずつそのサイズを大きくしていく陰茎は、あっという間にカリーナが知っているジャックハートの陰茎の大きさを凌駕した。
「っ、おっきい……。前は、そんなじゃなかったのに……」
「おいおいカリーナちゃん。俺らの初めては3年前だぜ? そん時はまだ俺は15だ。あれから体も何もかも成長したに決まってんだろ。もちろん、テクも上げたぜ?」
「……本当に、楽しめそう」
「ケハハハハハッ! そうさ、いちいちへりくだられたら俺も違和感しかねぇ。バカラちゃんはそういう言葉遣いと態度だが、カリーナちゃんももっと自然に振る舞ってくれよ」
「……ウシシっ! そうするわ。よろしくね、ジャックハート様」
彼の指示により、VIPへの接客態度から一人の女性のそれへと変わる。
やや強張っていた彼女の表情からその固さは消え、柔らかい笑みを浮かべると同時にジャックハートの上半身に凭れかかった。
「どうしたよ。えらく積極的だな」
「だって、ジャックハート様とのセックス以来、自分で慰めても満足にイケなかったんだもん。今日久しぶりに抱いてもらえるなんて、今からでも興奮しちゃう」
「ケハハッ! すっかり淫乱だな。別に、その呼び方じゃなくてもいいんだぜ?」
「いいの。私が好きで呼んでるだけだから。……そんなにおっきなオチンポで、あの時以上のテクニックでしょう? もう、ハマって抜け出せなくなりそう」
「もうなってんじゃねぇのか? ま、安心しとけ。イヤでもハマらせてやるよ」
カリーナの背後から回されたジャックハートの左手がドレスの中にあるカリーナの大きな胸を直接揉みしだく。
本番ではなく焦らすだけ、ということもありゆったりと優しく動かされている手だが、カリーナの頭の中には3年前のジャックハートの強烈な責めが浮かび上がっていた。
「ジャックハート様。口での奉仕を始めさせていただきます」
「おう、よろしく頼む」
「じゃあ私はジャックハート様をキスでおもてなしするわね」
「あぁ」
そう言って、バカラはジャックハートのそそり立った肉棒に唇を当てて喉奥まで一気に咥え、カリーナはジャックハートの肩に両腕を絡ませて唇を彼の唇に強引に重ねた。
「ぐぽっ、んぐっ、じゅ、ぐぷぷ……! んごっ、じゅぷっ、じゅるうぅぅぅうっ!」
「ちゅむっ、んっ……ちゅぷっ、ぷはっ。ん、あむ、ちゅる……」
顔を前後に動かしながら、文字通り口内全体を使ったバカラの口淫と舌を絡みつかせてくるカリーナからの激しいキス。
カリーナのやわらかく豊かな乳房が体に押し当てられ、かつ美女二人が自分を昂らせるためにしているということもあり、ジャックハートの陰茎がさらに怒張していく。
「ん、ちゅ……。ケハハ。こりゃまたホテル戻っても大量に出ちまいそうだな」
「また?」
「あぁ。ここには海軍の軍艦じゃなくて俺の船で来たんだが、久しぶりにただ女とヤリまくってたんだわ。ホテル着いてからテゾーロさんの準備が整うまでもヤってたら全員くたばっちまってな。そこに二人が追加されるってわけだ」
「今まで何人の女の人を抱いたの?」
「数え切れねぇよそんなの。今ホテルに泊まらせてるのは15人だな。街じゃ、ナンパしてその夜限りってのがほとんどなんだわ」
一旦唇を離し、カリーナとの他愛ない会話に花を咲かせる。
グラン・テゾーロにはジャックハートが所有する船で来ており、その付き添いに数人の海兵を自腹で連れてきている。
操舵や食事の用意など航海に必要なことを全て部下に押し付けて、マリンフォードからグラン・テゾーロのVIP専用部屋に入るまでひたすらに女たちを愛し続けた。
その結果、誰一人として残ることなく、全員が意識を手放したのだ。
「期待してな。今まで体験したことがないようなセックスを見せてやるよ」
「ウシシッ、本当に楽しみっ!」
「てな訳で、だ。かなり早いがここでの時間は終わりにしてぇ。出すぜ、バカラちゃん」
口淫を続けるバカラに視線と言葉で合図をすると、彼女から了承の意が込められたアイコンタクトが返ってくる。
手で優しく撫でるようにしながら睾丸を揉みしだき、舌や頬の筋肉全てを使って竿に刺激を与えていく。
「っと、出るわ」
「んぶ……っ!」
「どんぐらい出たか見せてくれねぇか? 調節して、ほんのちょっとしか出てねぇはずだが」
「あ〜……」
バカラが口を開けると、そこには唾液と混じった白濁液が溜まっていた。
彼の言葉通りその射精量は彼の意思により抑制されており、普段の本番時に射精するときよりもはるかに少ない。
「んく。相変わらずすっごく濃い精液です……。こんなのをいっぱい膣内に射精されたら、孕んでしまいそう……」
「ケハハハッ! いやか?」
「いいえ、むしろウェルカムです。私たち二人を満足させていただけますか?」
「あぁ、約束しよう」
器用にするりとテーブルの下からジャックハートの隣に戻ってきたバカラが妖艶に微笑みかける。
言葉を交わし、グラスに注がれていたワインを口に含む彼女。
彼の精液が解き放たれたとはいえ、これからいくらでも口づけをするかもしれない口をすすぎ、含んだワインを飲み干す。
「さてと、バカラちゃんもカリーナちゃんも準備はできたみてぇだな」
「えぇ」
「ウシシッ! いよいよね」
「あぁ。さ、行こうか。俺たちの愛の巣へ」
ずっと胸を押し当て続けるカリーナとワインに口をつけほんの少しだけ頬が赤らんだバカラを立ち上がらせる。
部屋の外に出るとすぐさま二人共がジャックハートの腕を抱きしめ、その豊かで柔らかい谷間に挟み込む。
「ケハハハッ! 最っ高じゃねぇか、この時間は」
中将に昇進してからしばらくぶりの長期休暇。
一ヶ月という長期間与えられたそれを、ジャックハートは一瞬一秒として無駄にはしなかった。
◇
グラン・テゾーロには様々なホテルが各客層向けに、それこそ値段やサービスがピンキリのものが多数揃えられている。
端金を握りしめて一攫千金を夢見てくる客への安宿。そして、ただ有り余る金と時間を消費したい客のための最高級宿。
テゾーロの性格から高級な宿が大部分を占め、安宿はほぼないに等しい。
「まさか本当に、この部屋を使える人間が天竜人以外にもいたなんて……」
「ケハハ、だろうな。こんなに広くても数人じゃむしろ落ちつかねぇし使わねぇんじゃねぇか?」
「おっしゃる通り。一泊500万ベリーするここに泊まれるのは、本物のVIP。つまり、世界の超大物だけですもの」
二人の美女を引き連れてジャックハートがたどり着いたのは、グラン・テゾーロが誇る7ツ星カジノホテルがある黄金の塔、"
このエリアのおよそ5分の1の広さを誇る客室が、今回ジャックハートにテゾーロから与えられた部屋だった。
「ジャックハート様の海軍本部大将昇進祝いと、数多の女性のご懐妊のお祝いを兼ねて、です。気に入ってくれるだろう、とテゾーロ様からメッセージを頂いています」
「了解。またマリンフォード戻ったらマリージョアに手紙送っておく、って後で伝えといてくれるか。俺が言えば、ホイホイ行くだろうしな」
「かしこまりました。……では」
ジャックハートの腕から両腕を離し、巨大なドアを開けるバカラ。
一度荷物を置きに女たちと来たジャックハートだが、バカラとカリーナにとって今の彼は客。
最高の気分で帰ってもらうために、最上級の
「っ! ジャックハート様っ!」
ドアが開けられると、部屋の中からジャックハートの姿を確認したのか、一人の女が駆け寄ってきた。
黒く美しい長髪をたなびかせ、ぽっこりと膨らんできた身重であるはずのその体でありながら跳ねるように向かってきた彼女は、部屋に入ったジャックハートたちの目の前に止まった。
「おいおいハンコックちゃん。そんなに激しく動いて大丈夫なのか?」
「これでも体の丈夫さには少し自信があるのですが、ジャックハート様がそうおっしゃるのなら控えます」
「な、なぜ女帝がここに……!?」
「ん? そなたか、今わらわのことを懐かしい名で呼んだのは。わらわはもう海賊女帝などではない。ジャックハート様の愛人の一人、ボア・ハンコックじゃ」
いきなり現れた大物海賊
しかし、彼女が驚くのも無理はない。
下腹部に彫られた淫紋、元王下七武海としての威厳など感じさせない従う様、そして何より、膨らんだ腹部がバカラとカリーナの目を引いた。
「ハンコック様! あまり激しい運動をなさると、母体によろしくないかと……」
「説教は先程ジャックハート様から頂いたところじゃ、マーガレットよ。そもそも、そなたも子を、それも二人も身籠っている身。少しぐらい動きたい、という気持ちにはらんか?」
「それは、なりますが……」
海軍本部の医者に見せたところ、ハンコックはおそらく一人、マーガレットは双子を妊娠していることが発覚した。
二人とも初めての妊娠で体に何か変化が生じて体調を崩してしまわないかと心配されていたが、二人の九蛇の戦士としての体の強さもあり、大した不調に見舞われることもなく母子ともに健康そのもののようだ。
「確かに七武海剥奪の記事は出ていたけど……まさか、こんなことになっているなんて……」
「ケハハハ、驚いたか? 新聞屋どもには”俺の恩赦で海軍での奉仕活動”って握らせたが、この美女たち相手に俺がそんなことするわけねぇだろ?」
「はぅ……。ジャックハート様に美しいと言われると、身体が熱く……」
「わらわ達九蛇の女にとって、強さこそ美しさ。これほどの強さを持つジャックハート様に、心の底から惚れてしまっての」
そう言いながらジャックハートの両腕を取り、部屋の奥へと誘導するハンコックとマーガレット。
安定期に入ったとは言えないもののそれだけでジャックハートとの行為が否定されるわけでもなく、むしろ彼女達の方からジャックハートを誘惑していた。
「たしぎちゃんたちは?」
「風呂に入っております」
「よし。ハンコックちゃん、マーガレットちゃん、バカラちゃん、カリーナちゃん。まずは全員で裸の付き合いといこうか」
「かしこまりました」
「俺ぁちょいと電話かける用事がある。先に行っといてくれ」
美女四人を浴室へと向かわせる。
グラン・テゾーロ最大のスイートルームに備え付けられているそこは、浴室もそれはそれは大きいものとなっており、数十人が同時に入っても全く問題のない温泉のような作りになっている。
部屋の奥、今回の訪問でジャックハートの部屋として割り当てられたそこへと向かい、部屋の奥にある電伝虫でマリンフォードに連絡を取る。
「さてと。……あぁ、俺だ。そっちの様子はどうだ? 俺がいねぇ分、大した仕事は入らねぇはずだが」
『お疲れ様です、ジャックハート大将! ジャックハート大将の昇進に合わせて昇進しましたが、ジャックハート大将の休暇明までは確かに大した仕事は入っておりません』
「そうか。俺が昇進したことでの異例の昇進だが、まだ中将だ。気楽にやれよ、マージ」
『はっ!』
電話に出たのは、かつてのジャックハートの部下の中でも右腕として働いていたマージ。
頂上戦争後、元帥となったサカズキが海軍を強くするために行った世界徴兵でジャックハートが大将に昇進し、それに引っ張られるようにして元々はジャックハートがいた中将の地位に就任。
"覇王色"を扱えるようになってきたジョー・ダレスが准尉から少尉への異例のスピード昇進や、ジャックハートの部下が"覇気"や"六式"の扱いに長けてきたことによる一斉昇進など、異例づくしの世界徴兵となっていた。
もっとも、その異常な戦闘能力から一年で大尉になったジョー・ジャックハートと比べれば、どうしても見劣りはしてしまうが。
「って、そんなんのために電話したんじゃねぇんだわ。俺宛に何か連絡なかったか?」
『そうですね……。一人、"東の海"の女性がジャックハートさんに口説かれ、秘書に誘われたのでここで働きたいという人が……』
「何ヶ月前に抱かれたって?」
『2、3ヶ月ほどだと』
「ビンゴだな、そりゃ本物だ。お前の方で迎え出しといてくれ」
『はっ!』
ちょうど空島でナミを直後、空島を離れたジャックハートが偶然降り立った島でナンパした女性。
その彼女と交わった時期と一致していたため、ジャックハートの表情が柔らかくなる。
「他にはねぇか?」
『ドレスローザとアラバスタから、毎日のように電話がかかってきています。休暇なら、自分の国でゆっくりと体を癒して欲しいと』
「そっちは俺が連絡しておく。まあ、最初っから両方行く予定だしよ」
『……どうやれば絶世の美女、それも王女と肉体関係どころか婚姻にまで持っていけるんですか……』
「そりゃあお前、愛に決まってんだろ」
『は、はぁ……』
一ヶ月に及ぶ長期休暇をもらえたことをアラバスタとドレスローザに報告した際に、ヴィオラやモネ、そしてビビの妊娠報告を正式に受けた。
アラバスタに滞在する時にはネフェルタリ・ジャックハートとして、ドレスローザには単純に海軍大将としてきてほしいと言われており、その際に子の名前や今後の生活の取り決めを行いたいらしい。
「あぁそうだ、マージ。お前、"覇気"の訓練は進んでるか?」
『はっ。ジャックハート大将とまではいきませんが、"武装色"に力を入れつつ、二つともを鍛えています』
「ならちょうどいい。休暇明けから修行に付き合ってくれや。俺も、中将時代から何も変わらねぇんじゃ示しがつかねぇ」
『承知しました』
「んじゃな。ま、俺みてぇにとは言わねぇが、それなりに頑張るこった」
ガチャリ、と受話器を置くと電伝虫が眠り始めた。
この一ヶ月の間にドレスローザとアラバスタに再び訪れ、かつ海軍本部大将の名に恥じないような力をつける地盤を固めなければならない。
「……ふーっ。なる前から感じてはいたが、やっぱ海軍大将ってめんどくせぇわ。個人個人の部下を持たなくてもいいのは楽だけどよ」
ゴキゴキと首の骨を鳴らしながら腰掛けていた椅子から立ち上がり、本来の目的地であった浴室へと向かう。
このスイートルームがある黄金の塔の下層にあるカジノの喧騒などはもちろん聞こえず、窓から見える景色は煌びやかに輝き続け、室内のジャックハートを照らす。
「ケハハハ。ま、ふさわしい身分と地位って考えりゃ納得できるか」
そう一人言葉を漏らしながら、脱衣所に入り、一切の衣服を脱ぎ捨てる。
日を増すごとに質が上がっていると自覚できるその鏡に映った肉体には幾らかの大きな刀傷や砲撃で受けたものが残っていた。
「相変わらず、見るたびにダセェ傷だな。もう痕になって消えることはないかもなー。ま、大将になるまでの不甲斐ない歴史とでも思えばいっか」
そこに刻まれているのは、もちろん戦いの歴史。
ビッグ・マム海賊団との半戦争のような戦い、ドンキホーテ海賊団との街中でのいざこざの時、頂上戦争で不意にもらった切り傷、少将の時に敵船から受けた砲撃など、様々な傷が残っている彼の体。
今ですら懐かしい思い出のように振り返ることができる彼だが、何一つとして傷がついていない、心臓のある左胸を注視していた。
「……また今度会いに行くか。サディちゃんとドミノちゃん迎えに行った時にでも会えばよかったな。さすがに大将昇格ぐらい、あんな親でも伝えた方がよかったか?」
薄く、しかしそれでいてはっきりと残る記憶。
珍しく泥酔していない、ほろ酔い状態の父に拳を当てられながら熱く語られた幼少期の記憶を思い出していた。
「海軍大将が大罪人に会うってのもな……。今度モモンガさん辺りにでも行っていいか聞いとくか」
そう呟きながら、ジャックハートは浴室に待っている自分だけの桃源郷への扉を開けた。
駆け足で新世界編に行こうか迷い中。
どうせ似たような本番描写になるやろしなぁ……って思いつつも新しく出さないといけないキャラを思い出して、あぁ……。
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作者好みのキャラで濃く
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現在対象キャラ全員
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