スタンピード公開されましたが、作者はまだ見に行けておりませぬ。またエロい人出てきましたか?(直球)
原作とかなり密にストーリーが関わっているなら絡ませるかも知れませんが、よほどでない限りは劇場版のストーリーを絡ませるということはしないと思います。
「……まあ、あれだ。いろいろと迷惑かけたな」
「気にすんなってケムりん。次やる時は、敵だからな!」
「よ、ヨホホホホホ……。いやぁ、それにしても本当にお綺麗な方がたくさん……」
「一応念のために伝えておくが、あいつのお気に入りには関わらねぇ方がいい。死ぬぞ」
「し、死ぬぅ!?」
「あぁ」
パンクハザードにて無事シーザーを捕まえ、ひとまず一件落着という形で今回の事件は幕を閉じた。
それにより海賊と海軍という奇妙な協力関係は終わりを告げつつあり、その境界線が引かれることとなった。
その境界線にて、麦わらの一味の男衆とローが、スモーカーと雑談を広げていた。
「文字通り、現海軍で最強の男だ。勝てやしねぇよ、お前らじゃ」
「なんだとッ!?」
「お、おーいルフィー? 海軍大将とまともに戦わなくてもいいんだぞー?」
「……今回ばかりは、鼻屋に賛成だ。あいつとやり合うのは避けたほうがいい」
「お前が言うほどなのか」
"麦わらの一味"は、実力はあってもこれが初めての新世界。
すでに新世界の海をある程度知り、王下七武海にまで上り詰めたローが、ジャックハートとの正面対決を勧めなかった。
「あぁ。というか、俺も学んだ側だ。他の王下七武海や四皇は、あいつに一見対等に見える取引を持ちかけることでさらなる安全を確保しているらしい」
「取引?」
「……ま、金と女だろうな」
「それと情報じゃ、タバコの。全く、誰もジャックハート様の強さを正しく理解できておらんとは、つくづくお前たちはジャックハート様と同じ性別なのか疑いたくなる」
「っ、ハンコック!」
金、女、情報。
それらをうまく使い、新世界の重鎮たちは自らの安全を確保しているという情報を麦わらの一味が手に入れたタイミングで、その男だらけの輪に凄まじい美貌を誇る女性が現れた。
「さっきからなんじゃ。くどい男は嫌われる。そんなことも知らんとは……本物のサルか?」
「ハンコック! お前、その……」
「はぁ、今度は女々しいと来たか。この際はっきりと告げておく。わらわは好きでジャックハート様の元にいる。他のものもそうじゃ。もう九蛇に未練などない。これ以上執拗に話しかけられてもこの気持ちは変わらん」
「……そっか。お前が今楽しいんなら、それでいい」
「何様じゃお主。わらわのことはわらわが決める。それだけじゃ」
頂上戦争の一件を終えてルフィを助けてくれたハンコックはそこにはおらず、以前との違いにただただ驚くルフィ。
彼の仲間であるサンジたちも、ルフィから聞いていた人物像とはかけ離れていることに動揺を隠せなかった。
「とはいえ、わらわをジャックハート様と引き合わせてくれたのはお主じゃ。他の男どもはともかく、お主の言い分は聞き入れてやろう」
「……ならハンコック。ナミとロビンはどこ行ったんだ?」
「たしぎと共に保護した子どもたちの今後の予定の確認や、元いた島への連絡を行っているかを見ておる。安心するがよい。このシーザーとヴェルゴの件でお主たちに助けられたことは事実。ここで捕まえはせん」
「その点に関しては任せてくれ、としか言えんな」
ハンコックと"麦わらの一味"の話にスモーカーが入る。
シーザーの研究所に誘拐され研究の対象にされていた子どもたちを常に心配していたナミとロビンが海軍とはいえ簡単には引き渡せないということで、海軍の軍艦の中にある一室に、たしぎとナミとロビンだけが入り、話し合いをしているのだ。
「ふんっ。……全く、羨ましい」
「ん? どういうことだ?」
「なんでもない。……おぉ、そうじゃ。ジャックハート様とたしぎから伝えておいてほしいと言われていたことをすっかり忘れていた」
「大将がおれたちに伝えたいこと?」
「あぁ。といっても、そこのスモーカーとほぼ同じになるが……」
こほん、と小さく咳払いをしたハンコック。
麦わらの一味の男たちに向けられた言葉は、予想通りのものだった。
「次に会う時は、貸借りも何もないただの海賊と海軍。子どもたちの話し合いが終わればわらわたちはすぐに出航する。それ以降は、言わんでも分かるだろう」
「敵対関係になるってことか。まあ、当然といえば当然だな」
この島の一件が終われば、海軍と海賊の普通の関係性に戻るということ。
一時的に協力関係にあったが、それが終わる。その合図が、ジャックハートを乗せた軍艦が出航するタイミングだ。
「あれ、ハンコックも海軍なのか?」
「わらわはジャックハート様の妻じゃ。どちら、と言われれば海軍じゃ」
「ゲッ……。どんだけ戦力強化してんだよ海軍……」
「お主達……。まさか知らんことは無いとは思うが、海軍が世界徴兵を行ったことは……」
「知ってるさ。5大将だったか? そのうちの一人が、ジャックハートなんだろ?」
「そうじゃ。……ふむ、一つここで、助言をしてやろう」
「……どういうことだ? 今、お前は海軍側だって言わなかったか?」
「オイくそマリモ! てめぇハンコックちゃんに向かってなんて口の聞き方してんだ!」
まあよい、とハンコックは静止する言葉を挟み、自分の言葉を紡いだ。
「ジャックハート様は自分を熱くさせる相手を所望しておられる。どのような戦闘スタイルか知らんお主達に、ジャックハート様の戦い方や強さを教えてやろう」
「い、いいのか? そんなこと言って」
「構わん。それに、何かあればお仕置きを受けるのはわらわじゃ」
どこか艶めかしい声を上げて、ハンコックは続けた。
「んん。まず初めにじゃが、ジャックハート様は三種の覇気、六式、魚人空手やオリジナルの武術、技を用いた近接戦闘が得意じゃ」
「三種ってことは……は、"覇王色"も使えるのか!?」
「当然。そして、悪魔の実を食べずに高速戦闘で相手を倒していく、というのが基本的なスタイルとなっておる」
「ヨホホホ。意外と戦い方は普通なんですね」
「……ただ近接戦闘が得意なだけで、海軍本部大将にまで上り詰めることができると思うか?」
ハンコックを包む雰囲気が、より一層冷たいものへと変わる。
先ほど彼女がルフィに告げた言葉には、何の偽りもない。彼と共にいることに幸せを感じていることも確かだが、過去海賊であったハンコックには、この短い時間では拭いきれないトラウマがあった。
「戦い方は普通じゃ。……しかし、その質や次元が違いすぎる。"覇王色"の素質があるから、修羅場をくぐってきたから、頼りになる仲間がいるから相手になると思っていたら大間違いじゃ。王にも格差というものがあるということを肝に銘じておくと良い」
「……そっか。分かった」
「では、伝えることは以上じゃ。見送りなども特に要らん。女二人を下ろし次第、わらわ達は出航する」
「ん? ケムリン達と一緒じゃねぇのか?」
伝えるべきことを伝え、そそくさとジャックハートが待つ軍艦に戻ろうとしたハンコック。
しかし、その彼女に声をかけたのは、またもルフィだった。
「……そ奴は"G-5"所属。ジャックハート様は本部所属。わらわが乗ってきた船も、ジャックハート様の船じゃ」
「ってことは、ナミとロビンはどっちにいるんだ?」
「ジャックハート様の軍艦じゃ。出産経験のある女性や医師、医療設備も整っておるからの。子育てに関することも伝えておるじゃろう」
「なら安心だ! 制限時間いっぱいまでちゃんと見てくれよな!」
お腹が膨らんでいる様子がハッキリと分かるナミと、最近つわりが始まったロビン。
二人とも一児を出産したタイミングはほぼ同じなのだろうが、二児の妊娠のズレにより、胎児の成長速度に違いが生じていたのだ。
慣れない問診や看病をしなければならないチョッパーはずっと二人のことが気が気でなく、このタイミングでハンコックに聞いた。
「もう良いか? わらわも暇ではない」
「おう! 色々教えてくれてありがとな、ハンコック!」
スモーカーやルフィたちに別れを告げ、ジャックハートが乗っている軍艦へと戻るハンコック。
「……全く、のんきなやつらじゃ」
去り際に海賊側の陣営をちらりと横目に見る。
ナミとロビンを海軍の軍艦内に入れる代わりに、ジャックハートはルフィたちの元に拘束した自分たちの部下を置いた。
新世界に入る前に作っておいたそれぞれのビブルカードで安否を確認し、二人の命の危機を感じたのなら部下を好きにしろというジャックハートの言葉を聞き入れ、ルフィたちは小さく動く紙をじっと見つめていた。
「ビブルカードに反応などあるはずがない。まあある意味、殺されるよりも過酷なことをされておる頃じゃろう」
自分の左手の薬指に光る指輪を愛おしそうに撫でた後、数ヶ月前にシャボンディ諸島でニコ・ロビンと同じタイミングで彼に精液を注がれた下腹部に手をやる。
新たに命の種を注がれ、そして二人目となる子を授かったそこを優しく撫でながら、ハンコックは軍艦へと歩いて行った。
◇
「……はい、お疲れ様でした。これであなたたちが我々に求めることと、海軍ができることの照らし合わせと、あなたたちのメディカルチェックは完了しました」
「え、えぇ。ありがとう」
「……その、これから私たちがしなきゃいけないことって……」
「ありませんが。というよりあなたたちは海賊でしょう。さっさと軍艦から出て行ったらどうですか? いつまで軍艦の、それもジャックハート様のお部屋にいるつもりですか。セクハラです」
海軍の軍艦の一室。
極寒の地を走ったり戦ったりとでお腹の子どもに影響はないかをしっかりとした設備で確認し、シーザーに誘拐されていた子どもたちの今後の大まかな処置を聞いたロビンとナミの二人。
話の相手であったカリファから退室を求められるものの、二人の視線はとある一点に釘付けになっており、そのまま動けずにいた。
「ケハハハハハッ! 好きにさせてやれよカリファちゃん。海賊が軍艦の中に招き入れられることなんてそうそうねぇんだ。時間いっぱいまで堪能させてやれよ」
「……了解しました。では、ジャックハート様。私は」
「あぁ、こっちに来い」
女海賊二人が招き入れられたのは、彼女たちと同性の人間が多数いる中、一人だけ異性がいる部屋。
女子専用部屋だと言われて入った部屋にいるその男こそ、この船の主人だ。
「ケハハハハ、どうしたよ二人とも。……あぁ、言い忘れてたな。この船に女海兵はアインちゃんとたしぎの二人だけだ。それ以外も俺の女だけ。つまりこの船での女子専用部屋ってのは俺の自室ってことだ」
「……そんなの」
「普段はこんな呼び方してねぇんだがな。こうでも言っとかねぇとお前ら入らねぇだろ」
ジャックハートがこの部屋にいる時の8割は裸であり、客を招き入れている今も何の衣服も着ていない。
無論それは彼だけではなく、この部屋にいるナミとロビン以外の女性全員もそうだった。
「てな訳で、俺からの触診も終わったんだ。ここからは、個人的なお話といこうか」
両手どころか体に纏わりつくほどに女性を侍らせ、部屋の至る所にも待機させている彼が、背もたれもない椅子に腰掛けながら話を始める。
先ほどまでナミとロビンの話し相手になっていたカリファもジャックハートに呼ばれるや否やすぐに来ていた服をその場で脱ぎ、恥ずかしげもなく全裸になっていた。
「ケハハハ。これが、近い将来の君らの姿さ」
「……ッ! 私、たちは……!」
「あぁ? なんだってんだよ。なんなら今からバラしに行ってもいいんだぜ? その子たちは因縁の相手でもある海軍大将とセックスしてイキまくった結果できた子どもだって」
「やめ、て……」
「なら諦めて受け入れることだ。あいにく、君らの仲間から指定された時間制限のせいで何もできねぇけどな」
ナミとロビンが自分の子どもたちを連れて軍艦に乗り込む際に、彼女たちの船医であるチョッパーから出された制限時間は15分。
それだけあれば、最先端の技術が詰まっている軍艦ならば最低限調べることができると踏んでのことだった。
「肝心のお話だ。まず、二人とも久しぶりだな。会えて嬉しいぜ」
「えぇ、私もっ! お腹にこの子を身籠ってなかったら、今すぐにでもあなたに愛してほしいぐらいに」
「私もよ、ジャックハート様。……シャボンディ諸島であなたと愛し合ってから、寂しくて仕方なかったわ」
「ケハハハハ。そうかそうか。俺好みの賢い女のままで嬉しいよ」
しかし、今回もまた相手が悪すぎた。
誘拐されていた子どもたちの件は、無事に送り届けること。ナミたちの子どもに関しては、俺の子どもを舐めるなという彼の一言により終わってしまったのだ。
つまり、15分の診察時間の大半が、ジャックハートに自由にされる時間となってしまっている。
「じゃあ次は、三人での話し合いだ。二人と一対一で話したことはあっても、三人同時にはなかっただろ?」
そう言って、余裕の表情で語りかけるジャックハート。
一度抱かれ、子を孕み、産み。そこまで彼を受け入れてしまった時点で、もう彼女たちに逃げ場はなかった。
カリファやたしぎといった面々がジャックハートに奉仕をし続ける音と光景を受け止めながら、彼女たちはジャックハートに相対する。
「まず船でのことだ。あのアホどもはどんな決断をしたんだ?」
「私たちの子どもってことなら、家族……仲間と同じだって言ってくれたわ」
「ケハハ、なるほどな。じゃあ次。二人ともお腹の子はどうだ?」
「私の子は、元気にしてるわ。もう少しで臨月になるわ」
「私も、つわりが始まってきたわ」
「ケハハハハ。ロビンちゃんも無事二人目妊娠ってことか。知ってるか、ナミちゃん。ロビンちゃんだが、シャボンディ諸島で一味が合流する日に我慢できなくて俺に犯されるのを受け入れたんだぜ?」
お互い一味の男衆たちに隠す秘密を共有していた仲だ。
しかし、そんな二人でもお互いに探りを入れられたくなかった部分もある。
ロビンの場合はまさしくシャボンディ諸島での一件。出産したのはオルビアのみであり、現在妊娠していることはナミにすら言っていなかった。
「じゃあ、次で最後。お互いが俺と交わした約束事についてだ」
その言葉にナミとロビンの表情が強張る。
直接的に彼女たち、そして麦わらの一味にも関わってくること。
この話題でナミやロビンが現状ジャックハートとどう関わっているのかを深掘りされていく。
「ナミちゃんは、もう俺から特にどうこう言う必要はねぇだろ。俺の個人資産を手渡す代わりに養育権の確保。んで、これは二人ともに共通してることだが一味を見逃して欲しけりゃ抱かせろってぐらいだ」
「ナミ、あなた……」
「許してやれよロビンちゃん。ナミちゃんだって、当時空島に一人の状態で俺から逃げるにはそれを受け入れるしかなかったってだけだ」
ジャックハートから当時ナミに出された提案である、10億ベリーを受け取って赤子を育てるというもの。
ただの口約束を守った程度のものと考えていたが、後々周りから見れば、子どもができたためその養育費やら何やらをもらったようなものだった。
「だが、ロビンちゃんも他人事じゃねぇ。まだロビンちゃんの口からは聞けてねぇんだ、オルビアをどうするかってのは」
「……ッ!」
しかしロビンも、ジャックハートから様々なものを与えてもらっているナミに冷たい目を向けている場合ではない。
「ケハハハハ! なんだ、自分はナミちゃんと違って何の要求もされないと思ってたか? 残念だったな。俺が形上対等に扱うのは、海賊以外の女だ。二人が海賊である限り首輪はしっかりとつけておかねぇとな」
「……何が、望みなの」
「なぁに、簡単さ。ナミちゃんみたいにしっかりと育ててくれりゃあいい。必要なら同じように金もやろう」
彼から出される提案は、至極簡単なもの。
ナミとロビンの二人の間で秘密を共有すれば、一味の他のメンバーに何か直接的に迷惑をかける心配はない。
「……あー、だがそれじゃあちと足りねぇな。もしものことだが、二人があいつらを裏切ってどっかの島に隠れるかもしれねぇ」
「え?」
「てことで、ビブルカード出せ。仲間を取っ捕まえるためには使わねぇよ。君らみたいなお気に入りの女がいるのに、何で俺がわざわざ汗くせぇ雑魚を相手にしなきゃいけねぇんだ。安心しな、あいつらから俺らに危害を加えてこねぇ限り、仲間は捕まえねぇし、殺さねぇよ」
そこから出た彼の要求は、ビブルカードを差し出せというもの。
ナミもロビンも、というより麦わらの一味全員が新世界に入る時にはすでに自分のビブルカードを作っていた。
その大半の理由として挙げられるのが、シャボンディ諸島での一味解散。これから別行動をする機会が増えるかもしれないということで、全員作っておいたのだ。
「拒否するってんなら話は別だ。今すぐあいつらんとこ行って全員──」
「待ってッ! ……いいわ。この子のお父さんなんですもの。常に私たちの居場所は知っておいてもらわなきゃ」
「賢いじゃねぇか」
ジャックハートの提案を彼女たちは飲み込むしかない。
彼が言い切る前にナミが一歩足を踏み出し、ポケットに入っているビブルカードを千切って手渡した。
それに続くように、ロビンも自らのビブルカードを彼に渡した。
「ケハハハ、これで取引は終わりだ。仲間殺されたくなかったら、分かってるな?」
「えぇ。今みたいに時間が少ししかないのが残念だけど、街であなたと出会ったら是非とも愛し合いたいわ」
「私もです。今度はもっとゆっくりと時間が取れる状況で、是非」
「あぁ、俺も楽しみてぇよ」
一旦話題がそこで途切れる。
椅子に座るジャックハートの背中に自らの豊満な体を密着させながら泡を立てて動かし続けているカリファから、もうそろそろ制限時間だとジャックハートに知らせが入った。
「最後の最後になるが、二人とも本当に俺の元に来なくていいのか? 今来てくれるんなら、とびっきりの待遇で迎え入れてやるんだが」
「捕まえないのに勧誘って、ジャックハート様も変わった人ね。……前にも言った通り、今はしたいことが他にあるの」
「ナミと同じく、私もよ」
「……ケハハ、そうかい。そりゃ残念だ。君らが俺の元に来るのをずっと心待ちにしていた女もいるってのに。なぁ──」
ジャックハートがその言葉とともに、部屋の奥の方にある扉へと呼びかける。
誰かが事前に準備していたかのようにタイミングよく開かれたそこからは、一人の女性が出てきた。
「ノジコちゃん」
女性の名は、ノジコ。
姓はジャックハートと同じ。彼と再会するや否やすぐさま夫婦の間柄となり、秘書兼妻として日夜ジャックハートを支えるようになった女性だ。
「……え? ノジ、コ……?」
「あら? ナミじゃない。久しぶりね」
「え、えぇ……」
ナミの義姉である彼女は、ナミにとって懐かしい顔で微笑み、ジャックハートの左腕に抱きつくように彼にもたれかかった。
「そのお腹、ジャックハート様の子どもを妊娠してるの?」
「あぁ。ちなみに、抱いてる赤ん坊もな。名前はベルメール。この名前つけた時、ナミちゃん泣いて喜んでくれたんだって」
「ち、ちが……!」
「へぇ〜、いいんじゃない? あ、ってことは次が男の子ならゲンってことで!」
突如現れた、新世界では何がどうなっても会えないだろうと思っていた肉親の登場。
それはナミの精神を揺らがせるには十分だった。
「別に本当に羨ましくはないの。だって、私もいずれはそうなる予定だもの」
「なん、で……」
「簡単よ。ジャックハート様が空島から降りてきたのが偶然ココヤシ村で、そこでナンパされたの」
ノジコから伝えられた言葉もまた、ナミに衝撃を与えるには十分すぎた。
自分が海賊となり、その途中で空島に飛ばされ、その結果としてノジコと竿姉妹になってしまったのだ。
「あぁ、安心して。ジャックハート様の秘書兼妻になれたことに、何の後悔もないから」
屈託のない笑み。
その後、自分たちを狂わせた男と口づけをするノジコの姿が、ナミの目に焼きついて離れなかった。
◇ ◇
ナミとロビンの診察後、麦わらの一味もジャックハートの軍艦もパンクハザードを離れた。
「ケハハハハッ! なあイッショウさん、朗報だぜ。ちょうどアンタの部隊が今潜入してるドレスローザに、麦わらの一味が向かってる。きっちりやってくれよ、教育も兼ねてな」
『ご親切にどうも。教育ってぇと、息子さんのことで?』
「当たり前だろ。俺も任務でドレスローザに向かうが、直接手はださねぇよ。俺らの仕事は局面が動くまでは座ってることだ。あんまりチョロチョロしすぎると良くねぇからな」
『あっしとあんたじゃ、ともに考えている正義は違うが、未来のことを考えると若ぇ力が必要ってのは一緒だ』
「ケハハハ。世界徴兵があるまで海兵にならなかったあんたが正義を語るか。綺麗事もいいが海兵も仕事だ。残した成果が重要ってことも忘れんなよ」
その軍艦の中の自室。彼が連絡を取っていたのは世界徴兵の後、自分の同僚となった海軍本部大将、"藤虎"ことイッショウだ。
電話の最中のお楽しみはもちろん忘れることなく、今後の大まかな予定を彼と共有していた。
「まあ、さっきの報告にもあった通りだ。ローが企んでるのは恐らくドフラミンゴとカイドウを引き摺り下ろすこと。特攻じゃなく真っ先にSAD製造止めた辺り、どう転んでも痛手を負わせたかったんだろうな」
『となると、ローさんらが同盟を組んでいると……?』
「ほぼ、な。あぁ、ローはあいつを中心にあんたがやってくれ。妹が負けたって言えばよりやる気になるだろ」
『……なら、麦わらの方を?』
「あぁ、俺が受け持つ。ドレスローザにはちょいと私用もあるからな、ちょうど良い」
私用、というのはもちろんヴィオラたちの一件。
ローや麦わらたちとドフラミンゴの間に何かが起きるかも知れないが、それは事が起きてからでないと対処できない。
『よくそこまで調べなさった』
「ただ情報が漏れ混んでくるだけだ。やりようによっちゃ、この程度の情報はいくらでも入ってくる」
彼らの行き先は半ば強引な取引により手に入れたナミとロビンのビブルカードから。
同盟の疑いに関しては、その二人と交わした新たな契約から手に入れたものだった。
「人間、何かを守るには必死になるもんだ。その過程で捨てなきゃいけねぇもんが出ても、すっぱり捨てちまうぐらいにはな」
彼女たちが情報を得る代わりに守ったもの。それは、自らの身体。
海軍にとって何か有益だと判断できる情報を一つジャックハートに報告することにより、出産後でも性行為を一度見逃すというもの。
もちろん、この男の前ではそんな契約は無に等しいのだが。
「そして、一度だけ願いを叶えてやるんだよ。無償でな。そうしたら向こうはその手段を取るしかなくなる。そしたら、甘いあんたでも流石に分かるだろ?」
『最後の最後にハシゴを外す、と』
「ケハハ、その通り」
追いつめ、追いつめ、逃げ場を無くす。
そうして相手が完全に負けを認める一歩手前まで来た時に、唯一の逃げ場を提示する。
それを繰り返すことで自分が提示する条件に依存させ、最後にその梯子を外す。
その結果、完璧に堕ちるのだ。
「ま、悪く思うなよ。俺が基本的に相手するのはゴミか女だ。殺すのは人間じゃねぇよ」
『……やはりどうも、気が合わねぇようだ』
「ケハハハハ。お互いにな」
海賊相手にも筋を通し、仁義を重んじるイッショウと、無能な男海賊たちを総じてゴミと判断し、自分好みの女海賊のみを唯一まともに生かすジャックハート。
サカズキやクザンのように、同僚ではあるもののその性格や考え方の違いゆえの衝突を、この組み合わせもよく起こしていた。
『では、基本的にドレスローザでの任務は息子さんに任せればよい、と?』
「だな。あんたは嫌がるかもしれねぇが、俺の子どもたちの成長は
『いえ。あっしとしても、若ぇもんの活躍ってのも楽しみなもんで』
「そうかい。まあメイナードやバスティーユもいるからな、俺らが出るようなことには早々ならんだろ」
『早々ってぇと、なることもある……と?』
「あぁ。まあこれもあんたは嫌うだろうが、安心しろ」
テーブルの上の動くビブルカード。
そして、新たに一人増えた乗船員と、イッショウの船に乗る自分の息子。
様々な要因を思い起こして自然と笑みが浮かぶが、一番は何と言ってもドレスローザ本島。
「あの島はある意味、俺の島だ。文字通りな」
笑うジャックハート。
電伝虫越しに彼の言葉を聞いたイッショウは、深いため息を吐いた。
いや、それはないやろ。と思う部分があると思います。
ナミとロビンがどう呼び出されて、何を話したのか。中身は今後、少しずつ明らかにします。
コメント、評価などお待ちしております!
今後の本番シーンについて、主にどんな内容が良い?
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主要キャラの一部を濃く
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主要キャラメインで大人数を書く
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作者好みのキャラで濃く
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現在対象キャラ全員
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このキャラを!(感想に書いてください)