※この作品はR-18です。

海軍史上最悪の男   作:チャリ丸

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待たせたな(土下座)

研究が忙しすぎて時間が取れませんでした……しかもまた、本番は少なめという……。申し訳ない。


これからも忙しいとは思いますが、なんとか今年中に最低もう一話は投稿したいです。


邂逅

 

 

「全く、お前たちの船長はどうなってやがる。この作戦のメインは麦わら屋たちだぞ……!」

「あいつらに大人しくしとけってのが無理難題よ。今いるこのメンツで考えましょ」

 

 パンクハザードを出港した麦わらの一味とトラファルガー・ロー。

 彼らの目的地であるドレスローザの港に着くや否や、ローが立てていた作戦のメインメンバーである、ルフィ、ゾロ、サンジ、フランキー、そしてパンクハザードで出会ったワノ国の侍、錦えもんがドレスローザの街に消えた。

 

「まさかとは思うがお前たち、いつもこんな行き当たりばったりな計画で動いているのか?」

「そうだぞ! ルフィがそういうの考えられると思うか?」

「……あぁ、いや、そうか……。すまん」

「謝らないでよ」

 

 結果、船に残ったのはローとナミ、ロビン、チョッパー、ブルック、ウソップ。そして、錦えもんと同じくパンクハザードで出会った子どものモモの助と、ドフラミンゴへの人質であるシーザー。

 ロー以外は敵対勢力への戦力として些か不安があるメンバーが残る形となった。

 

「……よし。予定通り作戦を実行する」

「おー、お前もルフィに慣れてきたな」

「……俺たちはこのままドレスローザを通り、橋を通ってグリーンビットに向かう。その間残るメンバーには、この船の護衛を任せたい」

「子守も、でしょ? 私もロビンも、この子達を置いてそんな危ないところに行けないわ」

 

 残ったメンバーの中で、ドフラミンゴとの取引によりシーザーの引き渡しに向かうのはロー、ブルック、ウソップの三人。

 他の面々は有事の時のために船を守る役目として、船に残ることとなった。

 

「私たちじゃ心配かしら?」

「俺だって同盟相手は選んでいる。お前たちの実力を見くびってはいない」

「信用してくれているみたいで嬉しいわ。ま、母は強しっていうでしょ? こっちは任せておいて」

 

 自分の子どもであるベルメールを抱くナミがきっぱりと言い切る。

 愛と情熱とオモチャの国、ドレスローザの喧騒は人気の少ない港にまで響き渡っていた。

 

「……それと、だ。各々一応耳に入れておいてほしい情報がある」

 

 そんな喧騒の中、ローがより一層真剣な表情をして最後の言葉を繋げた。

 

「情報?」

「あぁ。あくまでも憶測に過ぎないことだが、十分に考えられることだ」

 

 その言葉に疑問を抱いたのは、返事をしたチョッパーだけではない。

 今このタイミング、ここにいる者にのみなぜそれを伝えるのか。

 

「今朝の新聞で見た通り、ドフラミンゴは七武海を脱退し、ドレスローザの王位を放棄した。つまりは、ただの海賊に戻ったわけだ。シーザーの一件で白猟屋とあれだけ同じ時間を俺たちが過ごしていたことから考えて、この航路に海軍が探りを入れている可能性は高い」

「……ってことは、海軍に張り込まれてるかもってことか?」

「そうだ。……先に行った連中には言わないほうが大人しそうだったからな。ちょうど良かった」

 

 彼の口から飛び出たのは、簡単に言ってしまえば海兵に注意しろということ。

 と言っても彼らも海賊としてここまで来ているため、そういったことは当然のように分かっているのだが、今回は少し勝手が違った。

 

「大将クラスが来ていることも考えられるからな。下手に興奮されるよりかはやりやすい」

「……ん?」

「ん? どうした鼻屋」

「た、大将クラス……?」

「あぁ。ドフラミンゴの七武海脱退、王位放棄、俺と麦わら屋の同盟。こんなにも不安定な要素が一気に出てきてるんだ。おまけに、表立って知らされてはいないが、シーザーの一件もある。ここら一帯は間違いなく今一番海軍に目をつけられていると言ってもいいだろう」

「ヒィィイイッ!? ほ、本気で言ってんのか!?」

「あくまでも憶測だ、と最初に言っただろう。だが、大将ではないにしろ海軍が来ていることは確実だ。今更こんなことを言う意味はないが、注意しておけ」

 

 船に残るメンバーにそう言い残し、ローはシーザー引き渡し組を率いてグリーンビットへと向かった。

 

「ほ、ホントに大将が来てんのかな……」

「大丈夫よ、チョッパー。ドフラミンゴやローの方が忙しいなら、こっちには来ないはず」

「そ、そうだよな! ロビン!」

「えぇ」

 

 ナミやロビンと同じように船に残るチョッパーに言った理由の他に、ロビンとナミには海軍が麦わらの一味を狙っては来ないだろうという確証があった。

 その確証とは、言わずもがなジャックハートの存在である。

 彼に自分たちのビブルカードを渡したことはまだ誰にも言っておらず、それもまた二人だけの秘密となっていた。

 

「よしっ! それじゃあ二人とも検診と育児の続きだ! モモも、お兄ちゃんなら色々と手伝ってくれ!」

 

 船の護衛、とは言っても本格的に敵襲があるまでは大してすることがない。

 そうしてできて暇な時間を使い、ベルメールとオルビアの育児に専念しようというのが、チョッパーの考えだった。

 

「……チョッパー。ゴメンなさい、私から少し言わなきゃいけないことがあるの」

「……どうしたんだ? ロビン」

「ナミは少しずつ臨月に近づいているけど、私もつわりが始まったの。二人目よ」

 

 ロビンの口から明らかにされる、第二子の妊娠報告。

 まだ子どものモモの助と船医のチョッパー、そして同じ境遇になったナミだけになったこのタイミングで言ったということは、そういうことなのだろう。

 

「……そっか! またおめでただな、ロビンッ!」

「……えぇ。私も、嬉しいわ」

「よし! じゃあロビンの二人目の子どものことも含めて、また頑張っていこうな!」

 

 空元気とも取れるチョッパーの言葉。

 しかしそんな言葉でも、ナミとロビンの精神にゆとりをもたらすには十分だった。

 

 

 ◇

 

 

「んっ、あぁんっ! あぁう、んはぁんっ!」

「……こればっかりは、俺が軽率だったな。まさかこんな上物を知らずにいたとは……。不覚だ」

「あんっ、はっ、あぁあ! ひぃ、あ……あっ、んぅ……あぁあんっ!」

 

 同時刻、ドレスローザの海岸。

 麦わらの一味の船からは少し離れた位置に、ジャックハートを乗せた軍艦は泊まっていた。

 その中で行われているのは、例に漏れず性行為。数日前に本格的に始まったハニークイーンとの交わりの際に彼女の名器ぶりを知ったジャックハートは、彼女の全てを犯していた。

 

「ケハハッ! いいじゃねぇかハニークイーンちゃん、前言撤回だ。能力の覚醒の進捗がどうであれ俺の船に置いてやるよ。覚醒まではしてなくても、副作用なのかは知らねぇが膣内はトロットロに仕上がってるしな」

「くっ、んぅ……はぁんっ!」

「ちゃんと船にしがみついてるし、まあ人間やろうと思えば意外と何でもできるんだろうな。そら、三発目だ。受け取れっ!」

「あぁああっ! イクッ、くぅ……あっ、あぁああんっ!」

 

 ハニークイーンの蜜壺の奥深くまで突き入れられるジャックハートの肉棒。

 そこから放たれる白濁液が彼女の膣内を染め上げていく。

 

「ふー、ちょいと短期間に詰めすぎたか。さすがにキツいな」

「はっ、はっ……。ジャック、ハートさま……。ありがとう、ござ、います……!」

「別に無理してまで喋らんでも何にもしねぇよ。さて、任務前に存分にリフレッシュできたところで、行くとするか」

「ひぁっ!」

 

 白濁と透明が混合した液体が肉棒に絡みついたまま、一息にそれをハニークイーンの秘部から抜く。

 びくんと大きく彼女の身体がベッドの上で跳ね、息絶え絶えのまま彼女は眠りについた。

 

「ケハハハ。スタミナはいまいちだな。ま、それも込みでまだまだこれからってことか」

「あ、あの……あなた様?」

「ん? どうしたよハンコックちゃん」

 

 ハニークイーンとの情事を終えたジャックハートに話しかけたのは先日めでたく彼の妻となったハンコックだった。

 

「その……わらわへのお仕置きというのは……」

「あぁ、それか。まさしく今やってることだ」

「……ま、まさか」

 

 ハンコックが言ったお仕置き。それは、パンクハザードでジャックハートがナミやロビンと話している際に、彼の許可なく彼の情報を麦わらの一味に流したことに対するものだった。

 

「俺を熱くさせる相手を望んでいる、か。あながち間違っちゃあいねぇな。支配者になりたい訳じゃないが、ナメられたくもねぇ。だが雑魚の相手ばかりするのも面倒だ。確かにそれは正しい。……だが、それだけじゃまだ50点だ。俺は100点じゃねぇと合格をやりたくないんでな」

 

 そう言うと、彼は別室に待機しているマーガレットを呼び出した。

 彼が普段寝食を行う部屋に、常に女たちが全員いるわけではない。ジャックハートの部屋と同じ程度の広さを誇る併設された部屋で、彼に呼ばれるまで待機しているのだ。

 そこでは彼に出された指示を全うし、彼のために自らの美を磨いているのだ。

 

「俺は相手によって楽しみ方を分けてるんだ。ただ捕まえただけの海賊とハンコックちゃんとの楽しみ方が違うみてぇにな。あいつらはまだその選定の最中だ。育つまで待つか、壊れるまで遊ぶか、壊しながら遊ぶか。それは俺が選ぶことだ」

 

 その専用部屋でトレーニングを行っていたマーガレットを呼び出し、彼がベッドの上ですることと言えばただ一つ。性行為だけ。

 九蛇、元賞金首、元CP9と戦力だけで見れば女性陣だけでもそれなりに整っており、彼女たち一人一人に指示が出されているのだ。

 

「よって、ハンコックちゃんへの罰ゲームだ。その内容はマーガレットちゃんに選んでもらうとしよう」

「良いのですか? ジャックハート様」

「あぁ。つっても、離婚しろとかは無理だ。ハンコックちゃんだけに対する罰ゲームな」

 

 何の抵抗をするわけでもなくジャックハートに衣服を脱がされながら、マーガレットは考えた。

 ベッドの上に座る自分と愛しの主。そしてそれを見るハンコック。

 

「でしたら、いい事を思いつきました」

「ん?」

「一週間、お仕事にのみ専念することです。その間ハンコック様の代わりは私が務めます」

「ケハハハハ、そりゃあいい。だってよ、ハンコックちゃん」

「……はい」

 

 これから一週間。

 つまりは、これから戦闘を終えたジャックハートの相手を全てマーガレットに取られるということなのだ。

 

「さて。ってな訳でしばらくの間ハンコックちゃんの代わりにマーガレットちゃんをひたすら抱くことになった。重ね重ねの確認になって悪ぃな」

「……いえ。あなた様の決定ですもの。ですが……」

「あぁ。罰ゲームの後は存分に愛してやるよ」

 

 1:1とは限らねぇが、とは口にしない。

 全ての決定権は彼にあり、また彼の言葉は絶対なのだから。

 

「ではジャックハート様。私は下がっても?」

「あぁ、いいぞ。お前たちにはセックス以外にも期待している部分はある。こっちの手続きは順調に進んでいるから、頼んだぞ」

「はいっ!」

 

 意気揚々とジャックハートに返事をして待機室へと戻っていくマーガレット。

 ふと、今から目の前で彼との行為を見せつけられるのではないかと勘ぐっていたハンコックは胸を撫で下ろしていたが、その安堵も束の間。

 

「ハンコックちゃん。お前も一旦マーガレットちゃんに付き合ってくれ。それと、あの子を呼んできてくれ。泥棒猫ってワード出せば分かるだろ」

「……かしこまりました」

「ケハハハッ! しょげんなよ。一週間後、ちゃんと満足させてやるから」

「ありがとうございます」

 

 ジャックハートにキスと一礼をし、マーガレットの後を追いかけるようにして待機室へと入っていくハンコック。

 扉が閉められてから数秒後、再びその扉がゆっくりと開き始めた。

 

「……こうして、二人で正式に求め合うのは初めてね、ジャックハート様」

「だな。最初は犯罪者としてやや一方的に。次はバカラちゃんやホテルで周りにいる状態で、だったからな。こういう時をなんだかんだで待ってたんだぜ、カリーナちゃん」

「ウシシッ。そう言ってもらえると嬉しいわ」

 

 ジャックハートの部屋に入ってきたのは、バスタオルでその豊満な身体を隠しているつもりのカリーナ。

 流れるようにジャックハートの隣に腰掛けると、躊躇うことなく彼女の方からジャックハートの唇に唇を重ねた。

 

「んっ、んむ……ちゅぅ、ちゅぷっ…ん、ふぅ……んくっ。……別の女の味がするわ」

「ケハハ。そりゃ慣れるしかねぇな。俺を一人が独占し続ける方が珍しいんだぜ?」

「もちろんそれは理解しているわ。郷に入っては郷に従え。それに、ここの主人はあなたでしょう? 逆らうつもりなんて毛頭ないわ」

「分かってるじゃねぇか。じゃあカリーナちゃん、グラン・テゾーロでバカラちゃんより先に俺の元に来る決断をしたご褒美をやろう。バカラちゃんには内緒にな?」

「本当っ!?」

 

 全裸のジャックハートとバスタオルを巻いただけのカリーナ。

 互いに脚や肩が触れるほどに近く座っている状態で、カリーナが食い気味にジャックハートの顔を覗いた。

 

「あぁ。なんでもいい。俺に叶えてやれる範囲なら、叶えてやろう」

「なら、そうねぇ……。あっ、決まったわ」

 

 彼の言葉を聞き思案する素振りを見せたカリーナ。

 しかし、それもほんの数秒。あっという間に彼女の中で答えが出た。

 

「願い事って、一つだけ?」

「よほどヤベェことじゃねぇ限り、いくらでも」

「じゃあまず、私と結婚して」

「お安い御用だ」

 

 カリーナがまず求めたのは、婚姻関係。

 現状、正式にジャックハートが妻と認めているのは、ヴィオラ、ビビ、ハンコック、アイン、カリファのみ。

 彼と同じ職種であるたしぎですら、その関係に至れていないのだ。

 

「そしてもう一つ。赤ちゃんが欲しいわ。人数は、ナミとの間にできた子より多く」

「……おいおい、大丈夫か?」

「えぇ。あの子には負けたくないの。いい母親としてもね」

 

 そして次に求めてきたのが、やはりというか子ども。

 流石のジャックハートも子どもの命を軽く考えるということはしておらず、無計画にただ欲しいからという理由で子作りをしているわけではない。

 

「大丈夫よ。……今まで奪ってきただけの人生。こんなのはもう嫌なの。お母さんとして、たくさんのことをいっぱい子どもたちに与えたいの」

「分かった、了解だ」

 

 しかしその考えも、カリーナの目を見て払拭される。

 好きな相手の子どもを授かりたい。その一心が込められていた。

 

「赤ちゃんができたとしても、できる限りあなたへのご奉仕はするつもりよ?」

「ケハハハ、嬉しいねぇ。んじゃあ、その奉仕精神に免じてもう一つだけ俺がサービスしておいてやるよ。しばらく秘密だがな」

 

 そう言って、カリーナの身体を包んでいるバスタオルを優しく剥ぐジャックハート。

 ハンコックやナミという、ジャックハートが今まで抱いてきた女たちに匹敵するほどの美貌がそこにはあった。

 

「それじゃあ早速、そのご奉仕とやらをしてもらおうか……と思ったが、その身体は卑怯だわ。準備はいいか?」

「ウシシ。承知しました、ご主人様っ」

 

 立ち上がり、その肉体の距離を無くす2人。

 

 そこからしばらく、水気を帯びた肉のぶつかり合う音と喘ぎ声がジャックハートの部屋から漏れ続けた。

 

 

 ◇ ◇

 

 

「ジャックハート様。お洋服の支度ができました」

「おう。助かるわカリファちゃん」

 

 ジャックハートのベッドの上には、カリーナやハニークイーン以外にもマーガレットやノジコ、ランやキキョウと言った面々も寝転がっており、その彼女たち全員が揃いも揃って秘部から白濁液を垂れ流していた。

 行為を終え、いきり勃つ肉棒がようやくおさまり出したところで、彼の制服を抱えたカリファが入室した。

 

「つっても、イッショウさんとの合流はまだまだ先。俺も役目はとことんドフラミンゴを詰めることだ。てな訳で、たしぎちゃん、アインちゃん。お使い頼むわ」

「は、はいっ!」

「了解です」

 

 カリファに手渡された黒いシャツとコートを受け取りながら、ドレスローザでの簡単な段取りを口に出して確認していく。

 彼の部隊に与えられた仕事は、今朝王下七武海脱退を発表したドフラミンゴへの問い詰めと、その後の拘束。そして、万が一ドレスローザが混乱の場になった時の海軍の保険としての戦力強化だ。

 

「では、ジャックハート様は……」

「リリーへのプレゼントを貰いに行くついでに、あいつの大事なもんぶっ壊そうと思っててな。俺たちの関係を引き裂こうとした罰だ」

「かしこまりました」

 

 カリファの問いに答えつつ、シャツに袖を通す。

 先ほど行為を終えたタイミングから海兵としての仕事に変わっており、たしぎやアインも海兵としての態度に変わっている。

 

「俺は先に行くわ。たしぎちゃんもアインちゃんも、部下が必要なら自由に使ってもいいからな」

「はいっ」

「了解です」

 

 直前までまぐわっていた男女同士の会話とは思えないような緊張感のある声を出す。

 しかし彼らの主人でもあり上司でもある男は、大きなあくびと共に部屋を後にした。

 

「さてと、お楽しみの後のお楽しみといくか」

 

 目指すはドレスローザにある巨大な闘技場、コリーダコロシアム。

 今現在その場所では、かつて海賊"火拳のエース"の能力であった"メラメラの実"を景品とした大会が開かれようとしており、彼の娘であるリリーが欲しがっていた"メラメラの実"とドフラミンゴへの単なる嫌がらせのために、その大会に参加するのだ。

 

「あ、っとと。言い忘れてたわ」

 

 甲板から降りる前に伝え忘れていたことを言うために再び自室へと戻るジャックハート。

 着替え出していた女性陣がそれに気づき一気に顔を赤く染めるが、その様子を気にすることなく話し始めた。

 

「さっきのことはもちろんリリーには秘密にしておいてくれ。サプライズのつもりだからな」

 

 "G-5支部"に配属となったリリーと頻繁に会う機会も少なくなってきてはいるが、彼女もまだまだ子供。

 渡すものがことあるごとに彼女が強請るものとくれば、喜んでくれるだろうという考えだった。

 

「それと」

 

 伝えることを簡潔に伝えたジャックハートが、部屋の中をぐるりと見回す。

 未だにベッドの上で意識を飛ばした状態の者や、たしぎやアインのように着替えるために下着姿になっている者もいることを確認した上で、表情を引き締めた。

 

「今日新しくメンバーが増える可能性がある。カリファちゃんはその準備もよろしく」

「かしこまりました。お食事の方も手配しておきます」

「おう」

 

 新しく増えるであろう女性陣。

 ドレスローザで以前からジャックハートとの肉体関係にあった、ヴィオラ、モネ、ベビー5。

 彼女たち三人ともがすでに出産しているため、もしジャックハートの元に来ることになれば、それなりの人数が増えることになる。

 

「さて、と。今度こそ行くか」

 

 甲板を慌ただしく移動し、物資の確認を行っている部下たち。

 彼らにに見送られ、ジャックハートはドレスローザの地に降り立った。

 

 彼が船を降りて数秒。

 騒がしい船上の中でさらに騒がしい影が、ジャックハートの部屋へと突撃した。

 

「あれっ!? パパはっ!?」

「あらリリー。パパならもうドレスローザに降りたわよ。あなたも今回の任務だけ同行しているなら、早く準備なさい」

「はーいっ」

 

 その正体は、室内にいたカリファと降りたジャックハートの娘であるリリー。

 所属は"G-5"となっているが、先日のパンクハザードの戦いで露見してしまった彼女の油断してしまう性格を矯正するため、そして少しでも覇気が使える戦力を増やすためにジャックハートの軍艦に同行することとなったのだ。

 

「……ねぇ、ママ。私、力になれるのかな……?」

「大丈夫よ、リリー。確かに少し気持ちの面で緩みがあったのかもしれないけれど、それは直せばいいだけ。あなたはパパとママの子、自信を持ちなさい」

「……うん」

 

 そしてその理由はリリー本人にも伝えられており、その言葉を聞いたリリーはショックを受け、今もその言葉を引きずっている様子だった。

 現状彼女は戦力としては期待できるものの、心構えとしてはダメだと言われていることを、幼いながらに悟ってしまったのだ。

 

「いつまでもそんなに塞いでいると、お兄ちゃんに離されていくわよ」

「むっ! そんなことないもんっ!」

「そう。なら……」

「早くパパと合流して、任務を頑張ってくるーっ! じゃ、行ってくるねママっ!」

「えぇ、いってらっしゃい」

 

 父にもらった愛刀を腰に携え、入ってきた時と同じようにドタバタと慌ただしく駆けていくリリー。

 そんな娘の背中を見送った後、カリファは再び部屋の中を見渡した。

 

「あの元気は羨ましいわね……。私も見習わないと」

 

 部屋の中はいつもジャックハートが出て行く時と同じく女たちがベッドに横たわり、占拠している状況。

 彼女たちの姿を見ながら、カリファは自身の下腹部を撫でた。

 

「ふふっ」

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

『……おいヴァイオレット。お前今、どこにいる』

「どこって、コロシアムよ。せっかくの豪華な景品が出る大会ですもの。自惚れているように聞こえるかも知れないけれど、それにふさわしいコンパニオンも必要だと思ったの」

『そうか。くれぐれも、変な気は起こさないようにな』

「えぇ、分かっているわ」

 

 時間は少しばかり進み、コリーダコロシアム。

 ”メラメラの実”を景品とした大会が開催するまであと少しという時に、ドンキホーテ・ファミリーのヴァイオレットがいた。

 下っ端に持たせている電伝虫越しの会話相手はドフラミンゴ。

 ローと麦わらを同時に始末できるチャンスが来たと言うのに、その様子は焦りに焦っていた。

 

「彼、でしょう?」

『あぁ、そうだ。メラメラの実を取られる分にはまだいい。アレは俺にとっては餌程度だからな。だが、奴をあまり自由にさせるなよ』

「もちろん。彼はしっかりと見張っておくわ。そのための能力といっても過言ではないもの」

 

 シーザーの一件ですでにほぼ敵対することが確定したローと麦わら、そしてその捕獲と以前から伝えていた"メラメラの実"のために来ているであろうジャックハート。

 あわよくばその二つの戦力を衝突させようと企んでいるドフラミンゴの考えの中で、唯一の不確定要素がジャックハートだった。

 

『ローが騒ぎを起こしたタイミングでジャックハートを当てがう。奴も肩書きは海兵……それも大将だ。王下七武海の反逆者と頂上戦争で大問題になったルーキー。いやでも対応することになる』

「あなたは誤報で王下七武海を脱退したことになっている……。確かにそのことを使えば彼の動きは制限できるわね」

 

 ──尤も、気にくわない相手に彼が素直に言うことを聞くとは思えないけれど。誤報を許したお前が悪いって通しそうだし。それに……。

 来賓としてコロシアムを訪れているヴィオラの視線が、暗く伸びる通路の方へと伸びる。

 そこから時折聞こえる、若い女の声。声自体は聞いたことはあるものの、その声の種類には聞き馴染みはなかった。

 

『奴がいつコロシアムに着くか、お前の能力ならたやすく分かるだろう。奴の娘が欲しがっている"メラメラの実"に食いつかない、なんてことは無いと思うが、確認し次第連絡を入れろ』

「分かったわ」

 

 伝えることだけ伝えてしまうと、ドフラミンゴはこちらに断りを入れることなく通話を切った。

 そういうところよ、と心の中で呪詛のように唱え、一瞬だけ電伝虫を睨みつける。

 しかし、ドフラミンゴと連絡を取る前に言われていたことを思い出し、ヴィオラは頬を赤らめながら先ほど見ていた通路へと歩き出す。

 

「あ、あのっ。ヴァイオレット様?」

「何かしら」

「どちらへ……」

「決まっているでしょう? お風呂よ。この通路の先には来賓用の浴場しかない。でしょう?」

「し、しかし……」

 

 そんなヴィオラの行く手を、若い兵士が止める。

 ドンキホーテ・ファミリーの幹部である彼女を止めることなど、普通はありえないことだ。

 ドフラミンゴの、幹部全員をあまり自由にさせるなという言葉がない限りは。

 

「ど、ドフラミンゴ様より、幹部たちは有事の際に備え、おとなしくしていろと」

「できないわ」

「なっ!? こ、困ります!」

 

 だが、その兵士が匂わせていたそのドフラミンゴの言葉を、ヴィオラは一蹴した。

 

「どうして? 私はおもてなしをしなきゃいけないの。これは、彼の命令よりも重いわ」

 

 彼女が取り出したのは、一枚の紙。

 そこには複数の契約が書かれており、それに目を通していくだけで兵士の顔が青白くなっていく。

 

天竜人(・・・)様からの命令よ。私は、今浴場にいる彼の身の回りのお世話をしなくちゃならないの。一生ね」

 

 前国王リク王の娘であり、現在はドンキホーテ・ファミリーの幹部。

 そして、秘密にはされているがジャックハートの子を孕み、出産している。

 そんな彼女を正々堂々と、そして事件のうやむやで印象を薄くしつつ奪い取る為にジャックハートが取った方法が、これだ。

 

「今彼と一緒に入っている女の子もよ。今日の大会で寿引退。死ぬまで彼の側にいるの。……あぁ、もちろん他言無用でお願いね?」

 

 だが、目の前の兵士に見せたこの契約書は、正しく言えば正式なものではない。

 正しいものは、すでにヴィオラ個人の元に届いているのだ。

 内容は、海軍大将であるジャックハートが妻にしたいというので、応じること。という人権など感じさせないような命令が、王族であるヴィオラに天竜人から届いたのだ。

 

 彼女はそれに、応じるしかない。なぜならそれは、天竜人の命令なのだから。

 

「彼、女が取られそうになると、何をするか分からないから」

 

 そうヴィオラは兵士に言い残し、ジャックハートとレベッカの待つ浴場へと駆けて行った。




レッドライン登った時の、ジャックハートの行為の正当化が本格的に使われ始めます。
ヴィオラ宛に来たのは、『お前こいつの嫁になれ』的な命令文です。

次回は露出剣闘士さん回です!久しぶりの本番だぁ……。

コメント、評価などお待ちしております!

今後の本番シーンについて、主にどんな内容が良い?

  • 主要キャラの一部を濃く
  • 主要キャラメインで大人数を書く
  • 作者好みのキャラで濃く
  • 現在対象キャラ全員
  • このキャラを!(感想に書いてください)
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