次回は本番シーン多めですかね。
新社会人として働こうとしたら、いきなり一ヶ月在宅勤務生活を開始させられました。
今まで住んだこともない高級住宅街に軟禁です。キツいんご……。
暇すぎて機材無いけど配信でも始めたろかと思うぐらいに暇&暇です。
リングフィットもあつ森も手に入れられず、マジに暇です。
漫画も持ってこれなかったので原作を思い出す作業をしながら書いてます。頑張ります!
新世界、ニューマリンフォード。
新しく元帥となったサカズキにより新世界に海軍本部が置かれたが、そのニューマリンフォード内には以前の海軍本部には無かった設備があった。
それこそが、通称"裁きの間"
全世界の海兵によって捕まえられた海賊たちが軍艦でここまで連れて来られたのち、裁判を受ける。
その後、海軍本部で少しの間だけ預かり、判決通りに動いていくのだ。
「だが、お前らみたいなフダ付きの海賊どもの判決は、実質もう決まってる。終身刑だ。懸賞金の額がとんでもなく軽けりゃ、刑期もつくがな」
現在その"裁きの間"で裁判を受ける前の説明を受けているのは、"麦わらの一味"たち。
手錠、足枷、猿轡をされた状態で立ったまま横一列に並ぶ彼らに裁判の流れを説明するジャックハートの隣には、女海兵たちがずらりと並んでいた。
「良かったな麦わら。お前のお陰で変わったインペルダウンの制度、お前が真っ先にデカい対象になりそうだ」
「……」
「そういう細かいニュースとか、一切見てねぇか。ナミ
「ハッ!」
彼のその言葉に、"麦わらの一味"の表情が歪む。
ジャックハートの側に、なるべく彼の近くに寄ろうと考えている女海兵たちの中に、ナミとロビンの姿があるのだ。
「インペルダウンでは、より凶悪かつ、危険因子と判断される囚人たちの脱獄という意思を削ぎ落とすために『懸賞金1万ベリーにつき刑期一年を課す。また、懸賞金が1億ベリーを超えている囚人は一ヶ月に一度、本人の力が危険とみなされる場合のみ拷問にかけることとする』ということが決定されたわ。と言っても、他にもありますが」
「ケハハハ。そういうこった。だから、天竜人に普通の海賊より嫌われてるアホは懸賞金が上がりやすい。上がったところを速攻で俺が捕まえに行くからな」
1万ベリーにつき一年。
つまり、懸賞金が1億ベリーなら刑期は1万年となる。
そしてその間、一ヶ月に一度の拷問を受けなければならないのだ。
「懸賞金が上がれば上がるほどいい、みたいなガキな考えしてる奴らに灸を据えるための措置だ。質問がある奴は一回頷け」
ジャックハートのその言葉に頷いたのは、サンジ。
彼の猿轡を待機していたロビンが外す。
「……その拷問ってのは、どんなもんだ?」
「俺に聞くな、って前なら言ってたんだがな。基本的に賞金首ってのは海賊が多い。そこで、インペルダウンから海軍に海賊が嫌がる拷問ってことで意見を求められてな。元帥と大将、一部中将が答えて、それが反映されている」
チョッパーとウソップの喉から息を吸い込む音が聞こえた。
他の面々も、それを聞いて額に汗を浮かべていた。
「もちろん殺しはしねぇよ。拷問だからな。生きていてもらわねぇと困る」
「……面会なんてのは、あるのか」
「ある。だがお前らから望むのは不可能だ。いるなら親族がインペルダウンまで足を運んでくれることを祈れ」
「……最後に、俺たちの最終的な懸賞金はいくらなんだ?」
「ケハハッ。自分らのそれも知らねぇのかよ」
サンジのその質問に、たしぎから手配書を手渡されたジャックハートがそれらを眺めながら答えていく。
「"麦わらのルフィ"、10億。"海賊狩りのゾロ"、4億3千万。"黒足のサンジ"、2億6千万。"ゴッド"ウソップ、5億。"鉄人"フランキー、1億4千万。"ソウルキング"ブルック、1億。"わたあめ大好きチョッパー"、5万。一味の総合賞金額は24億4千5万ベリー。ま、"新世界"へチャレンジするルーキーとしてはそこそこだったな。ご苦労さん」
「……ッ! いつの間にそんな額になってんだ……」
「航海士と考古学者が気がついたら抜けていただろ? お前たちの船。航海士と能力者がいなくても"新世界"を生きていける男衆。少数精鋭になっているところにドフラミンゴの敗北が重なったんだ。
ジャックハートのその言葉にサンジの顔が怒りに染まる。
ナミとロビンを捕まえたのも、ドフラミンゴを倒して捕まえたのも、天竜人に一部嘘を織り交ぜた報告をしたのも、全てはジャックハートである。
だが、ここで声を荒げるわけにはいかない。もう判決は決まったも同然の現状でそれをしてしまえば、ジャックハートが何をするか分からないからだ。
「念のために言っておこうか。お前たちがまた海賊行為を繰り返そうという意思を見せた時、罰せられるのはお前らが最初じゃねぇ。お前たちを育てた環境だ」
「何……!?」
「フーシャ村、シモツキ村、シロップ村、バラティエ、サクラ王国、ウォーターセブン。骨のお前は、関係のあるクジラでも殺せばやる気が削がれるか?」
「……どこで、それを……」
「ケハハハハ。情報も力だ。これだけ仕事が増えちまうと、嫌でも顔が拡まっちまうんだわ。テメェらでも知ってるようなとこからでも流れてくるからな」
ジャックハートが持っている情報網は、世界で見ても群を抜いている。
王下七武海で情報のやりとりをしていたのはドフラミンゴとミホーク。四皇ではビッグマムと赤髪との契約を結んでいた。
それに加えて正規の海軍としての情報と、グラン・テゾーロが動いていた時の情報もテゾーロ本人から得ていた。
「いつまでもゴキブリに湧かれちゃ面倒だ。だからまずは、根本を叩き潰す。海賊を排出する行為自体が悪だとな。どう思う? ナミ准将」
「ジャックハート大将の考えに、賛成です」
「ケハハハ。だが、生憎海賊に脅されて船に乗せられた可哀想な女性もいるらしい。そういう子たちは今後、俺の元でメンタル面のリハビリをすることになったんだ」
これも、ジャックハートが天竜人に進言して、彼らの中で名案だとされて可決されたものである。
海賊に戻ることを完全に断念し、政府のために働くことを誓えば、まだ生き残る道があるのだ。
ジャックハートの目に留まった女性は、であるが。
「ジャックハート大将。そろそろお時間です」
「了解。それじゃあ、裁判の始まりだ。無期懲役か死刑か。どっちだろうな」
役人の手によって、手錠をさらに鎖で一繋ぎにされた"麦わらの一味"が裁きの間へと連行されていく。
彼らの足取りはもちろん重く、厳戒態勢の中暴れようという意思も摘み取られた。
全員が裁きの間へと入っていくのを見届けた扉は、重々しく閉じられた。
「さて、と。孫との別れの挨拶はどうだった? ガープ」
「……これほどまでに、何も言えなくなるとはな……」
「ま、あんたが悪い訳じゃない。海賊になることを決めたのはあいつだろ」
彼らと入れ違いになる形で、ジャックハートの前に現れたのは、現役の海兵としては実質引退したガープ。
痩せこけている訳ではないがどこかその顔はやつれているように見えた。
「……分かっていたことじゃ。そして、割り切らなければならんことでもある。ルーキーとして"新世界"に殴り込んだ海賊が、海軍本部大将に捕まえられる。よくあることと言えば、よくあること」
「そういうことだ。ま、あんたの血縁ってこともあったし、あいつ自身に更生する気があったなら、もうちょいマシな扱いにはなったかも知れねぇが」
「ッ! ……なぜじゃ、ルフィ……! なぜ、海賊などに……ッ!」
ガープの拳がキツく握り締められる。
その迫力に女性陣は怯えているが、この部屋にいるもう1人の男であるジャックハートは気にも止めていなかった。
「あんたが悔しがってもしょうがねぇだろ。海賊を捕まえまくっていけば、世界は平和に近づく。
「……何?」
「ジャックハート様ッ! それって、どういうことッ!?」
名前に"D"を持つ。
あまりむやみやたらに話していた訳ではないその話題に、ガープとロビンが食いついた。
「俺の本名はジョージ・オル・ディエゴ・ジャックハートっつーんだが、ディエゴってのは親父が適当につけた仮の名前だ。正しくは、ジョージ・オル・D・ジャックハート。別に"D"の意味を深く追求しようとも思わねぇよ。どうでもいいし、俺のことを深掘りされる方が気分悪いからな」
「そうか……」
「ただ、俺の仕事として、その辺のが増える可能性があるらしい。何をどうするかは良く知らんが」
現状、サカズキからの指令と、天竜人からの直々の命令と、五老星による指示が主なジャックハートの仕事となっている。
"麦わら"とローを仕留めたことで、ほんの少しだけ仕事が変わるかも知れないとサカズキから伝えらたが、ジャックハートの考えは変わらない。
割り当てられた仕事をこなす。
ただ、それだけである。
「俺もあんたもこの子たちも、やることは何も変わらねぇよ。"正義"とか"悪"とか関係ねぇ。"平和"のために尽力するだけだ」
海賊の視点から見れば、ジャックハートの戦いや素行というものは凶悪かつ極悪非道のものにしか感じない。
理不尽な暴力の権化、嫌がらせの天才、限りなく天竜人に近い海兵。様々な言われ方をされるほどに、彼は恐れられている。
しかしそれと同時に、世界中の一般市民の視点でのジャックハートは、正しく"正義の味方"なのだ。
どんな凶悪な海賊であろうが市民に大きな被害を出さずに倒してしまう。その圧倒的な姿と功績の前には、多少のワガママも見逃されていた。
「今回捕まえた奴らの中には、革命軍の参謀総長もいる。革命軍と戦うのも近いだろうな」
「……そう、か」
「割り切るしかねぇよ、ガープ。俺らは海軍だ」
海軍本部大将のその言葉に、老兵は頷くしかなかった。
過去の経歴と年齢で見ればどう考えてもガープの方がジャックハートよりも立場は上であり、そうした関係で指導を行っていた事実もある。
だが、ガープは今前線を退いており、ジャックハートはそのトップに君臨しているのだ。
「平和に過ごそうとする市民のために、危険や悪を排除する。それだけだ」
男海賊を殺すのも、捕まえるのも。
とんでもなく危険な賞金首を捕まえるのも。
気に入った女海賊を自分の元に引き止めるのも。
全ては、平和のため。
◇
それからおよそ一日後。
シャボンディ諸島の77番GR。
「ケハハハハッ! やっぱり、ここは良い。サカズキさんにもシャボンディ諸島でのパトロールと慰安旅行って言ったら了承もらえたし、羽伸ばし放題だ」
「ねぇジャックハート様。これ、ホントに全部私たちのなの?」
「そうだ。俺に女物の服を着る趣味があるように思えるか? ちゃんと君らの服さ。喧嘩しないように分けてくれ」
ホテル街の中でもとび抜けて高級なホテルの最上階。
フロアを丸々繰り抜いたような最高級の部屋に、ジャックハートは女性陣を全員引き連れて来ていた。
「うーん……。それにしても、ロビンには悪いことしてる気分だわ」
「大丈夫だって、ナミちゃん。ハンコックちゃんやロビンちゃんは出産が近いし、ハニークイーンちゃんもつわりが始まってるからな。他に欲しいもんがある子は外に買い物に行ってるし、ナミちゃんも後で行くか?」
「今はここにいるわ。他の誰でもない、この2人にあなたを取られたくないし」
「ん?」
「むっ」
今現在、ジャックハートが宿泊しているこのフロアにいる女性は、全員ではない。
しかしその中には、ナミの以前からの顔見知りがいた。
「あんたたちよ、ノジコ! カリーナ! 何よ、2人とももうジャックハート様のお嫁さんにしてもらってるなんて!」
「あら、嫉妬? でも結婚式はまだよ」
「そうよ、ナミ」
「それでも、私より長い期間ジャックハート様の側にいたんでしょ!?」
義姉であるノジコと、昔の顔なじみであるカリーナ。
その2人を前に、ナミの口調が戻る。
「えぇ。一生懸命仕事して、綺麗になる努力をして、ジャックハート様に愛してもらう。それの繰り返しよ」
「……ホンットにバカバカしくなってきた。アイツらに振り回されてる間に、こんな羨ましいことしてたなんて」
「ウシシシシ。いいの? ナミ。そんなこと言って」
「良いでしょ。ジャックハート様との力の差が分かってないのよ?」
ナミの口から語られたのは、以前の彼女からは考えられないようなものだった。
「……アンタ、変わったね」
「変わるでしょ、そりゃ。冷静に考えれば天竜人の権力とかがある世の中で、力をつけてくる海軍相手に海賊が無事でいる確率の方が低いでしょ」
「ケハハハハハ! 違いないな。これからさらに、海軍の力は強くなる。なんせジェルマの科学力が手に入ったんだ。君らもいるし、ここから海軍は強くなる一方。海賊は衰退の一途だ」
「あら。ジャックハート様はジェルマの科学力を手に入れるために、私を迎えたの?」
ジャックハートのその発言に、反応した者が1人。
彼が腰掛けている大きなソファーとは別の、これまた大きなソファーに、先ほど彼の目の前で着替えた身体のラインを強調するような華美なドレスを身に纏った女性。
数時間前までの名は、ヴィンスモーク・レイジュ。現在の名はジョー・レイジュ。
ビッグマムの言葉通り、彼女はジャックハートがニューマリンフォードへと戻ってきた時すでに彼の自宅にいたのだ。
「そんな訳ねぇって、レイジュちゃん。分かるだろ?」
「分からないわ。……だから、私にちゃんと、教えてくれる? あなたがどうして私を迎え入れたのか」
「ケハハハッ! 意外と乗り気じゃねぇか」
話題に挙げられたところでレイジュがジャックハートへと迫る。
胸元を大きく開け、角度次第では乳房のほとんどが丸見えになるのではないかというほどに彼への警戒を緩めた状態で、彼の隣に座る。
「大方、レイジュちゃんも嫌気が差してたんだろ? 聞けば、奴らそれなりに強くなる代わりに、感情が欠落してたり、人格がおかしくなっちまってるらしいじゃねぇか」
「そうね。……私も同じとは、思いたくないけど」
「そりゃそうさ。俺のすることに反応してくれるのは、ちゃんとした感情がある人間だけだ」
ジャックハートのその言葉で、レイジュの脳裏にとある光景が思い返される。
つい数日前、ビッグマムが拠点とするホールケーキアイランドにてジャックハートの資料を見せられた時の、家族たちの顔。
まるで自分たちの科学力を無意味だと言わんばかりの、圧倒的な力。人間が生身でこれほどのことができるのか、と汗を滲ませていた弟たちを思い出す。
「大丈夫だ、レイジュちゃん。君が俺のところにいる間は、相当なことをやらかさねぇ限りジェルマには何もしねぇよ」
「そう? なら良かったわ」
「ってか、レイジュちゃんもプリンちゃんも良かったのかよ。海軍から逃れるための駒として俺の元に来て」
「私は良いわ。あそこにいるよりも、刺激的かつ良い暮らしが出来そうだし」
「なるほどな。……プリンちゃんは?」
「わ、私は……」
ジャックハートから話を振られた先にいたのは、レイジュと比較すると少し幼さを感じさせる風貌をした美少女。
数時間前までの彼女の名前は、シャーロット・プリン。現在の名前はジョー・プリン。
四皇ビッグマムことシャーロット・リンリンの子供にしては珍しい、相手に嫁ぐ形となった女性だ。
「猫被る必要なんて無い。本音と言葉が違っていた方がイライラするからな」
「っ! そ、そんなこと……」
「だが、あいつもやっぱ馬鹿だな。三つ目族とのハーフなんだから、そりゃ三つ目で生まれるだろ。それを気持ち悪いって酷い話だぜ。海賊やってる最中に頭でもぶつけて脳味噌吹き飛んだんじゃねぇか?」
「〜〜っ!」
ジャックハートのそのセリフに、プリンは顔を真っ赤に染めた。
その顔色と表情を隠すかのようにソファーの上で膝を抱えて座り、もぞもぞと彼女の身体が左右に揺れる。
彼女も強引に結婚を決められたことに腑に落ちない部分がある一方、相手がとんでもない上物であることと、その彼が自分の三つ目に否定的ではないことも相まって、感情の振れ幅が凄まじいことになっていた。
「……で、だ。話は戻るがプリンちゃんはそこんとこどうなんだ? 俺とこういう関係になるってのは」
「べ、別に……嫌って、訳じゃ……」
「なるほどな。ま、安心したぜ。嫌な気分で来られるよりも、圧倒的にそっちの方がいいからな」
具体的に、誰にとって何が良いかは言っていない。
しかしそれでも、確かに良いということがプリンには理解できていた。
「だが、まだ緊張してそうだな。俺の元に一生いるつもりもないが、あのババアのとこに絶対に帰らなきゃならねぇ訳でもない。能力を使おうにも、この布陣相手に隙が見つからないってとこか」
「……!」
「ケハハ。そんな怖い顔すんなって。プリンちゃんが能力でいろいろした瞬間にビッグマムは俺が沈める。クソキモい息子もな。その辺のリスクリターンの計算ができない子だとは、思いたくないが」
「んもう、ジャックハート様? 私たちの前で、そんなに怖い話をしないで」
ジャックハートの左に座ったレイジュが、彼の体に密着するように凭れかかる。
腰にタオルを巻いているだけのジャックハートの体に彼女の柔らかい肢体が絡みつくも、ジャックハートの表情は未だ真剣なもの。
そもそもの話、プリンはジャックハートにまだ完全に受け入れてもらえていなかったのだ。
少し前までは海賊であり、さらにジャックハートに惚れてここまで来たわけではなく、ビッグマムから送られてきたのだ。
「ま、プリンちゃんに関してはいい。あのババアを抑え込めば、プリンちゃんが逆らう必要もなくなるからな」
「そ、それって……」
「あぁ。ナミちゃんやロビンちゃんの時と同じだ。あいつらがどうなってもいいんなら好きにしろってことになる」
だが、その手の扱いにはもう慣れてもいる。
ジャックハートの脅し文句は、『ビッグマムたちを半殺しにした上で、プリンを追い出す』というもの。鼻つまみ者であった彼女がそう言った状況になってしまえばどうなるか、分からないプリンではなかった。
「よしっ。待たせたなレイジュちゃん。君の言う通りだ。ここから先はデカい仕事はそれほどない。今はゆっくりたっぷり、楽しむとしよう」
「ふふっ。えぇ、そうしましょう?」
「ちょ、ちょっとジャックハート様!」
「ウシシシシ。今更言いたいこと、分からない訳じゃないでしょ?」
「たしぎさんたちが帰ってくる前に、発散しましょ?」
じっとソファの上で様子を伺うプリンと対照的に、ジャックハートに迫るレイジュ。
そんな彼女に待ったをかけるように、ナミ、カリーナ、ノジコも彼の元に近寄っていく。
彼女たちもまたレイジュと同じく、ジャックハートの情欲を誘うような露出度の高い、派手なドレスを身に纏っていた。
「ケハハハ、望むところだ。せっかく着てもらって悪いが、すぐ脱ぎ散らすことになるぜ?」
「それこそ望むところよ。いっぱい愛してくれるんでしょう?」
「当然」
「なら、誰から愛してくれるの?」
「さあな。まずは、全員まとめてだ」
ジャックハートのその言葉を皮切りに、女性陣が彼にさらに詰め寄る。
最も近くにいたレイジュがジャックハートの唇に自らの唇を重ね、ノジコはドレスを脱ぎ始め、ナミとカリーナは彼の空いているスペースに身を収める。
「ケハハハハ。誰かが戻ってくるまで、嫌と言っても抱き続けてやるよ」
硬くなり始めるジャックハートの陰茎。
その主張は、女性陣の情欲を駆り立てていた。
◇ ◇
一夜にして世界中を駆け巡った衝撃的な報せの数々。
ジョー・ジャックハート海軍本部大将による、"麦わらの一味"並びに革命軍参謀総長、そして王下七武海の2人の討伐は、全世界に良くも悪くも影響を与えた。
"ジョーカー"から仕入れていた兵器が届かなくなった国、革命軍から矛先を向けられなくなった国、それと同時に、海賊たちの脅威に怯えなくてよくなったもの。様々である。
しかしその中で特に衝撃を受ける立場となっていたのが、"麦わらの一味"と深い関わりを持つものたちであった。
ウォーターセブン
かつては街の嫌われ者であったゴロツキたち。彼らが円形になって床を眺めるその中心にあるのは、新聞の一面にあるとある記事。
「う、嘘……だ……。あの、アニキと麦わらさん達が、捕まったなんて……」
「……相手が悪すぎるわいな。まさかあの、ジャックハートが出てくるなんて……」
「そ、その言い方はあんまりじゃねぇか!? まるで、アニキたちが弱いみたいな……」
「違う! ……けど、有名な話だわいな。海軍本部の大将たちにも違いがあって、その中でもジャックハートはとびきりに最悪だって」
モズの語りを邪魔するものは、その場にはいなかった。
「元帥"赤犬"は、徹底的な正義で殺しも厭わない。でも、"青雉"、"黄猿"、"藤虎"は絶対に殺すという訳ではない。"緑牛"の話はまだ聞かないけど、ジャックハートの話は有名だわいな」
「"白龍"は、自分の娯楽のために賞金首で
「……けど」
「送り出してしまった以上、俺たちにも責任はあるかも知れん、な」
「ニューアニキ……」
その場には、かつてフランキーについていくだけだったものたちではなく、フランキーの兄であるアイスバーグもいた。
「……普通に考えれば、よくないことだ。それでいて、その選択肢しかなかった。海賊として生きていくアイツを送り出すってことは、そういう覚悟ができてなきゃならなかった」
エニエス・ロビーで世界政府や海軍相手に大立ち回りをしてしまったフランキーには、どの道逃げ場はなかった。
ウォーターセブンから出ようが出まいが、いつかは海兵と戦う時が来る。
そしてその結果として、彼は負けてしまったのだ。
「そりゃ、海賊として生きるなら、最後まで逃げ切るか捕まるかのどっちかだろうよ」
「……」
まるで自分に言い聞かせるように、心痛な面持ちで1人呟くアイスバーグ。
彼に言葉を掛けることが出来る人間も、ここにはいなかった。
サクラ王国
"世界会議"に向けての出航を数日後に控えたこの国にも、"麦わらの一味"崩壊の報せは届いていた。
「まさか、彼らが……」
「悲しむんじゃないよ、ドルトン。海賊が捕まったんだ。何も不思議なことじゃない」
彼らの口から出る言葉は、他と同じ。
劇的な強さを見せ、この国を変えるきっかけとなった彼らが、まさか捕まるとは。
人格も知っている彼らだったが、海賊ということも知っていた。
「……Dr.くれは。海賊というのは、悪でしかないのでしょうか」
「世間一般から見りゃそりゃそうだろう、としか言えないね。海賊だって言って名乗りを上げちまってるんだ。あの子たちだけは捕まらない、とでもどこかで思ってたのかねぇ」
そう1人呟き、遠くの空を眺めるDr.くれは。
その空にはどんよりとした分厚い雲がどこまでも続いており、サクラ王国にしんしんと雪を降り注いでいた。
「切り替えな。もうすぐ"世界会議"だ。その会議の護衛には、天竜人への報告も兼ねて海軍本部大将たちも来るって話だ。国王の感情で国民を危機に晒す訳にはいかないよ」
「……えぇ」
年長者であるくれはの言葉に、俯いたまま返事をするドルトン。
様々な感情が入り乱れているであろう彼は、しばらくそのまま立ちすくんでいた。
アラバスタ王国
アルバーナ宮殿には、6人の大人が集まっていた。
「……そう、か。ルフィくんたちが、やはりジャックハートくんに捕まったか」
「殺されてはいない、のよね?」
「えぇ、恐らく。……あんな彼らでしたが、政府や世間の認識としてはやはり海賊。最近や2年前の動きを見ても、悪と捉えられる部分が多いのでしょう」
「それと、ビビ様宛に海軍本部から手紙が届いております」
「私に手紙?」
国王であるコブラと、王女であるビビ。そして王国護衛隊であるイガラムとチャカとペル。そして、王国環境大臣であるコーザ。
5人の話題も"麦わらの一味"であったが、ペルがビビに海軍本部からの手紙を差し出したことで大きく逸れることとなる。
「えっと……っ!? 何、これ……!」
「ど、どうかされましたか!?」
「っ、ペルとチャカは、中身を知らなかったのね! お父様は!?」
「……知っていた。あまり国を混乱させないようにと、ジャックハートくんから口止めされていたのでな」
「ジャックハートさんが……?」
海軍本部からビビに送られてきた手紙。
ほぼジャックハート関連のことだと分かってはいたが、その内容までは予想できなかったのだ。
「あぁ。王女が王女に
「ビビが王女に相応しくない、だと……?」
「……経緯はどうであれ、バロック・ワークスや"麦わらの一味"と行動を共にしていたのは事実。理由を知っている者は弁明するが、知らないものはそんなもの関係ない」
「なるほど。……今回の一件で、ビビ様を狙う輩が増えるかもしれない、と」
「世界政府……というより、ジャックハートくんの意見はそうだ。なんでも、ドフラミンゴの兵器に頼っていた連中がそれなりにいるらしく、憂さ晴らしのようにルフィくんたちに関係が深い場所を襲撃する可能性があるようだ」
「……絶対にない、とは言い切れないな。インペルダウンから出てきた奴らも、来ないとは限らない」
ドフラミンゴを通じて世界中の海賊や権力者たちに伝わっている情報は予想以上に多く、その中にビビが秘密犯罪会社や海賊の一員として動いていたという情報もある……かも知れない、というのがジャックハートから寄せられた手紙に書いてあったことだ。
そして、もし海賊たちが組んで押し寄せてきた場合、完全に守り切る自信はないとも書かれていた。
「それで、手紙の本題は?」
「……ビビを、ジャックハートくんの元で生活させるというものだ。つまりは、王女ではなくなるということになる」
「そんな……ッ!? それでは、アラバスタの次期国王はどうなるのですか!? それほど簡単に、王族が変わってもよろしいのですか!?」
「今回の一件に関しては良い、というのが、天竜人の意見らしい」
「天竜人……! なぜ、アラバスタの内政に……!」
「国の関係者にそういうものがいる、というのは他国と彼らからすれば、事情はどうであれ簡単に見逃せるものではないらしい」
簡潔に言えば、何をしでかすか分からない、どうなるか分からない起爆剤のような扱いになっているのだ。
腫れ物をそのままにせず、安全な場所に送るというのが、天竜人の決定だった。
「次期国王は未定。私の精子と、これまた天竜人が決めた誰かの卵子を体外受精させて、子を授かろうと考えているようだな。それが出来る技術もあると」
「横暴、すぎではありませんか……!」
「いいえ、イガラム。お父様やみんなには申し訳ないと思っているけど、これが最善よ。ルフィさんたちが捕まってしまった今、私が一緒に行動していたことを脅しに使ってくる人もいるかも知れないわ」
「ビビ様……」
自分の腕の中ですやすやと眠る愛娘、ティアに視線をやるビビ。
あくまでも、国に住む民が大事。海賊だけでなく、他国に不審に思われないということもまた、民のため。
「"世界会議"が、私のアラバスタの王女としての最後の仕事になるわ。それ以降は、この子と一緒に、ジャックハートさんの所で生活する。……アラバスタは、みんなに任せるわ」
物思いにふけるように、そう呟くビビ。
ジャックハートの真意を唯一知る彼女は、1人心躍らせていた。
"東の海"、海上レストラン"バラティエ"
「カゼひくな、とは言ったが……」
忙しなく動くキッチンと、扉を隔てた先の部屋にいるゼフは、新聞を広げながら独り言を溢していた。
サンジと仲が良かった面々も、もちろん今回の騒動は知っている。
だがそれでも、彼が捕まったからと言って店を閉める訳にもいかない。そんなことを、サンジも望まないことは誰もが理解していた。
「……帰ってくるって約束破りやがって。親不孝もいいところだ」
ボヤくが、その言葉に力はない。
海賊として旅立った彼を、しっかりと見送った。
「……クソ」
その事実から目を背けるように、ゼフはキッチンへと赴いた。
シロップ村
決して栄えているとは言えない"東の海"にあるのどかな島も、本来の静けさとは違うものが村を包んでいた。
「こ、これって、キャプテン……だよな?」
「あぁ……。信じたくねぇけど、この鼻と、この名前。キャプテンしかいねぇよ……」
「……カヤさんには、言った方がいいのかな」
村人たちの話題に上っているのは、この村出身である海賊、ウソップが捕まったということ。
かつて彼と行動を共にしていた3人の少年たちが話していたのは、村のはずれにある大きな屋敷に住む女性のこと。
ウソップが傷ついて帰ってきても、全部治せるようにと医者を志す彼女に、どう伝えるか。
「私が、どうしたの?」
「「「いぃっ!?」」」
悩む彼らの元に来たのは、丁度話していた人物。
どこか悲しげな表情を浮かべた彼女の手には、彼らが持っていた新聞と同じもの。
「か、カヤさん……。知ってたの……?」
「えぇ。……やっぱり、寂しいし、辛いわね」
海賊になる。
それがどういうことを意味するか、分からない彼らではない。
「……でも、キャプテンはきっと戻ってきますよ!」
「っ……! そう、ね」
だがそれでも、いつかウソップが帰ってくると信じている少年たち。
しかし、そんな彼らを前に、カヤは笑顔ではいられなかった。
シモツキ村
「先生! 先生! "海賊狩りのゾロ"が捕まったってホント!?」
「……えぇ、どうやら、そのようですね」
ロロノア・ゾロが少年時代に通っていた道場。
彼に憧れて道場に通い始めた子どもたちは、新聞の記事について道場の先生であるコウシロウに詰め寄っていた。
「海賊になる、ということはこういう運命にもなってしまう道に進むということです。……君たちが将来、海賊になるのを私は止めはしませんよ。私が教えることが出来るのは、剣だけです」
今まで自分たちにとって、会った事はない漠然とした英雄のような存在だった人物が、海軍に捕まった。
その事実は、子どもたちにもある程度重くのしかかった。
「剣を習い、その続きとして海賊になるのか。海賊になるために、剣を習うのか。それを決めるのは君たちです」
ゾロは捕まった。しかし、まだ彼の道は途絶えてはいない。
いつか、ゾロがまた進む時が来ることを信じて、彼は今日もまた剣を教える。
「……立ち止まっても、また進み出せばいいのですよ」
かつての教え子に向けての激励。
それは、騒ぐ子どもたちの声にかき消され、空に消えていった。
フーシャ村
「エースに続いて、ルフィもか……」
小さな港村は、静まり返っていた。
2年前、過去この村の近くに住んでいたことがある、"火拳"のエースが死んだ。
そして今回は、彼の義兄弟であるルフィとサボが捕まったという報道。それも、この村に何度か訪れたことがある海兵によって捕まえられたという。
「……ガープのようには、なれなんだか」
海兵と海賊。
将来のことを考えるとどちらが良いかは、明確だ。
だがそれでも、ルフィたちはただ自分の進みたい道を進んでいたのだ。
「海賊などに、なるからじゃ……」
小さい頃を見ていた彼らからすれば、自分たちの子どものような少年たち。
海賊や革命軍として活動しているのだから、海兵と戦って捕まることもある。
誰も彼もが分かっていることだが、いざ身内の人間がそうなると、思い知らされるものもある。
「マキノも村を出て行った。……この村も、静かになる」
村の長である村長は、重々しい表情で家の奥へと姿を消した。
次回は、ナミ、カリーナ、ノジコ、レイジュたちとの絡みからの、ですね。
誰にするかは気分次第です。
あ奴のせいで一歩も家を出られない日もあるので流石に気が滅入ります。こうなりゃ短編でもいいから書きたいエロをいろんな原作で気が向くままに書きまくったろか……!
ともあれ、いろいろ書きましたが元気です。強いて言えば多少お肌が荒れたぐらいです。
感想欄でアンケートの答えを募集してしまうという痛恨のミス。申し訳ない。
コメント、評価などお待ちしております!
今後の本番シーンについて、主にどんな内容が良い?
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主要キャラの一部を濃く
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主要キャラメインで大人数を書く
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作者好みのキャラで濃く
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現在対象キャラ全員
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このキャラを!(感想に書いてください)