※この作品はR-18です。

思いつくままエロパロ   作:デスイーター

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 ロクアカラスト、イヴ編です。原作で散々な目に遭った彼女ですけど、ちょっとは幸せになれるといいな。


グレン=レーダス×イヴ=イグナイト

 イヴ=イグナイトは、夢を見ていた。場所は見覚えのある、アルザーノ魔術学院に程近い道…視線の先には、こちらに背を向けるグレンの姿がある。グレンは傍らにルミアを連れ、イヴを置き去りに歩き出している。

 「お願いよ、私の言うこと聞いてよ…ッ! 貴方は私の部下でしょう!?」

 記憶通りの、最早命令というより懇願じみたその言葉…だが、これが彼女の夢である以上その結末は最初から決まっていた。

 「イヴ。どうしても、ジャティスとこの場で戦いたいってなら、もう止めねぇ…好きにしろ。せめて…死ぬなよ?」

 「あっ…ぐ、グレン…待っ…」

 イヴの言葉に耳を貸さず、グレンはその場から立ち去った。伸ばした手は、空を切る…そして、ふと左腕に目を向ければ…その、肘から先が、斬り落とされていた。ぼたぼたと滴り落ちる鮮血と地面に転がる自分の腕を見て、イヴは絶叫する。

 「ぁあああああああああああああああああああああああああああああああーーッ!」

 腕を抑えて泣き喚くイヴの目前に、影がかかる。見上げれば、哄笑を浮かべた狂人、ジャティス=ロウファンが傍らに鋭利な大剣を携えた女神を従えてイヴを見下ろしていた。

 「判決を下そう。イヴ=イグナイト、君は死刑だ」

 その言葉と共に鈍く光る女神の剣が振り下ろされ、そして…

 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…っ!」

 ---イヴは目を覚まし、恐怖で歪んだ表情のまま飛び起きた。息は荒く、動悸が苦しい…寝間着は寝汗でぐっしょりと濡れ、全身から鳥肌が立っている。反射的に左腕を確認し、確かにそこに繋がったままの左腕を見てようやくパニックが治まった。イヴは恐る恐る左腕を抱え込み、ガタガタと震えだした。あの日、グレンに拒絶され、ジャティスに殺されかけた記憶は明確なトラウマとなってイヴの脳裏に刻まれている…その心の傷は外傷が治癒した今でもイヴの左腕から魔術能力を奪っている…その結果、イグナイト家からは事実上見捨てられ、厄介払いのように与えられたこの家で毎夜悪夢に怯える日々…今のイヴにとって、毎日が地獄と言って良かった。

 「…うぅ…なんで、なんで…助けてよ、グレン…」

 啜り泣きながらイヴが漏らした一言は、夜闇に溶けて消えていった…

 

 「はぁ~」

 一人、フェジテの街を歩くグレンは盛大にため息を吐いた。歩みを進める足取りは重く、『出来る事なら行きたくない』という感情がその挙動の端々から滲み出ていた。

 今、グレンが向かっているのはとあるバーであり、そんなグレンを呼び出したのはグレンの特務分室時代の同僚、アルベルト=フレイザーである。

 あの夜、リィエルの持ってきた手紙の裏にはメッセージの『続き』があったのだ。そこには日時と場所が記され、『来い、必ずだ』とアルベルトらしからぬ乱暴な筆跡で書かれていた。システィーナ達との関係を知られた以上、グレンに否と言える筈もなかった。

 最後の同居人であるリィエルも巻き込んでしまった事で、フィーベル邸で彼等の行為を見咎める可能性のある者は誰もいなくなり、結果…全員のタガが外れ、フィーベル邸にいる間は時間を問わず淫らな行為が横行する事となった。

 グレンが朝起きれば3人のうち誰かが朝立ちの処理を行っており、まだ日があるうちでも何かの拍子で勃起すればそれを見咎めた者がその場で性行為へと誘い、入浴では堂々と混浴し浴室の中で嬌声が漏れる…そんな、凄まじく爛れた生活を送っていた。

 そんな中での、アルベルトの呼び出しである。付き合いの長い彼の事だ、今の自分の状況を正確に察していてもおかしくはない…教師が生徒に手を出した上、三股を敢行しハーレムを形成してやりたい放題…誰が見ても、言い訳不能の最低男だろう。成り行きとはいえ、3人もの生徒に手を出した教師などバレれば破滅まっしぐらである。

 まあ、アルベルトに限って口外する事は無い筈だが、それでも何を言われるか分かったものではない為、グレンの足取りは果てしなく重かった。

 「あー、着いちまったか」 

 ふと気付くと、目の前には店の入り口がある。此処まで来たら腹括るか、と半ば自棄になりながらグレンは店に入り…奥の人気のない席に座っているアルベルトを見つけ、隣の席に腰を下ろした。

 「…ようやく来たか、三股男。いや、ロリコンと呼んだ方がいいか」

 「ったく、いきなりそれかよ。まあ、否定出来る要素は何もないワケだが…つか、誰かに聞かれたらどうすんだよ」

 「問題ない。遮音は完璧だ…お前はともかく、システィーナ達を不幸にするワケにもいくまい」

 相変わらずのポーカーフェイスで、アルベルトはそう宣った。表情は一切変わらないが、付き合いの長いグレンからはアルベルトがこの件で本気で糾弾する気はないのだとわかる…まあ、非常識な事態に呆れてはいるようだが。

 「それで、お前はそんな俺に説教しに呼んだのかよ。言っとくけど、成り行きとはいえきちんと両者納得尽くの事だぜ。第三者にあれこれ言われたくはねーんだが」

 「そうだな、お前の事だ。やるだけやって捨てる、などという真似が出来る程器用ではあるまい。3人に関してはお前の好きにやれ…陛下への言い訳は、自分で考えるんだな」

 「う…」

 アルベルトの言葉に、グレンは口を詰まらせた。グレンが関係を持っている少女の一人、ルミア=ティンジェルは本名をエルミアナ=イェル=ケル=アルザーノといい、元アルザーノ帝国第二王女にして、現女王アリシア七世の実の娘である。諸事情で廃嫡され名前を変えて一般人として生きているが、アリシアは今でもルミアに深い愛情を抱いており、グレンはそんなアリシアからルミアの事を直接頼まれた間柄だ。そんな自分がルミア一人を選ぶならともかく、三股をしている現状を知られればアリシアがどう思うか…考えるだけで、背筋が寒くなる思いだった。

 「まあ、それはもういい。今回呼んだのは、翁からの頼みがあったからだ」

 「おいおい、ジジイからの頼みだぁ? あんましいい予感はしねぇが、一体なんなんだよ」

 二人が話題に挙げている人物は、特務分室執行官ナンバー9、『隠者』のバーナード=ジェスターの事である。グレンの格闘術の師でもあり、老齢に達した今尚現役で活躍するベテランの魔導士だ。そんな彼からの『頼み』など、どうにもタダで終わる予感はしない。

 「本来、これは俺としても関わるつもりのなかった『頼み』だ…翁自身、無理強いするつもりはないようだが…三股男には丁度いい雑用だ、黙って受けろ」

 「チッ、分かったよ。で? なんなんだよ、その『頼み』ってのは?」

 グレンが渋々ながらそう尋ねると、アルベルトは満足した様子で口を開いた。

 「まず、例の事件以降イヴ=イグナイトがどうなったか知っているか?」

 「ん? あー、そういえば散々叩かれて色々権力失ったんだっけか」

 イグ=イグナイトは、特務分室の室長であり、事実上の上司であった存在だ。例の一件ではジャティスと共に学院に向かう最中現れ、ジャティスを自分と共に倒すようグレンに命じ、グレンがその誘いを振り払った為単独でジャティスと交戦…その結果、片腕を斬り飛ばされ、危うい所をアルベルト達特務分室のメンバーが救ったのだと聞いている。

 イヴは特務分室室長でありながら事態の拡大を防げず、ジャティスも取り逃がした事で上層部から厳しい追及を受け、室長の座は代わりの人員がいなかった事から辛うじて保てたものの、あらゆる権限を毟り取られ、お飾りの室長と化しているらしい…これは以前会った時、アルベルトから直接聞いた事である為今の質問はそれを覚えているかを確認しただけなのだろう。

 「ジャティスに腕を斬り飛ばされた事が余程ショックだったようでな…左腕での魔術行使に支障が出ている上、本人も意気消沈していて正直使い物にならん…だからなのか、翁はお前にイヴと会って欲しいそうだ」

 「はぁ? なんでそうなるんだよ。大体、イヴは俺の事なんて顔も見たくねぇ筈だろ? ジャティス相手にあいつ一人じゃ危ないって分かってて見捨てたんだからよ」

 そう、あの時グレンはイヴの切羽詰まった様子に後ろ髪を引かれつつも、『メギドの火』への対処を優先しイヴの手を払いのけた…つまり、今のイヴの現状の一因を担っている自分に、イヴが悪感情以外を抱く筈がないとグレンは考えているのだ…イヴ本人が、本当はどう思っているのかはともかく。

 「あの時、正しい判断を下したのはあの女ではなくお前だグレン。ジャティス=ロウファンは限られた時間内で片手間に相手を出来る存在ではない…もしそこでお前がイヴの言葉に乗っていれば、このフェジテが辿る末路は取り返しのつかないものとなっていただろう…あの女の自業自得を、お前が気に病む事はない」

 突き放すような言い方だが、その言葉からはアルベルトなりの不器用な気遣いが垣間見えた。イヴの事で責任を感じているグレンに対し、ただ純粋に気を使いすぎだと忠告しているのだ。

 しかし話はそこで終わらず、アルベルトはだが、と前置きにして話を続けた。

 「翁のたっての頼みだ、無碍にもできん。お前も、イヴはともかく翁には多大な恩義があるだろう…少しは力になってやれ」

 「ったく、分かったよ。俺が会いに行ってどうこうなるもんでもねぇと思うけどよ…行くだけ行ってみるぜ」

 グレンはそう告げるとイヴの居場所を聞き、そのまま店を去った。そのグレンの後姿を見送るアルベルトは、何を思ったのか盛大に溜め息を吐き、自身も勘定を置いて店を去った。

 

 「っと、此処だな」

 数刻後、グレンはとある邸宅の前に立っていた。高級住宅地の一角にあるその邸宅は、一個人の住む場所としてはかなり大きいものであり、持ち主の財力が伺い知れるが…その邸宅からは、何処か冷たい無機質な印象を受けた。

 正直、イヴの実家であるイグナイト家の権力を考えればこの程度の邸宅で済むワケがないのだ。確かにこの邸宅は個人が持つには大きいものだが、この程度の規模の家であればこの高級住宅地を探せば他にもそれなりの数が見つかるレベルだ。

 それにそもそも、フェジテにイヴの家がある事自体が少々おかしい。イグナイト家の本拠地はあくまで帝都オルランドであり、学究都市であるフェジテに家を構える必要はない…グレンの目には、何故か目の前の邸宅がまるで鳥籠か何かのように映っていた。

 「っと、いつまでもこうしてても埒が明かねぇよな…よし、行くか」

 グレンは気乗りしないまま仕方なく呼び鈴を鳴らすが、暫く待っても反応はない…留守か、と思い踵を返そうとした瞬間、バタバタという慌ただしい足音の後、家の扉が乱暴に開け放たれ…その中から、燃えるような赤い髪の少女、イヴ=イグナイトが息を切らして現れた。

 「ぐ、グレン…っ!? な、なんであなたが此処にいるのよ…っ!?」

 「何でって、バーナードのジジイに様子見て来いって頼まれたんだよ。文句あっか?」

 グレンの返答にイヴは俯き、小声で何かをぶつぶつ呟くばかりで、見るからに普段とは様子が違っていた。その姿は記憶の中にある平然と冷酷な命令を下す特務分室室長としての姿とはかけ離れており、あまりの変貌にグレンを困惑させた。

 イヴは散々何かを呟きながら暫く考え込んだ後、ハッとなった様子で顔を上げ、バツの悪そうな顔でグレンを手招きした。

 「…とにかく、玄関前にいられるのも迷惑だから入りなさいよ。この後予定はないわよね」

 「生憎だが特にねぇよ。お言葉に甘えて、あがらせて貰うぜ」

 グレンは邸宅内に向かうイヴの後を追い、家の中に上がり込んだ。内部も外観から分かる通り広い造りをしているが、何故か装飾品は少なく寂寥感があり、更にいえばあまり生活感がない。間違いなくイヴはこの家に住んでいるというのに、埃を被ったドアノブの部屋が幾つも見え、まるでモデルルームのような印象を受ける。

 てっきり台所に通されるのかと思っていたグレンだが、イヴはそのまま台所を横切って階段を上がり、2階奥の寝室へとグレンを招き入れた。寝室は他の部屋とは違って相応の生活感があり、乱れた寝具がそのままに放置されており、部屋の隅には脱ぎ散らかした服もチラチラ見えている。その中に下着を見つけてしまい、グレンはそっとイヴの方へ視線を戻した。

 「どこでもいいから座りなさいよ。女性の部屋をあまりジロジロ見るものじゃないわよ」

 「そう思うなら何で寝室なんて連れて来たんだよ。普通に台所とか応接間とかあっただろ」

 「生憎、アポのない相手に出すお茶はないわ。大方、バーナードの頼みにかこつけて落ちぶれた私の姿を見に来ただけじゃないの、貴方」

 イヴは棘のある言葉でそう告げ、ジト目でグレンを睨みつけている。記憶通りの傲慢な態度に見えるが、その手の握り拳は震えており、言葉とは裏腹に動揺しているのが丸わかりだ。

 「何でそうネガティブに考えるんだよ、お前。俺、そこまで趣味悪くはないぞ」

 「ええ、そうでしょうね。あの状況下で最適な行動を取った貴方は、何一つ恥じる事はないものね…下らない手柄に固執して失敗した、私と違ってね」

 「お前…」

 震えながら告げるイヴの言葉は、あまりにも痛々しかった。グレンを罵倒しているようで、その実吐き出す言葉の矛先は全て自分に向いている…イヴは自虐的に唇を歪め、乾いた笑いを漏らした。

 「そうよ、私はもう落ちる所まで落ちたわ。室長なんてもう名ばかりで、しかも左腕の魔術能力が戻らないから戦闘でも役立たず…これならいっそ、室長の座から降ろされた方がよっぽど良かったわ。バーナードも、私に愛想をつかして私に恨みを持っている貴方なら私にトドメを刺してくれると期待して貴方を寄越したんじゃないの?」

 まるでバーナードを侮辱するかのような物言いだが、グレンはイヴの暴言に、何も反応出来なかった。あまりにも今のイヴは見ていられない程弱弱しく、ちょっとした切っ掛けで自らの命すら断ってしまいそうな気がした。絶句するグレンの様子に気付かず、イヴは零れ落ちる感情のまま口を開く。

 「もう、イグナイト家に私の居場所はないわ。お父様は私にはもう何の期待もしていないし、この家だって厄介払いする為だけに与えられた檻そのものよ。私に残された価値といえば、イグナイト家の血を引く者として子供を作って魔術の才を受け継がせる事くらいよ」

 イヴは乾いた笑いを漏らしながら天井を仰ぎ、ハッと何かに気付いた様子でグレンを見る。イヴは何処か狂気すら感じる瞳でグレンを射抜き、グレンはその瞳に気圧され、思わず一歩後ずさった。

 「そうよ、貴方でも出来る事があったじゃないーーー私を孕ませなさい、グレン。私にはもう、子供を作るくらいしか価値が残ってないんだから、貴方が手伝いなさいよ。悪い話じゃないでしょう? 責任を取る必要もなく、女に種付け出来るんだから…どうせ、一緒に暮らしてるあの子達ともよろしくやっているんでしょう? なら、落ちぶれた女を一人抱くくらい簡単でしょう」

 狂気を感じさせる笑みを浮かべるイヴはグレンの返事を待つ事なく自分の服のボタンを乱暴に外し、胸元を露出させた。服の隙間からイヴの豊かな乳房を包む淡い桃色の下着が見え、今のイヴの暗い雰囲気も相まって倒錯的な色気を感じさせる。

 「ほら、憎い女を好き放題に出来るのよ? どうせもう失うものなんてないし、好きにすればいいじゃない。セラを見捨てた私が憎いんでしょう、グレン。なら、迷う事ないじゃない…ほら、セラの仇を好きに犯せるのよ? 早くやりなさいよ、それとも怖気づいたワケ?」

 「…もう、止めろ。イヴ」

 あまりの痛々しさに見ていられず、グレンは震えるイヴの手を握った。イヴはそんなグレンの行動を理解出来ない、といった様子でポカンとしながら自分の手を握るグレンの手を見つめている。

 「あのな、幾らお前の事が嫌いだからってお前を犯して鬱憤晴らしなんかするワケないだろ。んな事したらタダの下種じゃねぇかよ…それに、泣いてる女を犯す趣味はねぇんだ」

 「あ…」

 グレンのその言葉に、イヴはようやくその瞳から涙が流れ落ちている事に気付いた。涙は次から次へと流れ落ち、一向に止まる様子を見せない。グレンはそんなイヴを見ながらため息を吐き、口を開いた。

 「イグナイト家の連中に何言われた知らねーけど、あんまし気にすんなよ。あの一件じゃ、意地張ってちょっとしくじっただけじゃねぇか。結局最悪の事態にはならなかったんだし、結果オーライだろ。お前がすげぇ魔術師なんだって事は、特務分室のメンバーなら誰だって知ってるよ。今の状況が辛いなら、無理に頑張れとは言わねぇよ。とにかく今は余計な事考えず、休める時に休んどけ。俺の知ってるイヴ=イグナイトって女は、この程度でダメになるような奴じゃねぇ。悔しいなら、しっかり休んだ後でそのよく回る頭使って、周りの連中見返してやれよ。どうしても必要ってならまあ、ちょっとくらい力になってやったっていいからよ」

 「う、あ、あ…ぐす、ひっく…」

 力になる、そのグレンの言葉にイヴは自分を苛む悪夢が薄れていくのを感じて心に刺さった棘が抜ける音が聞こえた。イヴは荒れ狂う感情のまま泣き出し、グレンに抱き着いて胸板に顔を埋めた。グレンはそんなイヴを拒む事なく、苦笑しながら抱き留めた。

 

 「…はぁ、最悪。グレンなんかにこんな弱みを見せるなんて、我ながらどうかしてたわ」

 散々泣いて落ち着いたのか、イヴは苦笑しつつそう漏らした。その声には先ほどまでの狂気すら感じる自棄の色は感じられず、泣き腫らした目には強い意志の光が宿っていた。

 「けど、ありがと。なんか、泣いたら楽になったわ…お父様に見捨てられた私に価値なんかないってずっと塞ぎ込んでたけど、まだ私にも縋れる手はあったのね…あの子達にも申し訳ないわ」

 『あの時、私達を助けてくれて、本当にありがとうございました』

 イヴの脳裏に浮かぶのは、あの日、学院を去る前に自分が大怪我を負って助けた女子生徒からの言葉だった。上層部からの厳しい追及や事実上イグナイト家を追放されこの家に押し込められた経緯ですっかり記憶から消えかけていたが、あの時感じた心の温かさは覚えている。今までずっと褒められたり感謝されたりといった事が殆どなかった彼女にとって、自分を肯定してくれるその言葉は何よりありがたい報酬となっていたのだ。その事を、グレンの不器用な励ましが思い出させてくれた…イヴの心には、その事に対する感謝の念が渦巻いていた。

 「ようやく調子が出てきたな…というか、いつまでそんなカッコしてる気だよ。完全に胸見えてるぜ」

 グレンの言う通り、イヴの胸元は露出したままだ。グレンに抱き着いた時に服がくしゃくしゃになり、柔らかな乳房はその全てがグレンの視界に晒されている。最近禁欲とは程遠い生活を送って来たグレンだが、女性のあられもない姿を見て平然と出来る程枯れてはいない。最近我慢というものをしていない所為もあって、何の切っ掛けでイヴに襲い掛かるか分かったものではないのだ。

 「そうね、胸だけじゃ中途半端よね。グレンは半脱ぎより全裸の方が好きなのかしら」

 「どっちでも可、というか何言ってんだよ、お前」

 イヴは曝け出した胸元を隠そうともせず、薄く微笑んだ。その笑みはゾクリとする程色っぽく、グレンの背筋を言いようのない感覚が駆け抜けた。

 「単純な話よ、グレン。私ね、どうやら貴方が男として好きみたいなの。貴方に力になるって言われて私、とても安心したの…でも私、言葉だけじゃ完全に納得なんて出来ないの…だから、グレンに抱かれて、貴方がそこにいるんだ、って実感が欲しいのよ。お願い、グレン。責任取れなんて言わないから、抱いて頂戴。私、今はとにかく貴方に抱かれたくてたまらないのよ」

 熱っぽく語るイヴの言葉に、グレンは思わず絶句した。今まで、自分の事を嫌っているとばかり思っていた女からの、突然の告白である…なまじ日頃から自分への好意が伝わって来ていたシスティーナ達の時と比べても、その驚愕は計り知れない。

 だが、イヴの眼からは本気の色を感じる。紫の瞳から感じる視線は痛い程で、彼女は手を固く握りながらグレンの返事を待っている…グレンはしばしそんなイヴの顔を見据え、溜め息を吐いた。

 「ったく、どいつもこいつも何で俺なんかに惚れるのかね。けどまあ、そこまで言うなら抱いてやるよ。責任取る、って堂々と言えないのは情けないがな」

 グレンの言葉に、イヴの顔が明確に華やいだ。あまり褒められた内容の返答ではないが、イヴにとっては充分なものだったようだ。

 「…ありがとう。大丈夫よ、後から責任取れなんて言わないわ。心配なら、契約でもなんでもしてあげるわよ」

 「ばーか、そんな事しねぇよ。ホント疑り深い奴だな、お前」

 「そうでもなきゃ、今までやってこれなかっただけよ。グレンと違って、人を信じる、なんて事出来なかったから」

 イヴはくすり、と笑うと目を閉じて顔を突き出した。それを見て何を要求しているのか察したグレンはそっとイヴの肩を掴み、その唇を奪った。

 「んぅt、むぅ…っ!」

 グレンの舌がイヴの唇を割り開き、口内を蹂躙する。イヴは口内に送り込まれたグレンの唾液を何の迷いもなく呑み込み、それを確認したグレンは唇を離した。

 「…ふん、流石に慣れてるわね。それだけ自分の生徒と酒池肉林を繰り広げたって事かしら」

 イヴの言葉は棘があり、何処か拗ねているようにも思える。グレンの中に他の女の影を見た結果だろう。その言葉を聞き、グレンはポリポリと頭をかいた。

 「あながち否定は出来ねぇのが辛い所だな…どうした、幻滅したか」

 「まさか。邪魔者が私の方ってのは理解してるわよ。あの子達には後で頭を下げに行かなくちゃね」

 イヴの脳裏には、あの日出会ったセラそっくりの少女であるシスティーナや任務上危険な目に遭わせてしまったルミア、自分の部下として何年もの付き合いがあるリィエルの姿が浮かび上がった。グレンの物言いからして、3人とどのような関係があるかは推測出来る…それを踏まえれば、異分子はイヴの方なのだ。リィエルを除き、残る二人とは碌な交流がない相手だ…一度命を救ったシスティーナに関しても彼女の願いを無碍にしてしまったし、ルミアに至っては任務の上で散々撒き餌のように扱ってしまった負い目がある…だからこそ、釈明は誠実に行うつもりだった。

 「その時は俺も一緒に頭下げてやるよ。言って分からない連中じゃねぇからな」

 「その時は頼むわ。けど、自分から言った事とはいえこんな時に他の女の名前を出すものじゃないわね…続きをしましょう、グレン」

 イヴはそう告げると自分の服に手をかけ、上半身を完全に露出させた。桃色の下着に包まれた豊かな乳房が外気に晒されぷるりと震え、グレンは思わず生唾を飲み込んだ。

 「ほら、貴方も早く脱ぎなさいよ。私だけ脱がせる気?」

 「ああ、悪いな」

 グレンはイヴに言われるがまま服を脱ぎ、全裸になってイヴの眼のまえに立った。イヴは曝け出されたグレンのペニスを見て目を見開き、恐る恐る肉棒に手を伸ばした。

 「熱い…これが、グレンの…」

 イヴは熱に浮かされたような様子でグレンのペニスを握ると、そのまま根元までその口に飲み込んだ。イヴの熱い口内の感触に、グレンが思わず呻く。

 「く…」

 「んちゅ、ぺろ、んむ…」

 イヴは蕩けた瞳のまま据え込んだ肉棒を舐め始め、グレンのペニスを刺激していく。特務分室時代に散々自分に命令を飛ばして来た女が、あろう事か自分のペニスを据えて一心不乱に奉仕している…その光景は、否応なしにグレンの欲情を高め、不意に限界が訪れた。

 「ぐっ、出る…っ!」

 「きゃ…っ!」

 びゅるるるるるるるる!と凄まじい勢いでペニスから精液が飛び出し、思わず口を離したイヴの顔や胸に白濁液が降りかかる。びちゃびちゃと白く濁った液体がイヴの身体を汚し、その体を染め上げる。イヴは自身の肌に注がれた精液に嫌悪感を示す事なく、むしろ陶然とした表情で吐精を受け入れている。

 「はぁ、はぁ、はぁ…」

 「…あつ、い…」

 ようやく射精が終わった頃には、イヴの全身が精液でドロドロに塗れていた。唯一身に付けていたスカートもグレンの精液で白く汚れており、ベットにも精液が流れ落ちている。イヴは自分の顔に付いていた精液を舌で舐めとり、思わず顔を顰めた。

 「…苦いのね、これ…」

 「当たり前だろ。悪いな、抑えが効かなかった」

 「いいわよ、私でこれだけ興奮してくれたって事なんだから…それより、まだまだ満足はしていないようね」

 イヴは大量の精液を放ったにも関わらず未だ硬度を維持しているグレンのペニスを見つめ、熱っぽい視線を送っている。イヴはベットに手を付き、グレンにお尻を突き出す格好になり、スカートを捲り上げた。

 「自分の精液でべとべとの女を正面から抱きたくないでしょ。ほら、後ろから入れなさいよ」

 その程度気にするグレンではないのだが、イヴが思った以上に気にしていた様子であった為、グレンは素直にそのまま抱く事を決め、イヴの腰を掴んで秘所にペニスを宛がい…そのまま腰を突き入れた。

 「…っ!!」

 「う、ぉ…!」

 ずぶり、とグレンのペニスがイヴの胎内に突き込まれ、イヴの純潔の証が飛び散った。イヴは破瓜の痛みに顔を顰めるが、すぐに愛しい男を胎内に受け入れた精神的な快楽が痛みを凌駕したのか痛みが顔に出ていたのは一瞬だった。

 イヴの膣内は狭く、締め付けもかなりきつい。ヒダはグレンのペニスをぐにぐにと刺激し、精を絞り上げようときゅうきゅうと締め付けて来る。名器と言えるその膣の感触に肉棒が更に固くなり、たまらなくなってグレンは抽挿を開始した。

 「ふっ、ふっ、ふっ…!」

 「うぁ、うぅ、ぁ…っ!」

 グレンの腰がぱぁん、とイヴの腰に打ち付けられる度、ペニスがイヴの膣奥を抉り、膣壁が全力でグレンのペニスを愛撫する。腰を打ち付ける間隔は徐々に短くなり、抽挿はどんどん激しさを増していく。

 「く、出そう、だ…っ!」

 「出しなさい、全部中に…っ! 私に、貴方の種を注ぎ込んで!」

 中出しの懇願にグレンの理性は焼き切れ、イヴをベットに押し付けるように上からのしかかり、寝バックの体勢になるとパンパンパンパンッとひっきりなしに肉を打つ音を響かせ、遠慮なしにピストン運動を速めていく。そして、最後に思い切り腰を打ち付け、上から抑えつけるようにイヴの身体に倒れ込み、射精が始まった。

 「ぐ、おぉぉぉ…っ!」

 「うぁ…っ! あつい、出てる…私の、中…!」

 ペニスを膣の最奥に収めたまま、びゅるるるるるるるる!と凄まじい勢いで精液が吐き出され、あっという間にイヴの膣内を白く染め上げる。グレンが腰をぶるぶると震わせる度、ペニスが脈動して次から次へと精液をイヴの胎内に送り込んでいる。

 「うぅ、まだ、出そうだ…」

 「うぁ…あぁ…」

 グレンは腰をぐいぐいと押し付けながら最後の一滴まで流し込むように精液を出し続け、新たな精液が注ぎ込まれる度にイヴの身体がびくびく震え、愛しい男の精を受け入れていく。1分以上が経過してようやく射精が終わり、グレンはイヴの身体の上に脱力して倒れ込んだ。

 「はぁ、ふぅ、ふぅ…!」

 「うぁ…いっぱい、出た…グレンの、あつい…」 

 荒い息を吐きながら二人は呼吸を整える。結合部からは収まりきらなかった精液が溢れ出し、イヴのスカートを汚している。

 「あーあ、やっちゃった。処女をこんな男にあげちゃうなんて、私も焼きが回ったものだわ。でも、不思議ね…今までずっと悩んで来たのが馬鹿らしくなるくらい、すっきりした感じがするわ」

 そう語るイヴの顔からは邸宅に来た当初の暗さがなくなっており、何処か晴れやかな様子に見える…もうこれで、彼女が悪夢に怯える事はないだろう。

 「ねぇ、まだ出来るでしょ。今日は予定がないって言葉に嘘がないなら、好きなだけやっていきなさいよ」

 「ああ、最初からそのつもりだぜ。言っとくが、今更止めろって言われても無理だからな」

 グレンは未だ衰えないペニスをイヴの胎内に突き刺したまま、再び抽挿を開始した。その日、邸宅の一室からはいつまでもイヴの嬌声が響いていた。

 




 イヴの境遇については11巻がまだ出てないので勿論妄想設定です。最初は『室長を辞めさせられて』って書こうかと思ったんですが、姉の代わりに室長になって尚且つ「室長は代々イグナイト家が担う」って一文を見かけたので肩書だけ残して権限剥奪とかになるかな、と勝手に考えて書きました。
 今の彼女が一番欲しいのはグレンの「助けてやる」「力になってやる」って言葉だと思うんですよね。言動の端々にグレンへの依存が見え隠れしているので、グレンに真正面からそんな事言われたら問答無用で落ちると思うんで、言わせてみました。病的な依存を見せる女の子って、なんかゾクゾクするんですよね。筆のノリが違うというか。やっぱりどっか病んでる子の方が書き易いみたいです。
 今回の話は7、9、10巻を読み直しながらプロットを組み立てました。やっぱりジャティスは物語を進める上で良質の潤滑油だと思う。この話の中ではシスティーナの家にグレンがやって来たのは「ジャティスが来た時みたいにならないように護衛としてグレンを住まわせる」って口実を使った事にしてますし、ルミアとリィエルとこの関係になったのもそういった経緯でフィーベル邸にグレンに住み着いたのが原因だし、イヴに至ってはトラウマを作ってグレンがそれをどうにかしたって流れだから、大本の原因にジャティスがいるんですよね。
 ジャティスは主人公に狂信のような執着を見せるって点ではブラックキャットのクリードに似てますが、クリードと違って自分の理想を理解してくれると思い込むのではなく、ある意味主人公としてのグレンを正当に評価してるんですよね。自分の意志の強さを重要視するのは普通主人公側ですけど、ジャティスはその「確固たる意志」を最大限尊重するんですよね。それでいて行動は狂人のそれなので、独自のキャラ性を確立してると思います。
 これでひとまずロクアカ編は終了です。次何を書くかはまだ決めていませんが、プロットが出来上がり次第書きたいと思います。
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