---シュウ---
器の損傷の修復が思う様に行かないので、姉ちゃんと相談して、姉ちゃんのいる神の間で休養することにした。キャッスルドランでは、用事や雑務に手を出してしまい、器の休養にならないからだ。
「亘と二人きりって久しぶりよね」
姉ちゃんが僕と交わろうとしている。
「おい!ブラコン姉よ!交われる訳ないだろ?それが一番のハードワークだぞ!」
僕の言葉で固まる姉ちゃん。
「そんな…見ているだけ…拷問じゃないの…」
器の完全休養に来ているんだ。そんなこと出来無い。この姉は弟である僕が大好きである。人間だった時、僕と交わりたい一心で、自分の身体を、子供が産めない身体にした、大馬鹿ヤローである。
「ねぇ、虐めていいからさぁ~」
「だから、完全休養だと言っているだろ?このドエム女神よ!」
「言葉責め…それもいいけど、ねぇ、身体を使ってよ~」
なんだろうか、ここで休める気がしないのだが…
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なので、大いなる意志に禁固刑の前倒しをしてもらった。
『お前…前倒しって…何かやらかす予定でもあるのか?』
疑われている僕。まぁ、好き好んで禁固刑を受けるのは僕だけだろうな。
『禁固刑を受ける神はお前だけだ!』
あれ?そうの?みんなルールを守っているんだ~。エライなぁ~。ルールは破ってこそ、ルールとしての価値がでてくるのに…
『あと、地獄の出禁を食らうバカ者はお前だけだ。まったく、規格外すぎるだろ?』
呆れるような言葉の羅列ではあるが、大いなる意志の声は嬉しそうである。
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妄想とか考え事しか出来無い禁固刑。禁固されているのは闇の牢獄であり、前後左右上下が闇で覆われており、何も見えない、何も聞こえない、漆黒の場所である。
そんな状況な僕に閃きが舞い降りた。あの賢者の石もどきって…神々が聖杯で変化した物で無いだろうか?神の呪いは結構ヤバい物が多いし。不老不死自体が神の呪いであるしなぁ。
不老不死なんて物は、一人だけなっても意味が無い。仲間を含めて不老不死で無いと、最後は孤独な時間しか残らない。今の僕のようにね。
人間は不老不死に夢を見すぎている。あんな不幸なことは無い。死ねるから、転生が出来て、様々な人生を愉しめるのだから。歳を重ねるから、家族と一緒に時の過ぎるのを愉しめるのだと思う。
永遠の17歳って、つらい。いつまで経っても、大人になれないんだからね。僕なんか、過ごした時間は2兆年に近づいている。僕と同じ時をリアル過ごせる仲間はいない。時間のレートの違う世界で生きて貰っているのだ。
で、賢者の石もどきの考察だけど、並行世界の1つにオラリオという神々が地上に降臨して青春を謳歌している世界がある。もしそこの世俗に塗れた神々が、聖杯で魔石に変えられたとしたら…悪神ロキの仲間のリリンは聖杯を持っていた。現在は取り上げて、僕が持っているけど。そのリリンはバンパイア達を邪龍に変えて、バンパイア達を食わしていた。まったく碌な悪魔では無かったなぁ。
で、あの賢者の石もどきが、神々が変化した物であるならば、あの魔石の持つ神々の呪いの意味はわかる。石に変化されていくことへの恨みだ。リビングデッドは不老不死な種族になる。腐る一方で老化はしないし、既に死んでいるのだから、それ以上死なない。神の呪いにより、不老不死の意味が変化したのかな…
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禁固刑というけど、禁固じゃないのか?これって…いつもは流れる、業を反省させる映像が流れない。いつもなら反省を促す意味で、走馬燈による記憶のぶり返しがあるのだが、それが無い。う~ん…自分で望んだこととは言え、暇過ぎる。って、いうか…後どのくらい、ここに居れば、治るのだろうか?その判断をしてくれる者はここにいない。しまった…やらかしたかな?
『お前に問う!お前にとって大事で大切な者を一人上げろ!』
大いなる意志の声が聞こえた。時間つぶしに会話をしてくれるのかな?でも、これって、質問だよな。一人?難しいことを言う。一人も浮かばない。記憶が無いみたいだ。記憶エリアも真っ黒だし…そうなると魂に問い掛けているのか?シュウ・ヨハネ・鬼門の意識をオフにして、魂に主導権を渡した。
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「亘はリアス・グレモリー、無邪鬼は神内亘、僕は…護るべき者だ!」
『お前は、護るべき者が護れれば良いのか?』
「僕はねっ…後は1%の正義を貫く亘にまかせる。僕は、1%の正義と99%のエロを120%の護る心でコーティングしたガーディアンだ。他に何を望んで良いのだ?大いなる意志に問う!」
僕は逆に訊いてみた。シュウの記憶をまっくろくろすけにした本人に。
『もう、封印を解いても良いのでは?まだ、自分を責めるのか?』
言っている意味がわからない。それは亘だよね?僕では無い…
『お前は何者だ?思い出せ!』
僕の組成?あれ、違ったのか?僕は誰?僕は…そうだ…エロ神が宿っている。むじゃ君は僕の魂の器で有り、魂から分離している。だから発現できる。そうなると…
「1%の亘、99%のエロ神、そして120%の神殺したる殺戮者…僕はみんなを護る神…守護神だった!」
『能力を解放しよう…愛する心を取り戻せ…護りたいから護るのでは無く、愛しているから護るのだ。お前に足りないものは愛だ!解放に伴い、これからは『術』では無く『能力』として使える。少しは負担が減るだろう』
なんの能力だ?はて?身に覚えが無い。大いなる意志は何を言っているのだ?僕はガーディアンだ。護る事が使命である。
『おい!そこの出来損ないよ。それでは、シュウが浮かばれない。お前達は1つなんだ。全員でシュウをアシストしろ!』
シュウ…そうだ。僕達の心をになっている人格だ。僕達は1柱ずつでは半端者であった。でもシュウという人格を得て、護るべき者達を護れるようになったんだ。何度も死線をこえながら。シュウという『諦めない心』のおかげで…シュウ・ヨハネ・鬼門の意識をオンに戻す。
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目の前に光が見えた。眩しい光が僕の身体を照らす。身体が燃えている気がする。愛を知らないから火あぶりの刑なのか。受け入れよう。僕に足り無い為に、皆を苦しめたのだ。だから、僕は灰になり、無になる…僕は存在してはいけない存在なのだから…
光の粒子が僕の身体を形創っていく。聖なる光…血管は黒い…闇の血が流れていく。あれは、魔人の血か?筋肉は強靱な物になっていく。鬼の身体かな?神経には聖なるオーラが流れて行く。天使成分が付加されたのか。
目の前で何かが二つに割れた。目の前の景色がぼんやりと見える。龍姫と鬼姫かな?僕の手を引いて、暗闇の世界から出る手助けをしてくれていた。暗闇の世界から抜け出ると、僕に幾つもの魂が吸い込まれて行く。仲間達が僕の身体の調整をしてくれ始めた。
「まだ出来るよ♪」
「待っているから♪」
二人が声を掛けて、姉ちゃんの身体に吸い込まれて行く。自力で動けない僕は、姉ちゃんと交わる。神代の血を分けて貰う為に。僕の身体の中で、光なる神代の血は、魔なる魔人、聖なる代羽、闇なる鬼門と混じり合い、1つの血を構成していく。そして、姉ちゃんが達したことで発したエネルギーにより、心臓がリブートし、血は血管に吸収されて行く。
「ここは…」
「私達の間よ。おかえりなさい♪」
「僕の身体はどうなったの?」
「前より頑丈よ。あっちも申し分無いし」
顔を赤らめる姉ちゃん。あぁ、アッチか…
「記憶は?」
「今、シュウの記憶をリロードする。案件を再開よ♪」
姉ちゃんの顔はいつもより嬉しそうだ。