春のモスクワにて
小銃の発砲音めいた、走行不能を示すフラッグ射出音が雪原に響く。
「……それまで!」
観戦席に座る、パンツァージャケット姿の数十人の少女。何人かは日本人やアジア系だが、大半はロシア系白人の少女たちである。
その最前列で双眼鏡を手に状況を確認していた、隊長の徽章を着けた20過ぎと思われる女性がマイクを手に声を放った。見てみれば雪原のあちこちにはスピーカーが設置されており、そこから雪原上で戦っていた戦車たちに彼女の声が届くようになっている。
「お、終わったのね……」
「……手荒い歓迎でしたね」
車体の各所に擦過痕を残したT-34/85と、それを守るように位置する、やはり満身創痍のIS-2。
それぞれのハッチが開き、顔に疲労を浮かべたカチューシャとノンナが顔を出す。
スピーカーからは、少し海外特有の訛りを残しつつも流暢な日本語で声が流れてきた。
『大したものね。新入生への“歓迎会”とはいえこちらもそれなりのメンバーを揃えたのだけど、ここまで粘り強いとは思っていなかったわ』
「いいえ……あと一発撃たれていれば、終わっていたのはこっちだったと思います」
マイクを通してカチューシャが答える。
『ノンナさん、貴女のIS-2の狙撃も見事だったわ。こちらの支援砲撃の位置をよく予測できたわね』
「昨年のプラウダ高校との親善試合では痛い目を見ましたから。ですが、今日が晴天でなければ一撃での撃破は難しかったでしょう」
涼しい顔で答えるノンナ。
『今年は良い子たちが来てくれたみたいで、私としても楽しみになってきたわ! 走行不能になった戦車はこちらで回収するから、貴女たちも戻ってきなさい。今度は本物の歓迎会。暖かいボルシチとウォッカを用意して待ってるわ』
「え!? あ、あの、隊長。カチュ、ええと、私たちは未成年だけど……」
『それは日本の話でしょ? ロシアでは18歳から飲酒は認められているわ。試合の後は敵味方問わずウォッカで乾杯して互いを労う。これがロシア戦車道の流儀よ』
「………」
「……どうやら、この後の“歓迎会”も覚悟が要りそうですね、カチューシャ」
言葉を失うカチューシャに、ノンナは薄い苦笑を浮かべつつ言った。
モスクワの春は遅い。
日本では桜が咲き乱れる四月上旬でも時折雪が降り、道のあちこちには雪かきによる小山が残っている。
半面、緯度が高いこともあり日没もかなり遅い。夕方過ぎでも日は残り、街灯無しでも十分に明るい程だ。
「うぅ……」
「もう少しで家ですよ」
その夕闇迫る通りを、小柄な少女を背負いつつ帰路に就く長身の女性。カチューシャとノンナである。
「も、もう大丈夫、歩けるわ……」
「無理はされないでください」
「……もっとウォッカを飲み慣れないといけないわね」
「酒の強い弱いは体質的なものですから、強引に飲むものでもありません。薄めたものやノンアルコールでカチューシャは十分かと」
実際、カチューシャは酒を強引に薦められて酔いつぶれた訳ではない。歓迎会の最初の一杯のウォッカで真っ赤になった彼女は、そのまま寝息を立てて横になってしまったのだ。その後、ノンナに介抱されつつ現在に至る。
──二人がプラウダ高校を卒業し、学園艦を降り、春休みもそこそこにシベリア平原を越えてモスクワに着いたのはほんの数日前の事だ。
カチューシャがロシア戦車道への招聘を受け、ノンナにも同様にロシアの大学戦車道への推薦の話が持ち上がったのは無限軌道杯優勝を記念した慰安旅行を終えた暫く後の事であった。
もともとノンナの卓越した狙撃力や副隊長としての指揮能力については戦車道関係者も注目していたが、それをカチューシャの「彼女も共に呼んでほしい」という推薦が後押しした格好である。
無論この件においてノンナからも異存は無く、プラウダ戦車道に名を残した二人の戦車乗りはかくしてロシア戦車道を共に学ぶ事になった。
そして今日がその初日だったのだが──早速彼女らは手荒い“歓迎”を受けた。新入生チームと先輩チームに分かれての模擬戦である。
日本人の戦車乗りに対しての色眼鏡や言葉の行き違いなどの諸問題もあったが、何とかカチューシャとノンナは搭乗員を含む他の新入生を認めさせ、試合を制したのだ。
「それにしても、今日の試合は疲れたわ……」
「クラーラが居れば、まだ違ったのでしょうけどね」
この場にクラーラは居ない。
彼女は「卒業後はお父様の仕事を手伝います」と言って、学園艦を降りていった。彼女の父は諜報関係の仕事をしていると聞くが、どこの都市に居るかも定かではない。
やがて二人はひとつのマンションへとたどり着いた。セキュリティを解除し、階上へ向かう。安全性なども考慮し、二人はルームシェアでの生活を始めている。
「んっ……」
カチューシャを背負ったままノンナは部屋の鍵を開け、室内へと入った。
まだ住み始めたばかりのリビングは広く、簡素だ。テーブルと椅子、そしてベッドがあるだけである。それ以外の家具や日用品は実家から送ってくるものと現地で購入するものとで半々になる予定だ。
ノンナはゆっくりとカチューシャを下ろし、そのままベッドへ寝かせた。着たままだった厚手のパンツァージャケットを脱がせ、胸元を緩めさせる。
「ありがとう、ノンナ」
「いいえ。私も少し回っているみたいですので、休むとします」
そう言うとノンナは自身のジャケットを脱ぐと、カチューシャと同様に自分のベッドに横になった。夕闇の中、二人の寝息だけが聞こえる。
「ねえ、ノンナ」
「何でしょう、カチューシャ?」
「ゴロドクは、どうしているかしらね」
「……さて、青森の大学の何処かに進学しているとは思いますが」
伍堂六郎、通称ゴロドク。
慰安旅行の下見を終え、別れてから──彼とはまともに会っていない。
留学についての様々な手続きや準備などでノンナ達が多忙を極めていた事もあるが、ゴロドク自身も学内で姿を見なくなったのだ。
卒業前という事もあり単位的には問題なく卒業はできたようだが、その後の岐路については彼女らの耳には全く入ってこなかった。
カチューシャと交わり彼女に思い出を残した事で、下手にそれ以上関係を深くして迷いを生むのを避けたのではないか。ノンナはそう分析していた。
「……ノンナ」
カチューシャの声。ノンナはそれに答える。
「はい、何でしょうか」
「ノンナも、ゴロドクの事が好きだったの?」
「!?」
一瞬、ノンナは身を固くして息を止めた。数秒の沈黙の後、ゆっくりと言葉を返す。
「……何故、そう思うのですか? カチューシャ」
「『あの時』……カチューシャがゴロドクと、その……した時、ノンナ、少しも恥ずかしそうにしていなかったじゃない。その前の、カチューシャのプレゼントを買いに行っていた時も珍しく、おめかししていたし……ゴロドクの事、ノンナも気になっていたのかな、って……」
既に半分眠っているのだろう。問い詰めるでもなく、浮かんだ言葉をそのままカチューシャは言っているようだった。
ノンナはその顔に少しだけ憂いを浮かべ、答えた。
「……そうですね、そうだったのかも……しれません」
「そう……」
「怒りますか?」
「うぅん……カチューシャは、そんな、事、言わないわ……むしろ、ノンナが同じ人を、好きなら、嬉し……すぅ、すぅ……」
カチューシャは言葉を言い終える前に眠りについたようだった。
「………」
ノンナはカチューシャの寝顔を見つめていたが、やがて寝返りを打ち彼女に背を向けた。毛布を被り、自身も眠りに落ちようとする。
「んっ……」
身体が疼いている。ノンナはそろそろと手をスカートの中に差し入れ、自身の秘所をショーツの上からなぞった。
奥から熱いものがこみ上げてくる。それは酒によるものだけではないだろう。
「ゴロ、ドク……んっ、んはっ……」
更に少し強く撫でる。全身に刺激が走り、吐息が漏れる。
胸も張ってきているようだ。ノンナは空いた手でシャツの上から自身の手に余るサイズの胸を揉んだ。痺れるような快感が乳房から伝わってくる。
「ゴロドク……ゴロドクっ……!」
だが、足りない。この手は『あの人』の手ではない。
カチューシャに声が聞こえないように毛布を頭から被りつつ、ノンナは自身を慰めた。
翌朝、曇天だった空は見事な青空へと変わっていた。昨晩の酔いを残さずにノンナは覚醒し、カチューシャを起こした。
「ふぁぁ……良く眠れたわ。噂には聞いていたけど、ウォッカは回るのも早ければ覚めるのも早いわね」
「おはようございます、カチューシャ。今日は休みですし、ゆっくりと過ごされてはどうでしょう?」
「そうね……」
ウォッカを痛飲した翌日は戦車道を休む、これもロシア戦車道の特徴だ。歓迎会では隊長を始めとする先輩方は結構な飲み方をしていた。おそらくは今朝もまだベッドの中だろう。
「……?」
その時、インターホンのチャイムが鳴った。時計を見れば午前9時。こんな時間に来客だろうか?
ノンナは怪訝な表情で通話ボタンを押した。
「はい、どなた様でしょうか?」
『え、ええっと……こちら、カチューシャ、さん……と、ノンナさんの、お宅で、しょうか? 日本から、の家具を、届けに伺った、のですが』
雑音混じりの男性の声が流れてくる。
ノンナは眉をひそめた。酷くたどたどしいロシア語だ。外国からの出稼ぎだろうか。
カメラに映るのは、大手宅配便の制服を着て帽子を目深に被った配達員。その後ろには確かにカチューシャが実家に頼んでいた、彼女のサイズに合わせた机と椅子が台車に乗せられ、別の配達員が支えている。ノンナは頷くと応答した。
「はい、そうです。今、エントランスを開けますからお待ちください」
『す、すみま、せん……』
やはり配達員はたどたどしく言うと、台車へと向かった。ノンナは通話を切り、セキュリティを解除する。
しばらくしてドアがノックされ、二人の配達員が家具を室内に運び入れてきた。
「この度はご利用いただき、誠にありがとうございます。どちらにお運びすれば良いですか?」
「そうですね、それではあちらの部屋の角にお願いできますか?」
どうやら、配達員のもう一人は女性だったようだ。こちらは流暢なロシア語で話しかけてくる。最初から彼女が対応すればよかったのでは、そう思いつつもノンナは指示を出した。
指示を受けた場所に置かれた小ぶりな机と椅子に、早速カチューシャは腰を下ろした。
「……うん、やっぱりこの大きさがしっくり来るわね。据え付けの家具は丈が外国サイズでいけないわ」
満足そうにカチューシャが頷く。
その様子に微笑ましさを感じつつ、ノンナは差し出された配達票にサインを走らせた。
「ありがとうございます。もう大丈夫です」
「はい、またお願いします」
「………」
「………」
ノンナの表情に警戒が浮かんだ。作業を終えたと言うのに、配達員が帰る気配がない。
万一の際はカチューシャを守ろうと、彼女との間の動線を遮りつつノンナは言った。
「まだ何か、ありましたか?」
「………」
女性配達員は何が面白いのか、口元に微笑みを浮かべたまま何も言わない。
やがて、もう一人の男性の配達員が驚いたように言った。
「……驚いたな、本当に気付かれてない」
「そう言うものです。『此処にいる筈がない』という思い込みは、それだけ認識を妨げます」
涼しい口調で女性配達員が言う。ノンナは二人に尋ねた。
「あなた方、一体何を……」
「いや、だから、ええっと……」
ノンナの警戒に戸惑うように男性配達員は言うと、目深に被っていた帽子を取った。
「こういう事って、言うか……」
つい昨晩、自慰の時に思い浮かべた顔がそこにあった。
「ゴ、ゴロドク!?」
椅子に座ったままのカチューシャが驚きの声をあげる。ノンナは同様に驚きながらも女性配達員の方を見た。という事は──
「まさか……」
「お久しぶりです、ノンナ様、カチューシャ様」
「クラーラ!?」
帽子を取ると、どうやって隠していたのが長い艶やかな金髪が流れるように現れる。
配達員の服を着たクラーラは澄ました表情で一礼した。
「どういう事!? ゴロドク、貴男、何でここに居るのよ!? 大学は!?」
当然の如く尋ねてくるカチューシャに、ゴロドクは頭をかきつつ答えた。
「ああ……その、俺、浪人する事にしたんだよ。ロシア語を本場で覚えて、来年カチューシャ達と同じところに合格しようって思って。親を説得したり色々準備したりで、まともに説明できなかったのは悪かった」
「それじゃ、クラーラは?」
「ええっと、何て言えばいいか……」
「“雇い主”と思っていただいて構いません。生活費を自分で稼ぐと彼は言っていましたが、日本人独りで身寄りもなく生活するのは厳しいですから……私やお父様の“お仕事”を手伝っていただく代わりに相応のものをお渡しして、またロシア語のレッスンもさせていただいています」
「ど、どうだった? さっきのロシア語の挨拶?」
不安そうに聞いてくるゴロドクに、ノンナは思わず口元をほころばせた。
「……酷いロシア語でした。0点です」
「そ、そっか……」
「しかし、贈り物としては100点です」
ノンナはカチューシャを見た。
椅子に座ったままのカチューシャは泣きそうな、それでいて嬉しそうな、そんな笑顔を見せた。
「ば、馬鹿な事をしたものね……来年、合格しなかったらどうするのよ?」
「絶対に合格する。一年遅れになるけど、絶対にカチューシャと一緒に居る」
ゴロドクはそう言うと、一瞬だけノンナを見た。
ノンナはその視線をしっかりと受けた。それで十分だった。
カチューシャは椅子から降りると、小柄な身体でその腕を精一杯まで広げ、ゴロドクの身体に抱き着くと顔を埋めた。
「……ありがとう」
それだけ言うと、カチューシャは静かに泣いた。
「で、これは一体……」
その一時間後。
テーブルを囲み、互いの現状を話していたはずが──ゴロドクは、ベッドの横で全裸になっている自分に気が付いた。
いや、確かに久しぶりの邂逅でありカチューシャやノンナと肌を重ねたいと思ってはいた。しかし、その想定と現状は大きく違っていた。
「ちょ、クラーラ、何で貴女まで一緒なのよ!?」
そう、既に衣服を脱ぎ華奢な身体を露わにしているカチューシャ、豊満な身体を惜しげも無く晒すノンナに加え、雪の如く白い肌を見せるクラーラまでも一緒に居るのだ。
「カチューシャ様とゴロドクが慰安旅行の下見で身体を重ねたのは察していました。敬愛するカチューシャ様が選ばれた殿方がどのようなものか、私も興味がありまして」
自分が仕込んだ事だというのに涼しい顔でクラーラは言う。つくづく彼女は自由で奔放だ。ゴロドクは思った。
「如何でしょう、カチューシャ様? ここまで彼を連れてきた事に免じて、私も加えてはいただけないでしょうか?」
「うぅ……」
痛いところを突かれカチューシャは言葉に詰まった。助言を求めるようにノンナを見る。
ノンナはあくまで落ち着いた口調で答えた。
「ゴロドクが良いのであれば、私としては特に異論はありません。彼女の功績は認めねばなりませんし」
「どうなの、ゴロドク?」
「い、いや、まあ、俺としても雇い主には失礼はできないって言うか……」
言葉を選びつつゴロドクは答える。カチューシャは困り顔のまま、諦めたように息を吐いた。
「……分かったわ、クラーラ。特別よ?」
「ありがとうございます、カチューシャ様」
嬉しそうにクラーラは一礼すると、いそいそとゴロドクの腰の前に跪いた。
「さて、それでは」
「ま、待ちなさいよクラーラ! 何してるの!?」
慌てて彼女を止めようとするカチューシャに、逆にクラーラは不思議そうに首を傾げた。
「『何を』と言われましても……このままではゴロドクも事が出来ませんし、まずは元気になっていただこうかと」
「うっ……!」
そう言いつつ、クラーラは眼前で揺れる半勃起状態のゴロドクの肉棒に触れた。ぴくりと亀頭が反応を見せる。
クラーラの慣れた反応に、思わずたじろぎつつもカチューシャは抗議した。
「うぅ……だからって、その、貴女が真っ先に行くところじゃないでしょ?」
「それでは、カチューシャ様がゴロドクにして差し上げるのですか?」
「え!? そ、それは……そ、そうよ! このカチューシャが最初にしてあげるのが筋ってものでしょ!」
「(……クラーラ、こうなると分かって誘導したな)」
彼女の突然の行動と提案の意図を測りつつ、ゴロドクはカチューシャを見た。
視線を受け、カチューシャは顔を赤くしつつもゴロドクに歩み寄った。ノンナやクラーラでは膝立ちになるところだが身長120㎝ちょっとのカチューシャの場合、顔を下に向け、腰を少し落とす体勢になる。
「ゴ、ゴロドク、いくわよ?」
「あ……ああ、頼む……あまり強くしないで、アイスを舐めるみたいな感じで……」
「……わ、分かったわ」
カチューシャが息を呑む気配がゴロドクにも伝わってくる。彼女の処女を奪った時も、ここまで間近に突き付ける事は無かった。幼女めいたカチューシャの外見も合わさり、ぞくぞくするような背徳感が刺激となってゴロドクの背を這い上がってくる。
「凄い形……こんなものが、カチューシャの中に入ったのね……ん、んはっ……」
「うおっ……」
カチューシャの小さな舌がおずおずとゴロドクの亀頭に触れる。それだけでゴロドクの肉棒には血が集まり、昂ってゆく。その反応にカチューシャは驚き、尋ねてきた。
「ごめんなさい、痛かった!?」
「いや、大丈夫……そんな感じで、もっと、舐めてみてくれ……」
「ええっと……こ、こう?」
ゴロドクの表情で、自分が快感を与えられている事を理解したのだろう。カチューシャは先ほどより大胆に亀頭に舌を這わせてきた。
「少し、しょっぱいわね……んっ、あむっ……」
戸惑いながらも亀頭を舐めしゃぶるカチューシャの舌使いはどこかもどかしく、しかしその初々しさがゴロドクに興奮を与えていた。
「……カチューシャ、お手伝いします」
「く、くうっ! ノンナっ!」
ふと見れば、カチューシャの右まで来たノンナがゴロドクの足元に横向きに跪いていた。亀頭を舐めまわすので手一杯の彼女を補佐するように、舌を伸ばすとゴロドクの肉棒の竿の根元から舐め上げるように動かしてゆく。同時に来る二つの刺激にゴロドクは呻き、十分に充血した肉棒は一際膨らむと反り返った。
「ふおっ!?」
直後、ゴロドクは今度は更に下からの別の刺激に思わず声をあげた。ノンナとは逆側に回り込んだクラーラが玉袋を舐め始めたのだ。竿を直接舐められるのとは異なる快感を受け、肉棒がびくびくと跳ねる。
「ま、待った! 三人一緒じゃ、これ、準備じゃなくて、このままっ……!」
「この程度で弱音を吐かないでください、ゴロドク。カチューシャは貴男の事を待っていたのですから」
「そ……そうよ、少しは、カチューシャが我慢してたの程度は我慢なさい。んっ、んちゅ……」
「うおぉっ!」
亀頭が熱く、柔らかいものに包まれた。一杯に口を広げたカチューシャが亀頭を呑み込んだのだ。彼女の口に入らない竿の部分は引き続きノンナが舌を絡め、唾液と先走りが肉棒を濡らしてゆく。
「カ、カチューシャ、それ、ヤバっ……!」
「ンッ、ンンッ……!」
「お、お上手です、カチューシャ……はむっ、はあっ……」
「お綺麗です、カチューシャ様、ノンナ様……ふぁ、れろっ……」
「ぐっ、くうっ!」
不慣れながらカチューシャは口腔内で亀頭を舐めまわし、鈴口を弄る。クラーラは袋を舐めるのからノンナと同様の竿舐めに移行し、左右から同時に肉棒を舐めてゆく。
三人の美少女に同時に肉棒を責められる。その快感はゴロドクの腰の奥から思った以上に早い射精感を促した。歯を食いしばり何とか堪えようとするが、それでも抑えようのない衝動がこみ上げてくる。
「だ、駄目だっ、出るっ! カチューシャ、口、離して……!」
「カチューシャ、離してはいけません。そのままゴロドクのを受け止めてあげてください」
「……ンンッ!」
「っ!?」
真逆の指示にカチューシャは一瞬だけ戸惑いを見せたが、ノンナのアドバイスを優先したのだろう。苦しそうにしながらもカチューシャはゴロドクの肉棒を更に奥まで含んだ。喉奥に亀頭が当たる感触が伝わってくる。
堪らずゴロドクはカチューシャの頭に手を添えると、耐えていた射精感を解放した。
「うあっ! で、出るっ、カチューシャっ、出るっ!」
「ンッ、んぷっ!? んむぅ!?」
「あ、はぁっ……堪えてください、カチューシャ。そのままゆっくりと呑み込めば、咽ませんから……」
「うぅ……ふっ、ふぅっ……」
どくどくとカチューシャの口腔内に精液が吐き出される。その勢いと量に咽そうになったカチューシャだったが、竿に舌を這わしつつ言うノンナの言葉に、鼻で息をしつつそのまま精液を嚥下してゆく。
ゴロドクはこれ以上は苦しませまいと腰を引き、まだ射精の治まらない肉棒を彼女の口から抜いた。溢れんばかりに精液が満たされたカチューシャの口から引き抜かれた亀頭はびくんと震え、彼女の幼さを残す顔にも容赦なく白濁液を浴びせかける。
「あぁ……ご、ごめん、カチューシャ……」
「へ……変な味……苦くて、臭い……」
そう言いつつも、カチューシャは喉を鳴らしてゴロドクの精液を飲みこみ、微笑んだ。
「で、でも……これが、ゴロドクの味なのね」
「……!」
射精したばかりというのに、ゴロドクの肉棒はそのカチューシャの精液塗れの微笑みで固さを取り戻しつつあった。
「カチューシャ、お顔が……ん、はぁ……」
「ノンナ……んっ、ンンッ……」
「カチューシャ様、こちらにも……ふぅ……」
ノンナがカチューシャの頬に顔を寄せ、彼女の顔の精液を舐めとってゆく。唇にも寄せられる舌に、カチューシャは舌を出して返す。反対側の頬にはクラーラが顔を寄せ、そちらも舐めとってゆく。その淫靡な様子にゴロドクの肉棒は完全に硬さを取り戻した。
「それじゃ……今度はカチューシャの準備をしてやらないとな」
「え……?」
彼女の顔の精液が舐めとられたのを確認すると、ゴロドクはカチューシャの身体に手を添え、ベッドの上へと促した。彼女には大きめのベッドに小柄な身体を横たえさせ、紅潮した肌と無毛に近い秘所に視線を向ける。
「ゴロドク、私たちはこちらで準備しておきますので、カチューシャの方をお願いします」
「ノンナ様の方は、もう準備が要らないかと思いますが……折角ですので、お相手させていただきましょうか」
ノンナはそう言うと、クラーラの胸と秘所に手を伸ばした。クラーラもそれに応え、ノンナの身体を愛撫してゆく。どうやらカチューシャへの前戯が済むまでの間に自分たちで濡らしておいてくれるらしい。彼女らの気遣いに感謝しつつ、ゴロドクはカチューシャの脚に手を置き、ゆっくりと広げた。
「あ、あまり見ないで、ゴロドク……!」
顔を赤くしつつカチューシャが恥じらう。すぐにでも脚を閉じたそうに視線を逸らしているが、ゴロドクの視線を受けた秘唇はとろりとした愛液を滲ませつつあった。
「……可愛いよ、カチューシャ」
「そっ、そんな事をこんな時に言わないでよ!」
本心からゴロドクは言った。自分を想い、想うが故に分かれようとした“小さな暴君”を、ゴロドクはずっと可愛いと思ってきた。それはこうして、セックスをする関係になっても変わらない。
余計に恥ずかしくなってきたのかカチューシャが抗議の声をあげる。苦笑しつつ、ゴロドクはカチューシャの秘唇に舌を伸ばした。
「ごめんごめん、それじゃ……んっ」
「ふぁぁっ!」
薄桃色の陰唇を舐められ、カチューシャの身体が跳ねた。男性器を受け入れたとはいえ、まだ未熟な秘所は慣れない刺激に戸惑うようにひくつきを見せる。ゴロドクは陰唇を舐めつつ、カチューシャの胸の僅かな膨らみへと手を伸ばした。先端で固さを増す乳首を丁寧に弄り、こりこりと固くなってゆく感触を指先で楽しむ。
「ああっ、ゴ、ゴロ、ドク……それ、ンッ!」
「大丈夫、俺に任せて……」
クリトリスを舌先でつつき、奥へと舌を伸ばす。膣内からは次第に愛液がその量を増し、誘うように照り光り始める。
ゴロドクは横目でノンナ達の様子を見た。
「んっ、ああっ……ノンナ様、ま、また大きくなられました?」
「クラーラも、女性らしく、なり……ンッ、はぁっ……!」
互いの脚を交差するように交え、秘所を弄り合いつつ豊かな乳房を寄せ合うノンナとクラーラ。吐息も荒くなってきている。ゴロドクとの3Pを含めて幾度となく体を重ねた関係だ。互いの興奮を高め合うツボも心得ているのだろう。
「あっ、ああっ! ゴロドク……ふぁあっ!」
一方のカチューシャは華奢な身体を震わせ、秘所からの快感に身を悶えさせていた。既に軽い絶頂には達したようだ。
ゴロドクはカチューシャの秘所から舌を抜き、傍らのノンナ達に言った。
「……そろそろ、かな」
「わ、分かりました……こちらも、大丈夫です……」
「ふふっ、私も大丈夫です……ではカチューシャ様、ノンナ様、ゴロドクに『選んで』いただきましょうか?」
「え……選ぶ?」
カチューシャはその言葉の意味がよく分からなかったようだったが、クラーラの説明を聞くと既に赤くなっていた顔を更に真っ赤にして、しかし「彼を最高に興奮させられますよ」との言葉の前にその提案を呑み込んだ。
そして、ベッドの上でカチューシャ、ノンナ、クラーラの三人は並んでゴロドクに背を向けうつ伏せになり、そのまま腰を突き出した。
「さあ、ゴロドク。お好きなところから挿入してください」
「………!」
悪戯っぽくクラーラが微笑む。しかしゴロドクにはその微笑みに苦笑で返す余裕は無かった。プラウダ高校戦車道でトップを飾った三人の才女が、自分の肉棒の挿入を待ち望んで腰を振り、尻を突き出してくる。それはゴロドクの支配欲を強烈に刺激し、肉棒を臍に当たりそうな程まで反り返らせた。
「わ、私からに決まってるわよね、ゴロドク!?」
小ぶりで肉付きも未熟、しかしそれ故に倒錯的な欲情を湧き上がらせるカチューシャの秘唇。
「……カチューシャは、もっと十分に広げてからの方が良いかと。まずは私で慣れておいてください」
18歳とは思えない成熟した肉体で、豊かな肉付きの尻の谷間から濡れた陰唇を覗かせるノンナの秘所。
言っている内容こそ努めて理性的であろうとしているが、ゴロドクに向ける潤んだ瞳は「自分に最初に挿入してほしい」という無言の懇願を伝えてくる。
「私はどちらでも、でも……やはり、一番元気なゴロドクをいただければ嬉しいですね」
シミひとつない白い肌で、金髪に彩られた秘所を揺らしてゴロドクを誘うクラーラ。
三者三様にゴロドクを誘う様は、理性を溶かすに十分なものだった。
「(うおぉ……!)じゃ、じゃあ……」
ゴロドクは喉を鳴らし──
「うっ、うおっ!」
「あ、あ、ああっ!」
──ノンナの尻肉を掴むと、一気に奥まで挿入した。
「ちょ、ゴロド……くうっ!?」
抗議しようとしたカチューシャの身体が震える。ゴロドクの指が秘所に触れ、ゆっくりと彼女の中に入ってゆく。小さなカチューシャの膣内は指を強く締め付けた。
「……やっぱりカチューシャのここ、もっと広げないと駄目みたいだ。ちょっと、待って……くっ、ぐうっ!」
「あっ、はあっ! ああんっ!」
ゴロドクは強い快感に呻きをあげた。ノンナが激しく腰を振ってきたのだ。全体を優しくも絞り上げるようにノンナの襞はゴロドクの肉棒を迎え入れ、そのまま逃がすまいと精液を求めて蠢く。
カチューシャへの指の動きを止めることなく、ゴロドクは身体を前に倒すとノンナの耳元へ口を近づけた。
「ああんっ! ゴロドク、ゴロドクっ!」
「(ノンナ、ちょっと緩めて……そんなに乱れたら、カチューシャが怪しむ……!)」
「……!」
少し我に返ったのだろう。ノンナは喘ぎを押さえ、荒い呼吸のまま唇だけを動かした。
「(ごめんなさい、ゴロドク……でも、我慢、できなかったんです……)ンッ、ンンッ!」
「(……遅くなって、悪かった。ただいま)」
「(……お帰りなさい)あんっ! ああんっ!」
再びノンナは乱れ始めた。ゴロドクはカチューシャの中の指の締め付けが多少滑らかになったのを確かめると、ノンナの秘所から肉棒を引き抜き、今度はカチューシャの尻に手を添えた。
「お待たせ、カチューシャ」
「お、遅いわよ、ゴロ……ふあぁっ!」
「くうっ……し、締まる……!」
ずぶずぶとゴロドクの怒張した肉棒が、カチューシャの小さな秘所を容赦なく押し広げてゆく。ちぎれそうな程の強烈な締め付けにゴロドクは声を漏らしつつも腰を動かし始める。少しずつではあるがその中は愛液によって滑らかさを増し、圧迫感に圧倒されるばかりだったカチューシャの声にも甘い響きが混じり始める。
「ふぁぁっ! な、何、これ……奥から、熱いのが……!」
「お美しいです、カチューシャ様……ンッ!? ノ、ノンナ様!?」
「次は貴女です、少し熱くしておきましょう」
喘ぐカチューシャの顔を恍惚と眺めていたクラーラの秘所をノンナの細い指が弄り始める。部屋に複数の喘ぎが響き、汗と愛液と精液の混じった淫臭が満ちてゆく。
やがてカチューシャの身体が大きく震え、絶頂に達する。
「あ、やあっ、ゴロドク、ゴロ、ドクぅっ!」
「カチューシャ、カチューシャぁっ!」
奥までの一突き。カチューシャはびくびくと身体を痙攣させると、力が抜けたのか大きく息をつくと腰を落とした。ノンナとカチューシャの愛液に塗れた肉棒が抜けるが、勃起はしたままである。
ゴロドクは今度はクラーラの白い尻を掴み、亀頭を彼女の秘所に押し当てた。
「お待たせ、クラーラ」
「いいえ、十分に眼福を堪能させていただきまし……んあぁっ!」
「うぉっ、あ、相変わらず……凄い……!」
奥まで肉棒を突き入れられ、桃色の乳首を尖らせた豊かな乳房が揺れる。
クラーラの膣内の襞はゴロドクの肉棒を無数の舌で舐めまわすように、個々が別々の動きを見せてくる。ゴロドクは強く歯を食いしばり、迫る射精に耐える。
「くっ、うぉっ、ぐうぅっ!」
「やっ、あ、ああんっ! 素敵ですっ! ゴロドクッ! 固くて、熱くてっ!」
クラーラの汗に濡れた金髪が揺れ、頬に貼り付く。それは淫靡で、かつ美しかった。
腰の奥から痺れるような感覚が強くなってきた。一度射精したとはいえ、そろそろ限界か。
ゴロドクの射精が近いのが分かったのだろう。横のカチューシャが未だ桃源郷から戻ってきていない事をノンナは確認すると、ゴロドクに懇願した。
「お、お願いします、ゴロドク! 最後は、全部私の中にくださいっ! ゴロドクの精液で、私を……一杯にしてください……!」
「……ああ、勿論だ!」
「ンッ……!」
ゴロドクはクラーラの秘所から荒々しく肉棒を引き抜くと、再びノンナの腰を掴み彼女の秘所へ再度の挿入を行った。
「うおっ! うぉぉっ! ノンナっ、ノンナっ!」
「ふぁ、はひぃっ! ゴロドク、ゴロドクっ!」
獣のような喘ぎを漏らしつつ、ゴロドクは夢中で腰を振った。ノンナもそれに強く応えるように肉棒を締め付け、そして腰を動かす。ベッドのシーツに愛液と先走りの混じった飛沫が染みを作ってゆく。
亀頭が子宮口にこつこつと当たる程に二人は激しく交わり、そして、絶頂が来た。
「ノ、ノンナ、出るっ!」
「くださいっ! ゴロドク、あああっ! ゴロ、ドクぅっ!」
「ぐうぅっ! ノンナぁっ!」
精管を通して大量の精液が迸る。ノンナの子宮を、膣内をゴロドクの精液が満たしてゆく。
「あ、は、はぁ……」
「ハアッ、ハアッ……」
荒い呼吸のまま、ゴロドクはノンナの背に身を被せるように置いた。背中越しにキスを交わし、舌を絡ませてゆく。
その姿を見て、クラーラは少し羨ましそうに言った。
「お美しいです、二人とも……でも、モスクワの一日は長いですよ? もっと楽しむと致しましょう」
「……タフだな、クラーラは」
「んはっ……貴男ほどではありませんよ、ゴロドク」
紅潮した肌を汗に濡らしつつ、ノンナが言う。
「……じゃあ、もうひと勝負といくか。カチューシャ、大丈夫か?」
「ふぇ、へ? ゴロドク……?」
この関係が健全なものだとは思わない。矛盾もあるだろう。
しかし彼女らを愛おしいと思う気持ち、これだけは本物だ。
ならば、それを矛盾も含めて抱えつつ、自分のいけるところまで行こう。
ゴロドクはそう心の中で呟き、カチューシャに目覚めのキスをした。
【暖炉よりもなお熱く 終わり】