「マッサージ?」
「ええ、そうです。値段も安くて中々上手ですよ。」
ある日、摩利は鈴音と生徒会室でダベりながら、最近学校の近くにできたマッサージ屋について話していた。
「マッサージか、悪くない。最近書類の整理やらなんやらで疲れが溜まっているしな。」
「書類の整理ですか、私にはあなたが書類仕事を全部司波君に押し付けているようにしか見えませんがね…。」
「むぅ、失礼な。全部は押し付けてない。書類の中には風紀委員長が直に目を通して判を押さなければならないものもある。そういう書類はちゃんと自分で整理しているぞ。(まあ、そういう書類はあまりないけど。)」
「そういう書類ってあまりないと思いますが?」
「……」
鈴音に図星な事を指摘され摩利は押し黙ってしまった。
「…とにかく、この店のマッサージはオススメですよ。暇があったら行ってみて下さい。」
「…わかった。今度行ってみよう。」
暫くして、摩利は休日を利用して鈴音から紹介されたマッサージの店を訪れた。いくら書類仕事を後輩を押し付けているとはいえ、風紀委員長の仕事は結構疲れるものなのだ。たまにはリラックスしたい。店のドアには値段表が掛かっており、鈴音の言う通り値段は高校生の摩利でもたまに通えるような良心的な価格だった。
「さて、どんなものかね…。」
入店すると、
「いらっしゃいませ。」
愛想の良い受付嬢が摩利を迎えた。料金は事前に払う制度であり摩利が料金を払うと、袋詰めされた服を渡され、
「では、あちらの脱衣場で此方の服に着替えください。終わったらそのまま脱衣場に隣接している部屋へお進みください。」
と脱衣場へ案内された。脱衣場にはほのかに甘く良い匂いが充満している。そのせいか頭がボーッとしてきた。袋から服を取り出す。
(服って、これはもう水着じゃないか。)
渡された水着は露出度の高い白のビキニだった。摩利は普段こんな水着は着ないのだが、
(まあ、いいか…。)
甘い匂いのせいで意識が揺らいでいる摩利は特に抵抗を覚えずその水着に着替え、受付嬢が言っていた部屋のドアを開けた。
むあっ!
(うわっ!)
ドアを開けた瞬間、脱衣場よりもさらに強烈な甘い匂いが鼻を刺激し摩利は面食らったが、やがてその甘い匂いに誘われるように摩利は部屋へ入った。意識がさらに朦朧とする。
「いらっしゃいませ。ようこそおいでなさいました。わたくし、渡辺様の担当します、当店のマッサージ師の永田と申します。本日はよろしくお願いします。」
そこで摩利を出迎えたのは摩利よりも身長が小さい、どう見ても80歳過ぎのよぼよぼな老人だった。
「渡辺様は今回、初めてのご利用ですね?」
「…は、い。」
「では、初回サービスということで今日はお値段そのままで特別メニューを実施致しましょう。ではまずこちらのベットにうつ伏せに寝てください。」
「分かりました…。」
摩利は老人の言われるがまま、老人の自分を見る目がやらしくなっているのにも気付かずに、ベットにうつ伏せになった。
個人的に魔法科高校の劣等生のキャラクターの中では渡辺摩利が一番のお気に入りなんですよね。あのボーイッシュなんだけど修次の前ではデレデレしてしまう所が好きです。今度機会があれば摩利の長編も書こうかな、と思ってます。