BALDR SKY Another World /世界X+Ω 作:デスイーター
BALDR SKYと名は付いてるけど、ハッキリ言ってしまうとオリジナルのバルドシリーズの一つと言ってしまった方がいいかも。BALDR SKY全ルート読了前提の話であるだけで、原作キャラは
私はタイトルに伏線を仕込むタイプです。何がとは言いませんが。
第五節『産声ーDivl Cryー』
タイトル英題は『悪魔の叫声』、これはレヴィアタンの事を指す────────と見せかけてXクリスの事を指します。
この説では米内防衛戦を通してドミニオンの暗躍とXクリスがこの世界に本格的に乗り込んで来るまでの経緯を描いています。
第1話『道程ーHer's Backgroundー』
タイトル英題は『彼女達の背景事情』です。これは千夏のこれまでの経歴の説明であると同時に、クリスの夢を通じて明らかになりつつあるXクリスの事情の事も指しています。
話の冒頭のクリスの夢は前回の甲の夢同様、クリスがXクリスと画面越しに邂逅した事で流れ込んだXクリスの記憶です。
Xクリスの映像を見た時にクリスが頭痛を訴えていたのは、あの時リアルタイムでクリスの無意識下にXクリスの記憶や思念が流れ込んでいた為です。
クリスとXクリスは本質的には同一人物の為、同じ世界に存在するだけで互いに強烈な嫌悪感────────即ち
その為、二人は互いの姿が視界に入るだけでも強烈な負の感情を抱く事になり、どうしても互いを意識してしまうので、Xクリスが無意識のうちに発したクリスへの強烈な憎しみの感情を伝ってクリスに記憶が流れ込んでいたワケです。
この夢も描写もまた、Xクリスの正体に繋がるヒントとして描写しています。
今度はクリスの夢に対する独白も加える事で、より明確なものにしています。
まあそれでも、ドミニオンの神子の正体が『原作のクリスの成れの果て』であるという答えに行きつくのは難しかったと思いますが。
この話では、千夏と長官が『話が分かる状態』になっている事が改めて明らかになります。
前回の時点で千夏の性格が荒んでいない事は分かっていますが、長官も今作での立場を明確にする事になります。
このストーリーの敵は、
原作は最大の敵だったトランキライザーが表向き
タラスクの伝承の説明も、聖良さんにやって貰いました。この人なら神話とかに詳しくても違和感ないし、結構頭も柔らかい方だから突飛な発想でも無碍に否定したりはしないからね。
最後のトランキライザー消失の報告は、これだけ聞けばノインツェーンが動いていると思われがちですが、このストーリーでは完全なフェイクです。
このストーリーにおいて、ノインツェーン本人は明確な『敵』ではありませんからね。 まあ、この時点ではラスボスがXクリスなのかノインツェーンなのかは分からないように、このストーリーが原作終了前なのか終了後なのかは敢えてぼかしていましたしね。
第2話『会談ーBrought informationー』
タイトル英題は『齎された情報』です。これは長官が持ってきたトランキライザー変質の情報の事ですね。
此処でトランキライザーが変質した球体型オブジェクトの情報を出した事で、明確にレヴィアタン復活の足音が聞こえ出しました。
ラグが生じているという情報もあり、いい感じで危機感を煽るように話を作成しています。
原作で千夏と長官がAIを疑った根拠の一つに、灰色のクリスマスで
実際にはAIが被害拡大を抑える為に行った事ですが、結果だけ見ればAIが暴走したと捉えるのも無理はありません。
ですが、原作でAIが
なので、Xクリスが
この時無理をした所為で暫くの間Xクリスの干渉能力は最低限まで落ち込み、本格的に干渉を再開するまで時間がかかっています。
Xクリスとしては灰色のクリスマスの時点で世界を滅ぼすワケには行かない為、無理をしてでもアセンブラを焼き尽くしたワケなのです。
此処で長官はクリスとも再会しますが、長官はレインとの和解の足掛かりを作ってくれたクリスにかなり感謝しています。
クリスの介入がなければ長官は高確率で原作の頭の固い状態のままだったでしょうから、それを考えるとクリスは長官にとって大恩人にあたるワケです。
なので、クリスがあの神父の孫娘だと知っても尚好意的です。 原作クリスのような凶行を行ったならともかく、この世界のクリスは性格的に少々問題があっても悪事には手を染めていませんしね。
また、此処で
むしろXクリスとしては一刻も早く実体を
Xクリスはレヴィアタンの起動にさえ成功すれば勝ちだと思っているので、甲達の戦力が増える事に関してはあまり頓着していませんでしたので。まあ、見逃した結果があの無双なんですが。
第3話『対峙ーApproach enemyー』
タイトル英題は『接敵』。文字通り甲達と敵であるドミニオンとダーインスレイヴが対峙するまでの経過を描いています。
話の前半はクリス、千夏、レインによるほのぼの修羅場シーンです。 米内の
まあ、一番良い性格してるのは真でしたが。今作の真は笑顔で毒を吐きますからね。『大人しい後輩』というイメージを持っていた千夏やレインは当然固まり、真の本性を既に理解していたクリスは溜め息を吐く事になります。
また、此処で真とレインのサポート能力を比較していますが、真が甲の戦闘を専属でサポートする特化型であるのに対し、レインは部隊全体の戦闘をサポートする万能型です。
甲一人、もしくはクリスと組んで戦う時は甲に集中してサポートを行い、更に普通のサポートには真似出来ない事も多々行えるので真に軍配が上がりますが、汎用性という点ではフェンリルという部隊で戦っていたレインの方が上です。
真はどちらかというと甲の外付けハードディスクのような立ち位置で、甲個人の補助としての役割が強く、視野が主観的なので部隊全体のサポートにはあまり向いていません。
対してレインは視野が広く客観的なので部隊全体をくまなくサポート出来、真のような各種反則は出来ませんが、単純に優秀なサポートとして活躍出来ます。
この辺りで住み分けしているので、立ち位置で争う事はありません。
最後には例の挨拶と共に神父登場。あの台詞は一度言わせてみたかったので折角なのでやらせました。
あの台詞と立ち絵の組み合わせはインパクトあったからなぁ。
第4話『叫声ーLimit Cryー』
タイトル英題は『極限の叫び』、つまりタラスクの咆哮を指します。この話はタラスクの威力を見せつける事が主な目的ですので、戦闘はその下準備のようなものです。
最初の戦闘では神父が甲、クリス、千夏相手に無双しますが、これ程の実力を持っているのはベースが久利原だからです。
今作の設定では神父の強さは元となった人物の強さに比例するので、後に出て来る量産型神父に此処までの強さはありません。
ブレオンで単騎無双出来る程の技量ですから、それがどれ程の脅威かは言わずもがな。
此処で神父と親父が因縁の再会となり戦闘を開始しますが、結局決着は着かず引き分けとなります。
まあ、神父としてはタラスク発射の結果さえ確認出来ればそれで良かったので、戦略的に見ればドミニオンの勝利ですが。
ジルベルトはXクリスに『どんな隔壁も突破する大量破壊兵器』とだけ言われてタラスクを渡されているので、被害規模がどれだけになるか想定もせずに憎い父親相手に撃ってしまいます。
父殺し達成で若干冷静さを失い狂喜するジルベルトは引き際を見誤り、その結果部下を全滅させてしまう結果になりました。
Xクリスはこの時点でジルベルトの身体を乗っ取る事を決めていたのでジルベルトだけは逃げられるように細工をしてドミニオン拠点へと招き入れています。
部隊の全滅も当然Xクリスの思惑のうちで、ジルベルトを精神的に追い詰める為に敢えてタラスクの威力の詳細をぼかして言ったワケです。
この話で出てきたタラスクは一切制御されていないアセンブラのようなもので、一定範囲まで拡大すると自動的に消滅しますが、その増殖限界が訪れるまでは全ての構造物や電子体を問答無用で飲み込む津波そのものです。
後から出て来る生物型のタラスクはこの津波を固体として凝縮し、制御を可能としたものです。流石にこのままでは単なる無差別破壊兵器で、『戦力』として使うには無理がありますからね。
第5話『生誕ーBorn of Foreignerー』
タイトル英題の『Foreigner』は『異邦人』、『降臨者』の意味です。これはFGOのあれと意味としてはほぼ同じです。
なのでタイトルの意味は『降臨者の生誕』もしくは『降臨者の産声』。 『Foreigner』は勿論、Xクリスを指します。彼女もまた、異世界からの来訪者ですからね。
タラスク及びレヴィアタンの構成にアセンブラの構築式を使っているのは、BALDR SKY原作で猛威を振るったアセンブラという脅威を組み込む事で危機感を煽る事と同時に、あのキーワードによって逆転する展開を作る為でもありました。
原作真ルートのあのシーンは何らかの形でなんとしてでも組み込みたいと思ったので、最初から仕込みをしていたんです。やりたい展開を書く為には、事前準備が必要ですからね。
そしてドミニオンの拠点ではXクリスがジルベルトを散々挑発しています。
これは勿論ジルベルトに自分から罠に飛び込んで貰う為で、画面の向こうのXクリスは今か今かと自分の仕掛けた罠に獲物がかかるのを待っていました。
そしてジルベルトは案の定自爆。こうしてXクリスが本格的にこの世界に乗り込んで来る事となります。
奥に用意してあった機械は間接的にバルドルに繋がってはいますが、最初から接続した者を捕らえて電子体情報を上書きする為のウイルスプログラムがセットされていました。
Xクリスはまんまと機械に接続したジルベルトの電子体情報を塗り潰し、そこに自分のデータを書き込んでこの世界で活動する為の分身を作り出しました。
要はジルベルトという電子体にXクリスという
Xクリスの本体に対して、此処で出現したXクリスは
この分身クリスが活動している間
この後はあくまで仮想世界で活動しているXクリスの視点がメインになる為、今まではモニタールームで各地のデータを簡単に採集出来ましたが、自由に動ける身体を手に入れた代わりに反則的な視野の広さは使えなくなったワケです。
要はゲームをプレイしていた人間がゲームの中に実際に入った為にプレイヤー視点が使えなくなったようなものですね。
最後に黒いグリムバフォメットを出した事で、Xクリスの正体が何なのかは読者には明かした形になります。
実際驚いてくれた方が割といて、仕込みが上手く機能したようで何よりです。
5節ではタラスクの猛威とXクリスがその姿を現した事で更に不穏な空気が加速していきました。あのXクリスの顕現シーンは最初から書こうと思っていたので、書いていて楽しかったです。ちなみに、Xクリス顕現の際にジルベルトに向けた言い放った台詞の一部は今作で以前クリスがジルベルトに言い放った台詞と意図的に似せています。こういうギミックもちょくちょく組み込むと、読み返した時面白いです。