BALDR SKY Another World /世界X+Ω 作:デスイーター
第七節『侵攻ーErosion of Worldー』
タイトル英題は『世界の浸蝕』。レヴィアタンの脅威が仮想世界を浸蝕していく様子を表したストーリーです。ミッドスパイア攻防戦までの流れを書いています。
第1話『解析ーAnalysisー』
タイトル英題はそのまま『解析』。レヴィアタンの出現を受け、解析結果を報告する回ですね。
前回の戦いの間に甲達が
長官がいち早く行動しなければ混乱に巻き込まれ、甲達がミッドスパイアから脱出する事は困難になっていたでしょう。
その長官はミッドスパイアを守れなかった事に責任を感じ、原作から変わっていなかった自決思考で職を辞そうとしますが、この時点で長官が地位を捨ててしまうと
流石に付き合いが長いだけあって、長官の思考傾向は理解していましたので。
聖良さんと親父の説得だけでは頷かなかったと思いますが、そこに甲やクリスもフォローに入った為、なんとか長官は思い留まりました。
彼は起きた事態に対し『どう責任を取るか』を真っ先に考え他の事にまで気が回らなくなる悪癖があるので、自責の念故の行動を止める事も一苦労です。
Xクリスがミッドスパイアを占拠した目的は、あくまでバルドルシステムの掌握です。
空気清浄機を止めたり外の映像を流したりしたのは
彼女が欲しかったのはあくまでバルドルシステムであって、ミッドスパイア自体には何の価値も見出していませんでしたから。
バルドルシステムを掌握したXクリスはバルドルの中に仕組まれているノインツェーン・ウイルスの改変を完了させ、神父の量産を開始します。
信者達は基本的に現実に絶望して原作の真のように『此処ではない真の世界に行く為』と考えあらゆる行為を許容してしまっているので、少しXクリスが言葉を弄せば何の疑問もなく機械に接続してしまうでしょう。
集団自殺すら普通にやらかすカルト宗教なので、人心掌握は容易かった筈です。
また、Xクリスは甲を取り込んだ後は
この時にジルベルトの精神にトドメを刺す為に彼の実体をアセンブラの実験にかけて死なせる映像を自分の中のジルベルトに見せたのですが、この事が後に自身に報いとして返って来る事になります。因果応報、と言っていいかもしれません。
彼女にとってジルベルトは取りに足らない小物、という認識しかなかった為、真等と違い警戒する気もありませんでしたので。
この話で以前あの施設から救出した少女達が昏睡状態に陥った事が分かり、それが
Xクリスは以前言ったようにあの施設で少女達から吸い上げた孤独感を疑似的なNPCとして凝縮させてレヴィアタンの性能強化に用いているので、レヴィアタンが起動しXクリスに疑似NPCが統御された事で
また、前回Xクリスの記憶を垣間見た事でクリスはXクリスが
クリスは傭兵時代に真がちょっとした切っ掛けで精神的に揺れた際、真の記憶が直接流れ込んで来た経験がある為、自分の見たものがXクリスの記憶だと受け入れる事が出来ました。
多少常識外れの事でも、経験済なら柔軟な考えを持てる者であれば受け入れる事が出来ますからね。
この世界ではXクリスによって箱舟計画に関するデータが消されていますが、これは万が一箱舟計画が発動すれば自分とレヴィアタンの
彼女は空ルートの世界も見ているので、箱舟計画が起きた後にノインツェーンが出てきた事も知っています。なので念には念を入れて箱舟計画も排除したワケです。
第2話『告解ーConfession of secretー』
タイトル英題は『秘密の告白』。此処では聖良が甲に箱舟計画の事と、
聖良さんも箱舟計画が倫理的にマズイものであるという自覚もあったので、甲に話す事は気が引けていましたが、今後がどんな些細な情報が突破口になるか分からない為、話す事を決意しました。
此処で
今作の解釈では
なのでレヴィアタンが無事起動した事で勝利を確信したXクリスが後戻りの出来ない切符を使って海面近くへ浮上して来たのです。
しかし未だに
この本体クリスは
第3話『布告ーPronouncement Ruinー』
タイトル英題は『破滅の宣告』。Xクリスが行った宣戦布告の事を指しています。
冒頭でミッドスパイアの住人が入り込んでしまったのはXクリスが仕掛けたレヴィアタンの餌場であり、出てきた少女達は孤独感を集積してそれを形にした少女達の疑似NPCであり、同時にレヴィアタンの捕食端末でもあります。
Xクリスはミッドスパイアの住人達を当初放置するつもりでしたが、折角だからとレヴィアタンの演算能力強化の為に取り込む事にしました。
此処で取り込まれた住人達はレヴィアタンの内部世界へ招かれる事も許されず、演算能力強化の為のパーツとして酷使されていました。
流石のXクリスも、引き籠り達を自分の世界へ招き入れたくはなかったようです。
レヴィアタンの咆哮の解析シーンはフォースの憐ルートのオマージュですが、実はこの時点では咆哮の本当の意味は出て来ていません。
Xクリスは少女達の嘆きの声を文字通り身代わりにする事で、レヴィアタンの本当の正体を隠していました。
レヴィアタンの正体が何なのかについては、この時点では分からないようになっています。
まあ、フォースをやった人には見当がついてたかもですが。
また、パプティゼインがレヴィアタンに取り込まれていないのは疑似NPCの少女達の思念に嫌われているからと作中では説明していますが、実は量産型神父にはXクリスのデータが一部混入しているので、Xクリスの無意識であるレヴィアタンはパプティゼインを
実際、量産型パプティゼインの下になっているのはノインツェーン・ウイルスというよりXクリス・ウイルスなので、間違ってはいません。
量産型クリスにならなかったのは、自分の似姿が増える事をXクリスが許容しなかった為です。
強烈な自己嫌悪を持つ彼女の前に自分と同じ姿の複製があれば、即座に理性が吹っ飛んで殺して回るでしょうからね。
ちなみにXクリスがアークの社長室にハッキングをかけたのは
今の時点の彼女は自由に動ける電子体を手に入れた代償として今までのような
彼女としては此処で宣戦布告を行い甲達がミッドスパイアに攻めてくれば儲けもの、そうでなければ宣言通りにアーク侵攻を行うつもりでした。
結果的にはその場にXクリスの思考をある程度トレース出来るクリスがいた為、まんまと罠に嵌ってしまった形になります。
第4話『虎穴ーBlack Holeー』
タイトル英題は『ブラックホール』。文字通り決して逃がさないブラックホールの如き罠を仕掛けて待ち構えていたXクリス達の事を指します。
クリスはこの時点でXクリスの
正直に言ってしまえば、思い込みで罠に嵌った形です。普段滅多にミスをしないクリスにしては珍しい、致命的なミスと言えます。
クリスとXクリスは対峙すれば双方共に冷静さを欠き易くなる為、接触自体がミスを誘発し易いので先に暴発したクリスの自爆のような形になります。
突入前の会話では、見事に永二に死亡フラグが立っています。勘のいい人はこの時点で結果を予想した人もいるんじゃないかな。
勿論ラグを発生させるレヴィアタンの対策は怠っておらず、ラグを緩めるプログラムも用意していましたが、Xクリスは絶対的に有利なフィールドを作成して待ち構えており、直接的な暴威を用いて殲滅するつもりでした。
そして甲達は罠に飛び込んだ形になり、絶望的な戦いが開始されます。
第5話『犠牲ーVictim Heroー』
タイトル英題は『英雄の犠牲』。文字通り、永二が犠牲になる展開を暗喩しています。
此処で出てきたパプティゼインは量産型である為、性能は劣化しています。
具体的に言えばFCが使えず、武装の使用タイミングもまばらです。なので親父であれば難なく倒せる敵ですが、真の脅威は他にありました。
此処で名称が出て来るXクリスの機体、リリスバフォメットのデザインは予め決まっていました。
四本の腕という異形の姿でXクリスの狂気を体現し、
原作グリムバフォメットについてはモチーフが蟷螂なのはすぐ分かったので、あと二本鎌が増えればもっと凶悪な外見になるよなという安易な考えですが。
名称については聖書でアダムを誘惑する悪魔リリスの名前を付け、愛に狂ったXクリスらしいネーミングにしました。
リリスバフォメットなら語感も割と良かったので、そのまま採用しています。
リリスバフォメットの突撃形態は以前言ったように、ギアスのナイトギガフォートレス、ジークフリートをモデルにしています。
一期最終話で暴れ回ったあの機体は中々インパクトがあったので、折角なので参考にしようと思い取り入れました。回転しながら突進って、割とよくある攻撃方法ですし。
このフィールドの真の罠、それは沼に擬態したレヴィアタンの捕食口です。Xクリスはレヴィアタンとミッドスパイア構造体を同期させる事で至る所にレヴィアタンの体内に繋がる場所を作り、不意を打つ為の罠として設置しました。イメージとしては生者を引き込む死霊の沼です。
そして、此処でタラスクの成体も出現します。これは制御なしの爆弾同然だったタラスクを対人用に作り直し、無限に生産可能な兵力にしたものです。
迂闊に近接攻撃を仕掛ければ逆に取り込まれ、実弾兵器は効果が薄く倒したとしても無尽蔵に湧いて来る数の暴力、それがタラスク成体です。
このタラスクはレヴィアタンの体内で容量の膨張と圧縮を繰り返す性質に着目したXクリスがどうせならこの機能を戦力増強に利用しようと考え、レヴィアタンの体内でタラスクを生産するシステムを組み込みました。
タラスクは実質レヴィアタンの欠片のようなものなので、タラスクが取り込んだ相手はそのままレヴィアタンの中へ取り込まれます。
タラスクはあくまで母体であるレヴィアタンに従う端末なので、自意識のようなものはありませんからね。
ちなみにレヴィアタンとタラスクはそれぞれ神話生物をモデルとしており、レヴィアタンはウボ=サスラ、タラスクはショゴスをモデルとしています。
クトゥルフを知ってる人なら前者はどういう意味か大体分かると思います。
タラスクが見せた合体は、実質的な攻撃力ではなく巨大化してリーチが伸びた触腕を用いて離れた場所にタラスクを量産する為の形態です。
流体タラスクは倍々ゲームでタラスクを量産する為、放置すれば大変な事になりますが、実弾や近接攻撃は一切効かず、光学兵器もただ放つだけではその巨体に対しては効果が薄い為、合体された時点でほぼ戦術的には詰んでいます。
派手な攻撃力ではなく、単純な数の暴力こそがタラスクの真骨頂ですから。
そして今後繰り返し猛威を振るうレヴィアタンの主砲、
モデルは勿論トランキライザーの主砲のレーヴァテインですが、レヴィアタン自身の巨大さもありその効果範囲は格段に広くなっています。
イメージとしてはゾイドの荷電粒子砲ですね。デススティンガーやデスザウラーの放った荷電粒子砲の馬鹿げた威力は未だに印象が残っています。
そして主砲に飲み込まれ、親父が一時退場。これが、今作では初の犠牲者となり、此処から陰鬱な空気が漂う事になります。
レヴィアタンの脅威を知らしめたのがこの第七節です。レヴィアタンは特定のギミックを使わない限りダメージが通らない存在なので、圧倒的なパワーと物量で押されるだけで普通に詰みます。
クリスが此処で失敗をやらかしていますが、実はXクリスは半日経っても攻めて来ないようならそのままアークを襲撃するつもりでしたので、結果的にはクリスのミスがアーク襲撃を遅らせ、対処の時間を作る事が出来ました。あくまで結果論ですけどね。
次の節はレヴィアタンが思う存分暴れ回る話です。実はこの節を書いている時は結構ノリノリで書いてました。ああいう圧倒的な暴威を描くの好きなんですよね。