BALDR SKY Another World /世界X+Ω 作:デスイーター
「さて、そろそろだと思うんだが……」
甲は寝室のベットに腰かけながら、しきりにドアの方を見ながら落ち着かない様子で過ごしていた。
結果として結婚式は成功に終わり、披露宴では雅達に散々絡まれたものだ。
久々に会ったマーカスも「傭兵なんてヤクザな商売からは足を洗ったんだし、精々幸せになりな」と甲をからかいつつも祝福していた。
誰も彼も、重婚などという常識外れな真似をした甲達を暖かく迎えてくれたのだ。
千夏とレインはあくまでクリスと真の結婚式である事に遠慮したのか、予想していたより積極的には絡んで来なかった。
まあ、ブーケトスの時にクリスが千夏目掛けてブーケを叩きつけながら言い放った「1年経ったら他の子との重婚を許可する」という言葉を受けて色々考えた結果、大人しくなったのかもしれないが。
今甲がいるのは、聖良の手で予め用意されていた甲達の新居だ。聞く所によると真とクリスは前々から新居の案を練っており、聖良に頼んで彼女達の要望がふんだんに盛り込まれた新居を完成させていたのだと言う。
結婚するからには新居を考えなければいけないと甲が言い出した時には、既に新居は殆ど完成済みという有り様であった。
(思えば、尻に敷かれっぱなしだよなぁ俺……まあ、あの二人相手に主導権を握るとか無理っぽいけど)
クリスは言わずもがな、真も腹黒い面があり頭の回転も速いので甲が口で勝てるワケもない。
ただでさえ重婚という負い目がある以上、甲が女性陣より上の立場になるのはどう考えても無理そうだった。
用意されていた新居は3人暮らしとしては広過ぎる屋敷であり、部屋数もかなり多い。
如月寮をイメージしたのか木造建築で出来ており、緑で覆われた旧清城市街のすぐ傍に建設されている為に雰囲気としては森の中のロッジのようだ。
アセンブラの浄化によって緑が蘇ったからこそ、出来た家と言える。
時刻は夜、普通であれば就寝していてもおかしくない時間であるが、甲がこうして今寝室にいるのは眠る為ではない。
いわゆる、『初夜』を迎える為だ。
初体験などとうに済ませていた甲達だが、真は当然としてクリスとしても『初夜』というシュチュエーションには憧れがあった為、結婚式の後に初夜を行う事は確定事項だった。
実は真とは仮想ではかなりの回数情事を重ねていたが、実体を取り戻したのがあの事件の真っただ中であった事もあり、真の実体は処女のままなのだ。
真は「折角だから実体の処女は初夜で奪って下さいね」と話し、事件が収束した後も甲との情事は専ら仮想で行っていた。
初夜を迎えるまでお預け、という考えもなくはなかったのだが……散々甲に開発された身体に長期間の禁欲など無理な話であり、結局長続きはしなかった。
しかし、結婚が決まった後は真とクリスは二人揃って初夜までの禁欲を申し出た。
今まで通りのペースで情事を行っていては初夜のありがたみが減るという理由である為甲も渋々納得し、それに乗じてクリスは甲の自慰も禁止した為に甲はこの日まで悶々とした日々を過ごしていた。
今までに真とクリスという極上の身体を抱いていた甲はすっかり女体の味を覚えてしまい、自慰すら『勿体ない』と控えていた程だ。
甲がムラムラしているとクリスや真がすぐにそれを察知して性欲処理に付き合ってくれていた為、甲としても長期間性欲処理が出来なかったのはクリスや真と関係を持って以来初めての事だ。
若さと性欲が有り余っている甲にそれは苦行だったが、クリス達もそれに耐えている以上弱音は言えず、どうにか此処まで我慢して来たのだ。
日常生活でクリス達の無防備な姿を見てその場で押し倒したい衝動に駆られた事も一度や二度ではないが、それを敏感に察知したクリスによって制止されなんとか此処まで保っている。
そうでなければ、禁欲の誓いなど早々に破られていた事だろう。
ともかく、そういった事情で今日は久々の情事の日でもあるのだ。真とクリスは準備があると別の部屋に引っ込んでしまっており、甲は今か今かと二人の到来を待ちわびていた。
「甲、いいかしら?」
「……っ! ああ、入ってくれ」
わざわざノックをしてから声をかけたクリスに対し、甲は上ずった声でそう答えた。
いつもはノックなしで入って来るクリスにしては珍しい態度だが、甲はそこまで頭が回らなかった様子でゆっくりと扉を開けて入って来るクリスの姿を見て、思わず息を呑んだ。
クリスは襦袢と呼ばれる白い着物のような服を着ており、薄い生地の下には艶めかしい身体のラインが透けて見える。
決して大きくはないが形の整った乳房や安産型のお尻が視界に入り否応なく逸物が反応していた。
「……? クリスだけか……?」
「ええ、真曰く『初夜は最初は1対1じゃないとダメです』って言って効かなくてね。私としては最初から3人でも良かったのだけれど、女として真の気持ちも理解出来るもの」
まあ、とクリスは続けた。
「だからてっきり真が最初かと思ったのだけれど……どうやら、リハビリの件とかで私に恩を感じているらしくってね。先手を譲ってくれたのよ。全く、本当に良く出来た子よね。色んな意味で参っちゃうわ」
てっきり真と共にやって来ると思っていた甲の疑問に対し、クリスは溜め息を吐きつつそう答えた。
クリスとしても、自分は後から甲と真の関係に割り込んだ自覚がある為共に甲と結婚出来た今となっては初夜くらい真を優先するのも吝かではなかったのだが、真がクリスに感じていた恩義は想像以上に大きなものだったらしい。
クリスは少々独創的な性格をしており言動も過激なものが多いが、同時に世話焼きな一面も持っている。
真の身体機能が戻るまで付きっ切りでリハビリを行った事を真がしきりに感謝していたのは甲としても知っているので、真を昔から知る甲としては成る程と納得出来る話だった。
「初夜にもやり方とかあるらしいけど、形に拘るよりまずは貴方の性欲処理が先よね。此処まで我慢を強いて来たのだから、すぐにでも襲い掛かりたいのは分かってるわよ。けどまあ、私と貴方の初体験は普通のシュチュエーションじゃなかったし、最初くらいはそれらしくして頂戴ね」
「……あ、ああ……分かった。頑張ってみる」
ぎこちなく返事をする甲を見て、クリスは唇を吊り上げて笑みを浮かべた。
欲求不満を燻らせた甲の心胆などクリスにはお見通しであり、必死に我慢しようとしている甲の姿が面白くてたまらないのだ。
それは自分という女を本能で求めている証でもあり、クリスの女としての充足感も満たされて彼女は最高に気分が良かった。
多少丸くなったと言っても、根本のドS気質は変わらないので相手を弄って楽しみたいという欲求が強いのは相変わらずである。
「そんな顔をしなくても、すぐに相手してあげるわ。けど、形式くらいはきっちりやらせて貰うわね」
クリスは苦笑しながらそう告げるとベットの上に正座の状態で座り、甲の耳元に口を寄せた。
「──不束者ですが、よろしくお願いします。旦那様」
「……っ! クリス……っ!」
クリスの声、匂い、所作、その全てが甲の理性を焼き切り、甲はクリスの身体を抱き締め唇を奪った。
「んぅ……」
クリスは抵抗なくそれを受け入れ、甲を強く抱き締め返しながら舌を絡ませる。
しばしそのまま互いの舌を弄び、ようやく唇を離した時にはクリスの頬には赤みがかかり、甲の逸物はギンギンに勃起していた。
「……脱がすぞ」
「ええ、どうぞ」
甲は服を破かさないように気を付けながら、ゆっくりとクリスの服を脱がせていく。
やがて一糸纏わぬクリスの身体が薄明りに照らされ、得も言われぬ色気が溢れ出す。
甲はクリスの左乳房を左手で掴み、右の乳房にしゃぶりついた。
「……ん、はぁ……っ!」
数年の間の情事の経験で、クリスの弱い所は熟知している甲である。
左手で痕が残る程の力で乳房を握り締めながら、吸い付いた乳房の乳首に軽く歯を食いこませた。
クリスは顔を上気させながら喘ぎ声を漏らし、秘所からはじわりと愛液が零れ出ている。
……クリスは初体験の時の影響もあったのか、甲に乱暴に抱かれる事を好む傾向がある。
故に多少手荒に扱っても悦んでその行為を受け入れ、自分の身体に甲の手によって痕が残る事を特に気に入っている様子だった。
彼女曰く、「私が貴方の
クリスの愛が人一倍重い事は承知しているので、甲としても別段不思議には思わなかった。
……場合によっては刃傷沙汰を厭わない時点で、彼女の気質がどんなものかはお察しだが。
思う存分彼女の乳房の味を堪能した甲は、自分も服を脱いで全裸になり膨張したペニスが露わになった。
それを見たクリスは舌で唇をペロリと舐めると、躊躇いなく甲のペニスを喉奥に飲み込んだ。
「くぅ……っ!」
「んちゅ、あむ、むぅ……」
クリスは甲のペニスを根本まで飲み込み、頭を振るようにして甲のペニスをしごきあげていく。
いきなりのディープスロートに甲は快感に呻き、あっという間に射精欲が限界に近付く。
あと一歩で射精に至るという所でクリスは逸物への刺激を止め、ペニスから口を離した。
「ふふ、久々の射精が口の中じゃ寂しいわ。きっちり、此処に注いで貰わないとね」
クリスは淫蕩な顔でそう告げると自分の秘所を指で広げ、愛液が溢れ出している秘所がぱっくりと口を開けた状態で甲の眼に飛び込んで来る。
甲は理性が切れる音と共に、そのままペニスをクリスの秘所に叩き込んだ。
「……っ! くぅぅ……っ!」
「くぉ、おぉぉぉぉぉぉ……っ!」
ペニスを刺し挿れた瞬間、甲の逸物はクリスの膣壁に全力で歓迎され、
蠢く肉壁が痛い程の締め付けで甲のペニスを刺激して来る。
甲はたまらず声をあげ、クリスの腰をがっしりと掴むと正常位で激しいピストン運動を開始した。
「くぅっ、締まる……っ! ヤバイ……久々だからか、もう保ちそうにない……っ!」
「く、ふぅ……っ! ふふ、いいわ……っ! これまで我慢した分、有りっ丈の種を私に注ぎ込んで頂戴……っ! さあ、私を孕ませてっ! 甲……っ!」
クリスが中出しを懇願し、甲を逃がさないとでも言うかのように彼女のスラリとした足が甲の腰に絡みついて来る。
全霊の中出しの懇願に甲の理性が吹き飛ばされ、クリスに身体を密着させると腰の動きを更に加速させ、射精に向けてラストスパートをかけていく。
「
「ええ、来て……! 甲……っ!」
甲は最後に大きく腰を打ち付け、パァン! という肉を打ち付ける音と共に甲とクリスの腰が隙間なく密着し、甲は腰を震わせながら有りっ丈の精液を吐き出した。
「お、おぉぉぉぉぉぉ……っ!」
「くぅ、はぁぁぁぁぁぁぁぁ……っ! 嗚呼、出てるわ……っ! 甲の熱いのが、私の中を埋め尽くして……っ!」
ビュルルルルルル! という音が聞こえるかのような勢いで甲のペニスの先端から精液が溢れ出し、瞬く間にクリスの膣内を埋め尽くしていく。
甲の腰がぶるぶると震える度にどくりどくりと精液が撃ち出され、愛する女の胎内深くに注ぎ込まれていく。
禁欲を続けた末の射精の量は半端ではなく、クリスの膣内に収まりきらなかった精液が結合部から漏れ出し、クリスの太腿やお尻を伝ってシーツを汚していく。
クリスは感極まった様子で甲の射精を受け入れており、甲の背中を爪が突き立つ程の強さで掴み、己の内に注がれていく愛しい男の精を受け入れる。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ! やべぇな、こんなに出るとは……」
「……う、ふふ……たぁくさん射精したわね、甲……嬉しいわ。私の奥に、こんなに注いでくれて……もう、これだけで妊娠しちゃいそうよ」
そうやく射精が終わった頃には数分が経過しており、甲は有りっ丈の精液を吐き出した為か、心地よい倦怠感に包まれていた。
クリスも久々に甲の精を受けて満足したのか、幸せそうな顔を隠そうともしない。
「ん……? これは……」
甲は名残惜しみながらもペニスをクリスの膣内から引き抜くと、膣内からはゴポリと音を立てて精液が流れ出した。
そして、その精液の中に混じる赤色……血液を見て、甲は訝し気な顔をする。
クリスの処女膜は、とうの昔に甲が破った筈であるのだが。
「……ああ、実はノイに頼んで処女膜を再生して貰ったのよ。折角の初夜なんだから、今度はもう一度ちゃんとした形で破って貰いたかったのよね。初体験の時は、お世辞にも褒められたやり方じゃなかったし」
クリスの言う通り、彼女の初体験は真との初体験を済ませた直後のクリスの逆レイプによるものだ。
あの時は甲との既成事実を作る事を第一に考えていた為後悔など微塵もない様子だったが、彼女の中でも「ちゃんとした形で処女を奪って欲しい」という願望は確かにあったのだろう。
その証拠に、クリスの頬が興奮とは違う理由で赤みがかっているのが見える。
彼女としては、隠していた乙女心を看破されたようで恥ずかしいのだろう。
「……さて、これで一先ず私の番は一旦終わりね。もう来ていいわよ、真」
「え……?」
だが、珍しいクリスの姿を微笑ましく思ったのも束の間、クリスの言葉に反応して振り向く。
すると部屋のドアがゆっくりと開き、切なそうな表情をした真が蕩けた眼でこちらを見据えて立っていた。
──夜はまだまだ、始まったばかりである。
1話で終わるかなと思ったら終わらなかった。濡れ場回はもっかい続くよ。