DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
加藤家の屋上の上で、ローブを被った1人の褐色の肌をした男が、空に浮かぶ月を見る。
そして、手を月にかざして払うような素振りをすると、黒い雲が月に隠れる。
「美しい月よ、そなたはこれから起こる惨劇を見ない方が良い。その身が赤く染まらぬよう、私が隠してやろう」
雨雲がゴロゴロと鳴り、雨が降りだした。
「あの方の命でデビルマン、内海明人を始末することになった。あのアモンを退けた程の男、そして合体した悪魔も不明となれば、用心する必要があるな。このニクスが相手をする前に、我が配下で小手調べをしてやろう。奴の精神が人間なのであれば、人質を取れば…」
ニクスの足元の水溜まりから、そこから竜のような頭をしたデーモンが現れる。
〈ニクス様、コノ私『ゲルマー』ガ参リマショウ〉
「…良いだろう。貴様とザナクに行ってもらう。注意は怠るなよ?」
〈ハハァ〉
ゲルマーは水溜まりの中に溶け込み、ニクスの影も分裂して加藤家に入っていった。
「デビルマンか。あの方が予測していなかった、運命を壊す者。特異点とも呼んでいたか…面白い」
ニクスは雨にうたれながら、ニヤッと笑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その夜、了さんが帰った後に雨が降った。
美佐紀が風呂場に行ってから、テレビもつけずに無音でいると外の雨の音だけが聞こえてくる。
風呂場に行って、美佐紀を覗いてくるか?
いや、『待っててね』と言われた以上待っているべきなのだろう。
美佐紀が、俺のために風呂に入ってくれている。
恋人同士になってから、俺の頭の中はデビルマンとしての戦いの本能と彼女のことでいっぱいだ。
一緒に居て欲しいという欲求以外にも、別の欲が出てくる。
側に居て欲しい。
誰にも渡したくない。
そんな思いが頭の中を支配している。
あんな映像を見たら、なおさらに。
「美佐紀を絶対に、黙示録のための生け贄になんてさせはしない。必ず守る…守って見せる」
そう呟いた途端、クフフフフッと不気味な笑い声が聞こえてきた。
〈貴様ノ弱点ハ、ヤハリアノ娘カ。アノ方ノ予想ハ的中シテイタヨウダナ〉
声は俺の頭の中に聞こえてきて、周りには誰も見当たらない。
「誰だ!?どこに居る!!」
〈俺ヲ探シタトコロデ見ツカルハズモナイ。貴様ハ俺ノコトヲ見ルコトモデキズニ殺サレルノダ。ソシテ、貴様ノ恋人デアルアノ娘モ…!!〉
「…貴様ぁ、美佐紀に手を出すつもりか!?」
俺が声を荒げると、背ろの影から何かが飛び出てきた。
〈デビルマン、内海明人!!ソノ命、コノ『ザナク』ガイタダイタ!!〉
小鬼のような見た目をした黒い悪魔ザナクが、背後から襲いかかってきて爪で俺の右肩を切ってきた。
そして、前にあるテーブルの影に入ってしまう。
〈貴様ハ俺ノヨウニ影ニハ入レナイ。影ノ中デハ誰モ手ガ出セナイ。影ヲ使ウ俺ハ貴様には負ケナイ!!ジワジワト攻メテ、必ズ息ノ根ヲ止メル!!〉
影を使うデーモン?
確かに強敵ではある。
しかし、そんなことはどうでも良い。
俺は服をめくって隠していたベルトを出し、中央のマークに手をかける。
「美佐紀に手を出そうとするなら、俺はおまえを殺すだけだ。……デビルっ!!」
デビルマンに変身し、俺は臨戦態勢に入った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
美佐紀は脱衣場に入ってカチューシャを外し、服とブラジャー、ショーツを脱いで、全裸のまま大きな鏡の前に立つ。
生まれたままの姿だけど、もうお互いに子どもじゃない。
自身の成長して膨らんだ大きな胸を、明人は触ってくれた。
女として成長した自身の身体を見て、顔を真っ赤にしてキャッと言って両手で頬を押さえる。
「あたしのことを、女として見てくれている。今日…あたしは……」
自身の股の間にある陰部に手がいくと、頬を紅くする美佐紀。
「私の全てを見られてしまうのね。そして、ここに……入ってしまう。男の人の……明人くんの一物がっ!!」
知識としては知っているが、自分がそれを体験するのはずっと先の事だと思っていた。
しかし、ずっと好きだった恋人に求められるのなら、喜んでこの身体を捧げよう。
美佐紀は緊張と嬉しさが入り交じりながら、タオルを持って風呂場に入った。
最初に頭から洗い、次に身体を首もとから足の指先まで洗う。
念入りに、明人に清い身体で向き合うために。
「明人の奴、あたしの裸を見たら獣の本能が解き放たれるんじゃないかしら、怖い怖い。フフっ♪」
嬉しそうに身体を泡泡のボディーソープを使って洗った後にシャワーで泡を流せば、風呂に入って一息つく。
その状況を待っていたかのように、1人のデーモンが彼女に聞こえないように心の中で呟く。
〈入ッタナ、デビルマンニ愛サレシ娘ヨ。コノ水ノ悪魔ゲルマーノ中ニ〉
今、加藤美佐紀はデーモンと初めての接触を果たそうたしてした。