DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
ー明人が加藤家に着く前のことー
俺は悪魔特捜隊本部の襲撃に参加する意志を固めていた。
頭の中で都合の良い考えがあったのだ。
まだ加藤家は襲撃されていないかもしれない。
その前に本部を叩けば良いと。
「ツバサ、全ての戦力を集めて悪魔特捜隊本部を叩くぞ」
「それでこそ、私の求めるおまえだ‼さぁ、共に悪を討とう‼」
歓喜に満ちた目を向けてくるツバサに複雑な思いは在れど、ここは我慢するしかない。
悪魔特捜隊は人類の敵だ。
それを叩くには、今しかない気がするんだ。
そして、何より、俺の中の何かがそうするように強く誘おうとしている。
2人でサバト会場に戻ろうとすれば、その前に後ろから声をかけられた。
「待てよ、内海明人」
聞き覚えのある声に振り向くと、そこには真剣な顔をして立っている人類の希望が居た。
「兜甲牙……どうして、ここに―――っ!?」
問おうとする前に、甲牙が迫ってきては俺の胸倉を掴んできては視線を強引に合わせる。
「おまえは一体何をやっているんだ?」
「……悪魔特捜隊本部を叩く。おまえも協力してくれ。今のあいつらは危険なんだ」
「そう言う事を言っているんじゃない。おまえは今、何をすべきなんだ!?」
甲牙が良いたいことが伝わってこず、あいつは俺の右頬を強く殴ってきた。
「うぐっ!!」
「明人!?……おのれ、貴様ぁ!!」
臨戦態勢に入ろうとするツバサを右手で止めて甲牙を見る。
奴の目は真剣で、怒りを感じる。
「おまえはこんな所に居る暇があるのか?」
「暇じゃないに決まってるだろ。俺は今から……」
「それはおまえの意志なのかよ?本当は何をしたいんだ?内海明人!!」
指をさして問いかけてくる甲牙。
「おまえには愛する者が居るはずだ。おまえがするべきことは人類のために動くことか?それは、本当におまえがしなければならないことなのか!?」
「何を言っている!?私たちデビルマン軍団が救ってやると言って———」
「おまえには聞いてねぇんだよ!!」
強い覇気で気圧されるツバサを後目に、甲牙の言葉が心に響く。
確かにそうだ。
これは本当に俺の意志なのか。
不動明の行動をなぞろうとしているだけじゃないのか。
今、俺がしなければならないことは……決まっている!!
「この人類の敵を倒すのは俺の使命だ!!前の世界ってのがどうかは知らねぇけどな、この世界には俺が居る!!マジンカイザーがな!!」
甲牙は俺に強く頭突きをし、目を合わせる。
「その上で、おまえがしなければならないことは何なんだ!?言ってみろ、不動明じゃない、おまえの本心を、願いを!!内海明人ぉ!!」
その瞬間、俺の中から迷いが消えた。
そうだ、この世界にはこいつが居る。
この世界の人類を救うのは、この男の役割なんだ。
俺の出る幕じゃない。
俺は不動明じゃないのだから。
迷いなく、道を間違えることなく、俺の意志を貫くことができる。
「……本部に囚われている人たちを……おじさんとおばさんを頼むぜ。甲牙」
「わかった、必ず助け出す。おまえは大切な者を守り切れよ、明人」
「ああ!!」
俺は走りだし、跳躍すると共にベルトに手をかけて変身した。
「美佐樹、今行くからな……デビルっ!!」
純白の鎧から黒い翼を広げ、加藤家の方向にはためかせた。
「明人!!」
止めようとするツバサの道を、甲牙が塞ぐ。
「明人の邪魔をするなら、俺が相手になるぜ」
「ぐぅぅぅう。マジンカイザぁああ!!!」
分が悪いと思ったのだろう、ツバサは地下に潜って行って戻ってはこなかった。
地下に秘密の通路でもあり、そこから出て行ったのだろう。
マジンカイザー、兜甲牙。
彼の希望が、運命を変える転機となった。
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生きている美佐樹を両手で抱えているが、周りの囲むように雑魚のデーモンが群がる。
ここに居たら、美佐樹が殺されるのも時間の問題だ。
運命に抗うことができるかどうかは、今この瞬間に決まる。
<男を殺して女を奪えぇええ!!>
<まだ犯し足りねぇぜぇええ!!>
2体の虫型のデーモンが襲いかかってくるが、それを翼を広げるだけで吹き飛ばす。
美佐樹を左肩に担ぎ、右拳から白いオーラを発する。
さぁ、暴れる時間だぜ……運命を変えるぞ、ゼロ!!
『存分に我が力を振るうが良い、明人よ!!』
力が溢れ出てくる。
それも衝動とは関係ない、覚悟から生まれる力だ。
雑魚のデーモンが俺に恐怖し、一斉に襲いかかってきた。
<生きて返すな、殺せぇえええ!!!>
<数で押せぇえええ!!!>
オーラをまとう右腕から3枚の刃を出し、迫ってくる雑魚に向かってフルスイングすれば、雑魚どもは一瞬で消滅した。
「
残っているのは、頭から触手を生やしている細身のデーモンのみ。
記憶の中の名前は、確かセーヴルだったか。
<デビルマン・ゼロ……内海明人と言ったか。おまえの強さは我々も聞き及んでいる。俺は、おまえと戦って見たかった……。デーモンの力を超越したデビルマンの力を、俺に見せてみろ!!>
キシャァアア!!と奇声をあげ、突撃を仕掛けてくるセーヴル。
両腕をスイングして斬撃を飛ばしてくるが、それは全て両翼を前に出して完全防御する。
しかし、セーヴルの攻撃は止まらない。
両手を広げ、触手を伸ばしてくる。
触手の先端が刃に変わり、高速の無数の斬撃が飛んでくる。
<我が力を思い知るが良い!!>
斬撃は鎧に傷を付け、身体にも少なからずダメージを受けてくる。
しかし、それで動けないわけではない。
一瞬で距離を詰め、セーヴルが防衛で両手を前に出したのを掴んでねじ上げる。
<ぶぇぁああ!!>
「おまえは俺の大切な女を傷つけた。その報いは受けてもらうぜ…!!」
腕が歪に曲がり、ボキボキと折れては青い血が勢いよく出てくる。
<ぎやぁああ!!!離せっ!離せ、離せ、離せぇえええ!!!>
両手と両足をジタバタさせて暴れるセーヴルだが、その抵抗は無意味だ。
マスクの下でニヒっと笑み、右手でガシッと頭を掴む。
徐々に目や鼻、口から青い血を流し始め、目が飛び出てくる。
<や、やめろぉ!!俺はぁあ!!こんな所で死ぬわけにはぁああ!!!>
もだえ苦しむセーヴルに対し、俺はマスク越しに冷たい目を向けた。
「消えろ……
最後に力を入れて頭を握り潰せば、セーヴルの身体は動かなくなった。
変身したままトイレを開ければ、孝ちゃんが気を失っていた。
煙を吸い過ぎたのだろう。
燃えている家に長居しているわけにもいかない。
俺はすぐに翼を再度はためかせ、美佐樹と孝ちゃんを抱えて天井から脱出した。
結局、あの中で生き残っている人間は居なかった。
恐怖で理性が飛んで悪魔になったか、その悪魔の餌になったか。
どちらにしろ、皮肉な話だな。
魔女を殺そうとしていた人間たちが、悪魔になって人間を食らうとは。
長く飛行していれば、下に人気のない廃墟のホテルを見つけてはそこに着陸する。
「ここなら、人も居ないし大丈夫だろう」
孝ちゃんをベッドに寝かせ、別の部屋で俺は美佐樹の様子を見ていた。
ベッドの上で横にしている美佐樹の顔は苦しそうだった。
美佐樹の顔や身体は今、悪魔どもの白濁した精液塗れになっている。
オマンコからも、さっきから白い液が流れ出てきている。
何度も中に出されたのだろう。
「美佐樹……辛かっただろうな。遅くなって、ごめん……」
悪魔特捜隊本部は、了さんや甲牙たちが攻略してくれている。
人類を救うのは、今は彼らの役目だ。
だから、俺は今、美佐樹を守ることに集中する。
たった一人の、俺にとっては世界の命運よりも大切な女を……。
思い詰めていると、不意に声が聞こえてきた。
「……謝らないで、明人」
「美佐樹!?」
目が覚めたようで、美佐樹は笑みを浮かべて俺に顔を向けた。
「あたしは今、ちゃんと生きてる。それだけで十分……」
そう言って、手を取って握ってくれる。
「約束……守ってくれたじゃない」
「だけど、俺が遅れたせいで君は……」
俺が不動明の意志に飲まれそうになっていたから。
それ以前に、甲牙が居なかったら俺は同じ過ちを繰り返すところだったんだ。
罪悪感に追い詰められそうになっていると、美佐樹は身体は起こしては目を閉じて抱きしめてくれた。
「あたしはどれだけ苦しくても耐えられる。最期には明人が助けてくれるって信じてるから」
「美佐樹……美佐樹ぃ!!」
俺は美佐樹の唇に吸い付き、そのまま押し倒す。
「んっ……んっちゅ。良いよ?明人……あたしのこと、もっと求めて?」
両手の指を絡めて握り、視線を合わせる。
「美佐樹……今、楽にしてやる」
俺は運命を変えた。
それを、美佐樹の身体を通して実感したい。
神の想定外のことを起こした、明人と甲牙の奇妙な絆。
美佐樹の命を救った明人は、運命が変わったことを実感したい。その手法は……言うまでもないっすね。
ここから先の展開は、誰にも予想できない……はず!!