DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
悪魔や人間の次は天使か。
相対しているだけで、鳥肌が立つほどの威圧感を覚える。
ショルダースライサーを構えて突撃し、上から大きく振るう。
それをミカエルは左手を軽くかざすだけで光の壁を出現させ、完璧に防いだ。
「っ!?」
「驚くことは無い。これは必然。魔神の力を手に入れようとも、所詮おまえは人間だということだ。神の使者である私に敵うはずがないのだ」
「人間を……嘗めんじゃねぇぞ!!」
1度距離を取り、ショルダースライサーを捨てては両手で拳を握ってオーラをまとう。
そして、オーラの拳を回転させて発射した。
「ターボスマッシャーパンチ!!」
加速しながら突撃する2つの拳だが、それも光の壁に阻まれてはミカエルに届かない。
その後も光子力ビームやルストトルネード、ファイヤーブラスターを試したが亀裂すら入らない。
余裕の笑みを浮かべるミカエルは、金色の杖を回転させては数体の天馬を召喚しては俺に向かわせる。
カイザーブレードを構えて天馬に斬りかかるが、刃はすり抜け、奴らの突進攻撃は俺に確実なダメージを与えていく。
「ぐぁああ!!!こ、これはっ……!?」
「我が天馬たちは君の認識できる次元とは別の次元に居る。その子たちに攻撃を加えようとしても、それは無意味な行為だ」
「無意味かどうかは、最後までわからないぜ!!」
次元が違う、それだけの話だ。
攻撃が通じないなら、本体のミカエルを限界を超えた力で叩くだけだ。
「あれを使うぞ……カイザ」
『止むを得ないな』
左腕に着けているマジントリガーを回転させ、魔神パワーを解放する。
「うぉおおお!!!」
身体に力が溢れ出てくると同時に、魔神の鎧は黄金のオーラをまとう。
目を細めて俺を見据えるミカエルは、四方を天馬で囲んで突撃を仕掛けてきた。
「悪あがきだな」
「本当にそうか、試してみろよ!!」
両目に意識を集中すれば、カイザのマスクの目が波紋のような模様になる。
視える。
天馬たちの未来の行動が先に捉えることができる。
魔神パワー『高次予測』
どんな相手だろうと、未来の動きを全て把握することができる。
不規則な天馬の動きを全て把握した上で、俺は光速でミカエルに接近して拳を振るうが壁が阻む。
「ほぉ……しかし、私に攻撃を当てることなどできるはずがない」
「天使様も自惚れるんだな。さっきとは違う俺の力を見せてやる!!」
オーラの拳を1度巨大化させ、その上で力を凝縮させる。
「ビッグバンナックル!!」
硬質化した黄金の拳は、光の壁に亀裂を入れる。
「何を!?ありえない!!神に仕える我らの力を、人間風情がっ…!!」
「その人間風情に押され始めてるぜ、天使様よぉ!!」
壁を破壊し、胸からカイザーブレードを出して両手で構えて振るうが、ミカエルは杖で防ぐ。
そして、左手を軽くかざしてきては床から4本の光の柱が飛び出てくる。
「何だっ…!?」
「神の意に反する魔神よ。その罪を贖うが良い……」
柱は徐々に白く光りだし、俺とミカエルの周りを光の壁が囲む。
「
床が光だし、俺たちに向かって高威力の光線が発射された。
「っ!?うわぁあああ!!!」
光を浴びた瞬間に全身に激痛が走った。
魔神の力を解放しているのに。
いや、だからこそか。
魔神の力に侵食されている身体だから、聖なる力が身体を痛めつけてくる。
両膝を付いてしまい、カイザーブレードで身体を支える。
「魔神の力に手を染めた身体では苦しかろう……。その罪を裁くために、すぐには殺さん。じわじわと我が主の力を味わいながら、消え失せるがいい」
「はぁ…はぁ……まだだ……まだっ…!!」
抵抗の意志を示すと、ミカエルの杖から一瞬大きな波紋が広がっては俺を壁まで吹き飛ばす。
「ぐはぁ!!」
倒れた俺に歩みより、ミカエルは一切触れずに人差し指を動かしただけで宙に浮かせる。
「聖なる光は邪悪を苦しめ、神の使者には力を与える。さぁ……断罪の時だ、人類の希望……いや、偽善者よ」
「……偽善でも……俺は……守って見せるって決めたんだ……!!だから、俺はっ…!!」
魔神の力を手に入れて、後悔はしていない。
俺はこの力で、多くの人を助けると心に誓った。
さやかを、シローを、大切な人たちを、この手で…!!
だから……。
「こんな所で……立ち止まれるかぁあああ!!!」
魔神パワーをさらに解放すれば、マスクの口の部分が開いては咆哮をあげる。
そして、マントの形状が巨大な紅いの翼に変化しては両腕の形状が左右で別の変化を見せる。
「こ、これはっ…!?聖なる光の激痛に耐えながらも、さらに魔神の力を解放しただと!?」
「人間の覚悟を嘗めんなよ……!!」
魔神パワー『変態』。
鎧の武装を変化させ、強力な武器に変える。
「ここで、おまえを倒すぜ……ミカエル!!」
「見てくれが変わったからと言って、調子に乗るな!!」
ミカエルが杖を回転させる前に、俺は巨大な左腕をかざして広範囲の波動を放射する。
「カイザーウェーブ!!」
波動を受けたミカエルは後ろに吹き飛び、壁にぶつかる前に翼を広げて防ぐ。
「何だ?今の力は!?」
驚いている隙に懐に入り、今度は右腕に着いているバズーカ砲を至近距離からお見舞いさせる。
「ゼロ距離射撃だ……カイザーバースト!!!」
「がはぁあああああ!!!」
黄金の高威力の光球を直撃で受け、ミカエルの鎧に亀裂が入っては後ろに下がる。
「何故だ……私が、この私が追い詰められるなど……ありえん!!おまえは、一体なんなのだ!?」
明らかに俺のことを脅威だと認めている。
それなら、ずっと侮辱されていた腹いせをここでしてやるよ。
「ただの……人間だ!!」
人間に追い詰められているという事実を受け入れられないのか、ミカエルの顔が怒りで歪む。
「人間如きに……この私が……人間如きにぃいいいい!!!!!」
ミカエルを中心に暴風が起き、白いオーラが溢れ出てきている。
まだ力を残しているみたいだな。
だけど、俺の方はもう……マジントリガーを使っているとは言え、身体に限界が……。
人間と天使で、ここまで実力の差があるのか。
「その力は危険すぎる……今、ここで、消滅させなければならない!!全ては、神のシナリオを実現させるために……」
迫るミカエルを前に、もはや戦う気力と身体の状態が連動しない。
戦えるのか?今……俺は……。
「よくやってくれた、マジンカイザー。後は俺が引き受ける。君は力を温存したまえ」
息を切らしながらどうすれば良いのかを考えていると、背後から心強いもう1人の魔神の声が聞こえた。
その声を聴き、ミカエルの表情が怒りに染まる。
「サタン……こいつは……」
「わかっている。この天使のことは、俺が誰よりも知っているさ。だからこそ、俺が止めなければならない……」
サタン……飛鳥了は俺を庇うように前に出ては、ミカエルと対面するように立つ。
「ミカエル……」
「サタン……兄上……ルシファー!!おまえを止める……我らが神のために!!」
ミカエルは周囲に魔法陣が展開し、サタンに向かって複数の方向から光線を発射する。
それをサタンは回避せずに直撃する。
白い煙が充満しては、状態が確認できない。
「神のために戦うおまえと、この世界を神から解放するために戦う今の俺……。どちらが正しいのかではない。どちらの意志が強いのかが、この戦いの雌雄を決するだろう。ならば、俺は一世一代の賭けに出よう……」
バアルの鎧が青白く光りだす。
「魔神サタン……堕天使ルシファーの天使の力と、原初の悪魔バアルの力。今、その力を1つに……」
天使と悪魔の力が交わる。
バアルの鎧の形状が変わる。
獅子の獣人の鎧の背面から12枚の白い翼が生え、頭部の兜の左右から白い翼が生える。
デビルマン・サタンバアル。
その姿は奇妙に禍々しくも神々しい。
まさに真の魔神と呼ぶにふさわしい姿だ。
「さぁ、ミカエル……。長きに続いた喧嘩を、終わらせようか」
「望むところだ……兄上!!」
サタンは無の空間から白銀の長剣を出現させ、青白い光の球を12個展開する。
ミカエルも魔法陣を複数展開させて臨戦態勢に入る。
「「勝負!!」」
サタンとミカエルは同時に接近し、長剣と杖が激突した。
兄弟喧嘩、勃発!!
今回は甲牙くんが天使に一矢報いる回でした。
しかし、実力不足で一歩及ばず。
あとはサタンに任せるという展開に!!
しかし、このまま兄弟喧嘩が何事もなく終わるのかは……ねぇ……。