DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
ダンテがケイとの決闘が始まる前のこと。
沙織は走っていた。
彼を追い、聖域を出てただひたすらに走り続けた。
彼1人に聖域の未来を託すことができなかったからだ。
それは本来、ここに住む自分たちの使命。
その使命を彼1人に押し付けることを、彼女は許すことはできなかった。
そして、ダンテに死んで欲しくないという気持ちが強かった。
会って数日しか経っていない。
しかも、彼は憎き男である。
それでも、彼と共に居た時間は沙織の心に何かを訴えた。
それがどういう感情なのかはわからない。
無意識の衝動に駆られ、自分の気持ちのままに走り続けたのだ。
森の中を走り続けていれば、遠くから感じる覇気に圧されて足が止まってしまった。
これは聖域を守る戦士として培ってきた感覚。
島の外の無法地帯で感じてきたもの。
やはり、彼女の勘は間違っていなかった。
ダンテが危ない。
ただ、それだけの思考で身体が再び動いた。
彼の元に一刻も早く駆け付けたい。
その思いだけが突っ走っていた。
しかし、それを阻む者は感情を上回るほどの強者の覇気。
『貴様、何者だ?』
後ろから聞こえてきたのは、男の声。
沙織は瞬時に、振り向きざまに剣を鞘から抜いて振るった。
「はぁああ‼」
カキンっ‼
しかし、それは虎の牙によって阻まれてしまった。
「嘘っ…‼……そんなっ……何で!?」
沙織の中で、いろいろな考えが渦巻き始める。
それはこの島には居ないはずの存在だった。
それから逃れるために、アイラはこの島に彼女たちを連れてきたのだから。
しかし、現実にそれは彼女の目の前に今、存在している。
身体が震え、目から光が消えていく。
思い出すのは、その異形の者たちに弄ばれた記憶。
絶望の光景。
「いや……いやぁああああああああ‼‼」
もはや、沙織に戦う意志は無かった。
打ち砕かれてしまった。
それほどまでに、目の前に居る異形が恐怖の対象であり、彼女の心を蝕み続けていた。
その名は『デーモン』。
人間を恐怖に陥れ、崩壊させた存在。
現実を受け入れることができず、沙織は一筋の涙をこぼしながらその場に倒れてしまった。
彼女を拾いあげ、不敵な笑みを浮かべる悪魔……ゴーゴン大公。
彼は本来、ケイとは別に行動してはアイラの動向を探る役目を担っていた。
しかし、その残虐な性格と先々を見通す参謀の思考が行動を変化させた。
(ケイ……魔将軍の力を得ようとも、あの力を持った男には太刀打ちできるかどうか。古い手ではあるが、あの男の魂がどちらに傾いているのかを探るには、良い一手やもしれん)
虎を走らせ、来た道を逆走するゴーゴン。
目指すは、狭間の地。
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デビルマン・ザンへの攻撃を止め、俺はもう1人の悪魔を睨みつける。
「沙織を離せ‼彼女は関係ない‼」
『関係ない?そんなことはあるまい。この娘もサンクチュアリの戦士であるのは、鞘にある剣を見れば明白。我らの邪魔をするのであれば、ここで消すのも訳はない』
悪魔は挑発するような笑みを浮かべ、片手で沙織の腕を掴んでは吊るし上げる。
『我が名はゴーゴン大公である‼偉大なるデビルマン軍団の参謀にして、闇の帝王デビルマン・レクス様の腹心である‼そこの男……ダンテとやら、この娘を殺されたくなければ、抵抗を止めるが良い』
古典的な人質作戦だ。
しかし、沙織を傷つけるわけにはいかない。
「……俺が何もしなければ、沙織には手を出さないんだな?」
『ああ。私は武人。嘘はつかん。しかしぃ……』
ゴーゴン大公は沙織の着ているキトンを掴んでは引きちぎり、彼女を全裸にする。
『一瞬たりとも抵抗する意志を示せば‼この娘の柔肌に一生残らぬ傷ができると思え‼』
そう言って左手に持つ槍の刃を彼女の首筋に当てるゴーゴン。
外道どもは沙織の裸を見ては獣欲を剥き出しにした目を向ける。
「……わかった」
臨戦態勢を解いて立ち尽くしていると、デビルマン・ザンは立ち上がると同時に俺を掴んでは地面に叩きつけた。
「ぐはぁあああ‼‼」
「余計なことをしてくれたが、まぁいい。……今、ここでダンテを殺せば、俺はこの島で最強になれるぅ。俺よりも強い奴なんて……居ちゃいけねぇんだよぉおお‼」
ザンは俺に両手の拳で連続で殴打を食らわせる。
「ぐぁ!がはぁ!あぐっ!ぎひぁ‼あがはぁあ‼」
「もっと、苦しめ!もっと叫べぇ‼ダンテぇ、おまえは俺よりも弱いんだよぉお‼」
最後の一撃は雷をまとわせ、腹部にめり込ませた。
「ぐはぁああああああああああああ‼‼」
もはや、手の指先すらも動きそうにない。
それほどまでに、痛めつけられた。
しかし、俺の命で沙織が無事に済むのであれば……。
ザンは仮面の下でにひるな笑みを浮かべ、ゴーゴン大公に顔を向ける。
「ゴーゴン大公……沙織をここまで連れてこい」
命令され、ゴーゴン大公は言われた通りに沙織をザンの方に運ぶ。
彼女を手にし、ザンは俺を踏みながら見下ろす。
「沙織……この女は俺の部下を何人も殺してくれたぜぇ。クソ生意気な女だ。だからよぉ……思う存分絶望を与えながら殺してやるって決めてたのさぁ」
俺の目の前に沙織を落とし、彼女の顔と向かい合わせになる。
「どうだ?死ぬ前に、おまえが身を呈して守ろうとした女をその目に焼き付けなぁ……。その女が、おまえが無力だったがために苦しみながら死んでいく所をなぁ‼」
ザンが手の平から特殊なオーラを発すれば、沙織は目を覚まして傷ついた俺が視界に入り目を見開く。
「ダンテっ……あなたはっ―――――きゃぁあああ‼‼」
ザンは沙織の顔を自分の方に向かせ、顔を覗き込む。
「よおぉ、沙織ぃ……俺が誰か、わかるかぁ?」
彼女は悪魔となったケイの姿に恐怖し、言葉が出ない。
「あぁ……はぁ……そ、そんな……どうしっ―――あぁああ‼」
ザンは沙織の胸を鷲掴みにして揉みしだき、その悲鳴を聞いて悦に浸る。
「良い声で鳴いてくれるじゃねぇか?えぇ?沙織よぉ……」
彼女の上に覆いかぶさり、変身を解いては彼女の身体を舌で這わせる。
「あぁ……はあぁ……や、やめてぇ…‼」
首筋から鎖骨、乳房、乳首、へそとなぞっていき、陰部で止まる。
「止めてとか言いながら、身体は悦に浸ってるじゃねぇかよぉ。ほら、自分で確かめな‼」
「んんっ‼」
陰部に指を突っ込んで濡れ具合を確認すれば、その指を口に入れてしゃぶらせる。
「たまらねぇよ、沙織ぃ。そろそろ、この身体をいただかせてもらうぜ‼」
ズボンを脱いで反り立つ肉棒を露わにするケイ。
しかし、それを「待ちな‼」と女の声が静止させた。
その声に聞き覚えがあった。
沙織は声が聞こえた方に目を向ける。
「ユ……リ……ア…?」
助けに来てくれたのか。
最初はそう思おうとした。
しかし、その期待はケイの次の言葉で消えた。
「お~、ユリアじゃねぇか。……遅かったな、お楽しみはもう始まってるぜ?」
「そうみたいね。邪魔者も始末できそうだし……良かった」
ユリアは俺に歩み寄れば、顔面を蹴って唾を吐きかけた。
「私から沙織を奪おうとするからこうなるんだよぉ。……ダンテ」
見上げる彼女の顔は、外道どもと同じだった。
狂気の笑みを浮かべている。
「ユリア……まさ…か……!?」
「気安く私の名前を呼ぶんじゃないよ‼」
腹部を蹴られ、汚物を見る目を向けられる。
「そう……。あの果たし状は私がケイの頼みで送ったのさ。あんたを殺したい私と、あんたと戦いたいケイの利害の一致ってことよ」
「……外道に堕ちたか……おまえもっ……‼」
「堕ちて悪いか!?おまえたち男のせいで、私の身も心もぐちゃぐちゃなんだよぉ‼」
怒気をはらんだ声を発するユリアだが、沙織を見れば笑みを浮かべる。
ケイは彼女に譲って1度離れ、ユリアが火照った顔で沙織を見る。
「でもねぇ……あんたは私を受け入れてくれると思ってたよぉ?男を憎む気持ちは同じだと思ってた。だから、あんたのことを好きになったんだぁ……。アイラじゃなくて、私の生きる希望はあんただったんだよぉ?沙織ぃ」
ユリアの身体が、段々と肉づきの良い筋肉質なものに変化していく。
何だ……何かが……まずい‼
「だけど……あんたは結局、男を選んだぁ。だからぁ、もう1度私を見るように、身体を通して刻んでやるよぉおお‼」
彼女がキトンを脱げば、その身体は奇妙だった。
身体は女のものであるが、陰部には反り立つ肉棒が備わっていた。
「ユリア……あなたはっ…‼」
「どうでも良いことだろぉ?沙織ぃ、私たちは……今から愛し合うんだからさぁ‼」
ユリアは沙織と身体を密着させ、両手を彼女の両胸に這わせて揉んでは左胸の乳首を舐めまわして吸っていく。
「沙織ぃ……あんたは良い女だよぉ。私が本当の快楽を教えてあげるからねぇ」
「あぁ!…あっ!そんなっ……いやぁ…‼」
彼女の拒絶の言葉も耳に聞こえず、ユリアは陰部に手を伸ばしては濡れていることを確認しては、両膝を掴んで陰部に亀頭を擦りつける。
「さぁ、1つになろう……沙織ぃい‼」
肉棒が陰部の中に入っていく感覚が、身体に衝撃を与える。
「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼‼」
沙織の悲痛な叫び声を聴き、身体がドクンっと跳ね上がるのを感じた。
そして、意識が……消えていく……。
沙織が俺に助けを請う目を向けている。
ユリアが一心腐乱に腰を振り続けて膣内の感触を肉棒を通して確かめている。
それを見て、外道どもが笑う。
そんな光景を、視界に焼き付けながら……。
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<おまえはどうしたい?>
暗い空間の中で、何度も聞いた声が響いた。
<おまえは、このまま無様に死ぬつもりか?ダンテ>
わからない。俺は一体、どうすれば良かったんだ!?
うずくまりながら聞く俺に、声は答える。
<相手に絶対の恐怖を与えるべきだったのだ>
絶対の……恐怖?
<そうだ。おまえには絶対に勝てないと思わせる力。全てを屈服させる力。それこそが覇の道を歩む者の力だ>
覇の道……俺がそれを選べば、沙織を助けることができるのか?
<助ける?違うだろう。おまえの今の望みは……そう、本当の望みを口にするのだ、ダンテよ。さすれば、おまえが望む力が手に入る……>
俺の本当の望み……。
望み……。
の……ぞ……み……?
そうだ、俺は……。
沙織を助けたい気持ちは確かにある。
しかし、それよりも……。
自分の中の確かな感情を自覚した時、空間が炎で燃え盛り、空を雷が轟き、暴風が吹き荒れる。
「俺はぁ……あのクズの外道どもを、根絶やしにしたいんだぁああああああ‼‼」
心からの望みを口にした瞬間、刺青の黒が全身に広まった。
そして、心はドス黒い怒りに飲み込まれた。
ダンテ様、目覚めの時。
次回、サブタイトル回収‼
ユリアの元ネタがわかる読者の皆様は、おそらく『バイオレンスジャック』もお読みになっている方々かと存じます。
それか、OVAの方をご覧になったかですね。