※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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甲牙編→明人編です。


悪しき魂の手の平で

 デビルマン・ダークネスの正体はサーガだった。

 その動揺によって立ち尽くしていたが、今はそんなことを気にしている余裕はない。

 

 相手がカイザの兄であろうとも、敵ならば討つしかない。

 

「カイザ、ダークネスを……サーガを討つぞ?良いな?」

『ああ。倒してくれ、甲牙。サーガを闇から解放してくれ』

 

 カイザの意志は固い。

 兄弟だからこそ、こんな苦しんでいる姿を見ていられないのだろう。

 

「サーガ……おまえを今、闇の呪縛から解放してやる‼」

 

 カイザーブレードを両手で構えて刃を向ければ、ダークネスは頭を押さえながらジレンを片手で構える。

 

『我はデビルマン・ダークネス、暗黒大将軍である‼サーガなどと言う名ではなぁああい‼』

 

 ジレンから負のオーラが漏れ出ては、それがダークネスの鎧を修復していく。

 

『光など、我には必要ない……。我に必要なのは、圧倒的な暗黒の力のみ‼』

「おまえがどれだけ闇の力を振るおうとも、俺がそれを光で照らす‼」

『黙れぇえ……マジンカイザぁあああああ‼』

 

 ジレンを振るえば、無数の斬撃波が襲いかかる。

 

「魔神パワー……高次予測‼」

 

 マスクの両目が螺旋状になり、ダークネスの動きとジレンの衝撃波の未来の姿を予測する。

 

「見えたぜ‼魔神パワー、吸収‼」

 

 斬撃波に向かって走り、斬撃波を受けてもそれを光子力エネルギーに変える。

 

『何!?』

 

 驚きを隠せないダークネスだが、衝撃を受けるのはここからだぜ。

 

 カイザーブレードに吸収した光子力を注ぎ込み、身の丈を数倍超える光の剣となる。

 

「光子力の剣を受けるが良い‼シャイニングカイザー……ソードォオオオ‼」

 

 光の剣を縦に振るい、ダークネスはそれをジレンで受け止める。

 

『ま、負けぬぅうう‼我が……我が負けるはずが無いのだぁあああ‼‼』

 

 俺の斬撃を受けきり、その場に肩を落として立ち尽くすダークネス。

 ジレンの刃にはひびが入り、瘴気が外に漏れ出ては周囲に散っている光子によって浄化されていく。

 

『バカな!?冥王より授かりし名刀が折れる……だと!?』

「借り物の力に頼っていたら、そんなもんだ。来いよ、サーガ。おまえ自身の力でかかってこい‼」

 

 カイザーブレードを地面に刺し、拳を握って構えればダークネスは怒りに震える。

 

『我の力…‼良いだろう‼後悔するなよ、マジンカイザー‼』

 

 第2ラウンドを始めようとしたその時、俺の胸の鼓動が一瞬強く高鳴った。

 

 これはっ…!?

 

 それと同時、聖域の方から天に向かって光の柱が伸びていく。

 

「あれはっ…!?」

『まさかっ…‼目覚めたというのか、新たなる王が……!?』

 

 ダークネスは驚愕を声で表して言う。

 

 新たなる王……まさか、ダンテが力を解放したって言うのか!?

 しかし、それにしては聖域から感じる大きなオーラからは禍々しさを感じない。

 感じるのは、俺や明人のような特殊な力。

 

 ダンテの特異点の力が、覚醒したと言う事か!?

 

『……何を言う、デビルマン・ヘル!?我に3度の敗戦の屈辱の汚名を背負えと言うのか!?』

 

 ダークネスは怒声を発しながらも、渋々『承知した』と誰かに答える。

 そして、俺にジレンを向けて告げる。

 

『今日、ここで貴様との決着をつけるという心で参上したが、こうなってしまっては仕方がない。後は闇の帝王にお任せするとしよう。……今度の戦いで、必ず決着をつける。その時までに、さらに力を高めておくが良い……マジンカイザー‼』

「待て、サーガ‼」

 

 俺の声も虚しく、マントを翻して身を包めば、ダークネスの姿は消えてしまった。

 

「すまない、カイザ。おまえの兄貴を……救うことはできなかった」

『気に病むな、甲牙。今やるべきことは……わかっているな?』

「ああ。聖域に向かう……嫌な予感がするからな‼」

 

 あとは闇の帝王に任せる。

 その言葉の真意が何なのかを知ることになるのは、そう遠くない先のことだった。

 

 

 -----

 

 

 デビルマン・ゴッドとの戦闘中に現れた、光の柱。

 それはすぐに収まった。

 しかし、あれが現れる前に感じた胸の高鳴りは一体……。

 

『魔王の力が復活したようだな。……これは少し予定外だったぜ』

 

 魔王の力……ダンテか!?

 この感覚は、ダンテの力が本当の意味で覚醒したことを示しているのか。

 

 だとしたら、今は戦いに集中できる。

 

「破壊の雷撃(ディストラクション・アロー)‼」

 

 兜から生えている2本の触覚から雷を帯びた光線を放てば、それに対抗してゴッドも光線を放つ。

 

『ゴッド・アロー‼』

 

 しかし、ゼロフォームの俺に敵うはずもなくすぐに押し切られて全身に痛みが走る。

 

『うわぁあああああ‼』

 

 そのまま地面に落下していくゴッドを見下ろした後、すぐに聖域に向かえば灰色の竜人の姿をしたデビルマンがデビルマン軍団を相手に1人で戦っているのが確認できた。

 

「あれはダンテか…!?しかし、あのオーラは…‼」

 

 似ている……いや、同じだ。

 魔王ゼノンと同じオーラ。

 しかし、彼から感じた憎しみはない。

 代わりに感じるのは、強い覚悟。

 

 竜人のデビルマンの隣に着地し、彼の背後に居たゴリラ型のデビルマンの拳を掴めばそこからオーラを流して粉砕させる。

 

「破壊の衝撃(ディストラクション・インパクト)」

 

 後ろを振り返り、竜人に対して確認を取る。

 

「おまえ……ダンテなのか!?」

「そうだ。しかし、今の俺はデビルマン・ゼノン。おまえと同じく、戦う力を得た戦士だ」

「ゼノン……か」

 

 やっぱり、俺の感覚は間違っていなかった。

 鎧の姿とは言え、俺たちはやっと手を取り合えるようになったんだな……ゼノン。

 

「おまえたちが味方で居てくれて、心強いぜ。ダンテ、ゼノン」

「?言っている意味はわからんが、今は奴らを倒すのが先決だ‼」

「その通りだな。背中は預けるぞ、デビルマン・ゼノン‼」

 

 ゼロフォームの許容時間には制限がある。

 早急にケリを付けるしかない。

 

 2人の力を合わせてデビルマン軍団を蹴散らす中で、俺はある違和感を覚え始める。

 

 あの黒炎は確かにデビルマン・レクス……白藤のものだった。

 それなのに、どうして奴は出てこない?

 

 ゴッドはダンテの力が覚醒した途端に弱体化したようにあっさりと倒れた。

 

 何かが……何かが引っ掛かる。

 聖域を守ることに集中していて気づかなかった疑問。

 

 聖域への攻撃、俺たちの分断、ダンテの力の覚醒。

 そして、白藤自身の力。

 全てが繋がっている気がしてならない。

 

「……まさか!?」

 

 今までの全てが、1から10まで全てシナリオ通りなのだとしたら…‼

 奴の狙いは……。

 

 宮殿に目を向けた瞬間、恐れていたことが起きた。

 

 ブフォオオオンっ‼

 

 結界の内側から黒炎が広がり、それと同時に結界が消滅した。

 

 宮殿は黒炎に包まれ、中から不気味な男の高らかな笑い声が聞こえた。

 

 -----

 

 数分前。

 明人、甲牙、ダンテが戦っている頃。

 

 アイラは宮殿内で結界の維持に努めていた。

 精神力は既に限界を迎えていた。

 しかし、それでも守らなければならない聖域の民のためにアイラは力を使うことを止めない。

 

 宮殿の中では女たちが恐怖に震え、事態が収まることを神に祈り続ける。

 

「皆、希望を捨ててはいけません。今、3人の戦士が聖域を守るために戦ってくれています。彼らを信じるのです‼」

 

 アイラの声はこれまで、多くの希望を女たちに与えてきた。

 彼女は女たちにとって救いの女神であり、その言葉は絶対に近い。

 

 それがわかっているからこそ、その脆い部分を突くのが邪悪なる存在である。

 

「希望……か。良い言葉だ。しかし、おまえたちに今から感じてもらうのは……残念ながら、それとは程遠い」

 

 次元の狭間が開き、そこから邪悪なる魂の化身が現れる。

 白藤隆一、デビルマン・レクス。

 

 その存在は、アイラを含む全ての存在に恐怖を与えた。

 

「悪しき魂を持つ者…‼何故、この宮殿の中にっ…!?」

「……全ては、おまえを消すための遠回しの準備だったってことだ」

 

 白藤はアイラに歩みより、不敵な笑みを浮かべる。

 

「確かにおまえの力は強い。魔戒島の守り人の聖なる加護に対抗する力は、俺にはない。しかし、やりようはある。この聖域を守る存在がおまえだけである以上、戦いになれば守りの力を使うしかない。そして、それは精神力を消耗させる。そして、おまえが信じる3人の戦士は外で戦っている。……おまえを守る者は、居ない」

 

 黒炎を右手にまとわせ、彼女に向ける白藤。

 

「おまえが居なくなれば、この島は俺のものとなる。そして、新たなる力を手に入れる‼」

「あなたでは何も手に入れることはできません。この島の守り神たちは、既に継承者に試練を託しています。あなたが得るとするならば、空の器のみです」

「それでも良いさ。この島を、俺たちデビルマン軍団の地上支配の足掛かりにしてやる」

 

 白藤と視線を合わせ、強い意志を示すアイラ。

 

「あなたの想い通りになるとでも?あなたは恐れている。だからこそ、支配しようとする。……悲しい人です」

「悪いなぁ、アイラ・ムー。おまえの説教を聞いてる余裕はねぇんだよ‼」

 

 ズギュリっ‼

 

「っっふ‼」

 

 その音が耳に届いた瞬間、女たちは今までにない悲鳴をあげた。

 

「きゃぁああああああああああ‼‼」

「アイラ様ぁああああああああ‼‼」

 

 アイラの腹部を白藤の右腕が貫通し、口から血を流す。

 

「さよならだ、島の守り巫女アイラ・ムー。今、おまえは……何千年にもわたる使命から解放された」

 

 腹部から腕を引いて離し、アイラは倒れながらも白藤を見上げる。

 

「あ……なたの……想い通りには……なりません。この世界を……悪しき者の手にはっ…‼」

 

 そんなアイラを冷酷な目を向けながら、白藤は不敵な笑みを浮かべる。

 

「俺は悪しき者じゃない。世界を救う存在……デビルマンだ」

 

 デビルマン。それこそが世界を管理する存在。

 人間も悪魔も超越した戦士。

 彼はその種族の王。

 

 守り人を失い、絶望に歪む顔が周囲に広がる。

 

(そうだ。人間ども……おまえたちが希望を持つなど許さない。おまえたちに与えるのは、絶望のみだ‼)

 

 指を鳴らせば、宮殿内に炎が広がる。

 抵抗することもできず、炎の中に命が消えていく。

 

「地獄に堕ちろ……人間ども」

 

 悪魔も人間も全て、邪魔な者はこの炎で焼き尽くす。

 絶望の化身、白藤隆一。

 

 しかし、彼に対抗できる存在も現れる。

 

「ふざけるな‼‼」

 

 怒りの声が耳に届き、白藤は黒い笑みを浮かべて視線を向ける。

 

 その存在の名はデビルマン・ゼロ、内海明人。

 

 今、2つの因縁を持つ者同士が再会する。

 

「待っていたよ、内海明人ぉ‼」




内海明人と白藤隆一。
因縁のバトル、再び。
そして、怒りや憎しみが新たなる力を呼び覚ます。

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