DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
夜風を受けながら、森の中で孤独に浸る。
今は1人になりたい気分だった。
魔王の力を持つ者として、俺は自分の責務を全うすることができなかった。
王のあるべき姿を口にしながらも、それを実行することができなかったんだ。
「アイラ……すまない」
自分を最初に受け入れてくれたアイラを守ることができなかった。
その後悔と怒り、虚しさが込み上げてくる。
形容しがたい胸の痛みだ。
力があっても、全ての命を守れるわけじゃない。
俺がこの島に来なければ、聖域は今も残っていたのかもしれない。
俺が彼女たちから大切な場所を奪ってしまった。
俺はもう……この島に、いや……沙織たちと共に居るべきではない。
離れよう、俺と居れば不幸になるかもしれない。
「っ‼…はぁ……あぁ…」
戦いが終わった後くらいから、ずっと身体が燃えるように熱い。
心臓の鼓動が速くなり、息が荒くなる。
右手を空の月にかざして見れば、手の甲に五芒星の魔法陣の刺青が浮かんでいる。
変身を解除してから、新しく浮かび上がったものだ。
「ゼノン……教えてくれ。俺は……一体、俺の身体に、何が起きてるんだ…!?」
問いかけても返答は帰ってこない。
身体を冷やせば、少しは楽になるだろうか。
森の中の湖に向かえば、人影が見えて咄嗟に木陰に身を隠す。
誰なのかを確認すれば、それが裸の女が湖の中に足を入れるのが見えた。
沙織だ。
皆の前では気丈に振舞っていたが、一瞬見えた彼女の顔からは悲しみの表情が見えた。
月に照らされた彼女の身体は美しく、思わず見とれてしまうほどだった。
「誰!?」
沙織は胸を隠して水の中に入って振り返り、辺りを確認する。
そして、1つの木に目を付けては恐る恐る名を呼ぶ。
「……ダンテ?」
名前を呼ばれて渋々姿を現し、視線を逸らす。
「す、すまない。これは偶然で……。水浴び、ゆっくりと続けてくれ」
背中を向けてその場を去ろうとすれば、沙織は「待って」と言って俺を引き留める。
そして、湖から上がっては歩み寄って背中に密着してきた。
「ダンテなら、良いの……。今、本当の私で居られるのは……あなたの前だけだから」
「本当の……自分?」
「ごめんなさい。どういう意味か……わからないわよね。でも……お願い、少しの間で良いから……このままで居させて」
俺は静かに頷き、黙って立ち尽くす。
後ろからすすり泣く声が聞こえてきたが、それに対して何かを言う事はなかった。
彼女が自身の中の悲しさを解放することができるのなら、それ以上には何も望まなかった。
しばらくして沙織が泣き止むと、俺は先ほどの決断を口にした。
「沙織……俺はこの島を出て、おまえたちとは関わらずに生きて行こうと思う」
「っ!?……ダ、ダンテ……あなた、何を言って―――」
「俺が来たことによって、不幸を持ち込んでしまった。俺が居なければ、アイラや多くの犠牲者を生むことも無かったかもしれない。だから、俺は……」
「やめて‼聞きたくない‼」
俺の言葉にかぶせるように沙織の言葉が重なる。
そして、彼女は腰に手を回して強く抱きしめてくる。
「行かないで……。私を1人にしないで、ダンテ」
「……沙織は1人じゃない。おまえならば、生き残った者たちをまとめあげることもできるはずだ。……おまえは強い女だから」
「私は強くない‼私は……彼女の優しさに、依存していただけ」
沙織の声と身体は震えており、俺にしがみ付くように抱きしめたまま言葉を続ける。
「私はあの人に全てを押し付けて、死なせてしまった…。とても、償いきれることじゃない。私はこれから、どうすれば良いの!?教えてよ……ダンテ‼」
その問いに対する答えを、俺は持ち合わせていなかった。
「俺には、わからない。しかし……1つだけ、言えることがある」
沙織は今、苦しんでいる。
今の言葉を聞いて、俺の中で決断が揺れる。
俺がここで沙織から離れることは、彼女に対する裏切りになるのではないだろうか。
今の彼女を精神的に孤独にできるほど、俺は薄情な男ではない。
「沙織……」
彼女に向き直り、両肩を掴んで目を合わせる。
「俺はおまえに王となることを誓った。そして、おまえはそれを見届けてくれると言ってくれた。……おまえが俺を支えてくれるのなら、俺もおまえの支えになりたい。おまえは俺にとって……特別な女……なんだ」
この気持ちがどのようなものなのかはわからない。
しかし、沙織をこのままにはしておけないと思った。
アイラのようにはできないが、沙織を支えられる存在になりたいと思った。
「だから、俺が沙織を導く。おまえが強くなれるように。王として、俺がおまえの新たな支柱になることは……可能だろうか?」
「ダンテ……」
沙織の頬は紅潮しており、俺の胸に手を添えている。
「私……重いわよ?あなたに依存して、迷惑をかけるかもしれない」
「俺は魔王の力を持つ者だ。おまえ1人を背負えなければ、王になることなんてできはしない」
「そう……。じゃあ、ダンテの理想の王様って……何?」
「それはまだ、わからない。だから……おまえの生きる理由と共に、捜していきたい」
俺は彼女の頬に手を添え、顔を近づける。
沙織もそれを拒絶することなく、唇を重ねることで受け入れてくれた。
そのまま時が止まったかのように、静寂が2人を包み込む。
しばらくして唇を離せば、沙織は俺を見上げて真剣な目を向けながら自身の胸に俺の手を軽く押し当てた。
「沙織…?」
「ダンテ……お願い。私をあなたのものにして……。あなたの証を、私に刻みつけて」
彼女の目から感じる覚悟は本物だった。
だから、俺は静かに頷き、着ているものを全て脱いでは彼女を地面の上に横にさせた。
「沙織……預かるぞ、おまえの全てを」
「もらって、ダンテ。私の全てを」
両股を掴み、俺は自身の反り立った肉棒を沙織の陰部に挿入する。
「っ!ああぁ~~~~っ‼」
目を見開きながら肉棒を受け入れた沙織は、今までにない感覚に襲われる。
熱い。
今まで、自分を犯した男たちからは感じなかった感覚だ。
俺は彼女の両手を握り、腰を前後に振って肉棒を膣内に擦りつける。
「沙織……沙織っ‼」
「あぁんっ‼ダンテ……ダンテぇ‼んんっ‼凄いっ…あぁ‼あはぁ~~‼」
悦びを感じている身体。
他の男では得られない感覚。
それに浸りながら、身体に今まで感じたことのない熱を感じる。
上は髪まで、下は足の指先まで燃えるような熱さが伝わる。
しかし、それが苦痛になることはなかった。
逆に心地いい。
まるで汚れてしまった身体が内側から浄化されたような感覚だった。
身体がもっと求めてしまう。
「ダンテ……ダンテ、ダンテえぇ~~~‼」
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証を刻み終えた後、俺と沙織は地面に並んで横になりながら夜空を見上げる。
沙織を抱けば、気づけば身体に感じる熱さが消えていた。
冷えた頭で、これからのことを考えれば1つのやるべきことが見えてくる。
「俺……やっぱり、明人たちと共に行こうと思う」
俺が改めて決意を口にすれば、沙織は顔を横に向ける。
「どうして?」
「俺はまだ、力の使い方がわかっていない。王としてあるべき姿もわからない。だから……彼らと共に今ある世界を見て、答えを出したい。俺が理想とする王が、どのようにあるべきなのかを」
沙織は身体を起こし、俺の上に乗って身体を密着させる。
「私も……私たちも、一緒に連れて行って」
「もちろんだ。おまえたちが望むなら、俺は止めはしない。明人たちにも、明日話をしてみようと思う。きっと、わかってもらえるはずだ」
明人の名前を出せば、沙織はある言葉を呟く。
「居場所はまた作ることができる……」
「……何だって?」
「内海明人が言っていたこと。あの言葉を信じるなら……私たちは聖域に……いいえ、この島にしがみ付くことは無いってことよね。私にとっての居場所はもう……ここだから」
そう言って俺の胸に頭を付ける沙織の頭を撫でては月を見上げて覚悟を固める。
俺は王となる。
そして、王として沙織たちが居場所を持てるようにしたい。
今はそのことしか考えられなかった。
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次で聖域編はラストです。