※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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未来のための旅立ち

 その日、魔戒島付近に救助船が到着した。

 俺たちは即席で作ったいかだに乗り、その船に向かうことになる。

 

 ダンテから話があった時は驚いたが、沙織が生き残った女たちを説得して本島に戻ることを決めたらしい。

 彼女たちも、三者連合の運営するシェルターで生活することになるだろう。

 

「急な無茶を言って、すまなかったと思っている」

「そんなことはないぜ、ダンテ。今の魔戒島で生きようとするよりは良いさ。俺たちも考えてはいたんだ。だけど、説得する手段が思いつかなかった」

 

 聖域を守ることができなかった奴が、どの面下げても言葉に信用性はなくない。

 その点では沙織に感謝しなければならないな。

 

「……これからが、本当の始まりって感じだな。俺たちにとっては」

 

 甲牙が真剣な表情で言えば、俺とダンテは小さく頷いて地平線を見据える。

 

 それぞれに試練があり、それを乗り越えなければならない。

 この世界の運命を変えるために。

 

 これからの戦いでどんな運命が立ち塞がろうとも、俺は立ち止まることなく進み続ける。

 それが俺の――――。

 

『本当にそれが本心か?内海明人ぉ』

「っ!?」

 

 頭の中に声が響き、周囲を確認するが不審な者は見当たらない。

 当然だ、俺の中にしか聞こえない声なのだから。

 

「明人?おまえ……大丈夫か?」

「どうかしたのか?明人」

 

 甲牙とダンテが気にする目を向けてくるが、俺は首を横に振る。

 

「……何でもない。少し疲れているだけだ」

 

 俺の中に潜む獣。

 これを乗り越える時は、訪れるのだろうか。

 

 ヴァイスロックが装着されたままのベルトを見ながら、俺の中で新たな不安が渦巻く。

 

 自分はデビルマンなのか、それとも悪魔なのか。

 その答えを出さなければならない日は遠くないと、その時の俺は直感していた。

 

 

 -----

 

 

 島を出る明人たちを、冷たい目で見送る女が1人。

 この島の守り巫女、ヒミコである。

 

「この世界の運命を変えようとする特異点……。彼らは必ず私の邪魔をする。その前に早急に手を打つ必要があるわ」

 

 彼女が見据える未来は、明人たちが思い描くものとは異なるもの。

 そして、それは彼らが衝突することを意味している。

 

『では、おまえもこの島を出るのだな、ヒミコよ』

 

 背後から彼女に話しかけるゴーゴン大公。

 

「ええ。私を縛り付けるものが無くなった以上、この島に居る意味はもう無いわ。……恐ろしいわね。これからの世界は、更なる混沌に見舞われることになるのだから」

『神からの予知を見たのか?』

 

 ゴーゴン大公の問いには答えず、自らが開いたゲートの方に歩を進めるヒミコ。

 

「私から言えることは1つだけ。今の世界は既に神の観測からは逸れた運命をたどっている。だからこそ、それによって生まれた歪みは新たなる混沌を生み出す。私やあなたたちデビルマン軍団とて、それは変わらないわ。全ての歯車が歪に絡まり、未来は予期しない方向に進んでいく」

 

 ゲートの中に入りながら、最後にこう締めくくられた。

 

「要するに、この先の運命は覚悟が強い者の方に傾くということね」

 

 その言葉を聞き、ゴーゴン大公は不敵な笑みを浮かべる。

 

『ふっ……おもしろい』

 

 

 -----

 

 

 地獄の城に戻り、王の間に腰をかけながら地上の様子を見る白藤。

 その傍らには白い分厚い本……神のシナリオが置いてある。

 

「全てが、俺の手の平の上……。やはり、恐るべき力だな。神の力というものは」

 

 シナリオのページを開けば、そこには魔戒島での全ての出来事が記されていた。

 明人、甲牙、ダンテの行動以外のすべてが、事細かく。

 

 全ては、神のシナリオの力を確認するための遊びだったのだ。

 

 アイラが3人にのみ聖域の守護を託したことも、部下のデビルマンたちが全滅することも想定内だった。

 しかし、ケルベロスとデビルマン・ゴッドの消滅だけは予期できなかった。

 ヴァイスゼロの力は、彼の想定を遥かに超えていたのだ。

 

 それでも、白藤から笑みが消えることは無かった。

 既に彼には先が見えていたからだ。

 

 内海明人が自我を失い、欲望の獣として自身の飼い犬になる姿が。

 そして、加藤美佐樹が自分のものとなることも。

 

「俺は全てを手に入れる……。神すらも俺にひれ伏し、歴史に刻まれるのは……我々デビルマン軍団の勝利だ」

 

 地獄に堕ちろ、人間ども。

 恐れ震えよ、悪魔ども。

 

 邪悪なる魂を持つ者の見据える未来。

 その先に映るのは、人間と悪魔の屍の山。

 

 その頂に立つのは、彼1人。

 

 

 -----

 

 

 日本のとある研究施設のビルの社長室。

 そこではある男がPCで映像を見ながら、ある女の到来を心待ちにしていた。

 

「待たせたわね。雷沼……」

 

 部屋のドアが開き、声が響く。

 来沼と呼ばれた男に声をかけ、柊木ツバサは手をひらひらと振っては挨拶する。。

 

「待っていたよ、ツバサ。……魔戒島から、例の物は回収してきてくれたか?」

「ええ。これのことでしょ?」

 

 ツバサが懐から1枚の仮面を取り出しては彼に渡す。

 それは悪魔のような顔をしているが、どこか別の大きな力を想起させる。

 

「やっぱり、宮殿の奥に封印されていたわ。でも……何なの?その薄気味悪い仮面は」

「薄気味悪いとは罰当たりなことを言う。これは私にとっては重要な力なのだよ」

 

 仮面を窓越しに空にかざし、不敵な笑みを浮かべる雷沼。

 

「偽りの希望にすがりつく時代は終わりを告げる。そして、これからは……真の英雄である私の時代だ」

 

 映像を見下ろしては、その中に映るマジンカイザーを見つめる。

 

「マジンカイザー。人類の希望となる存在は君はないではない。選ばれし真の皇帝である、私が引きつごう……」




はい、聖域編終了でーす。

いやー、いろいろと不吉な予告を残して終わりましたが、この先の敵の勢力はどうなっていくのでしょうか。はい、いろんな意味で濃いキャラクターのオンパレードです♪
正直、次の章の話は早く終わらせてスッキリさせたい‼
そう思うくらいに、この物語始まって以来の胸糞展開が待っています‼
もはや、次の章『歪みと悪意の章』はまとめ読みした方が良いかもしれませんね、うん。

それでは、今後ともお付き合いいただけると嬉しいです‼

いつもお読みいただきありがとうございます。
感想、評価、ブックマーク登録、いつもありがとうございます。
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