DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
魔戒島から戻ってきてから、本島での戦いが激化していることが分かった。
突然、何の脈絡もなく変身しては暴走するデビルマン。
それを救う方法は、未だに見つけられていない。
だから、殺すしかない。
その度に心を痛めている。
今日もまた1人、同じ事例が起きてマジンカイザーとして介錯をした。
「やってらんねぇよ……」
カイザの鎧を装着したまま、戦場でカイザーブレードの刀身に背中を預けて座る。
いつまで、こんなことが続くのか。
暴走したデビルマンは、デーモンとして処理される。
しかし、本当は人間だった者たちだ。
明人やダンテには、このことは話していない。
あいつらがデビルマンの暴走のことを知れば、今以上に苦しみ、悲しみを背負うことになるだろうから。
特にダンテは、前のことがあったから当然だ。
今、暴走したデビルマンたちの魂を解放できるのは、俺しかいない。
少なくとも、サタンや爺が解決策を見つけるまでは。
「甲牙さん、少しよろしいでしょうか?」
ミネルバが近づいてきて、心配そうな顔を浮かべて俺を見る。
「大丈夫ですか?このところ、戦闘が終了した後はそうやって思い詰めておられるようですが」
「……そうかもな。前の俺だったら、こんなことは日常茶飯事で何も気に留めていなかった。だけど、今は……」
暴走したデビルマンと戦うことが辛い。
その一言をぐっと飲み込み、立ち上がってカイザーブレードを握って上段から振り下ろして空気を断ち切る。
「悪いな。人類の希望って呼ばれてるような男が、こんな時にくよくよしちゃいけねぇ。今は俺ができることをする。それしかない」
明人やダンテではなく、これは俺のような人間にしかできないことだ。
割り切れ。
俺が今できることは、マジンカイザーとして戦うことだけだ。
自身に己の役割を言い聞かせようとすれば、街全体に届くほどの警報が響いた。
「敵襲か!?」
「それも、総員に警戒態勢を促す警報です‼」
立て続けの戦闘のケースも少なくない。
戦いは、俺の休憩時間を待ってはくれない。
カイザースクランダーを展開し、一足早く現場に向かう。
上空から見下ろせば、既に戦闘は始まっていた。
ボスボロットが、大量のデビルマンを足止めしていた。
敵はデビルマン軍団かよ!?
ボロットへの集中攻撃を止めるため、着地する前にスロットを展開して地上に向かって竜巻を放つ。
「ルストトルネード‼」
竜巻はデビルマンどもを巻き込み、消えると地面に落下させる。
「すまねぇ、ボス。遅れた」
「兜、てめぇ、この野郎‼来るのが遅すぎるのよ~‼」
ボロットの目が涙目になっており、「わりぃわりぃ」と平謝りをして前に着地し、カイザーブレードを構える。
「数が多いな……俺たちだけで、食い止められるかどうか。ミネルバ、三者連合の近くの支部に応援要請してくれ」
通信を使ってミネルバに指示すれば『了解しました』と言う返事が来る。
「さやかはどうした?」
「今は連合の本部に行ってる。今は俺たちだけで防ぐしかないだわさ」
俺が来るまでの攻防で、ボロットは既にボロボロだ。
「俺だけで良い。ボスたちは街の避難誘導を頼む。ボロットだと1分も持たねぇよ」
「んなぁ~に~!?この最強無敵のボスボロット様を嘗めんなよ~‼」
もう少し気の利いた言葉を言えば良かったのか、ボスはデビルマン軍団に突撃していく。
「おい、待て、ボス‼」
「うるせぇー‼こんな奴ら、ボスボロット様だけで充分なのよ~‼」
巨大ロボットなだけあり、右腕を一振りすれば数十体のデビルマンが薙ぎ払われる。
しかし、それで怯むはずもない。
すぐに体制を立て直しては数の暴力で押されてしまう。
「痛っ!痛い痛い痛い‼多勢に無勢‼男なら一対一で戦えや、こらぁ‼」
ボスの叫びも虚しく、どこからか電撃が飛んできてはそれを受けて感電してしまう。
「あひぃいい~~~~‼‼」
黒こげになって動かなくなったボロット。
ボスの野郎、だから言ったってのに。
俺は胴体に力を集中させ、V字の胸板から熱光線を発射する。
「ファイヤーブラスター‼」
光線を受けたデビルマンは熔解していき、数が半減していく。
「ボス、下がれ。1人の方がやり易い」
「ぐぬぬぅ……ちゃんとやれよ‼兜‼」
「わかってる」
ボスはヌケとムチャを連れて街の中に入り、敵の前に居るのは俺だけだ。
カイザーブレードを両手で構え、刃を向ける。
「こっから先は誰も進ませねぇ。ここで食い止めてやる」
臨戦態勢に入れば、デビルマンの群れから見覚えのある顔が現れる。
<ほぉ、その目、その強さ。一段と腕を上げたようだな、マジンカイザー>
それは身体の半分で男女に性別が分かれている悪魔。
「あしゅら男爵!?ま~だ、しぶとく生きていたのか」
<ふんっ、貴様に受けた屈辱。晴らさずして死ねるほど、我らも行儀がいい方ではないのでな>
あしゅら男爵はこの前とは見た目が多いに異なっている。
デビルマンのベルトを巻いているが、その姿は人型ではない。
巨大な身体の両方の腕が左右から3本生えており、頭に顔が3個、左右と中央に付いている。
「名前負けしてると思っていたんだけどな…。名前を意識してイメチェンしたか?ん?」
<ほざくが良い。我はあしゅら男爵にして、前のあしゅらには非ず。我が真の名は、デビルマン・アシュラ‼偉大なるDr.ヘルの研究に生み出された、悪魔の力を最大限に発揮できる人工的に生み出されし戦士である‼>
デビルマン・アシュラ。
奴は上段の両手に杖を、中段の両手に剣を、下段の両手は合掌をしている。
<今日こそ、貴様の命日である!マジンカイザー‼>
「はんっ……見てくれが変わったくらいで、俺に勝てると思うなよ‼」
カイザースクランダーの出力を全開にして接近してカイザーブレードを振るうが、両手の剣で防がれる。
力で押し切ろうとするが、腕力は互角だ。
「んぐっ‼あしゅら、てめぇ……姑息な手しか使えないわけじゃなかったみてぇだな」
<Dr.ヘルの研究によって、我らの力は飛躍的に上がっているのだ。貴様を討つために、地獄での苦しみに耐えてきた‼>
アシュラは上段の両手の杖を上に掲げ、その先端から電気を放出して乱れ撃ちをして来る。
電気には光線で対抗してやる。
「光子力ビーム‼」
両目から光線を発射して相殺してそのまま薙ぎ払おうとするが、その前に合掌していた手が開いては透明な壁を展開される。
ビームが壁に触れた瞬間、それを反射してきた。
「そんなっ…‼ぐぁあああああああ‼‼」
自分の技をそのまま喰らい、後ろに吹き飛ばされてしまう。
光子力を反射する能力。
デビルマン軍団も、遂に対策を取ってきたと言う事か…‼
カイザーブレードを杖にして立ち上がり、再度構える。
<見たか、兜甲牙‼我々は既に、もう光子力を攻略しているのだ‼人類の希望マジンカイザー、貴様の時代もここまでだ‼>
上段の両手の杖の電気が、中段の両腕の剣に集まる。
そして、俺に向かって振り下ろした。
<喰らぇええええい‼>
大きな電撃が俺に向かって放たれる。
魔神の力を解放して間に合うか!?
いや、やるしかない‼
左腕に着けているマジントリガーに右手を伸ばそうとした瞬間——————。
俺の前に誰かが立ち、電撃を相殺した。
「なっ…!?」
突然のことで何が起きたのかはわからなかった。
しかし、奴は俺の目の前に立ち、不敵な笑みを浮かべていた。
「その意見には同意見だ、デビルマン・アシュラ。従って、君にはその証明として犠牲になってもらおう」
事態が読めない中、その名前を呟いた。
「雷沼……虎之助!?何でおまえが、ここに…!?」
「……時代の変わり目を示しに来たのさ。
雷沼は黒いコートを翻し、男は懐から3本の角が生えた
「マジンカイザー……兜甲牙。そして、下等な悪魔の力を持つ者どもよ。君たちがこれから見るものは、革命の始まりだよ」
マスクを顔に装着すれば、雷沼は静かに呟いた。
「セイヴァー、アームド」
そのコードを認証し、彼の後ろに3本の角が生えた金色の戦士の虚像が現れて彼と一体化する。
金色に紫色のラインが入った鬼神の鎧を装着し、雷沼は両手を広げた。
「ひれ伏せ、魔の道を進みし者たちよ。我が名はセイクリッドセイヴァー。この世界を真に導く、救世主である」
自身を救世主と豪語する雷沼……いや、セイクリッドセイヴァー。
その実力や如何に。
や~っと、登場したよセイクリッドセイヴァー‼
オリジナルの戦士‼
ずっと出したかった‼腹立つけど‼
さてさて、次の話でその実力が明かされまーす。
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