※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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甲牙sideです。


時代の変わり目

 魔戒島から戻ってきてから、本島での戦いが激化していることが分かった。

 

 突然、何の脈絡もなく変身しては暴走するデビルマン。

 それを救う方法は、未だに見つけられていない。

 

 だから、殺すしかない。

 その度に心を痛めている。

 

 今日もまた1人、同じ事例が起きてマジンカイザーとして介錯をした。

 

「やってらんねぇよ……」

 

 カイザの鎧を装着したまま、戦場でカイザーブレードの刀身に背中を預けて座る。

 

 いつまで、こんなことが続くのか。

 

 暴走したデビルマンは、デーモンとして処理される。

 しかし、本当は人間だった者たちだ。

 

 明人やダンテには、このことは話していない。

 あいつらがデビルマンの暴走のことを知れば、今以上に苦しみ、悲しみを背負うことになるだろうから。

 特にダンテは、前のことがあったから当然だ。

 

 今、暴走したデビルマンたちの魂を解放できるのは、俺しかいない。

 少なくとも、サタンや爺が解決策を見つけるまでは。

 

「甲牙さん、少しよろしいでしょうか?」

 

 ミネルバが近づいてきて、心配そうな顔を浮かべて俺を見る。

 

「大丈夫ですか?このところ、戦闘が終了した後はそうやって思い詰めておられるようですが」

「……そうかもな。前の俺だったら、こんなことは日常茶飯事で何も気に留めていなかった。だけど、今は……」

 

 暴走したデビルマンと戦うことが辛い。

 その一言をぐっと飲み込み、立ち上がってカイザーブレードを握って上段から振り下ろして空気を断ち切る。

 

「悪いな。人類の希望って呼ばれてるような男が、こんな時にくよくよしちゃいけねぇ。今は俺ができることをする。それしかない」

 

 明人やダンテではなく、これは俺のような人間にしかできないことだ。

 割り切れ。

 俺が今できることは、マジンカイザーとして戦うことだけだ。

 

 自身に己の役割を言い聞かせようとすれば、街全体に届くほどの警報が響いた。

 

「敵襲か!?」

「それも、総員に警戒態勢を促す警報です‼」

 

 立て続けの戦闘のケースも少なくない。

 戦いは、俺の休憩時間を待ってはくれない。

 

 カイザースクランダーを展開し、一足早く現場に向かう。

 上空から見下ろせば、既に戦闘は始まっていた。

 

 ボスボロットが、大量のデビルマンを足止めしていた。

 

 敵はデビルマン軍団かよ!?

 

 ボロットへの集中攻撃を止めるため、着地する前にスロットを展開して地上に向かって竜巻を放つ。

 

「ルストトルネード‼」

 

 竜巻はデビルマンどもを巻き込み、消えると地面に落下させる。

 

「すまねぇ、ボス。遅れた」

「兜、てめぇ、この野郎‼来るのが遅すぎるのよ~‼」

 

 ボロットの目が涙目になっており、「わりぃわりぃ」と平謝りをして前に着地し、カイザーブレードを構える。

 

「数が多いな……俺たちだけで、食い止められるかどうか。ミネルバ、三者連合の近くの支部に応援要請してくれ」

 

 通信を使ってミネルバに指示すれば『了解しました』と言う返事が来る。

 

「さやかはどうした?」

「今は連合の本部に行ってる。今は俺たちだけで防ぐしかないだわさ」

 

 俺が来るまでの攻防で、ボロットは既にボロボロだ。

 

「俺だけで良い。ボスたちは街の避難誘導を頼む。ボロットだと1分も持たねぇよ」

「んなぁ~に~!?この最強無敵のボスボロット様を嘗めんなよ~‼」

 

 もう少し気の利いた言葉を言えば良かったのか、ボスはデビルマン軍団に突撃していく。

 

「おい、待て、ボス‼」

「うるせぇー‼こんな奴ら、ボスボロット様だけで充分なのよ~‼」

 

 巨大ロボットなだけあり、右腕を一振りすれば数十体のデビルマンが薙ぎ払われる。

 しかし、それで怯むはずもない。

 すぐに体制を立て直しては数の暴力で押されてしまう。

 

「痛っ!痛い痛い痛い‼多勢に無勢‼男なら一対一で戦えや、こらぁ‼」

 

 ボスの叫びも虚しく、どこからか電撃が飛んできてはそれを受けて感電してしまう。

 

「あひぃいい~~~~‼‼」

 

 黒こげになって動かなくなったボロット。

 

 ボスの野郎、だから言ったってのに。

 

 俺は胴体に力を集中させ、V字の胸板から熱光線を発射する。

 

「ファイヤーブラスター‼」

 

 光線を受けたデビルマンは熔解していき、数が半減していく。

 

「ボス、下がれ。1人の方がやり易い」

「ぐぬぬぅ……ちゃんとやれよ‼兜‼」

「わかってる」

 

 ボスはヌケとムチャを連れて街の中に入り、敵の前に居るのは俺だけだ。

 カイザーブレードを両手で構え、刃を向ける。

 

「こっから先は誰も進ませねぇ。ここで食い止めてやる」

 

 臨戦態勢に入れば、デビルマンの群れから見覚えのある顔が現れる。

 

<ほぉ、その目、その強さ。一段と腕を上げたようだな、マジンカイザー>

 

 それは身体の半分で男女に性別が分かれている悪魔。

 

「あしゅら男爵!?ま~だ、しぶとく生きていたのか」

<ふんっ、貴様に受けた屈辱。晴らさずして死ねるほど、我らも行儀がいい方ではないのでな>

 

 あしゅら男爵はこの前とは見た目が多いに異なっている。

 デビルマンのベルトを巻いているが、その姿は人型ではない。

 

 巨大な身体の両方の腕が左右から3本生えており、頭に顔が3個、左右と中央に付いている。

 

「名前負けしてると思っていたんだけどな…。名前を意識してイメチェンしたか?ん?」

<ほざくが良い。我はあしゅら男爵にして、前のあしゅらには非ず。我が真の名は、デビルマン・アシュラ‼偉大なるDr.ヘルの研究に生み出された、悪魔の力を最大限に発揮できる人工的に生み出されし戦士である‼>

 

 デビルマン・アシュラ。

 奴は上段の両手に杖を、中段の両手に剣を、下段の両手は合掌をしている。

 

<今日こそ、貴様の命日である!マジンカイザー‼>

「はんっ……見てくれが変わったくらいで、俺に勝てると思うなよ‼」

 

 カイザースクランダーの出力を全開にして接近してカイザーブレードを振るうが、両手の剣で防がれる。

 力で押し切ろうとするが、腕力は互角だ。

 

「んぐっ‼あしゅら、てめぇ……姑息な手しか使えないわけじゃなかったみてぇだな」

<Dr.ヘルの研究によって、我らの力は飛躍的に上がっているのだ。貴様を討つために、地獄での苦しみに耐えてきた‼>

 

 アシュラは上段の両手の杖を上に掲げ、その先端から電気を放出して乱れ撃ちをして来る。

 電気には光線で対抗してやる。

 

「光子力ビーム‼」

 

 両目から光線を発射して相殺してそのまま薙ぎ払おうとするが、その前に合掌していた手が開いては透明な壁を展開される。

 ビームが壁に触れた瞬間、それを反射してきた。

 

「そんなっ…‼ぐぁあああああああ‼‼」

 

 自分の技をそのまま喰らい、後ろに吹き飛ばされてしまう。

 

 光子力を反射する能力。

 デビルマン軍団も、遂に対策を取ってきたと言う事か…‼

 

 カイザーブレードを杖にして立ち上がり、再度構える。

 

<見たか、兜甲牙‼我々は既に、もう光子力を攻略しているのだ‼人類の希望マジンカイザー、貴様の時代もここまでだ‼>

 

 上段の両手の杖の電気が、中段の両腕の剣に集まる。

 そして、俺に向かって振り下ろした。

 

<喰らぇええええい‼>

 

 大きな電撃が俺に向かって放たれる。

 

 魔神の力を解放して間に合うか!?

 いや、やるしかない‼

 

 左腕に着けているマジントリガーに右手を伸ばそうとした瞬間——————。

 

 俺の前に誰かが立ち、電撃を相殺した。

 

「なっ…!?」

 

 突然のことで何が起きたのかはわからなかった。

 しかし、奴は俺の目の前に立ち、不敵な笑みを浮かべていた。

 

「その意見には同意見だ、デビルマン・アシュラ。従って、君にはその証明として犠牲になってもらおう」

 

 事態が読めない中、その名前を呟いた。

 

「雷沼……虎之助!?何でおまえが、ここに…!?」

「……時代の変わり目を示しに来たのさ。こ(・)う(・)な(・)る(・)こ(・)と(・)は(・)、(・)既(・)に(・)わ(・)か(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)こ(・)と(・)だ(・)か(・)ら(・)ね(・)」

 

 雷沼は黒いコートを翻し、男は懐から3本の角が生えた金色(こんじき)のマスクを取り出す。

 

「マジンカイザー……兜甲牙。そして、下等な悪魔の力を持つ者どもよ。君たちがこれから見るものは、革命の始まりだよ」

 

 マスクを顔に装着すれば、雷沼は静かに呟いた。

 

「セイヴァー、アームド」

 

 そのコードを認証し、彼の後ろに3本の角が生えた金色の戦士の虚像が現れて彼と一体化する。

 

 金色に紫色のラインが入った鬼神の鎧を装着し、雷沼は両手を広げた。

 

「ひれ伏せ、魔の道を進みし者たちよ。我が名はセイクリッドセイヴァー。この世界を真に導く、救世主である」

 

 自身を救世主と豪語する雷沼……いや、セイクリッドセイヴァー。

 

 その実力や如何に。




や~っと、登場したよセイクリッドセイヴァー‼
オリジナルの戦士‼
ずっと出したかった‼腹立つけど‼

さてさて、次の話でその実力が明かされまーす。


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