DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
デビルマン軍団の襲撃から、子どもたちを一通り退かせることはできた。
しかし、その間も猛攻は続いている。
ガーラさんが翼の盾で奴らの攻撃を凌いでいるが、それでも長くは保てない。
三者連合の援軍を呼ぼうにも、ここからでは遠すぎる。
間に合わない。
変身する力があれば、俺も参戦して状況を覆すことができるというのに。
デビルマンの前では、生身の身体じゃ太刀打ちできない。
どうする……どうすれば、みんなを救うことができる?
俺にできることは無いのか?
子どもたちを逃がしている中で、後ろから爆風が生じる。
その風に吹き飛ばされそうになるのを踏ん張って耐えられたのは、俺だけだった。
<ぐぬぁあああああ‼>
流石のガーラさんも大勢からの攻撃には圧されてしまい、地面に倒れるのが見えた。
「そんな……」
唯一の戦力が倒れたことによって、隙が生まれてしまった。
<きゃぁあああ‼>
<やめてよぉおおお‼>
風で飛ばされた子どもたちが、デビルマン軍団に捕まってしまう。
そして、倒れたガーラさんを囲み、抵抗できないように威嚇する。
『動くな、内海明人』
1人の光沢のある輝きを放つ鋼鉄に覆われた戦士が前に出ては、子どもの首根っこを掴んで俺に見せつけてくる。
<明人兄ちゃぁあああん‼>
「ハース‼」
泣きじゃくりながら俺を見てくるハース。
敵のデビルマンはそれを見て、マスクの下で不敵に笑う。
こいつら……こんなことをして、何とも思わないのかよ。
どうして、笑っていられるんだ?
デビルマンは……こんな非道なことをする存在じゃなかっただろうが。
目の前のデビルマンは戦闘の構えを取り、俺に威嚇してくる。
『デビルマン・バリィだ。俺と戦え、内海明人‼さもなくば、このガキを殺す‼』
ハースを人質に、俺との戦いを望むデビルマン・バリィ。
しかし、俺は変身するができない。
それを言えば、奴らは退くのか?
いや、俺と言う脅威が無くなり、さらに行動が過激になるはずだ。
<あ、明人ぉ…‼>
立ち上がろうとするガーラさんの背中を、バッタ型のデビルマンが踏んで動きを止める。
動けるのは、俺しか居ない。
力が……力が、欲しい…‼
力が…あれば…‼
『どうした、さっさと変身しろ‼俺たちは、デビルマン・ゼロであるおまえと戦いたいのだ‼』
闘争を望むバリィ。
子どもたちを人質にするデビルマン軍団。
そして、動けないガーラさん。
自身の無力さに苛まれながら、頭の中に声が響いた。
『力を求めるか?』
そうだ、力が欲しい。
奴らを蹴散らせるくらいの、圧倒的な力が…‼
内なる声に答えれば、身体がドクンっと鼓動が一瞬強くなる。
胸を押さえ、内なる衝動に襲われそうになる。
『抗うな……おまえの本当の力を、解放してやろうと言うのだぞ?内海明人よ』
これはゼロの声じゃない。
もう1人の……アモンとしての人格。
これに飲まれたら、俺はまた…‼
しかし、意志とは関係なく身体から力が溢れ出てくる。
『「……来い、ゼロドライバー‼」』
腕を前に伸ばして声をあげれば、目の前が青紫に光出してはヴァイスロックが装着されたままのゼロドライバーが現れる。
それが自動で腰に巻き付き、両手を交差させて横に振り下ろす。
『「デビルっ‼」』
ヴァイスロックから青紫のオーラがあふれ出し、俺の身体を包んで竜巻を起こす。
そして、内側から自力で抜け出せば、変身を遂げている。
禍々しいオーラを放つ、青紫の獣のデビルマン。
デビルマン・ヴァイスゼロ。
今のままなら、まだ意識を保つことができる。
しかし、気を抜けばすぐにでも衝動に飲み込まれそうだ…‼
「うるぉおおおおおおおお‼」
衝動を分散させるために雄叫びをあげ、周りを見渡してやるべきことを決断する。
翼を展開し、羽根を全方位に向かって飛ばす。
「喰らえ…‼」
デビルマンたちは羽根を避けようとするが、物量で押されて吹き飛ばされる。
その中で突撃を仕掛けてきたのは、近くに居たバリィだけだった。
『おまえの力を見せろ‼デビルマン・ゼロ‼』
「うるせぇええ‼」
羽根を前に集中させてバリアを生成してバリィの拳を止めて固定し、翼の形状を巨大な手に変えて相手を掴んで持ち上げる。
力を使えば、衝動が強くなる。
殺意が増幅し、右手を掲げてバリィに向ける。
「潰れろ…‼」
確かな決意のもとに握り潰す動作をすれば、バリィの鎧にひびが入り砕け散る。
『がぁぎゃぁあああああああああ‼‼』
もはや、戦闘にすらならなかった。
それほどまでに、ヴァイスゼロの力は圧倒的だったのだ。
羽根はバリィから離れ、次々と他のデビルマンを襲う。
集合しては巨大な杭となり、身体を貫通させる。
全方位からビームを放ち、焼き尽くす。
抵抗しよう者が居れば、その攻撃を歪な壁で相殺する。
ヴァイスゼロがその場から動かずとも、敵は殲滅されていく。
しかし、それが虚しく感じる。
「ぐるぁあああああああ‼‼」
再度雄叫びをあげ、目の前で瀕死の状態になっているデビルマンの頭を殴り、一撃で潰れてしまう。
この圧倒的な力。
これが、アモンとしての転生者の力なのか…!?
<明人……おまえは…‼>
ガーラさんが驚愕の顔を浮かべ、俺に目を向ける。
その目に映るのは、獣の姿をしたデビルマン・ゼロだ。
「ガーラさん……危ない‼」
まだ息があったハチ型のデビルマンが身体を起こし、ガーラさんに攻撃を仕掛けようとする。
それを察知すれば、奴の周囲を無数の羽根で囲み、その鋭い刃で鎧ごと粉々にしてしまった。
強すぎる。
この力の使い方を間違えれば……俺は…‼
蘇る、悪夢の記憶。
自分の周りに転がる死体の数々。
その中には、仲間や大切な人のものも……。
俺が獣になれば……本当に、あの光景のように…‼
「こっちを見ろ……アモン‼」
俺をアモンと呼ぶその声に反応してしまい、後ろを振り返り空を見上げる。
そこに居たのは、デビルマン・シレーヌ。
そして、その手に抱えられているのは―――。
『「美佐樹(シレーヌ)…!?」』
1つの身体の中で、別の反応に心が苦しくなる。
美佐樹は気を失っているようだが、シレーヌの手中にあれば危険であることには変わりはない。
「アモン……今から、おまえを人間の柵から解放してやろう」
そう言い、シレーヌは空から美佐樹を投げ落とす。
「やめろぉおおおおおお‼‼」
羽根を使って受け止めようとも考えた。
だけど、まだ上手く使いこなせる自信がない。
俺の力では、彼女を傷つけることになるかもしれない。
シレーヌは落下している彼女に向かって火力の弱い火の球を放ち、衣服を燃やして全裸にさせた。
翼を広げて飛行し、地面に衝突する前に彼女を抱きかかえる。
「シレーヌ‼おまえ、よくもぉ…‼」
降下して着地し、睨みつける俺に指をさす。
「おまえが変身するのを待っていたぞ、内海明人。それこそが、おまえからアモンを解放する条件だったのだからな」
「……何?」
アモンを……解放する?
意味が分からずに聞き返せば、シレーヌは美佐樹を指さした。
「その娘を食え。食べやすいように、身包みは燃やした。さぁ……久しぶりの人間の肉だ。食いたくて仕方がないだろう?」
「ふざけるな‼俺が美佐樹を喰らうことなんて、あるはずが無いだろ!?」
シレーヌの提案を拒否するが、それに被せるように彼女は言った。
「おまえには言っていない‼私は、我が愛するアモンに言っているのだ‼アモン、その女を食え‼そして、私を求めろ‼昔のように‼」
身体が、シレーヌの言葉に反応するように震えだす。
そして、衝動に従うままに美佐樹の身体を見てしまう。
頭から首筋、豊満な乳房、ピンク色の乳首、へそ、陰部、足と見ては、獣としての本能が彼女を求めてしまう。
しかし、それは―――。
俺は自身の中の衝動を抑えこみ、美佐樹を地面に下ろしてシレーヌに襲いかかっては頭を掴み、上空に飛んで
美佐樹とガーラさんから離れる。
「美佐樹に手を出そうとしたことを後悔しろ…‼おまえは許さない、デビルマン・シレーヌ‼」
「っ‼おまえの存在は要らない‼力づくでも、アモンの意識を呼び覚まさせてやる‼」
互いの怒りをぶつけあうように睨みつけ合い、俺たちは掴み合いながら暗い森の深部に入って行った。
ヴァイスゼロ、圧倒的‼
だけど、嬉しくない展開www。
あー、このままの展開上書かなくちゃいけない……でも、書くの辛い~(泣)
早く書き終えて、胸糞展開から解放されたい(笑)
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