DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
結局、また了さんに叱られることになってしまった。
俺と白藤の戦いの余波は教会周辺のみならず、街にも多少の被害が出たらしい。
それを鎮静化させるために、第一種警戒態勢が引かれたようだ。
意識を失ったツバサの回収を頼み、俺は美佐樹と共に自分たちの家に戻った。
彼女はすぐにシャワーを浴びたいと言い、その後で話をすることになった。
2日ぶりだと言うのに、数年ぶりに戻ってきたような気になる。
「……帰って来られたんだな、俺自身の意志で」
悪魔としての意識に飲まれていたら、俺は戻って来れなかったかもしれない。
ベランダに出て、まだ明るい空を見れば、さっきまで命を賭けて戦っていたことが嘘みたいに青い。
白藤の脅威が去った今、運命に振り回されることはない――はずだ。
少なくとも、不動明と牧村美樹、アモンとシレーヌの運命に翻弄されることは無いはずだ。
「解放……されたんだよな、多分」
妙にしっくりこない自分が居る。
自分の手で斬ったはずなのに、その自覚が生まれない。
運命を断ち切る力を手に入れ、デビルマン・レクスの力を倒すことはできた。
その事実があれば、今はそれで良いのかもしれない。
「……はぁ、ダメだダメだ。テレビでも見るか」
ソファーに座ってテレビをつければ、デビルマンによる騒動をニュースが中継で流していた。
『本日、正午。デビルマンのグループによる立てこもり事件が発生しました。犯人グループは、自分たちを人間として受け入れるように世間に訴えていましたが、死傷者も多数出ており予断を許さない状況です』
映像の中でデビルマンたちが外に向かって抗議をしている。
『俺たちは、人間だ‼人間なんだ‼悪魔じゃない‼どうか、信じてくれぇ~~~‼』
悲痛な叫び声をあげるデビルマンたちの前に黄金の鎧を装着した者が現れる。
「あれは……マジンカイザーじゃないよな」
こういう時、真っ先に駆け付けるはずのマジンカイザーの姿は無い。
代わりに、鎧の戦士が立てこもり現場に突入して強硬手段に出て行く。
『今‼人類の新たなる希望、セイクリッドセイヴァーが現場に突入しました‼』
セイクリッドセイヴァー?……新しい希望?
そんな話、了さんからは何も聞いてないぞ。
セイクリッドセイヴァーが突入すれば、数分の後に玄関から奴は現れる。
記者はすぐに彼の周りに集まり、マイクを向ける。
『みなさん、もう心配要りません。私、セイクリッドセイヴァーの名の下に事件は集結しました』
『また今回も、デビルマンを御一人で鎮圧されたのですか?』
『鎮圧……悪しき魂を浄化した、と言って欲しいものですね。私は神聖なる救世主。この結末は、神の導きですよ』
カメラに顔を向け、セイクリッドセイヴァーは言葉を続ける。
『皆さんにとって、新しい人類の希望として認めてもらえるように、日々精進を続けるつもりです。これからも、マジンカイザー共々、人類の未来を守るために戦い続けますよ。……では』
背中のブースターを発動し、空に向かって飛んでいく黄金の戦士。
何故だろう?奴からは、白藤に似た何かを感じた。
「あいつは、一体……」
今度、甲牙に話しを聞いてみるか。
最近は顔を合わせてないから、心配ではあったんだ。
新しい戦士、セイクリッドセイヴァーのことが引っ掛かっていた時――。
リビングのドアが開いて美佐樹が戻ってきた。
「明人……今、上がったわ」
「あぁ、そうか。美佐樹、そう言えば―――って、おまえ!?」
後ろを振り向いて彼女の方を見れば、思わず目を疑ってしまった。
美佐樹は恥ずかしそうに紅潮した顔を逸らしており、服の裾を下に引っ張っている。
「やっぱり、こういう服って恥ずかしいね。でも……男の子って、こういう格好をする女の子が好きなんでしょ?」
美佐樹の今の格好を説明する。
上に1枚着ているだけで、おそらく下は何も履いていない。
灰色の半袖のセーターを着ており、背中は開いており、その小さな尻が少し見えてしまう。
そのはち切れんばかりの豊満な乳房は少しはみ出ていて素肌が見える。
セクシーな裸セーター姿の美佐樹は、ゆっくりと俺に歩み寄ってくる。
「どう…かな?似合う?」
「似合う!……って、言うか……どうしたんだよ?その服?目のやり場に…困るだろ」
少し視線を逸らせば、美佐樹は食い気味に「見て欲しいの」と言って俺の顔を両手で前に固定する。
そして、顔を見上げさせる。
「あたしを……見て欲しい」
「美佐樹……」
彼女を隣に座らせ、俺たちは向かい合う。
「あたし、明人の辛さがよく分かった。好きな人が目の前で他の人を求めているのを見るのは、とても……嫌、だったよね」
「……ごめん」
美佐樹は知っているんだ。
俺の中の獣が、シレーヌを犯した時のことを。
「胸が張り裂けそうな想いだった。絶望って、ああいうことを言うんだなって……。自分が犯されるよりも、苦しかった」
美佐樹は包み隠さずに話してくれた。
精神世界で、白藤から俺が獣に落ちる未来が来ると聞いた時のことを。
そして、アモンとシレーヌの運命の共鳴のことを。
それに俺が飲まれていたことを。
「正直に言って‼明人の中のアモンは……シレーヌを、あのツバサって人のことが好きなの?」
「……」
ここで軽々しく「違う」と言うことは簡単だ。
しかし、シレーヌを犯していた時のことを美佐樹は目撃している。
それを打ち消すほどの言葉を、口に出す必要がある。
「俺は……少なくとも、内海明人としての俺は‼ずっと、美佐樹のことだけを想っている。だから…‼」
美佐樹の身体を抱き寄せ、密着させる。
「悪魔としての俺も、美佐樹を求めているんだ。俺の愛する女は……加藤美佐樹、ただ1人だ」
「明人……」
互いの目を見れば、その瞳の奥を見るようにして顔を近づけては唇を重ねる。
「んっ…はむっちゅ。れろっちゅ…んっむ……れろっ、はむ…んっちゅ」
舌を絡めながら、俺はセーターの中に手を入れて左胸を優しく揉む。
すると、彼女は俺の手の上に自身の手を重ねる。
「っ……嫌だったか?」
「ううん、そう言う事じゃなくて。……1つだけ、確かめさせて?」
そう言って美佐樹は離れ、棚の上に置いてある例の精力剤を手に取る。
「これを飲んでからにしない?その方が、お互いに……正直になれると思うから」
「お互いにって……もしかして、美佐樹、おまえ…‼」
俺が静止する前に、美佐樹は小瓶から一粒取り出しては口に含んでゴクンッと飲み込んだ。
「美佐樹!?」
「人間が飲んでも害は無いって、サイコジェニーさんも言ってたから。それに……あたし、負けたくない」
「負けたくない…?」
美佐樹は俺の復唱に頷き、小瓶をテーブルに置く。
「シレーヌと繋がっていた時の明人の姿が……あたしと繋がっている時と違うように見えたの。それが……今思い返しただけでも、悔しい」
美佐樹のその気持ちは、俺も味わったものだ。
白藤に心を奪われたんじゃないかって思って、一緒に居ても、どこかあいつの影が見えていた。
「あたしとエッチするよりも……興奮した?強く感じられた?デビルマン同士だったもんね。人間のあたしとエッチするよりも……気持ち、良かったんじゃない?」
その言葉に、俺は久しぶりに美佐樹に苛立ちを覚えた。
「何だよ、それ。いくら何でも、怒るぞ?」
「怒ってほしいの」
まさかの返しに面食らっていると、美佐樹は俺を抱きしめて胸に顔を当てる。
「あたし、明人に怒られたい。ずっと優しくされても、辛いときもあるの。だから……あたしに怒って?俺の女のなのに、他の男に抱かれてるんじゃないって……。その方が、安心する気がする」
今の俺に、美佐樹の願いに答えることができるのか?
いや、理性が働いて無理かもしれない。
こういう時、理性が邪魔をする。
だからこそ、この薬が必要なのかもしれない。
互いに本音でぶつかるために。
俺は美佐樹の前でシレーヌを犯し、美佐樹は俺の前で白藤に犯された。
俺たちは理性を超えて、衝動でぶつかり合う時が来たのかもしれない。
テーブルに置いてある小瓶を手に取り、一粒飲み込んだ。
その瞬間、心臓の鼓動が高鳴ってはズボン越しに肉棒が自己主張。
そして、美佐樹の両肩を掴む。
「美佐樹。俺、もう我慢しないからな?」
「うん……あたしのこと、明人で滅茶苦茶にして?」
俺たちは寝室に移動し、互いの欲望と衝動のままに、求め合う。
はい、言うまでもなく次はイチャイチャ回ですね、わかります‼
美佐樹ちゃんまで精力剤を飲んだとなると……どうなるんだろうwww。
ちなみに、次回の話は明人×美佐樹のリクエストがあった話になります。
メッセージなどで、どしどし応募受付中でーす。
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