DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
俺はフクロウのデーモンに突撃し、右足で回し蹴りをくらわせようとするがそれは受け止められてしまう。
いつもの雑魚とは違う。
しかし、不動ジュンやアモンのような強さではない。
あちらさんも俺の蹴りを受け止め、口の端が上がる。
「少しは歯ごたえがありそうじゃねえか!!」
「是非もなし!!」
俺は両手で拳を握って連撃をくらわせようとするが、それを全て両腕についている翼を前に重ねることで防がれる。
翼は鋼のように硬く、防御力が高い。
「どうした、そんな拳など受けても痛くもかゆくもないぞ!!」
「そうかよ。なら、少し本気を出してやるか」
1度離れ、俺はベルトの中央のマークに手をかけて斜めに傾けて両腕から3枚の黒い刃を出す。
それを見て、フクロウは眉間にしわを寄せ、額から汗を流す。
(あの刃から放たれる力……デーモンのそれではない。それ以上のパワーを感じる!!)
フクロウは危険を察し、翼の盾を十字に重ねて全身の力を集中させる。
「クロス・シールド。未だ、この無敵の盾を破った者は存在しない」
「それなら、俺がその盾をぶっ壊してやる!!」
俺の右腕の刃と、フクロウの盾が激突する。
「
「クロス・シールド、フルパワー!!」
全力の一撃と無敵の盾がぶつかった瞬間、お互いに後ろに吹っ飛び、俺とフクロウは大樹に衝突してめり込む。
「もはや……ここまでとはな」
フクロウはすぐに大樹から抜けて立ち上がり、息を切らしながら俺に向かってくる。
その両腕に羽は血だらけになっており、関節から前後に揺れている。
そして、俺の右腕が痺れて動きそうにないが、立ち上がって左腕の刃を前に出す。
お互いに傷つこうと、戦いはまだ終わっていない。
どちらかが死ぬまで、悪魔の戦いに終わりはないのだ。
お互いに近づいていると、あの怯えていた小型のデーモンたちが俺の前に出て両手を広げる。
「先生を虐めないで!!」
「先生は、何も悪いことはしてない!!僕たちを、悪い人間から守ってくれたんだ!!」
俺のことを怖がりながらも、フクロウのデーモンを守るために何かを訴えてくる。
その中で、引っかかる言葉があった。
「悪い……人間?」
足を止めて聞くと、フクロウが奴らの前に出て庇うように立つ。
「貴様には関係のないことだ……。人間がどれだけ残酷なのか、それを知らぬ貴様には……!!」
フクロウの目からは怒りを感じる。
そして、それは憎悪に近い。
話からして、もう戦うどころではなくなった。
俺は変身は解除せず、戦意を解いて歩み寄る。
「……聞かせてくれ。人間が、おまえたちデーモンに何をしたのか」
「貴様に話すようなことではないはずだ。我々と同じデーモンである貴様にはな」
「俺はデーモンじゃない」
きっぱりと否定した。
俺はもう……いや、元から人間ではなかったが悪魔でもない。
今の自分が何なのかはわからないが、それでもこれだけはわかる。
「俺は……人間と共に生きてきた悪魔の力を持つ者、デビルマンだ」
フクロウは俺の言葉に目を見開き、フッと笑う。
「デビルマン……か。では、人間のことをよく知る悪魔人間よ。貴様は、何のために戦うのだ?」
「大切な女と、その大切なものを守るため。それ以外にはない」
「人間ならば、正義のためだとか人類のためと綺麗事を並べると思っていたが、芯は太い男のようだ。名を聞かせてもらえるか、デビルマンよ」
「内海明人。……あんたは?」
「我が名はガーラ。……過去に魔将軍を勤めていたデーモンである」
魔将軍。
了さんの話では、デーモンの中でも最強の部類に入る存在だと聞いた。
そんな男が、目の前に……。
「貴様は情報を得るために、私はこの子たちを危険に巻き込まないために、もう戦うことはできない。休戦を申し出たいが、いかがか?」
「あぁ……それが妥当だな」
ようやく緊張が解け、変身を解除する。
すると、デーモンたちは俺の変化に驚いた表情を見せるが、すぐに受け入れてくれた。
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森の最奥には、簡易的な集落があった。
木でできた家、井戸、そして倉庫のような大きな木造の建物。
自然を最大限に活用しながら、そこは存在しているようだ。
「ここは……」
「我々の住み家だ。今は、ここに居るデーモンだけで生活している。デーモンからも、人間からも身を隠すにはいい場所なのでな」
「デーモンだけでなく、人間からも……。まるで、人間を恐れているような口振りだな」
「……奥で話すとしよう。人間が我々デーモンに何をしてきたのか、それを知れば貴様が人間に向ける目も変わる」
他のデーモンたちから離れ、俺とガーラは奥にある大きな木造の家に入り、対面するように座る。
「それで、俺に何を話してくれるんだ?わざわざ敵かもしれない俺との戦闘を止めるほどのことなんだろうな」
「そうだな。貴様が悪魔ではなく、人間でもあるのならば、警告として話さなければならないことだ」
ガーラは腕を組み、俺の顔をじっと見る。
「迷い、悩みを含んでいる目だ。デビルマン。デーモンにも人間にも受け入れられることはない存在だからか、大きな試練に直面しているからなのか……。その目をする者に、少しでも助けを差しのべたいと思ったのだ。甘いと思うか?」
「さぁな……だけど、あんたは俺が今まで戦ってきた……殺してきたデーモンの中でも、初めて見る奴だ。こう言ったら侮辱になるかもしれないが、人間と共通している所を感じる」
「……そうか」
特に表情を変えず、無表情にそう呟くガーラ。
そして、目を閉じて深呼吸をし、話を始めた。
「デーモンは人間を捕食し、殺す。しかし、それは衝動に抵抗できないデーモンの話。衝動をコントロールできるデーモンは、人間と接触しつつも理性を保ち、生活に溶け込むことができる。人間と共存しようとする者も居るということを、理解していただきたい。しかし、人間は……我々デーモンを否定する。彼らは、同じ生き物でありながら、デーモンを抹殺する動きを見せているのだ」
これからガーラが話すことに、俺は人間というものの愚かさを知ることになる。