※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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黒鳥の爪

 デビットは目的地まで足を進めながら、不吉な予感に見舞われていた。

 

(ラットたちが、あそこまで狂っていたとは…。悪魔の身体を手に入れた者は、他にもあんなバカげたことを考えるようになっているのか?)

 

 彼自身は魔王ダンテの心に触れ、言葉を交わし、その人となりを知った上で忠誠を誓っている。

 しかし、それ以外の複数のデーモンはそうではない。

 

 魔王を認める者と、そうではない者で、力を手にした後の心境は異なるということだ。

 そして、ガジロウたちと袂(たもと)を分かったことで、彼自身も標的になることは理解していた。

 それでも、デビットの中ではダンテへの忠誠心を裏切ることはできなかったのだ。

 

 魔王としてではなく、ダンテという男の王道を共に歩みたいと思ったが故に。

 

 先に帰らせていたリサの家の前に着けば、明かりが付いていないことに気づく。

 

「まだ帰っていないのか…?先に帰るように言っていたはずだが」

 

 酒場から出た後から、嫌な予感がデビットにはあった。

 出る時にラットたちが向けていた、不気味な笑みが頭を過ぎる。

 玄関のドアノブに手をかければ、ガチャっと開いていた。

 

「まさか…‼」

 

 鍵がかかっていないことから、彼はすぐに部屋に上がっては暗闇の中でリビングに向かう。

 

「リサ!居るのか、リサー‼」

 

 彼女の名前を叫べば、明かりが付くと同時に姿を現す者が2人。

 

「そんなに叫ばなくたって聞こえてるさ、愛しのリサもなぁ」

 

 そこに立っていたのは、全裸のラットだった。

 

「ラット、貴様ぁ…‼リサをどこにやった!?彼女に手を出そうとするとは、許さんぞぉ‼」

 

 怒りを露わにしていると、ラットはクックックと不敵に笑う。

 

「威勢が良いなぁ、デビット。しかし、安心しろ。リサはどこにも行っちゃいないさぁ。ほら、こうしておまえの目の前に居るぜぇ‼」

 

 そう言って、後ろにあるテーブルクロスを剥ぎ取れば、そこにはあられもない姿のリサが居た。

 

「デビット…見ないでぇ…‼」

 

 彼女は声を押し殺しながら、涙を流して懇願する。

 

 側頭の筋肉質な巨漢の男の上にM字開脚の状態で座っており、両手は縄で縛られては男の首にかかるように両手を広げられている。

 男の巨根は、リサのへそ下まで届くほどの長さをしていた。

 

「んなっ!?」

 

 俺が彼女の姿に驚いていると、ラットは嬉々として饒舌になる。

 

「知ってるか、デビット!?リサはヴァージンだぜ‼おまえ、今日はこの女と一発ヤるつもりだっただろ!?だが、おまえがもう少し来るのが遅ければ、こいつの巨根がヴァージンを貫いてただろうなぁ~‼」

「ラット…‼貴様らぁ~‼絶対に許さぁん‼」

 

 憤怒の表情で、デビットは上着を脱いでは黒い翼を広げて臨戦態勢に入る。

 

「デビット…‼」

 

 リサは涙声で彼の名前を呼ぶ。

 

〈リサ~~~、助けるぞ‼何も心配するな!キミを傷つけさせたりしない‼〉

 

 デビットが魔人の状態になれば、ラットも全身をネズミのような獣人の姿に変身させる。

 

〈こい、デビット‼全力でかかってこい!俺はこの悪魔の身体を手に入れてから、おまえと戦いたかったのだ‼貴様に戦うチャンスをやるのは、同じムーの民だった俺の情(なさけ)としれ‼〉

〈情(なさけ)だと、ふざけるな!?身体だけでなく、心まで汚いドブネズミになった貴様に情などあるはずがない‼ドブネズミのラットよ、おまえは己の闘争本能を満足させたいだけだ‼俺を倒す勝利の喜びを味わいたいだけだ‼〉

 

 翼をはためかせながら、「だが!」と区切っては飛翔してはラットに飛びつく。

 

〈勝者はこの俺だぁー‼〉

 

 両手を鷹の爪に変化させ、掴みかかっては顔をガッと引き裂く。

 

〈ギヒィ‼〉

 

 しかし、すぐに尻尾を前に振ってはビシッと顔面をはたかれる。

 

《グハッ‼》

 

 2人同時に距離を取りながらも、デビットの視線はリサの方に向かう。

 

 側頭の男は、亀頭の鈴口から我慢汁を垂れ流しては陰茎を彼女の膣口に擦りつけている。

 

 ズリッズリッズリッ。

 

「おぉ~?どうだよ、娘さん。黒い翼の騎士様が、あんたを助けるために必死になって戦ってるぜぇ?この間に、あんたのヴァージンを俺のマグナムが貫くところを見たら、最高の絵面(えづら)になると思わねぇかぁ~?」

「いやぁ~‼やめてぇ~‼デビットぉー‼」

 

 泣き叫ぶリサの声に、デビットは溜まらず「リサ!」と名前を呼んで気が逸れてしまった。

 

〈戦いの際中に気を逸らすとは、この愚か者め‼〉

 

 ラットは牙を剥いて飛びかかると同時に、片翼に噛みついてくる。

 

〈がはぁああああ‼〉

 

 そして、そのまま腹部に右ひざ蹴りを喰らわせては壁まで飛ばされる。

 

〈がぶぐっ‼……ま、待ってろ、リサ…‼絶対に……助ける…‼〉

 

 悪魔の身体を手にした者同士の戦い。

 それはまさに、自然界における獣同士の戦いを人間のそれに置き換えたものだ。

 しかし、決定的に違う部分がある。

 

 それは、彼らには感情があるということ。

 願いがあるということ。

 欲望があるということ。

 

 今、デビットの身体は感情の高ぶりを覚えている。

 

 そして、その感情は力へと変貌する。

 

〈うぉおおおおおおおおおっ‼‼‼〉

 

 雄叫びを上げ、覇気を放つデビット。

 それに何かを感じたラットが、すぐに追撃を仕掛ける。

 

〈羽をもがれた鳥に何ができるというのだ!?死ね、デビット‼〉

 

 鋭い爪を光らせて引っ掻くドブネズミのガシっと掴み、デビットは飛翔する。

 

「まさか、片翼で飛びやがっただと!?」

 

 驚く男を後目(しりめ)に、デビットはラットの身体を逆さづりにしては地面に急降下で叩きつける。

 

〈ぐぶふぇぁあああ‼〉

 

 そして、顔面から落ちた奴に対して、ダメ押しとばかりに頭を掴んでは持ち上げる。

 

〈どうした、ラット!?翼をもがれた鳥にやられる気分は!?このまま、おまえの顔面を沸騰させてやるぜぇ‼〉

 

 鷹の爪が朱く光っては、ジュゥーっと熱が広がっては煙が立っている。

 

〈や、やめろ、デビット‼俺が悪かった、謝る‼だからぁ―――〉

〈今更遅い‼俺の女に手を出した報いは、たっぷりと受けてもらうぜ‼〉

 

 ラットの顔が、ブクブクと沸騰するようにして膨れ上がっていく。

 そして―――。

 

〈フィンガー・ショック‼〉

 

 パァ――――ンっ‼

 

 頭部が破裂しては、バタンッと倒れるドブネズミの死骸(しがい)。

 そして、この戦いの結末を見ていた巨漢は全身を震わせる。

 

「こ、こんなの聞いてねぇよ…‼こんなやべぇ奴だったなんてぇ‼」

 

 そんな言い訳など聞く耳もたず、デビットがバサッと翼を前方に飛ばせば複数枚の羽根が飛ばされる。

 それは巨漢の両目を潰し、リサを縛っていた縄を切った。

 

「ぎゃぁあああああ‼俺の目がっ、目がぁあああ‼」

 

 その隙に離れたリサが、デビットに駆け寄っては彼の腕の中に納まる。

 

「デビット、ごめんなさい。私のせいで…‼」

「いや、巻き込んだのは俺の方だ。本当に、すまない」

 

 彼女の肩に上着を着せながら、強く抱きしめる。

 

(恐い想いをさせてしまったな。奴ら、リサまで狙うとは…‼)

 

 ラットの死骸と共に、巨漢も程なくして息を引き取った。

 

 デビットとしては、この悪魔の身体を得てから初めての生死をかけた戦いとなった。

 その高揚感は、未だに収まりそうにない。

 

「デビット、身体が震えているわ…」

「これは……そうだな、武者震いのようなものだ。これで俺も、一端(いっぱし)の魔王の眷属になったということかもしれない」 

 

 自分が危険な目に遭ったというのに、リサの心配はデビットの方に移っている。

 それもそのはずだ。

 彼は今、敵対していたとはいえ、仲間を2人手にかけたのだ。

 

 それに対して、動揺などがあってもおかしくはない。

 

「もう、休んだ方が良いわ。私、一緒に居てあげる」

「リサ……すまない、ありがとう」

 

 リサをこのまま、こんな血生臭い所に1人で置いて行くには気が引ける。

 彼女の優しさに甘え、デビットは2人で部屋を後にした。

 

 

 ーーーーー

 

 

 デビットの部屋に移動しては、すぐに翼の手当をするリサ。

 血を拭き取りながら、包帯を巻きつける。

 それと同時に、彼の身体を見つめる。

 

「傷だらけね、あなたの身体」

「戦士の身体なんて、生傷が絶えないもんさ。よく世話になってたんだから、知ってるだろ?」

「そうね。一時期は、私に会いたくてわざと怪我してくるんじゃないかって思ってたわ」

「そりゃ……半分、正解だったかもな。リサに会えるのは、怪我した時に治療を受けに行く時ぐらいだったし」

 

 手当をしながら、そんな冗談を言って温かい空気が流れる。

 

「デビット……このまま、聴いてくれる?」

「……どうした?」

 

 リサの手が止まり、その手から震えが伝わってくる。

 

「私、まだ恐い……。さっきの人たちの悍(おぞ)ましい顔が、頭に引っ付いてるの」

 

 デビットを心配して、一緒に居ると言ったのは方便(ほうべん)だった。

 彼女の中には、今もラットたちの存在がこびりついている。

 それが死んだ者であったとしても。

 

「リサ……」

 

 彼はリサの手を握り、指を絡めてはギュッと強く掴む。

 

「俺が居る。絶対に、リサを1人にはさせない」

「デビット……」

 

 デビットの熱い眼差しに、彼女は頬を染めながら手を握り返す。

 

「私のこと、俺の女って言ってたけど……本気?」

「あれはっ…‼悪い、物の弾みで……。でも、本気だ‼俺は戦うことしかできない、不器用な男だ。それでも、リサを守ることはできる‼だから……」

 

 言葉よりも先に身体が動き、目を見つめながら顔を近づける。

 そして、リサも彼のその衝動を受け入れて、唇を重ねた。

 

「んっ…」

 

 そして、両手を絡めたまま、デビットは彼女をベッドにゆっくりと横にさせる。

 

「んんっ…。デビット……」

 

 なまめかしい声で、リサは彼の名前を呼ぶ。

 

「この歳まで、処女なんて……恥ずかしいわよね。初めてを捧げても良いって相手、今まで見つからなくて……。でも、今、私のことを守ってくれた素敵なナイト様が目の前に居るわ…」

「そのナイトは、悪魔だぜ?それでも……良いのか?」

 

 デビットからの問いかけに、彼女は目を閉じては優しく頷いた。

 

「あなたに、私の全てを捧げます」




 あぁ~、「ザ・バード」読み返しながら書いてるからか、感情の波が凄い‼
 この2人、絶対に幸せになってほしい‼(それはあんたの執筆状況次第や)

 ちなみに、リサも愛羅や美佐樹に敗けず劣らずの巨乳です。
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