※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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愚者の妄信

 八稜郭内にある魔王の寝室。

 そこには既に愛羅が居り、透明度の高いランジェリーを着ては椅子に座ってタブレットに目を通していた。

 

 ダンテは王としての地位に君臨した。

 しかし、それを確固たるものにするためには基盤が必要となる。

 彼には王としての素質がある。

 それは民たちに希望と可能性を与えるものではあるが、それでも彼は未熟だ。

 

 その未熟な魔王を支えるためには、支えとなる存在が居る。

 

 ダンテが王となるための基盤を固めるのが、彼を支える愛羅の仕事だ。

 

「やはり、混乱はそう簡単には治まるはずもない…か」

 

 彼女はタブレットを見ながら、表情が険しくなる。

 

 そこに映し出されているのは、民の声とも呼べるものだ。

 

 魔王を支持する者も居るが、やはり大半は未だに彼の存在を受け入れられない者ばかりだ。

 

 アイラ・ムーの信仰を崩壊させた、極悪人という見方もある。

 女王アイラという希望を奪った魔王ダンテ。

 例え、それが彼女自身が望んだものであったとしても、民たちの中に染みついた女王アイラへの偶像崇拝(ぐうぞうすうはい)は根強いものであった。

 

(ダンテ……)

 

 愛しい魔王に想いをはせながら、窓の外を見ると既に夜が更けていた。

 

「そろそろ、デビットが彼を見つけている頃かしら……。一体、どこまで行ってるのやら」

 

 王としての重責を背負うダンテにとって、その責任から解放されるのは愛羅と共に居る時だけ。

 そして、愛羅にとっても、ただの男女の関係になることができる2人だけの時間は貴重であった。

 

 彼の返りを待っていると、不意に部屋の明かりが消えて暗闇が広がる。

 

「何!?」

 

 辺りを見渡せど、暗闇で何も見えない。

 しかし、不気味な気配を感じとることはできた。

 

「誰ですか、姿を現しなさい‼」

 

 椅子から立ち上がり、毅然(きぜん)とした態度で問いかけると、後ろからガシっと腕を回される。

 

「アイラ・ムーが、こんな薄着で良いのかい?それか、魔王の趣味か?」

 

 不気味な男の声がしては、背後から彼女を抱きしめてはクックックと笑う。

 

「あなたはっ……誰?」

 

 身体が震えながらも、愛羅は問いかける。

 

「俺はあんたのことを、ずっと見ていた。アイラ・ムーの転生者……武藤愛羅。あの魔王が戻ってくる前に、おまえを俺のものにしてやる…‼」

 

 暗闇の中でも、男はその空間を把握しているのか、男は躊躇いなく愛羅の身体を持ち上げてはベッドの上に投げる。

 

「きゃあぁ‼」

 

 身体に痛みは無いが、それでも彼女はこの後に起きることを予期していた。

 

「何をするつもりですか!?バカなことはやめなさい‼」

「あんたを慕っている俺に、そんな目をされちゃ悲しいぜ」

 

 そして、彼女を囲むようにベッドの周りに火が付いた。

 

「あ、あなたたちは…‼」

 

 そして、その前には小太りで醜い顔をした男…ガジロウが現れる。

 

「俺は、真のム(・)ー(・)の(・)民(・)さ。魔王に洗脳されたあんたを、女王に戻してやるよ」

 

 ガジロウはベッドに乗った時、火に照らされた彼は全裸であることがわかる。

 

「ケッケッケ。あんたも可哀想に、魔王の慰み者になってよぉ……。毎晩毎晩、あんな奴の相手をするのも疲れるだろ?たまには、下々(しもじも)の獣欲とも向き合ってほしいもんだぜ」

 

 これから起こることに対して興奮が抑えきれないのか、亀頭から我慢汁が垂れてはシーツを濡らす。

 そして、ガバっと覆いかぶさってはビリビリっとランジェリーを破り捨てては彼女を一糸まとわぬ姿にする。

 

「こんなことをして、許されると思っているの!?」

「あんたが許してくれりゃあ、それでお咎めは無しだ。俺は別に、魔王の下僕じゃあないんでねぇ」

 

 彼の言い分は自分に都合のいいものでしかなく、愛羅の気持ちなど完全に無視している。

 

「武藤愛羅、女王の地位を魔王に明け渡した愚か者よ。その地位がなけりゃ、おまえはただの女だ‼」

 

 逃げ道を塞がれた状態で、彼女に抵抗する術は1つしかない。

 胸元にムーの紋章を浮かび上がらせ、それをガジロウに向かって飛ばす。

 

「アイラ・ムー・ゲベート‼」

 

 女王アイラとしての力が直撃する。

 

「すぐに愚かなことを考えるのを止めなさい‼そして、ここから出て行って‼」

 

 女王の命令が、ガジロウの耳に届く。

 しかし、彼はニヤッと笑っては愛羅の豊満な乳房に手を伸ばしては鷲掴みにする。

 

「んなっ!?」

 

 彼女の驚きを他所に、ガジロウはクックックと笑いながらむにゅむにゅっと揉む。

 

「たまんねぇ~なぁ~、愛羅様よぉ。こんなでけぇもんをいつも見せつけて、俺たちを誘ってねぇってのは無理があるぜ」

「あぐっ…ううぅ‼何でっ…私の力がっ、通じない…!?」

「当たり前だろ?その力のネタは割れてんだ。あんたを女王だと思っている俺たちに、影響があるわけねぇだろ‼」

 

 武藤愛羅の絶対遵守(ぜったいじゅんしゅ)の能力。

 それは相手の精神に、彼女を自(・)身(・)の(・)女(・)王(・)として刷り込むことにある。

 そして、その女王の命令に身体は従うようになる。

 言わば、洗脳のような状態だ。

 

 しかし、元から愛羅のことを強く女王と妄信している者には通用しなかった。

 

「愛羅……俺はずっと、あんたを愛してたんだ。あんたなら、俺のことを愛してくれるだろぉ?こんなにも、俺が愛してるんだからよぉ~‼」

 

 そう言っては、その醜い顔を豊満で柔らかい乳房に埋めては擦りつけるガジロウ。

 

「あったけぇ!やわらけぇ~‼俺を包んでくれ、愛羅ぁ~‼」

 

 それは愛を求める哀しき獣か。

 否、その皮を被った淫獣に他ならない。

 

 愛羅は戸惑い、動揺し、悍(おぞ)ましい光景に目を閉じては顔を背ける。

 その態度に、ガジロウは憤りを感じては彼女の顎(あご)を下から掴んでは自分の方に向かせる。

 

「何で顔を逸らす!?そんなに俺が醜いか!?おまえまで、俺のことを否定するのかよぉ~‼」

 

 涙を流しながら憤慨(ふんがい)する彼を、愛羅はパッと目を開けては真っ直ぐに視線を合わせて言った。

 

「あなたが求めているのは、私じゃない‼」

「なっ‼」

 

 逃げ場もなく、無抵抗になるしかない彼女の言葉であるはずが、その一言はガジロウを退(しりぞ)かせた。

 

「あなたはただ、我儘で強欲な自分を受け入れてくれる相手が欲しいだけ。あなたの言う愛は、自分に都合がいいものだけでしょう!?」

 

 彼に愛していると言われても、愛羅は虫唾(むしず)が走るだけだった。

 

「私はあなたを愛してなんていない‼私が愛している人は、ダンテだけです‼」

 

 はっきりと想いを口にすれば、ガジロウは身を震わせる。

 

「うるせぇー‼黙れ、黙れ、黙れぇー‼」

 

 愛羅を押し倒しては、両足首を掴んで強引に股を開かせて膣口を露わにする。

 

「そんなにあの魔王の一物が良かったのかぁ!?このアバズレがぁ‼だったら、その愛って奴を俺にも堪能させてもらおうじゃねぇかぁ‼」

 

 亀頭を膣口に押し当て、挿入しようとしてクチュクチュと前後に動かす。

 

(ダンテ……ダンテぇー‼)

 

 心の中でダンテの名を叫べば、ピキーンっと彼に刻まれた淫紋(いんもん)が輝いた。

 

「な、何だ、これはぁ…‼」

 

 あまりの眩しさに、ガジロウは彼女から離れて尻もちをついてしまう。

 そして、淫紋から何かが飛び出しては―――。

 

 スパァーン‼

 

「ぐぁあああああ‼」

 

 ガジロウの一物が切り落とされ、ボトッと床に落ちる。

 

 そして、その何かが実体となって現れる。

 それは大鎌(おおがま)だ。

 

「これは……スローネ・サイズ!?」

 

 デビルマン・ダンテ オーバーロードの武器、魔王の大鎌。

 それが愛羅の前に現れたのだ。

 

「や、やりやがったな、愛羅ぁ‼俺の愛を受け入れられないなら、おまえなんて……殺してやるぅー‼」

 

 ガジロウは怒りに身を任せ、トカゲのデーモンへと姿を変える。

 咄嗟《とっさ》に、彼女は目の前にあるスローネ・サイズの柄を握って構える。

 

「スローネ・サイズ、私に力を貸して‼」

 

 今まで、武器を持って戦ったことなど1度も無かった。

 しかし、その手に大鎌を持った瞬間、彼女の頭に使い方が流れ込んできたのだ。

 

「死ね、愛羅ぁー‼」

 

 牙を剥き出しにして飛びかかってくるガジロウに向かって、愛羅は「うぉおおおお‼」と雄叫びをあげながら大鎌を振り下ろす。

 すると、空間を切り裂いては彼の身体は開いた穴に吸い込まれて行く。

 

「こ、これはっ…‼俺の身体が、空間の穴に吸い込まれているのか!?」

 

 必死に床にしがみ付こうとするも、真空の穴の吸引力は凄まじく、手が離れて穴の中に飲まれてしまう。

 

「ぎゃぁあああああ‼助けてくれぇー‼俺はっ、俺はこんなところでっ…‼死ぬわけにはいかねぇえんだぁああ‼」

 

 涙を流しながら悲痛な声で助けを求めるも、愛羅は冷たい眼差しを向けるだけだった。

 

「助けてくれ、女王アイラ‼俺はムーの民だぞ!?あんたは、女王なんだから俺を助けてくれるだろぉ!?」

 

 しかし、その声に対して愛羅はこう返した。

 

「あなたが言ったことを、そのまま返しましょう。私はもう、女王じゃない」

 

 それは希望にすがろうとするガジロウの心を、完全に打ち砕いた。

 そして、ガジロウが空間の穴の底に消えた瞬間、切れ目は塞がった。

 

 敵の姿が消えたことで、緊張の糸が切れる愛羅。

 床から崩れては、肩で息をする。

 

「はぁ…はぁ…‼」

 

 スローネ・サイズは光となり、彼女の淫紋へと戻った。

 

「彼は……悪魔の力を持っていた。そして、魔王ダンテのことを認めていなかった。もしも、この状況で悪魔の力を持った者たちが反乱を起こしたら……」

 

 愛羅は自身の身に起きた危機よりも先に、未来の不安が頭を過ぎった。

 

「やはり、早々に手を打たないといけないわ。ダンテの、王の道のために…‼」

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