DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
破壊の皇帝の力を持つデビルマンと、地獄の王の力を持つデビルマンが地上で対面する。
1人は大切な者を守るためだけに。
1人は自身の野望を阻む者を排除するために。
デビルマン・レクス、白藤龍一は俺の名を聞き、下から目線で睨み付けてくる。
「デビルマン・ゼロ?……そんな悪魔は聞いたことがない。しかし、その地獄の業火を消しさる力は脅威。君は排除しなければならな対象だ」
「おまえに倒されるほど、今の俺は弱くねぇぜ」
翼をはためかせて空を飛び、白藤に拳を突き立てて突撃すれば、奴も拳で返してくる。
2つの拳が激突すれば、その衝撃で周りの道路や建物に大きなひびが入る。
「何て力なの……!?これは白藤隆一だけでなく、明人もデーモンの力を超えているわ!!」
ジュンさんは俺たちの間に入ることができず、立っているのがやっとの状況だ。
レクスが黒炎で燃やそうとするが、それを俺は両腕で振り払うだけで消去する。
そして、拳に意識を集中すれば、左腕をドリル状に回転させて顔面を殴る。
「ぐっぶぁあああ!!!」
回転しながら吹き飛んでビルの壁に衝突するが、白藤はクククッと笑う。
「やはり……君は俺と同じなんだなぁ」
その目からは俺への怒りを感じ、それは恨んでいるようでもある。
それが俺の心理を蝕み、得体のしれない闇に苦しめられる。
「俺は……おまえとは違うっ!!」
「そうだね。俺たちは違う。違う考えを持ち、違う目的で動いている。だからこそ、君が欲しかった。我らのデビルマン軍団に」
デビルマン……軍団?
その名前は、不動明が率いていたデビルマンだけで構成されている組織の名称だ。
それを、どうして白藤が……。
それに今、こいつは我らって……!!
俺の予感を肯定するように、背後から敵意を察知した。
「ダイヤモンドカッター!!」
「サンドボール!!」
背後から迫る攻撃に、俺は翼を使って防御する。
その先には、光沢のある硬質的な身体をした人型の者と、ワニの頭をした茶色い獣人が立っている。
「おまえたちも……デビルマンなのか!?」
「そうさ。俺たちは、隆一の思想に対する同志、デビルマン・モードス」
「同じく、デビルマン・ダイル」
明らかに、この2人のデビルマンも俺の敵だ。
そして、デビルマン・レクスとケルベロス。
俺とジュンさんだけでどうにかできるのか。
いや……しなければならないんだ。
「ジュンさん……あの2人のデビルマンの相手をお願いします。俺は白藤を止めます」
「その方が良さそうね」
2人並んで構えれば、レクスたちも改めて戦闘態勢に入る。
数では劣っているが……大丈夫だ、ジュンさんは強い。
俺だって、今ならレクスに対抗できる。
俺たちは同時に接近し、拳をぶつけようとする。
しかし、その瞬間……赤い閃光が走り、敵味方全員がダメージを受ける。
「んぐっ!!……この赤い光……まさか!?」
俺だけでなく、ジュンさんやレクス、他のデビルマンも驚愕の表情を浮かべている。
全員、その紅蓮の鎧を纏う脅威を知っているのが伝わる。
奴に接触し、生き残れた者ならば、その殺意の重さと恐怖を身をもって理解しているはずだ。
そのデーモンは空から俺たちの間に降り、こちらとレクスたちを交互に見る。
『貴様ら、面白そうなことをしているじゃないか。……俺も混ぜてもらおうか』
俺は奴と目が合い、お互いに存在を確認する。
相手は俺が誰か気づいたようで、フッと笑う。
『少しはマシな面構えになったようだな、デビルマンよ』
「あんたは相変わらずのようだな……アモン」
目を離さずに言葉を交わしていると、向こうのデビルマンの1人がアモンに突撃する。
「勇者アモン!!その首、このデビルマン・ダイルがいただいた!!」
ダイルが「サンド・サイクロン!!」と叫び、アモンの周りに砂嵐を起こす。
それはアモンの外装を削っていき、全身にダメージを与えているように見えるが、奴は無表情にダイルに視線を送る。
『……雑魚が』
そう呟く間に、アモンは既に砂嵐を脱出してダイルの頭を掴む。
「あっ…!!ぐがっ……!!」
『命知らずは嫌いではない……が、貴様はただのバカだな』
アモンは容赦なく、ダイルの頭を握り潰した。
デビルマンの鎧は、容易には壊れないように頑丈になっているはずだ。
しかし、アモンはそれをいとも容易く壊したのだ。
それを見て、レクスは顔を歪ませる。
「アモン……よくも、俺の仲間を!!」
『仲間?貴様がそんな言葉を口にするとはな。ハデスの力を持つ者よ』
アモンとレクスの視線がぶつかる。
まるで、因縁の相手を見るかのような目だ。
この2人の敵対関係は、俺よりも深いと見える。
『神の操り人形よ、サタンの前に貴様を殺してやろうか?』
「サタンと同じく神に抗う愚者が。身の程を知るがいい」
アモンが高く飛び、レクスに向かって拳を突き出しながら急降下する。
それをレクスは黒炎の壁で防ぐが、一撃で粉砕され、腹部に直撃。
『これで終わりではないだろう!?』
「ああ、アモン!!」
レクスはアモンの腕を左手で掴んで固定し、拳から黒炎を放出させながら顔面を何度も殴る。
「神の運命を捻じ曲げる異端者が!!ここで滅してくれる!!」
拳を受けても、アモンは高らかに笑い続ける。
『グァハハハハハ!!!良いぞ、もっと打ち込んで来い!!それが俺の闘争本能を掻き立てる!!』
相手に怒りを向けるレクスと、戦いを楽しもうとするアモン。
アモンはレクスの拳を受け止め、頭突きを喰らわせて距離を取る。
そして、赤い光線をレクスに向かって乱れ撃ちするが、それを全て黒炎で防がれる。
俺も2人の戦闘に入ろうとした。
しかし、その前に「待つんだ、アキト」と男の声に呼び止められる。
後ろを振り向けば、そこには了さんが居た。
「了さん!?どうして、ここに!?」
「鈴谷くんから状況を聞いてな。安心しなさい、美佐樹ちゃんは彼に安全な場所に連れて行かせた。……今は、あの2人を止めなければならないって所かな」
了さんは俺とボロボロな姿のジュンさんを見れば、深く息を吐いて全身から異質なオーラを放つ。
「もはや……背に腹は代えられないな」
白い羽が背中から生え、それが了さんの全身を包めば、その姿は……あの夢の中に出てきた天使と同じ姿になる。
12枚の羽を広げ、両性具有の美しい姿。
大魔神サタン。
デーモンたちの長に変身した。
「さぁ……この茶番を終わらせようか」
展開が速くて本当にすいません。
地獄からの脅威の出現や、明人の覚醒、アモンの登場にサタンの変身と、物語も盛り上がっていますが、次で少し落ち着く予定です。
いや~、書いてて精神的に疲労が……。