DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
大魔神サタンの姿を見て、勇者アモンとデビルマン・レクスは目を見開く。
そして、デーモンはサタンに向かって突撃をしかけ、デビルマンは空を飛んで距離を取る。
「待っていたぞ、サタァアアン!!」
「アモン、悪いが今は時間がない」
自身の周りに魔法陣のようなものを数個展開し、白い光線をアモンに向かって放射して近づかせないようにする。
そして、サタンは腕を組んでレクスに視線を送る。
「初めましてと言うべきかな、ハデスの力を持つデビルマンよ」
「大魔神サタン!!神に抗いし者がもう1人だと!?」
レクスは震えながらサタンを睨み、その圧倒的存在感に攻撃を仕掛けることもできない。
アモンは光線を回避しながらサタンに拳を叩きこもうとするが、白い円形のバリアに阻まれる。
「サタン!!この勇者アモンと戦ぇええ!!」
アモンの獣のような闘争本能と復讐心は、サタンには届かない。
「話を聞くことを覚えろ。目障りだ……テレポート」
サタンがアモンに手をかざせば、奴の上下に白い円が出現し、一瞬でアモンともども消える。
そして、レクスにも手をかざして白い羽を無数に飛ばして牽制する。
「君にも今日はご退場願おうか」
「……えぇ、今日のところは流石に退散しましょう。あなたと戦うには、まだ我々も準備ができていませんので」
レクスはケルベロスとモードスを囲むように黒炎を展開し、それが消えると奴らの姿はもう無かった。
これで……何とか激戦は終わった。
俺はその場に膝をつき、変身を解除する。
「はぁ……はぁ……力を……使い過ぎたか……」
破壊皇ゼロ。
そう、頭の中の声は名乗っていた。
ゼロの本来の力に、身体が対応できていない。
脱力感で、もう今日は戦えそうにない。
何が起きても……もう、変身する力すら残っていない。
サタンの姿を見ようとすると、いつもの了さんの姿と二重になって見える。
そして、彼は何も言葉を発さずに飛鳥了の姿に戻って前のめりに倒れてしまった。
「了さん!?」
俺とジュンさんはすぐに駆け寄り、身体をゆするが反応はない。
「ジュンさん……これは?」
「アスカは無理をしたのよ。今の彼のパワーでは、サタン本来の姿になるには体力を消耗が激しいのよ。それこそ、命を削っていると言っても過言ではないわ」
「そんな無茶をしてまで……俺が力不足だったばっかりに」
「悔やんでも結果は変わらないわ。さぁ、アスカを運ぶわよ」
「は、はい……」
俺たちはこの時、確かに新しい勢力であるデビルマン軍団を退けた。
しかし、了さんが……サタンが居なければ、ここで死んでいたかもしれない。
ここからの戦い……ゼロの本来の力を使いこなせなければ、これからの世界は生き残れない。
デビルマンの存在を人間に知られてしまった以上、これまでの日常には戻ることはできない。
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世界は変わる。
あのデビルマンの姿が白日の下にさらされた日以来、あの光景を見ていた人間どもは情報を拡散したが、現代を生きる者たちがそれを簡単に信じるわけがない。
しかし、これでデーモンの存在を知られた時のための布石はできた。
そして、サタンの存在も確認できた。
我々にとって脅威と呼べる存在の1人を。
そして、特異点の本来の力も見ることができた。
自然豊かで黄色い空に白い雲という楽園のような空間の中で、あのデビルマン同士の激闘を観察していた者が居た。
そして、その者は明人と白藤のことをじっと見ていた。
「特異点と接触したか……これは神の意には無いルートだ。サタンですらも神の手の平で踊らされていたというのに、やはりこの不動明の転生者だけは思うように動かない」
特異点。
それは世界にとって本当は生まれるはずがなかった存在にして、運命のルートが存在しない異質な者。
内海明人。世界の記憶を確認すれば、奴とサタンが接触してからというもの、運命は神の定めたものからそれてきている。
これは許されないことだ。
全ては、神の意のままに……。
その者の顔はサタンと瓜二つ。
そして、黄金の鎧を纏っており、12枚の羽を広げている。
黄金の杖を手に持ち、目の前には多くの天使がひれ伏している。
「ミカエル様、地上へは何時降りられるので?」
1人の天使が名前を呼べば、その大天使はフッと薄い笑みを浮かべる。
「今は地上を混沌とさせるのはデーモンたちに任せよ。我々は神の命が下るまで観察を続ける。何……悪魔王ゼノンがまた、良からぬ動きをしてくれるさ。いつも通りにな」
そう呟くと、ミカエルの周りに4つの水晶が出現して浮く。
そこに映るのは明人、アモン、美佐樹…そして、人間の1人の少年。
「運命の導きを歪ませる特異点……神の名において、こやつらを必ず……亡き者に」
デビルマン軍団の脅威、そしてデーモン族を裏で操る神の使者たちの暗躍。
全ての動きが交錯するとき、導かれるのは運命の黙示録の再来か。
それとも、新たなる未来の可能性か。
これで第一部・完となります。
長らくお待たせして、申し訳ございませんでした。
話がデビルマンVSデーモン族というものからとんでもないスケールまで広がってきましたが、収集が付くように物語は考えてあります。
それでは、次の話からは第二部の始まりです。
デビルマン、デーモン、天使。
その争いに巻き込まれる人間たちは、どういう選択をするのだろうか。
そこに注目してもらえればと思います。