DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
夢の対決が見られるかもしれません。
世界の理から外れた存在、特異点。
アモンは言っていた、俺の選択によって世界は変わると。
それなら、俺が世界を良くする可能性もあるし、悪くする可能性もある。
責任が重くのしかかってくる。
「不動明……あんただったら、これをどう受け止める?」
学校の屋上で寝転びながら青空を見て、これからのことを俺なりに考えてみる。
あやふやで、仮定だけなら想像力でどうにでもなる。
もしかしたら、あと数秒後には核ミサイルが落ちてくるかもしれない。
もしかしたら、地球が爆発するかもしれない。
もしかしたら、あと少しすれば巨大な悪魔が表れて人間に宣戦布告することだって……それは前の世界の話か。
選択と言っても、世の中にもしものことなんていくらでもある。
何をどう選べば、この世界を救うことになるんだ。
こんな風に俺が世界について悩んでいるとしても、この世界の時間は進み続けている。
バカなことを考える奴の時間もな。
多人数で屋上に人が上がってくる音が聞こえてくる。
また面倒なことが起こりそうだ。
屋上のドアが開き、制服を着崩している男が5、6人入ってくる。
「毎日毎日こんな所に1人で居やがって、そんなに空に近づきたいなら、俺たちが協力してやるぜ?」
先頭の男が笑いながら言えば、後ろの取り巻きも下品に笑う。
毎度毎度懲りないな、この不良どもは。
「おまえらなぁ、いい加減に学習しろよ。俺に関わらないってことを知れ」
起き上がって不良たちの前に立ち、ズボンのポケットに両手を突っ込む。
「今日はやる気になれないんだよ。遊ぶなら今度にしてくれ」
「誰が遊びだ、この野郎!!これはリベンジマッチだぁー!!」
バットやチェーン、木刀などを構えて襲いかかってくる不良たち。
それに対して、溜め息しか出なかった。
———3分後。
いつものようにフルボッコにして蹴散らした。
屋上でいろいろと考えようとしたのに、邪魔されて集中が切れてしまった。
「っ、頼むから俺に挑まないでくれよ」
屋上を後にして教室に戻れば、腰に手を当てて膨れっ面で立っている美佐樹が居た。
「また授業サボってぇ、留年してもしらないぞ?」
「テストで巻き返すから問題ねぇよ。それに俺には……学校に出るよりも大事なことが山ほどある」
「それはそうかもしれないけど、1人で抱え込む必要はないでしょ?あの飛鳥って人、明人にばっかり危険なことをさせてる気がする」
「俺はそんなに危険じゃない。それに、あの人は俺以上に忙しくしてるよ」
「ふ~ん……でも、明人は無理しないでね」
「努力する」
例えば、今までの選択で間違っていないと確実に言えることがある。
それは、美佐樹に俺がデビルマンであることを伝えたことだ。
美佐樹は俺のことを受け入れてくれた。その上で一緒に居てくれている。
それがとても嬉しい。
デビルマンは孤独な戦士だと、前に了さんは言っていた。
しかし、今の俺は孤独じゃない。大切な人が居てくれる。
……白藤龍一たちは、デビルマンが頂点に立つ世界を作ろうとしている。
その理由の1つには、デビルマンとしての孤独もあるのかもしれないな。
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不良たちは痛む身体を気遣いながら起き上がり、屋上を出ようとする。
それを遠くから見る黒い影。
<クックック、コレハ利用デキソウナ悪イ人間ダ。奴ラヲ使イ、<デビルマン・ゼロ>ヲ……!!>
不良たちの背後に蜘蛛の糸が伸びていく。
そして、そのことに気づいて彼らが悲鳴をあげた時には、もう時既に遅し。
そして、学園に数体のデーモンが建物の影から現れる。
その中には、武士のような甲冑をしている大男も。
「ここに特異点が居るのか。手合わせするのが楽しみだ、デビルマン・ゼロよ」
<アナタ様ガ直接手ヲ下ス必要ハナイカト、スラムキング様>
お付きの巨大な牛人のデーモン、ウラヴァが言うが、スラムキングはクククッと笑う。
「この血の滾りを治めることができるのは、強者との戦いのみ。実力の伴う敵であることを望むものだ」
影から蜘蛛のデーモン、ラズバが現れ、学園中を蜘蛛の糸で囲む。
<コレデ<デビルマン・ゼロ>ハ袋ノ鼠。スラムキング様ハココデ朗報ヲオ待チ下サイ>
ラズバが再び影に隠れ、スラムキングは腕を組み、影から玉座を出して腰を下ろす。
「特異点……。人間を滅ぼすためには、貴様は邪魔な存在。しかし、サタン様の意志はもはやそこにはない。デビルマン・ゼロ、内海明人が消えれば、あの方のお考えも変わるはずだ。……今ここで、奴を殺さなければならない!!」
スラムキングの背後に控えていたウラヴァや多数のデーモンも影に隠れて消える。
学園は今、戦場と化す。