※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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学園内総攻撃5

 俺とスラムキングとの戦いは、実力が拮抗して互角の状態が続いていた。

 3枚の漆黒の刃を両腕から出し、長刀とぶつかり合う。

 単純な力では敵の方がこちらを上回っている。

 

 どうなってるんだ。こいつはデーモンなのか!?

 悪魔の姿にならずに、デビルマン状態の俺と互角で戦えるなんて異常だ。

 

 このままだったら、押し切られる可能性だってある。

 

「どうした、デビルマン・ゼロ。我は今、半分の力も出しておらぬぞ!?」

 

 長刀で力を押しをされ、相手の力を逃がすために1度距離を取る。

 そして、マスクのしたで俺はニヒッと笑む。

 

「そうか……悪いが俺は3割だ」

 

 可能性はある。だけど、それは半年前の俺だったらの話だ。

 生身であることに驚きはしたが、それでも俺(ゼロ)の敵じゃない。

 

 俺は足首からも刃を生成し、四肢の刃でスラムキングに迫る。

 足の刃を長刀で止められたが、すかさず両腕でラッシュを叩き込む。

 

「ゴラゴラゴラゴラゴラゴラっ!!」

 

 連打を叩き込むごとに甲冑にひびが入る。

 この鎧はデビルマンのそれとは違ってそれほど頑丈じゃないと見えた。

 

 しかし、スラムキングの笑みは消えない。

 長刀を勢いよく振り回し、風圧で俺を少し吹き飛ばす。

 

「面白いっ!」

 

 俺は右腕の刃で長刀を受け止め、左腕で殴ると見せかけてからの右足の刃で左肩の甲冑を抉(えぐ)り取る。

 肩から血を流すが、それでもスラムキングの動きは鈍らない。

 

「傷と血があってこその戦いよ!!我をもっと楽しませろ!!」

「楽しんでいるのはおまえだけだぜ、スラムキング。こっちはおまえよりも強い悪魔を知っている。奴はおまえのように戦うことを好んでいたが、おまえとは違って誇り高い戦士だった」

「ならば、貴様の次はその戦士と戦うとしようか」

「そうはならねぇよ。おまえはここで、俺が殺す!!」

 

 スラムキングが長刀を縦に振り降ろす。

 その刃を俺は両手で白刃取りし、そのまま跳んで空中で回転して踵落としを食らわせる。

 

「クラッシャー・スラッシュ(破壊者の斬撃)」

 

 足首の刃で兜が割れれば、そこから目を疑うような物が視界に入る。

 人の顔ではない。皮膚を全て剥いだかのように、筋肉だけが剥き出しになっていた。

 甲冑とマスクが、皮膚の役割をしていたのか。

 

「おまえは……スラムキング、おまえは一体……!?」

「フッフッフ……兜は他の部位よりも頑丈に作っていたはずなのだがな……しかし、今となってはもうどうでも良いことだ。これ程までに我を追い詰めた貴様に敬意を表し、わが本来の姿で相手をしてやろう」

「本来の姿……だと!?」

 

 スラムキングの甲冑がボロボロと砕けて行く。

 そして、その身体はより巨大になり、両腕から黒い翼が生える。

 

「見せてやろうぞ、スラムキングの……いや、我が真名、悪魔王ゼノンの姿をぉお!!!」

 

 筋肉の頭の左右に顔が現れ、それぞれ別の顔をしている。

 そして、前にも3つめの悪魔の顔が浮かび上がり、胸にも獣の顔が浮かぶ。

 前進が漆黒の巨大な、恐怖の象徴。

 

「悪魔王……ゼノン!?」

 

 俺の身長の5倍の大きさのゼノンがその両腕の翼を動かすと風圧で学校中の窓ガラスが割れ、中に居た者たちには敵味方問わず被害が及ぶ。

 このままでは、建物が崩壊しかねない。

 

 漆黒の翼を広げ、俺はすぐに天上を突き破って屋上に出る。

 ゼノンは俺を追いかけ、翼をはためせる。

 

<空中戦を選ぶとは、貴様の甘い考えが目に見えるわ。仲間を傷つけたくない、その思考は憎き不動明そのものよ>

「おまえも俺の前世を……でも、憎いってどういう意味だよ」

<サタン様は人類を滅ぼそうとしていたが、不動明を愛してしまったがために計画に狂いが生じた。不動明をデビルマンにしてしまったことで多くの同胞を失ったのだ。人類が滅んだ後も、デビルマンは我らの天敵となった。すべては、不動明に我らの力を与えたことから始まったのだ!!>

 

 ゼノンは翼を広げ、黒く光る粒子が出現して襲い掛かかってくる。それは空中で引火して爆発する。

 俺は空中で回避しながらも言葉を交わした。

 

「今までの世界の中で、人類は何度も滅亡している。何度も、誰かにそうするようにプログラムされてるかのように何度もだ。その人類を滅ぼそうとする意志は本当におまえの意志なのか、ゼノン!?」

<そうだ。そして、これが本来のサタン様のご意志でもある>

「サタンはもう、人類を滅ぼそうとはしていない!!おまえは、サタンの意志を誤解している!!」

<違う!!貴様を殺せば、あの方も我らデーモンの本来の目的を思い出すはずなのだ……デビルマン・ゼロ、内海明人!!不動明の転生者である貴様を殺しさえすればなぁ!!>

「っ……!!それは、ただのおまえの願望だ!殺意から生まれる欲望だ!!」

 

 逃げるのを止めて粒子の爆発の中に突っ込み、ゼノンの前の顔面に右拳を叩き込む。

 しかし、それではゼノンは怯まず、俺の身体を掴んで握りつぶそうとする。

 

<貴様に何がわかる!?我々はこの母なる地球に古くから生きる者として、醜き欲望の塊である人間を排除すると言う使命があるのだ!!この美しい自然豊かだった地球のために、余計な汚物である人間を……!!>

「おまえらが……それを言うのか!?」

 

 両腕の刃で出した状態で回転し、ゼノンの腕から脱出する。

 

「おまえらデーモンとて神から存在を否定されてきたはずだ。神から生み出された者だというのに!!人間も地球から生み出された自然の一部だ。それを滅ぼすということが、おまえらの愛する地球を滅ぼすことと同じだと言うことを……何故わからない!?」

 

 ベルトのマークを1回転させ、全身から高密度の熱光線を発射する。

 

「クラッシャー(破壊者の)……ビィイイイム(光線)!!!」

 

 熱光線はゼノンの身体を貫通させ、地面に落下していく。

 

<グァアア!!!……これが……神の意志に反逆する者の……力っ!?しかし……!!>

 

 ゼノンの身体は修復し、翼を広げて落下を止める。

 

<この命、まだ貴様にくれてやるわけにはいかんのでな。我が悲願、人類滅亡のために!!>

「その悲願、俺が止める!!」

 

 俺は翼をはためかせて下に、ゼノンは上に飛び、拳が激突する。

 

 

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 冬夜はウラヴァと戦いながら、敵の頑丈さにマスクの下で苦笑いをする。

 手持ちの技を全て使い、目の前に居る牛頭のデーモンの頭以外を分厚い氷で凍らせ、もう余力が残っていない。

 

「まさか、俺の技を何度も受けて立っていられるなんて……どんだけの化け物なんだよ、あんた」

<貴様コソ……俺ニ傷ヲ付ケタ者ガ………っぶ……居たとはな>

 

 声が変わった。

 そして、ウラヴァは冷たくなった全身から熱気を放出し、二クスの氷を溶かした。

 

「いやぁ、驚いた驚いた。レクスの命令でデーモン側に潜入していたら、思わぬ収穫があったな。俺の名はデビルマン・ウラヴァだ。デビルマン・二クス、その強さを見込んで俺たちと一緒にデビルマン軍団に招待してやろうか?」

「……冗談だろ」

 

(2重の意味で。まさか、デーモン軍団の中にデビルマン軍団のスパイが入り込んでいたなんて。そして、俺を誘ってくるとか考えられるわけないだろ)

 

 命が惜しいのなら、ここですぐにでも誘いに乗っただろう。

 しかし、今の冬夜はそんな愚かな選択をするほど精神は弱くない。

 

「悪いけど、お断りだね……。俺は今の世界に満足している。何かに優劣を付けるなんて、窮屈で仕方がない」

 

 最後の力を振り絞り、両手を前に十字に構えて臨戦態勢を保つ。

 

「仲間のため……大切な者を守るために戦う。それが本来のデビルマンの姿だろ。俺は……おまえのご主人様が邪魔者呼ばわりする、俺を解放してくれた仲間からその姿勢を学んだぜ」

「……理想だけでは、こ(・)れ(・)か(・)ら(・)先(・)の(・)弱(・)肉(・)強(・)食(・)の(・)世(・)界(・)を生き残れないんだよ!!」

 

 ウラヴァが全身から紅蓮の炎を発し、二クスに突撃してくる。

 

「俺たちの仲間にならないなら、消えてもらおうか!!」

「刺し違えてでも……倒す。……アイシクルブレイド!!」

 

 冬夜は巨大な氷の剣を生成し、ウラヴァを迎え撃とうとする。

 ウラヴァの角と二クスの剣が衝突しようとした瞬間、牛頭のデビルマンの頭に声が流れ、彼は二クスと急停止して距離を取った。

 

『ウラヴァ、もう良い』

「レクス……しかし」

『良いんだ、おまえにばかり負担は背負わせられない。……俺ももうじきそちらに到着する』

「……了解した」

 

 ウラヴァは窓のふちに足をかけ、冬夜を見る。

 

「おまえとの勝負は預けておくぞ、デビルマン・ニクス。今度は殺してやる」

「こっちのセリフだ、おまえの名前は覚えたぞ」

 

 もう動く体力も無く、ウラヴァが撤退するのを見逃してしまう。

 そして、奴が去ったと同時に冬夜は倒れてしまった。

 

(クソッ……こんな所で倒れている場合じゃないのに……。早く……伝えなくては……デビルマン軍団が……来ていることを。この戦いは……何か……予期していなかったことが……起こるっ!!)

 




 デーモン軍団だけでなく、デビルマン軍団も出てくるこの学園内戦争。
 この戦いに終止符が打たれる時、今までの神の定めた正史が塗り替えられる。
 計画を練る者は複数存在すれど、結末は誰も……予期できない。
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