DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
あの白い鳥みたいな怪物が突然表れてから、約1週間が過ぎた。
自衛隊は数で覆そうとするが、戦車や戦闘機を使おうと、謎の爆発と街を焼き尽くすほどの威力がある光線によって一瞬で武力は無と化してしまう。
怪物の活動時間は精々3時間程度。それが過ぎれば、地面に降りて球状のオーラを展開して活動を停止する。
その間に怪物を倒そうとする動きもあったが、人間の科学力を駆使した武器ではオーラの殻に傷1つ付けることができなかった。
1日に3時間起こる破壊行為に怯える毎日。
報道機関は日本政府の報告や怪物の動きをずっとメディアを通して放送している。
日本政府は何も知らないの一点張りだが、その別の意味で動揺した態度に国民の疑念は晴れない。
そして、問題はあの怪物だけじゃない。
あれは怪物が現れてから3日後のことだった。
まるで怪物が暴れだしたことで機が熟したかのように、身を隠していたデーモンが次々と姿を現しては人間を襲い始めたのだ。
大人、子どもを問わず、食い殺されていく。
男は有無を言わさず殺され、女は散々に犯された後に殺される。
自衛隊が銃火器を使おうとも、それはデーモンの強靭な肉体には意味をなさない。
1日経つごとに、怪物やデーモンによって日本の人口は多く減少していく。
人類の力では、もはや怪物やデーモンに対抗する手段はありはしない。
実質的に、日本は一週間もしない内に崩壊したのだ。
その最悪な地獄のような状況の中でも、希望の光はまだ消えてはいなかった。
そこは怪物の破壊行為によって廃墟とかした街。
まだ人間は残っているが、それよりもデーモンの数が多い。
そして、今、小さな子どもの姉弟がデーモンから逃げている。
追いかけているのはトカゲとトンボのデーモンの2体。
<今日ハ若クテ柔ラカイ肉ガ食エソウダゼェ>
<女ハ俺様ガ頂ク!!>
姉は弟の手を引いて全力で走るが、それでもデーモンとの距離は縮まっていく。
「早く走って!!」
「お姉ちゃん!!」
姉弟の上空を、異形の形をした赤い戦闘機が飛ぶ。
この戦闘機の名はカイザーパイルダー。
その中に居るのは、1人の男と1体の女性型アンドロイド。
アンドロイド……ミネルバXが俺を呼ぶ。
「甲牙さん、所定の位置に到着しましたが、問題が起きています」
「……問題?何があった?」
「着陸地点に人間の生命反応とデーモンの生命反応を確認しました。どうしますか?私が排除しましょうか?」
「いや、俺が行く。ずっとこの中に座りっぱなしだったからな、軽く運動がしたい」
「わかりました。お気をつけて」
ハッチが開き、俺は座席から立ち上がって下を見る。
そして、パラシュートも着けずにパイルダーから飛び降りた。
下からの風圧に押されながら、左手首に着けているZのマークがある青黒いブレスレットを右手で掴んで叫ぶ。
「マジン……ゴー!!」
青と黒の強い光に包まれ、それが消えると赤いマントを広げた青い鎧の魔神が現れる。
マジンカイザー、人類最後の希望である。
地上に地響きを起こしながら着地すると同時に、胸のZマークから剣を取り出す。
「カイザーブレード!」
人間の姉弟は背後に居り、目の前には醜いデーモン2体。
「悪魔どもよ……おまえたちの好きにはさせない」
デーモン2体は立ち止まり、俺を見て目を見開く。
<オマエハ……噂ノ青イ剣士カ!?>
<青イ剣士ガ何故、ココニ!?>
「おまえたちを殺すためさ!!」
青い剣士。
俺が主に魔神カイザの技ではなく、カイザーブレードのみで戦うためにそういう異名が付いてしまった。
悪くはないが、正式名称で覚えてほしいもんだぜ。
カイザーブレードを振るい、すれ違いざまにデーモン2体を真っ二つに切り裂く。
あのデビルマン2体の襲撃の日以来、危険と言う危険を感じたことは無い。
日本中を脅かしている白い怪物も俺が倒すと言ったんだが、爺に止められている。
まだ、あれを倒すための決定打となる物が完成していないらしいのだ。
襲いかかってきたデーモンを俺が切り伏せたことで安心したのだろう。
姉弟が俺に近づいてくる。
「あ、あの……助けてくれてありがとうございました。なんとお礼を言えば良いか……」
「礼なんて要らない。俺はおまえたちが人間だから助け、相手がデーモンだから殺しただけだ」
剣を胸に戻し、変身を解いて2人を見る。
「さっさと行け、俺に構うなっ!!」
威圧する視線を送れば、2人とも身体を震わせる。
そして、姉と弟は俺の目に怯えながら走って去っていった。
今の俺に、他人を気にしている余裕はない。
デーモンへの怒りに燃えたぎっているのだ。
地図を確認しながら、俺は目標地点に向かって歩き始める。
「……待ってろ……みんな」
あれは怪物が現れて3日後のこと。
そう、デーモンどもが日本中にその姿を現した日だ。
当時、俺は学校に居なかった。
光子力研究所に居て、爺と共に敵であるデーモン族の研究に協力していたのだ。
その時に突然、多くのデーモンが研究所に集まってきて、魔神カイザの力で雑魚のデーモンどもを切り伏せていた。
だから、その事実を知ったのは後の話だった。
強大なデーモンたちが、俺たちの住む街を占拠していたということを。
街の中には、弟のシローや幼馴染の弓さやか、悪友のボスたちも居る。
周りには協力なドーム状の結界が張られていて、人間の力では入ることができない。
入ることができるのは、悪魔の力を持った者と……爺の計算ではカイザの力を持つ俺も入れるようだ。
俺は遠くからでも見えるドーム状の結界を睨みつける。
廃墟の街に着た目的は、結界の周りにはデーモンどもの警戒態勢が敷かれており、乗り込めばすぐに結界内が混乱してしまうからだ。
俺1人の隠密作戦。
俺の街を脅かしたデーモンどもは1匹残らず俺が殺す。
はい、ここからは甲牙くんの視点になります。
明人の暴走で日本が崩壊してしまい、新しい恐怖の日常が始まる。
それに人間はどんな選択をしていくのか、暴走した明人はどうなってしまうのか、それぞれの思想は、それに注目してほしいと思います。