※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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正義

 廃墟の街を1人徒歩で進み続けると、人間が堂々と歩いている姿に条件反射の犬のように何匹もぞろぞろと物陰や倒壊した建物の陰から現れては襲いかかってくる。

 数にして30匹。

 俺はマジンカイザーになり、胸からカイザーブレードを抜き出して1匹1斬で切り伏せる。

 

「全くよぉ……ずっと隠れていた奴らが急に頭に乗りやがって我が物顔でよぉ……人間を……嘗めんじゃねぇぜ!!」

 

 最後の1匹まで斬殺し、返り血を浴びてもそのまま進み続ける。

 そして、進み続けていると人間の男が女を強姦している光景が見える。

 猿のように生きり立ち、嫌がる女の服や下着を無理やり剥いでバックから肉棒を入れて腰を激しく振っている。

 

「やっ!いやっ!やめっ……てぇ!!」

 

 それを見て、その声を聴いて、カブトムシの姿をしたデーモンが止めに入る。

 

<やめろ!!嫌がってるじゃないか!?それでは悪魔と同じだぞ!!>

 

 デーモンが男の肩を掴んで離せば、彼は腰を抜かして震える。

 

「あ、悪魔ぁ!?……や、やめてくれ!!殺さないで!!」

<待て……そんなに震えるな。私は君を殺すつもりはない>

 

 必死に落ち着かせようとするデーモン。

 それを見ただけで、俺はするべきことを全うしようとブレードを右手で握ったまま近づく。

 そして、気配も感じさせず、無言でデーモンの首を切り落とした。

 

<えっ……>

 

 返り血が飛び、その場に居た2人にかかる。

 俺も悪魔だと思ったのか、男は震えながら後ろに後づ去り、腰を低くしながら逃げて行った。

 女は動けず、じっと目を見開いて俺を見る。

 

「どう……して?悪魔を殺したなら、あのクズ野郎も殺してくれれば良かったのに!!」

「……どうして、そうする必要があるんだ?」

「私を無理やり犯そうとした最低男よ!?生きてる価値は無いっ!!殺してよ、あんな奴!!」

「そう思うなら、俺に頼らずに自分の手で殺せ。自分の手も汚せないくせに、殺せとか言ってるんじゃないぜ」

 

 ブレードを胸のマークに仕舞い、マントを翻してデーモンの死体を見下ろす。

 

「俺の行動理念はただ1つ。人間ならどんなクズ野郎でも救い、悪魔の力を持った者なら良心の塊のような奴だろうと殺す、1人残らずだ。それが俺の…正義だ」

 

 それだけを言い残し、女にマントを切り取って羽織わせてその場を去る。

 廃墟の街を出ることには成功した。

 だけど、問題はここからだ。

 デーモンの奴らと必要以上に交戦することは避けるように爺から言われており、身を隠しながらこの先にあるドーム結界の中に入らなければならない。

 

 その後も、ドーム状の結界に近づくにつれて、デーモンがゴキブリのようにぞろぞろと現れたが、それを全て無感情で切り伏せて進み続けた。

 そして、ドームの結界の前まで近づくことに成功した。

 この中で何が起きているのかはわからない。

 だが、俺がやらなければならないことは決まっている。

 

 頭の中に弟のシロー、幼馴染の弓さやか、悪友のボスたち3人の顔が浮かぶ。

 

「待ってろ、みんな。今、俺が助けるからな」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 ドーム結界の中は、既にデーモン族に支配されていた。

 中に居たボス、ムケ、ヌチャはマンホールの下の下水道に身を隠していた。

 学生服はボロボロで、所々に切り傷が見える。

 

「はぁ……はぁ……畜生、クソォ!!どうして……どうして、こんなことが起きてるんだよぉ~~!!」

「ボシュ~、そんなに大きな声を出したら、外に聞こえてしまいましゅよ~」

「うるせいやい!!おまえにはこの悔しさがわからねぇのかよ、ヌチャ!!」

「そりゃ、悔しいでしゅけど……あんなの化け物相手にケンカを売るなんて無理でしゅよ~、殺されちゃいましゅよ~!!」

「俺たち死にたくねぇっすよ~~!!」

 

 ムケとヌチャが泣き出し、ボスの目にも涙が浮かぶ。

 彼らは1週間前からずっと、デーモンから逃げ伸びてきた。

 その逃亡生活の中では、自分が生き残るために助けることができなかった人も多く存在する。

 醜く、残忍なデーモンの殺戮行為をずっと見て見ぬふりをすることしかできなかった。

 

「畜生……さやかも奴らに連れて行かれて……一体、何時までこんなことが続くんだよぉ~!!」

 

 

 5日前。

 デーモンが突然姿を現し、人間を無残に殺し始めた。

 食い殺した者居た、身体をバラバラにして殺した者も居た、ただ殴り続けて殺した者も居た。

 それも嬉々として、殺すごとに快楽を得ているような顔をするのだ。

 

 そんな中、女だけはデーモンが捕獲してどこかに連れて行くのだ。

 誰かにそう命令されているかのように。

 その中にはさやかの姿もあり、大人しく巨大なデーモンに従ってついて行くのをボスたちは目撃した。

 今、集められた女は全て、街の象徴である一番高い電波塔サターンタワーに集められている。

 そこで何が起きているのかは、ボスたちは知らない。

 

「こんな時に……兜のバカは何をしてるんだよ!?外はどうなってるんだよ!?どうして、どれだけ経っても助けが来ないんだよぉおお!!」

 

 結界の中は外同様に……いや、外以上に地獄のような崩壊した光景が広がっている。

 兜甲牙……マジンカイザーの到着は、希望の光となるのだろうか。

 




甲牙くんの定める正義は、人類のためだけの正義。
それは本当に正しいのか、その正義を邪魔することができる者は……。

正義とは太陽ではなく、空に浮かぶ星々のようなものなのだ。
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