DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
電波塔の前まで来たが、様子がおかしい。
ほかの所よりもデーモンの数が少ない。
しかし、他よりはと言うだけで畜生どもの勢いがないわけではない。
数で俺を殺そうとしているのが見て取れる。
1匹1斬で前に進むが、それでも体力は余計に削られる。
一騎当千を繰り広げるが、デーモンどもの肉の壁が厚過ぎる。
こうなったら、魔神の力を使うしかない。
フルフェイスの兜の口の部分に力を集中させ、前方の畜生どもに向けて巨大な竜巻を口のスリットから複数放射した。
「ルストトルネード!!」
デーモンの群れを風化させ、その出力が強すぎて目前のタワーの側面を少し削ってしまう。
そして、その部分を見るとマスクの下で目を見開いてしまう。
「あれは……そういうことか!?」
側面を削ったがために電波塔の中が見えており、上の階に多くの女が居た。
捕獲された女たちは、この中に閉じ込められていたのだ。
俺は女たちを助けるために、目前の電波塔に向かって、ルストトルネードによってできた一直線の道を塞がれる前に全力で走る。
だが、すぐにデーモンが俺の前に立ちふさがってくるのだ。
それを切り捨てている間に、また余計な時間がかかってしまう。
カイザの技は威力が強すぎるため、電波塔に余計な衝撃を与えないために使えない。
このままだと、多くの犠牲が生まれるかもしれない。
早く助けに行かなければ……!!
デーモンの肉の壁に歯がゆさを覚えていると、後ろから何かが風を切る音が聞こえ、そのまま前方のデーモンに直撃して爆発した。
それは直前に見えたがミサイルだった。
ただのミサイルがデーモンに通用するはずがないことはわかっている。
しかし、ミサイルの爆発に巻き込まれたデーモンたちは微塵になっていた。
「これは……一体……」
想像を超えた光景に唖然としてしまうと、後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。
「お~い!!兜~!!」
「甲牙さん、ご無事ですかー!?」
「ボス!?それに……ミネルバ!?」
反応して後ろを振り向けば、そこには一体の巨大なロボットの姿があり、そのギャグマンガのような頭の上にミネルバが乗っていた。
もう片方の手にはミサイルランチャーが握られている。
「な、何だ!?そのヘンテコなロボット!?」
「助けてもらっておいて、ヘンテコだとこの野郎!?この俺様が作り出した、ウルトラスーパーグレートマシン、『ボスボロット』を嘗めんなよ~!?」
ロボットから声が聞こえたところから、中で操縦しているのはボスなのだろう。
「ボシュ~、やっぱりそのネーミングシェンシュはないでしゅよ~」
「カッコ悪いっすよ~」
「私もお2人に同感です」
やれやれと言った顔をするミネルバと、ボスボロットから聞こえる聞き覚えのある2つの声。
あ、やっぱりそのダサい名前はボス1人で考えたんだな。
でも、見た目からその名前がしっくりきている所が不思議だけど。
それよりも、気になることがある。
「さっきのミサイルは何だよ!?悪魔に通用するのは光子りょ……まさか!?」
「はい、このボロいロボットを完成させるために、カイザーパイルダーの光子力を供給しました。デーモンにもギリギリ太刀打ちできます。……だから、甲牙さんは電波塔の中に進んでください!!さやかさんが中で戦ってるんです!!」
「……さやかが!?」
俺はすぐに電波塔を見る。
悪い予感はしてたんだ。
まさか……そういうことかよ。
動揺を隠せずにいると、ボスボロットのスロットの隙間からボスが出てきて俺を一点に見る。
「兜!!」
「……ボス……」
「ボロットじゃ電波塔の中にはデカ過ぎて入れねぇ……だから、おまえのその変にカッコ良い格好がどうとか、おまえの身に何があったのかはこの際どうでも良い!!ここは俺とミネルバさんに任せて、早くさやかを助け出してこい!!」
「……わかったっ。頼んだぞ、みんな!!」
俺は先を進み、前のデーモンをカイザーブレードで薙ぎ払う。
「そこを……退けぇええ!!」
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さやかはあしゅら男爵と対峙しながら、地震の後ろの女性たちの数を確認する。
まだ多い、100人も切っていない。
レイピア2本であしゅらの左腕の袖から次々と出てくる触手を切り落として距離を詰めていくが、それでも少しずつでしかない。
あしゅら男爵は不適な笑みを浮かべている。
<<所詮人間など、この程度。我々、悪魔の力を持つ者には遠く及ばぬわ。疲れが見えてきておるぞ?そろそろ膝をつき、我らに屈服するが良かろうに!>>
「誰が……あなたたちに屈するもんですか!!」
スーツの力を極限まで発揮して高速でレイピアで触手を切り刻み、あしゅら男爵に突撃する。
そして高く跳び、あしゅら男爵の頭上を取る。
<そんな!?>
<ぶぁかな!?>
あしゅらは驚愕の表情を浮かべて固まってしまい、さやかはそのままレイピアを振り下ろしながら着地する。
「あしゅら男爵、覚悟!!」
レイピアで両断される直前、あしゅらは悪い笑みを浮かべる。
さやかがレイピアで、あしゅら男爵の身体を真っ二つに縦に両断した。
そう、誰もが、普通ならさやかがあしゅら男爵の身体を縦に両断したと思うことだろう。
しかし、さやかは切った手ごたえを感じなかった。
そして、その場に居たデーモンは全員フフフッと笑うのだ。
<だから人間は>
<我らを超えられないのだ!!>
あしゅらの半分ずつの身体は片足だけでバランスを取り、その間に居るさやかに両端から目を向ける。
それぞれの割れ目からか大きな棘が出ており、そこからヂリヂリっと稲妻が発生する。
<<くらえい!!>>
発生した電気が、さやかに流れ出した。
「うわぁあああっ!!!」
電撃がさやかの全身に走り、それが収まった時に彼女は前に倒れてしまった。
意識は薄れかけ、身体は痺れで動かない。
(デーモンを普通の生き物と同じと見ていたのが間違いだった……まさか、分裂するだなんてっ…!!)
あしゅら男爵はさやかに近づき、左腕の触手で彼女を持ち上げる。
<これが結果だ>
<受け入れるが良い>
<<人間は、我ら悪魔の力を持つ者に勝てはしないのだ!!>>
触手で器用にさやかのバトルスーツを上から下まで全て脱がして全裸にすれば、あしゅら男爵は高らかに笑い、それに周りのデーモンも共鳴する。
<<決闘は終わった、私の勝利だ。……おまえたち、あの女どもを犯すなり殺すなり、好きにするが良い>>
デーモンたちは、まだ残っている50人弱の女によだれを垂らしながら近づいて行った。
ボスボロットさん、登場!!
今回はボスの甲牙を送り出す時の言葉が男気が合ってカッコいい!!
そして、さやかちゃん、ピーンチっ!!
つか、あしゅら男爵さん、分裂できるんかい!!とツッコみがあるかもしれませんね。
さてさてさ~て、甲牙くんは間に合うのか!?
……ちょっとだけ、準主人公っぽくなったんじゃないかなぁ……