DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
電波塔サターンに入れば、多くの女がデーモンに囲まれていた。中には床に血まみれで転がっている者も居る。
中には外以上にデーモンがはびこっている。
これで外のデーモンが少なかった理由がわかった。
さやかが戦って騒ぎを起こしたがために、この中にデーモンが集まっていたのか。
そして……そのおかげで、俺は容易に結界内に潜入することができたという事か。
知らずにいただけで、さやかにもサポートされていたということだ。
ここでさやかを死なせたら、俺は自分で自分が許せなくなる。
カイザーブレードでデーモンどもを切り刻んで女性たちを救出するが、俺の見た目に恐怖を抱いているのが見て取れる。
女たちにしてみれば、人間ではない異形な者は全て悪魔と同類と言うことか。
気に入らないし、イラつくな。
だが、そんなことを気にしても仕方がない。
変身を解かず、そのままの姿で女性たちに近づく。
「俺は人間を殺さない。おまえたちに危害を加えるつもりは毛頭ない。聞きたいことがあるだけだ」
「……聞きたい……こと?」
先頭の女性が復唱するので、それに頷く。
「おまえたちを助けた女戦士が居るはずだ。どこに居る?」
「……私たちが下りたのは……確か、30階です。あの人が……私たちを逃がすために1人で……」
「それだけわかれば十分だ。ありがとう」
すぐに向かおうとすれば、その前に「あ、あのっ!」と声をかけられる。
「あ、ありがとう……ございました。助けてくれて」
「……それは俺じゃなくて、俺が今から助け出す女に言うんだな」
それだけ言い残し、エレベーターを待っている時間はないので30階に階段で急いだ。
待ってろよ……死ぬんじゃねぇぞ、さやか!!
階段を上っている間も、デーモンが現れては襲いかかってくる。
カイザーブレードだけでなく、腕の鎧の側面を回転させて高威力で粉砕する。
「カイザーナックル!!……鬱陶しいんだよ、邪魔だぁあ!!」
デーモンの厚くて高い肉の壁に、そのまま全身に力を入れて全力で突進していく。
「ダイナマイトタックル!!」
力が沸き上がってくる。
力の調整の仕方が、頭に流れ込んでくる。
一気に30階まで上り切れば、そこに居たのは巨大なデーモンの群れ。
そのデーモンに犯され、食われている女たち。
そして、男と女の顔を半分ずつにした悪魔。
その左手の触手に全身が絡まれている全裸の女は……。
「さやか!?……貴様らぁ……!!」
中央に居た男女の悪魔が、不気味な笑みを浮かべて俺を見る。
<<その姿……そうか、貴様があの方のおっしゃっていた、マジンカイザーか>>
「俺の真名を知っているようだな……だが、そんなことはどうでも良いぜ。さやかを離せ、さもなければ殺す」
カイザーブレードを握ったまま近づけば、悪魔はさやかの身体を締める触手をきつくする。
「っ!!…うぅ!!」
<<良いのか?マジンカイザー。この女は仲間なのだろう?この触手には刃が仕込んである。おまえがそのまま近づけば、この娘の身体を百の肉片に切り裂くことになろうぞ>>
それを聞き、動揺で足が止まってしまう。
<<そのまま動くなよ?さぁ、デーモンどもよ。あしゅら男爵の名の下に、マジンカイザーを攻撃せよ!!>>
あしゅら男爵の号令で、デーモンの群れが己の獣欲を後にして俺に襲いかかってくる。
<<動くなよ、マジンカイザー!!貴様の首は、私があの方……暗黒代将軍様の下に持っていくのだからな!!>>
無抵抗のまま攻撃されても、カイザの鎧に傷1つ付けることは不可能だろう。
それなら、答えは決まっている。
襲いかかるデーモンの群れをカイザーブレードで光速で一掃し、そのままあしゅら男爵の触手を斬撃波で切り落とした。
<<き、貴様!?>>
あしゅら男爵が驚いている間にさやかを片手で抱えて回収し、そのまま奴を裏拳で吹き飛ばす。
さやかは疲れ切った目で俺のことを見上げる。
「……甲牙くん……。助けに来て……くれたのね」
「か、勘違いすんな!ただの成り行きだ……。すぐに片づける、待っててくれ」
背中のマントを千切ってさやかの身体に巻き、そのまま柱に身体を預けさせる。
そして、あしゅら男爵に身体を向ける。
「俺に人質なんて通用しない、強いからな。おまえがどうこうする前に、必ず助け出す。時間稼ぎにもならなかったな」
<<それほどまでの力を持ちながら、どうして人間の味方をする!?貴様ほどの力ならば、我らデビルマン軍団暗部になれるものを>>
「デビルマン軍団?悪魔と何が違うんだよ。悪魔の味方をするなど、笑止!!悪魔は全て殺し、人間は守る。それ以外の答えはない!!」
あしゅらに向かっていけば、焦った表情で右手から電撃を放ってくるが、それを受けても痛くもかゆくもない。
「それがどうしたぁああ!!」
目の前まで迫ってカイザ―ブレードを縦に振るえば、奴の身体は左右に分裂する。
気持ち悪さに一瞬ひるんだが、すぐに立て直して目に光子力を集中させ、男の方に光線を放つ。
「光子力……ビームっ!!」
<何!?>
予期していなかった攻撃に対応できず、あしゅらの男の部分は直撃してしまい、すぐにまた1つの身体に戻る。
男の方の顔に、火傷の痕ができる。
<<ぬぅう……ゴーゴン大公は居らず、戦力も大幅に削がれた今、貴様と戦っても勝機はない。次の戦いまで、貴様の首、預けておくぞ、マジンカイザー!!>>
怒りの表情で後ろから外に落ちていきそれを追って地上を見たが、あしゅら男爵の姿は無かった。
「……デビルマン軍団。そう言えば、研究所を襲ってきた2人の名前……デビルマンって名乗っていたな。どうでも良いが」
あしゅら男爵が消え、街のデーモンも粗方倒せば、周りを覆っていた巨大なドーム状の結界が消えた。
「私たち……勝ったのね、悪魔に」
さやかがマントで前を隠しながら、俺の隣に立つ。
下を見ると、ボスボロットとミネルバがデーモンを全て倒し切り、俺たちに向かって手を振っているのが見える。
「……ああ。だけど、これで終わりじゃない」
結界で見えなかったが、それが消えたことで見えてくる、遠くで殻に籠った巨大な敵にカイザーブレードの刃を向ける。
白いカラスの怪物。
「白カラス。俺があいつを……倒すんだ」
あしゅら男爵ショボい!!……じゃなくて、マジンカイザーがチート級に強すぎるんですよねww(デビルマン・ゼロの明人くんの強さも既にチート級)
次は美佐樹ちゃんsideの話に戻ります。