※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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黙示録の真実

 バイオレンスジャックは、マンションの愛情会で了やジュンと今までのことの情報を交換し終えた。

 そして、了が身を乗り出して先ほどから気にしていることを聞いた。

 

「ジャック、君に問いたい。君が先ほどから口にする『奴ら』とは、一体何者なんだ?」

 

 バイオレンスジャックは腕を組み、了とジュンを交互に見る。

 

『了かジュン。おまえたちの内どちらかは、前の世界の中で1度だけ、俺たちが共に天界からの使徒と戦ったことを覚えているか?』

「ああ、君と私がミカエル率いる天界からの使者と戦った時のことか。しかし、その後のことは……」

『それは当然のことだろう。俺たちと天界の使徒との戦いは、世界の歴史から無かったことにされたのだからな』

「……何?」

 

 了は目を細め、ジュンは目を見開く。

 

「無かったことにされたって……一体、誰に……」

『おまえたちがよく知り、我々が忌むべき者と言っておこう。それが、奴らだ。俺は奴らにとって、存在してほしくない者なんだよ』

「では、奴らとは……!!」

 

 了は気づいてしまった。そして、それにジャックは静かに頷く。

 

『この悪魔と人間、そしてデビルマンの戦いは単なる前触れに過ぎない。俺たちが本当に戦わなければならない相手に勝つためには、奴らの定める終焉のシナリオを壊す必要がある。そして、今がその最大のチャンスと言っても過言ではない』

「君の言う奴らや天界……おそらく、特異点の暴走など誰も予期できなかった展開だ。それならば、他の世界では起こりえなかった奇跡も、起きる可能性がある……と言う事か?」

『その通りだ、了。俺とおまえが、お互いのことを本当に理解できたが故に出会えたこの世界でなら……俺たちならば、それが起こせる』

「ジャック……」

 

 その時、了は涙を浮かべており、その潤んだ目がとらえたバイオレンスジャックの姿は、前の世界の彼に戻ったように見えた。

 不動明。大魔神サタンが愛した男。そして、サタンが殺した男。

 ずっと、サタンは彼に対して罪悪感を感じていた。

 しかし、今はそれと同時に目の前に居るジャックに対してまた友情を感じている。信頼を抱いている。

 

『了、今度は俺とおまえは対等だ。おまえの言う通りにすれば良いなんて、もう言わせないぜ?』

「ああ、もちろんだ。共に世界を救うために戦おう、友よ」

 

 バイオレンスジャックと大魔神サタンは、熱い握手を交わした。

 ジュンは2人を見て感動の笑みを浮かべていたが、すぐに現実に思考を戻してジャックに問いかける。

 

「それでジャックさん、これから私たちはどうすれば良いのかしら?今のところ、世界の異変に一番敏感なのはあなたのはず。あなただけが……頼りです」

 

 ジャックは目を閉じて唸り、すぐに勢いよく開眼する。

 

『……アモンに、人間にデーモンの存在を一早く知らせ、対策する時間を作らせた。その因果の変化が、マジンカイザーを生み出したのだと考えられる。了、おまえにはある人物に会ってほしい』

「ある人物?それは、俺が知る人間か?」

『おそらくな。しかし、どの世界でも面識はない存在だ。兜十蔵博士とその孫の甲牙。今の対デーモン研究の第一人者。彼らの力無くしては、明人の暴走を止めることはできないだろう』

「甲牙……特異点の1人か。……わかった、任せてくれ」

 

 了は力強く頷き、ジャックは次にジュンを見る。

 

『ジュンは了の護衛にあたってくれ。おそらく、穏便に終われるとは思えない。戦闘になる覚悟はしておいた方が良い。……最悪の場合、逃げることも考慮した方が良いな』

「わかったわ。ジャックさんはどうするんですか?」

『俺は、精神体だからこそできることをする。世界を廻り……デビルマン軍団のアジトを探す』

 

 了とジュンは驚きでソファーから立ち上がり止めようとするが、その前にジャックが片手で制止する。

 

『俺はこの世界のデビルマン軍団のことを知らなければならない、その長であるデビルマン・レクス……白藤隆一のことも。そして、彼のこの世界での役割を見定める必要がある。これは、地獄のことを知る俺にしかできないことだ』

 

 

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 俺は世界を巡った。

 実体はなく、アストラル体として、多くの世界を見た。

 崩壊していく世界を。

 

 記憶だけではなく、実際に目で見ることで抱く感情がある。

 デーモンが殺す人間。

 人間が殺すデーモン。

 デーモンが殺すデーモン。

 そして、人間がデーモンだと思い込んで殺す人間。

 命を奪う行為を、全ての者が生きるために行っている。

 

 死にたくない。殺されたくない。

 そのためには逆に殺すしかない。

 そんな地獄の中で、人類は自滅する形で崩壊していった。

 

 その中で、俺がずっと見ていた人が居た。

 

 牧村美樹。

 美佐樹の前世の少女。

 不動明に愛され、彼を愛していた女。

 

 今、目の前で美樹さんは暴徒によって身に着けている衣類を全て剥ぎ取られ、その彼らの手に握られている刃で切り刻まれ、殺された後に身体を何度も暴徒に犯された。

 

 彼女は傷つけられながら、切り刻まれながら、死ぬ寸前まで何度も明の名前を叫んでいた。

 ずっと、彼に助けを求めていた。 

 

 暴徒の顔は悪魔のそれだった。

 人間のままであるにも関わらず、醜くもおぞましい顔で犯し続けるのだ。

 そして、彼女の身体を八つ裂きにし、勝利の歓声を上げながら生首を挙げている。

 

 目の前で起こる惨劇は、何故起こってしまったのか。

 

 了さんが……人類を憎んでいた頃の大魔神サタンが、メディアを通して無差別合体の偽情報を流し、不動明がデビルマンであることを明かしたからか。

 わからない。

 何時、どうして、何が原因でこの結果になってしまったのか。

 

 黙示録が起こる分岐点。

 それが判明しないことには、世界の結末は変えられない。

 

 世界をもう1度、巻き戻してみる。

 アストラル体だから、時間の概念にとらわれずに先に進めることも戻ることもできるのだ。

 

 了さんによる偽の報道。

 それによって捕まる牧村夫妻。

 家に残される美樹さんと弟。

 彼女たちを殺そうと向かう暴徒たち。

 

「……どうして……おかしいぞ」

 

 人間は悪魔を恐れている。

 だから、その恐れが原因で疑心暗鬼に陥り、過ちを犯し続けた。

 しかし、この状態は変だ。

 

 何故、了さんの情報を疑わなかった?

 何故、彼も悪魔の手先ではないかと思わなかった?

 何故、今までは悪魔特捜隊に任せていた悪魔狩りを自分たちでやろうとした?

 

 悪魔を恐れているはずなのに、どうして自分たちで殺せると思ったんだ?

 

「……そうか。そうだったのか!?これは……美樹さんを殺すことが、黙示録のための引き金になった。人類が滅亡するための引き金。それならば……この暴徒たちの意志は、何者かによってっ……!!」

 

 今まで気づかなかった、気づきえなかった可能性。

 歴史を知るからこそ、見えてくるものがあった。

 

『気づいたようだな、内海明人よ』

 

 頭の中に声が流れ、白い巨大なカラスのアストラル体が目の前に現れる。

 

「この声……まさか、おまえがゼロなのか?」

『そう……私が破壊皇ゼロ。不動明の強大な無念と、サタンの与えた特異点の力によって生み出された存在。内海明人、貴様はこの世界を見て、どう感じた?』

「……何かに操られているように見えた。人間、デーモン、この地球上に居る全ての者が、何者かによって誘導されている。サタンでさえも。……サタン以上に大きな力を持った存在が居る」

『その存在に、貴様はもう気づいているはずだ』

 

 ゼロの言葉に頷き、前の世界全ての記憶を探る。

 

「……人間が生まれる前に、デーモンを守るためにサタンは神を地球から追い出して彼らと共に眠りについた。最初の人間、アダムとイヴを作り出したのは神。そして、デーモンは目覚めると人類を滅亡させようとした。そして、デビルマンとサタンの戦いが終わった後に、天界の使徒がサタンもろとも全てを光に還した。全ては……文字無きシナリオの通りに進んでいたんだ」

 

 宇宙空間に飛び、白く光りだす地球を見て確信を得る。

 

「この黙示録を計画したのは……神だ」

 




遂に世界の真実に気づいた明人。
そして、動き出すジャック、了、ジュン。

物語は、加速する。
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