DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~ 作:カナト
ゼロを行動不能にしたら、次は悪魔どもの襲撃。
やはり、悪魔にとってこのデビルマン・ゼロは重要な存在なんだ。
なおさら、生かしておくわけにはいかない。
しかし、今戦っている紅蓮の鎧の悪魔、勇者アモンが厄介だ。
こいつは今までのデーモンどもとは違う。
勇者と呼ばれるだけはあり、マジンカイザーと互角に渡り合っている。
「魔神の力と対等に戦えるなんて、ただの悪魔じゃないようだな」
『貴様も並みの戦士ではない。しかし、俺を高ぶらせる戦士には程遠い』
アモンは拳に紅いオーラを纏って振るってくるが、それをカイザーブレードの腹で受け止める。
この一瞬のうち目から光子力ビームを発射するが、高く跳躍して回避される。
そして、アモンは手から紅いエネルギー弾を生成して投げてくるのをルストハリケーンで吹き飛ばす。
カイザーブレードの刃と、アモンの拳が何度も激突する。
「おまえはさっき、世界の運命を壊すと言った。悪魔が人間を殺すのは、その目的と関係しているのか?」
『関係していないと言えば、信じるのか?』
「さぁな!!だけど、おまえたちの目的がどうであれ、俺の目的は変わらない」
『おまえの目的とは何だ?』
「決まっているだろ、悪魔どもの根絶だ。俺は一匹残らず、悪魔を狩る!!」
アモンが急に黙り、俺と距離を取る。
そして、指をさしてきた。
『それは人類のためだとでも言うつもりか?それが貴様の信念なのか?』
「そうだ。人類を守るために、悪魔の力を持った者は全員殺す。そうすることが正しいに決まっている!!」
アモンは俺の信念を否定も肯定もせず、ただ鼻で笑った。
『……時に力は、宿主を盲目にするか』
「黙れ!!」
アモンに向かっていけば、奴はただカイザーブレードを避け続け、反撃はしてこない。
「どうした!?かかってこいよ。カイザーの力の前に、臆病風に吹かれたか!?」
『そう思いたければ、そう思うがいい。しかし、俺の役目はもう終わった』
「……何?」
そう言えば、アモンとの戦いに集中して気づかなかったが、俺は今ゼロから大分離れてしまっている。
後ろを振り向けば、白装束を着たセミロングの黒髪の少女が、ビッグバンパンチで開けたゼロの穴に入っていくのが見えた。
「あれは人間……?危ない、そいつから離れるんだ!!」
少女は一瞬こちらを見たが、何か覚悟を決めた表情で穴の中に入って行った。
「何てことをっ……!!」
すぐに彼女を助け出そうとゼロの元に向かうが、アモンが立ちふさがる。
そして、空中からフクロウ頭で翼を広げた悪魔が現れ、奴の隣に並び立つ。
『遅かったじゃねぇか、ガーラ』
<貴様が手間取っていたからだ。サタン様たちは既に行動を開始して時間を稼いでくださっている。我々のやるべきことはわかっているな?>
『ふんっ、言われるまでもねぇ』
アモンとガーラは構えて臨戦態勢に入る。
こいつら、俺を先に行かせないつもりか。
「あの少女もデーモンか?」
<否、彼女は人間だ。我々にとっては、希望の光となる存在>
「デーモンが人間を希望なんて言うとはな……。なら、質問を変える。あの女は、おまえたちの仲間なのか?」
『……もしもそうだったら、どうするつもりだ?』
アモンが低い声で聞いてこれば、俺は拳を握って怒りを露わにする。
「許さない。人類を裏切って悪魔に味方をするなど……許されて良いはずがない!!」
俺はカイザーブレードを再度構え、2体のデーモンに向かっていった。
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15分前。
加藤美佐樹はガーラの背中に乗って上空から地上を眺め、森に居た時は知らなかった世界の惨状を知った。
荒廃した街、命を奪い続ける人間とデーモン。
日本はもう、崩壊している。
「これが……今の世界……?」
<そうだ。内海明人がデビルマンの力を暴走させたがために起こった崩壊だ。多くの者が息絶えただろう>
「そんな……。明人は今、どこに……」
あの白いカラスを捜していると、地上に翼を広げて倒れている。
胴体には穴が開いており、動きそうにない。
「明人!?」
<安心しなさい。デーモンの力を宿している以上、簡単には死なない。再生途中で行動ができないのだろう。今が彼を救える、絶好の機会であることは間違いない>
「ガーラさん……あたしはどうすれば良いんですか?」
<明人のあの姿は、彼の身体が変化したものではない。本体は巨大な身体の中のどこかにある。そなたは鍵だ。彼を見つけ出し、あの中から救い出すのだ>
「……あたしにできるでしょうか?」
<逆だ。そなたにしかできないことであろう。明人と心を通わせた、そなたでなければな。……では、ゼロの近くまで降りるぞ>
「はい!!」
アモンがマジンカイザーを引き付けている内に、ガーラがゼロの近くに着地して美佐樹を下ろす。
<私はアモンと共闘し、そなたが明人を救い出すまでの時間を稼ぐ。加藤美佐樹……明人は私のかけがえのない友だ。彼を……頼む>
「わかりました。必ず、明人を連れて帰ります」
目前の白カラスを見れば、美佐樹の表情は険しくなる。
そして、必ず救い出すという思いを胸に穴の前に立つ。
「明人……今、行くわ」
穴の中に足を踏み入れようとした瞬間、後ろから大声が聞こえてきた。
「危ない、そいつから離れるんだ!!」
青黒い鎧を纏っている者を見て、美佐樹の中で決心が固まる。
(明人は今、危険な存在として恐れられているんだわ。昔みたいに……ううん、それ以上に。そんな彼を救えるのが、あたしだけだと言うなら……!)
真っ暗な穴の中に入り、進んでいく美佐樹。
美佐樹は、明人を救いだすことができるのか。
今、2人の心が試される。
遂にゼロの中に入り、明人を捜しに美佐樹が行く。
さてさて、明人くんを絶望の闇から救うことができるのか。
読者のほとんどの人が望む展開は、あと少し待ってくださいな。
次回、超重要回。